ドリトル先生北海道に行く
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第九幕その十一
「思い入れが出来たんだ」
「飲む様になって好きになったから」
「それでだよ」
つまり情が出来たというのです、日本酒に対して。
「僕もそう思うんだ」
「そういうことなんだね」
「うん、今はワインを飲んでるけれど」
それでもというのです。
「日本酒にも頑張って欲しいね」
「日本酒ね、僕もね」
王子も今はワインを飲んでいますがそれでもなのでした。
「好きになったしね」
「日本に来てからだね」
「そうなったよ、お米で造るお酒もいいよね」
「麦や葡萄もいいけれどね」
「お米もいいね」
「そうだね、あとこれは日本酒じゃないけれど」
この前置きからお話した先生でした。
「アイヌの人達のお酒もよかったね」
「あのお酒も美味しかったね」
「日本はお酒も美味しい国だよ」
「そして日本酒もだね」
「どのお酒も美味しく飲んでいきたいね」
「そういうことだね」
「うん、日本酒もね」
そちらのお酒もというのでした、そうしたお話をしながらです、先生は北海道の海の幸を小樽の白ワインと一緒に楽しんで。
そしてデザートのです、夕張メロンを食べてでした。
お外の暗い様子を見てです、微笑んで言いました。
「明日だね、クッシーのところに行くのは」
「クッシーさんいるかな」
「会えるかな」
「クッシーに会えたらいいよね」
「そうだね」
動物の皆はクッシーさんに会うことを楽しみにしています。
「本当にいるかどうかわからないけれど」
「本当にいるのならね」
「会いたいね」
「そしてお話をしたいね」
「恐竜じゃなくても」
「まあ恐竜じゃなくても」
先生も言います。
「実際にあの湖にいたら会いたいね」
「先生もそう思うよね」
「クッシーさんに会いたいよね」
「興味あるのね」
「ずっと恐竜や昔鯨に会いたいって思っていたんだ」
先生の密かな願いでした、ずっと。
「その機会があるのなら」
「是非だね」
「お会いしたい」
「そうなんだね」
「うん、だからね」
それでというのです。
「会いたいね」
「それじゃあね」
「明日は屈斜路湖」
「あそこに行こうね」
「そうしよう、じゃあ今日はもう寝ようかな」
夜も深いからというのです。
「そうしようかな」
「あれっ、まだ早いよ」
「けれどもう寝るんだ」
「まだ早いのね」
「そうするんだ」
「うん、明日は早く起きて」
「朝日も見たいしね」
だからというのです、そしてです。
先生は実際にでした、この日は早いうちから寝ました。そして朝日を見ることを楽しみにしながら夢を見ました。皆と楽しくクッシーとお話をする夢を。
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