英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅰ篇)
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外伝~特別模擬戦第一戦 VSロイド&エリィ~
~グラウンド~
「先手必勝よ!―――メルトレイン!!」
先頭開始の号令がかかるとアリサは炎の矢のエネルギーを降り注がせ
「左右に分かれて回避するぞ、エリィ!」
「ええ!」
ロイドとエリィは素早く左右に跳躍して降り注ぐ炎の矢のエネルギーを回避した。
「二の型―――大雪斬!!」
そしてリィンは跳躍してロイドに太刀を叩き込み
「!!クッ……!」
対するロイドはトンファーで太刀を受け止めた!
「リィン、援護するわ!アークス、駆動………!」
アリサはオーブメントを駆動させたが
「―――させない!」
「キャッ……!?」
エリィの2丁拳銃による連射攻撃を受けて怯み
「そこっ!」
「アリサ!」
銃撃の後のサマーソルトキックはアリサと戦術リンクを結んでいたリィンが庇ってエリィの攻撃を自分が代わりに受けると共にガードした。
「エリィ、離れてくれ!」
「!!」
ロイドの忠告を聞いたエリィは後ろに跳躍してリィン達から距離を取り
「そこだっ!!」
「キャッ!?」
「銃ッ!?まさか二つの武器を使うなんて……!」
エリィがリィン達から離れた瞬間ロイドは腰のホルダーに刺してある2丁の銃でクラフト―――ヴァリアブルトリガーを命中させて二人を怯ませると共にアリサのオーブメントの駆動を中断させた。
「エニグマ駆動……!」
「―――させるか!」
オーブメントの駆動を始めたエリィを見たリィンは妨害しようとしたが
「うおおおおお…………っ!」
「なっ!?これはまさか……”螺旋”!?」
「キャッ!?ひ、引き寄せられる……!?」
ロイドのクラフト―――レイジングスピンによって引き寄せられ
「ハアッ!!」
「!!」
「痛っ!?」
追撃の回転攻撃をリィンは太刀でガードし、アリサは攻撃を受けた。
「ハァァァァ……滅!!」
そしてリィンは反撃の為に闘気を溜め込んでクラフト―――業炎撃をロイドに放ち
「……っ!」
対するロイドはトンファーでリィンの強烈な一撃を受け止め
「この……っ!さっきはよくもやってくれたわね……!お返しよ……―――ファイアッ!!」
リィンとロイドが鍔迫り合いの状態になっている間にアリサはクラフト―――フランベルジュをロイドに向けて放ち
「クッ……!」
リィンと離れたロイドはトンファーですかさず防御したが
「二の型―――疾風!!」
「グッ!?」
アリサと戦術リンクを結んでいた影響ですぐに追撃したリィンの電光石火の攻撃を受けて呻き
「そこっ!!」
ロイドの態勢を崩れた瞬間を狙ったアリサはすかさず矢を放って追撃した。
「!!」
「嘘っ!?今のも防ぐの!?」
「これが防御に優れた東方の武器―――”トンファー”の真髄か……!」
しかしすぐさまトンファーで襲い掛かる矢を防御したロイドを見たアリサは驚き、リィンは真剣な表情でロイドの武器を見つめていた。
「空の力よ!―――ダークマター!!」
「キャアッ!?」
「しまった!?もう一人の存在を忘れていた……!」
するとその時オーブメントの駆動を終えたエリィのアーツによってアリサとリィンは重力によって一か所に固められ
「――今だ、エリィ!」
「ええ!」
「はあっ、セイッ、ヤアッ!!」
その瞬間を狙ったロイドはエリィに呼びかけた後トンファーによる衝撃波をリィンとアリサを連続で叩き込んだ後一端下がり、エリィは銃から雷の弾丸を放ち、ロイドは放たれた弾丸と並んで電光石火の速さで突撃した!
「「スター―――ブラスト!!」」
「キャアアアアッ!?ご、ごめん、リィン……」
「グウッ……!?」
ロイドとエリィの協力技――――スターブラストによる強烈な一撃を叩きこまれたアリサは戦闘不能になって地面に跪き、リィンも大ダメージを受けたが戦闘不能にはならず耐えきった。
「(状況は一対二で俺が不利……先に潰すべきは後方からの援護……!)コォォォォォ……ハアッ!!」
ロイドから一端距離を取ったリィンはクラフト―――軽功で身体能力を上昇させ
「五の型―――弧影斬!!」
「キャッ!?」
抜刀による衝撃波をエリィに命中させてエリィを怯ませ
「二の型―――大雪斬!!」
そのまま跳躍して静かなる闘気を纏わせた太刀をエリィに向けて叩きつけようとした。
「させるか!」
「クッ……!」
しかしすぐにロイドがカバーに入ってリィンの太刀をトンファーで受け止め
「お返しよ!雷の魔力よ……我が剣に力を!―――ラインバル!!」
エリィは腰に下げていた鞘からレイピアを素早く抜いて雷の魔力を纏わせた薙ぎ払いをリィンの背中に叩きつけた!
「グウッ!?ま、まさか二人とも遠近両方の武器を扱えるなんて……!?」
背中から雷撃を纏った斬撃を叩きつけられたリィンは雷撃を受けた影響で身体が痺れて怯んだその時!
「うおおおおおおお…………だああああああっ!!」
ロイドが自身の炎の闘志で闘気を爆発して一時的に身体能力を限界突破させるクラフト―――バーニングハートで自身を強化し
「時の結界よ……砕け散れっ!!」
エリィが銃で時間法則を司る結界を具現化して破壊し、味方を加速させるクラフト―――ストライクベルをロイドに放ったその時!
「これで決める! とう! はぁっ! とう! やぁ!」
エリィのクラフトによって加速したロイドがリィンに詰め寄ってトンファーでリィンを空へと打ち上げた後次々と追撃を叩き込み
「気高き女神の息吹よ…………力となりて、我が銃に集え…………」
ロイドがリィンを空へと打ち上げて追撃している間にエリィは銃口にリィンに標準を合わせて魔法陣を展開させた後エネルギーを溜め込み
「ライジング、サァ―――――ンッ!!」
ロイドは闘気によって発生した竜の頭の部分をその身に纏ってリィンに突撃し
「エアリアル―――カノンッ!!」
エリィは溜め終えたエネルギーをリィンに向けて放った!
「グアアアアアアッ!?ここまでか…………」
ロイドのSクラフト―――ライジングサンとエリィのSクラフト―――エアリアルカノンをまともに受けてしまったリィンは地面に叩きつけられると戦闘不能になり、地面に跪いた!
「―――そこまで!勝者、ロイド&エリィ!」
リィンが戦闘不能になるとサラ教官は戦闘終了の号令をかけた。
「ごめんなさい、リィン……先に倒れちゃって……」
「いや……俺もカバーが遅れてしまったし、二人がそれぞれ身につけている銃やレイピアに注意しなかった俺のミスだ……」
申し訳なさそうな表情のアリサに謝罪されたリィンは重々しい様子を纏って答え
「フウ……何とか勝てたな。」
「ええ……かなり手強かったわね……」
ロイドとエリィは安堵の表情で溜息を吐いた。
「お二人ともお見事です。」
「さすがは俺達のリーダーだな!」
戦いを見守っていたティオは静かな笑みを浮かべ、ランディは笑顔になり
「お、お兄様達が負けてしまいましたね……」
「ふ、二人とも大丈夫!?」
「僕達の中ではコンビネーションがラウラとフィーの次くらいに凄い二人が負けるなんて……」
「フム……トンファーの使い手は初めて見たが、まさかこれほどまでに防御に優れているとは。」
「協力技も使うタイミングも絶妙だね。さすがはあの”教団”や”キリングベア”がいるルバーチェを相手にしただけはあるね。」
セレーネは呆け、エリオットは慌て、マキアスは驚き、ラウラは興味ありげな表情でロイドを見つめ、フィーは感心した様子でロイドとエリィを見つめていた。
「―――次はティオ!お前の番だ!」
「――わかりました。」
そしてリィン達とロイド達がそれぞれ互いの場所に戻った後ヴァイスに名指しされたティオは静かな表情で頷き
「こっちはガイウス、エリオット、エマ!あんた達よ!」
「――承知。」
「ええっ!?」
「一人に対して私達3人で挑むんですか……?」
サラ教官に名指しされたガイウスは頷き、エリオットは驚き、エマは戸惑いの表情でティオを見つめていた。
「フフ、その娘はプリネ達と一緒に”影の国”での修羅場を体験しているから、見た目とは裏腹にとんでもない強さを持っているわよ?」
「あー、そう言えばティオ・プラトーは”影の国”に巻き込まれたんだっけー。」
「ええっ!?」
「ほう……どうやら見た目とは裏腹に相当の経験を積んでいるようだな。」
サラ教官の話を聞いてある事を思い出したミリアムは思い出し、リィンは驚き、ユーシスは興味ありげな表情でティオを見つめ
「フッ、妥当な判断だな。」
「むしろ、今のティオちゃん相手だとあの3人でも厳しいと思うのですが……」
「た、確かにそうよね……」
レーヴェは静かな笑みを浮かべ、ツーヤとプリネは苦笑していた。
「……あの、ヴァイスさん。3人も相手にするなんて聞いていませんよ?」
その時ティオはジト目でヴァイスを見つめ
「”今のお前”なら本気を出せばその3人相手なら楽に制圧できると思うぞ?それに事前に貰っていた資料ではそこの紅毛の少年と眼鏡のお嬢さんはラインフォルトグループがエプスタイン財団と共同で開発している”魔導杖”使いだから、データ収集にもちょうどいいと思うが?」
「なるほど、あの二人が…………仕方ありませんね。」
ヴァイスの説明を聞いてエリオットとエマを見つめた後溜息を吐いて魔導杖を取り出した。
「ええっ!?あ、あれは……!」
「私達と同じ”魔導杖”ですけど、形状が僅かに違うような……?」
ティオが取り出した魔導杖を見たエリオットは驚き、エマは戸惑い
「ちなみにその娘が使っている魔導杖はエプスタイン財団が開発した初期タイプでね。二人が使っている魔導杖はいわばその娘が使っている魔導杖のデータを元に作られた凡用型だから、その娘は二人にとって”先輩”になるのよ?」
「そ、そうなんですか……」
「ほ~……そんじゃあいっちょ”先輩”に”後輩”の力を見せつけてやれ、エリオット、委員長!」
サラ教官の説明を聞いたエマは驚き、クロウは興味ありげな表情をした後笑顔で言い
「ううっ、そんな無茶言わないで下さいよ……でも、さすがにあんな小さな女の子相手に3人で戦うのは大人気ない気がするよね……」
エリオットは疲れた表情で答えた後苦笑しながらティオを見つめた。
「むっ……―――少なくとも性別を間違えて産まれてきたとしか思えない男性にそんな事を言われる筋合いはありませんが。」
「ええっ!?ぼ、僕は正真正銘男だよ!?」
「ティ、ティオちゃん。」
「まあ、ティオすけの言う事も一理あるな。」
「あのな……二人とも本人を目の前で何て事を言っているんだよ……」
しかしジト目になったティオの毒舌にエリオットは驚いた慌てた様子で反論し、エリィは冷や汗をかき、ランディは口元に笑みを浮かべ、ロイドは呆れた表情をした。
「た、確かに言われてみればそうよね……」
「エリオットの容姿なら女装しても全く違和感はないな。」
「そだね。」
「ちょっと!?3人共なんてことを言っているの!?」
冷や汗をかいて納得したアリサと、静かな笑みを浮かべるユーシスの意見に頷いたフィーの答えを聞いたエリオットは驚きの表情で指摘した。そしてティオとガイウス達はそれぞれ対峙して武器を構えた。
「さすがに”今の状態”で前衛も無しで3人も相手をするのはちょっと厳しいので、ヴァイスさんの要望通り”本気”を出させてもらいます――――ハアッ!!―――覚悟はいいですか?」
ガイウス達と対峙したティオは内に秘めたる力を解放し、膨大な瘴気と魔力をさらけ出すと共に銀髪と紅の瞳の姿―――”魔人化”し、エリオット達を静かな表情で見つめた!
「ヒッ……!?」
「これは……!」
「…………!なんて霊圧……!」
変貌したティオを見たエリオットは悲鳴を上げ、ガイウスとエマは驚いた。
「なっ!?あれは……!」
「リィンが以前レグラムで見せてくれた”獣”のような”力”を解放した時の姿に似ているが……」
「ですがあの時のお兄様と違って、理性もありますよね……?」
「へえ?最上位魔族クラスの力はあるね?キャハッ♪」
ティオの姿を見たリィンは驚き、ラウラは真剣な表情になり、セレーネは戸惑いの表情で見守り、エヴリーヌは興味ありげな表情でティオを見つめていた。
「(あれが資料にあった”教団”の”儀式”や”グノーシス”によってあの娘に付与された”力”ね……まさか本当にあのヨアヒム・ギュンターのように使いこなせるなんて、正直驚いたわ……けどまあ、あの子達にとってはいい経験になるでしょうね。)……………―――双方、構え!」
変貌したティオの姿を真剣な表情で見つめていたサラ教官が声をかけると互いに武器を構え
「―――第2戦、始め!」
そしてサラ教官の号令によってガイウス達は”魔人化”したティオとの戦闘を開始した!
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