ドリトル先生北海道に行く
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第十幕その二
「山の方にもね」
「いないのかな」
首を傾げさせて言ったのは老馬でした。
「今は」
「いやいや、そう諦めるのはよくないわよ」
ポリネシアは老馬の背中から言います。
「この場でいないからっていうだけでね」
「そうだね、湖の底にいるとかね」
「そういうこともあるわね」
ここで言ったのはチープサイドの家族でした。
「だからね」
「もっとよく見ていよう」
「それに僕達のこれまでの旅は絶対に何かあったから」
チーチーは旅のことからお話しました。
「ここでも何かあるかもね」
「そうそう、本当に何かあるよね」
「僕達の旅って」
オシツオサレツも二つの頭で言います。
「だからだね」
「今回もだね」
「さて、それでどうなるのかな」
首を傾げさせて言う先生でした。
そしてです、先生はさらに皆に言いました。
「それも楽しみに見て回ろう、ただね」
「ただ?」
「ただっていうと?」
「何かあるの?」
「いや、妙に気になるんだ」
先生も言うのでした。
「皆が言う通り僕達の旅は絶対に色々あるからね」
「だからなんだ」
「それでなんだね」
「今回の旅も」
「何かありそうなんだね」
「そうなんだよ、思えばね」
また言う先生でした。
「今回の旅はこれまで平穏だったし」
「そろそろだね」
「何かが起こる」
「先生もそう思うんだ」
「予感ってことかな」
「そう思うんだよね、どうなるのかな」
こんなことも言った先生でした、そして。
この日のお昼はラーメンでした、先生は皆とラーメンを食べつつ言いました。
「北海道のラーメンもね」
「それぞれ違いますね」
トミーもラーメンを食べつつ言います。
「それぞれ」
「地域によって、そしてね」
それにというのです。
「それぞれのお店によってね」
「味がですね」
「違うね」
「そうですね、そして」
それにと言ったトミーでした。
「やっぱり日本のラーメンはいいですね」
「うん、それが結論になるね」
「何度食べてもですね」
「食べたくなるね」
「不思議な食べものですね」
「全くだよ」
先生も言います。
「そこがね」
「ええ、面白いです」
「全くだね」
「麻薬みたいですね」
「ははは、麻薬だね」
「そう思いましたけれど」
「確かにそうかもね」
先生も否定しませんでした。
「ラーメンは病み付きになるからね」
「だからそうも思いました」
「言われてみればそうだね」
その通りと返した先生でした。
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