英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅰ篇)
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第82話
7月26日、夏至祭当日――――
夏至祭当日、リィン達は巡回をしてサラ教官に報告し、サラ教官の指示によってアルフィン皇女達が向かうマーテル公園に向かい始めた頃にはアルフィン皇女、セドリック皇子、オリヴァルト皇子をそれぞれ乗せたリムジンが王宮から出発し、それぞれの目的地に向かっていた。
~車内~
「ふふっ、たまにこうして皆の前に出るのもいいわね。どうせだったらエリスも着飾って一緒にデビューできたらいいのに。」
エリスと共にリムジン車内の席に座っているアルフィン皇女はエリスに微笑んだ。
「ふう……無茶を言わないで下さい。親しくしてくださっているとはいえ、所詮は男爵位の家格……それも今では”裏切り者”として忌み嫌われている他国の貴族……姫様と並んで波風を立てるなどあってはならぬ事かと思います。第一、他国の場でそのような事をすれば、メンフィル帝国の皇族や貴族の方々が黙っていません。」
アルフィン皇女の言葉に疲れた表情で溜息を吐いたエリスは指摘した。
「古いわね~、政府や帝都庁に平民出身のトップがいる時代に。それに昨日会ったリフィア殿下を見る限り、そのような些細な事を気にする方には見えなかったわよ。あ、ひょっとしてお兄さんを踊りのパートナーに誘った事、まだ怒っているとか?ふふっ、来年本当にダンスの相手をお願いしちゃおうかしら?」
「も、もう……姫様、しつこいです!」
本気で考え込む動作をしているアルフィン皇女の様子を見たエリスは怒気を纏ってアルフィン皇女から視線を逸らした。
「うそうそ、許してエリス。ふふっ……でも良かったじゃない?リィンさん、あの様子だとまだ恋人はいなさそうだし。」
エリスの様子を見たアルフィン皇女は慌てて言い訳をした後ウインクをし
「………………(まあ、私と兄様が結婚する事は”決定事項”なんですけどね。)」
ウインクをされたエリスはリィンと結ばれた夜を思い出し、頬を赤らめて自然と静かな笑みを浮かべた。
「ふふ、周りが素敵な方ばかりだから油断してると危ないと思うけど。」
「…………そうですね。でも…………兄様の性格なら……私達の………を奉げられた……に……責任……るでしょうし、その心配は……用……けどね。」
「エリス……?」
自分の言葉に頷いた後嬉しそうな表情で小声で呟いたエリスの様子を不思議に思ったアルフィン皇女は尋ねたが
「フフ、何でもありません。ほら姫様、市民の方々がご挨拶を期待されていますよ。」
エリスは笑顔を浮かべて答えを誤魔化した。その後皇族を乗せたリムジンはそれぞれの目的地に到着し、アルフィン皇女はエリスと共に”クリスタルガーデン”に向かい、レーグニッツ知事の案内によってクリスタルガーデンの中へと入って行った。
~マーテル公園~
「エリス……皇女殿下のお付きとして来ていたのか。」
遠目でアルフィン皇女達がクリスタルガーデンに入って行く様子を見守っていたリィンは口元に笑みを浮かべた。
「ふふっ、よっぽど姫様から信頼されてるんだね。」
「……しかし皇女様、さすがのオーラかも。」
「うん、さすが皇族の象徴たる”紅”の衣装がお似合いだな。
フィーの意見にラウラは頷き
「ええ……わたくしもいつかアルフィン皇女殿下のような淑女にならないと……!」
「ふふ、セレーネならいつかきっと、なれるわよ。」
決意の表情をしているセレーネをツーヤは微笑ましそうに見守り
「むむ、パトリックのヤツがちょっと羨ましくなってきたぞ。」
マキアスは若干悔しそうな表情をした。
「よし―――ここは大丈夫だ。手早くランチを取って各街区の巡回を再開しよう。」
「ん。」
「お昼過ぎにはリウイ陛下達を乗せた”モルテニア”が空港に到着しますから、気を引き締め直して巡回しましょう。」
リウイの提案にフィーとツーヤはそれぞれ頷き
「うーん、このまま何事もなく終わるといいんだけど……」
「ええ……」
考え込みながら呟いたエリオットの言葉にセレーネは不安そうな表情で頷いた。
その後昼食を取ったリィン達は再び巡回を再開したが特に何も起こらず、一端通行規制されていたドライケルス広場に向かって再び巡回すると意外な人物達を見つけた。
同日、14:40―――
~ガルニエ地区・ドライケルス広場~
「トワ会長……!アンゼリカ先輩も……」
リィンは驚きの表情でトワとアンゼリカに近づいた。
「あ~っ、リィン君たちだ!」
「おっと……これは奇遇じゃないか。」
「ハーシェル生徒会長……」
「アンゼリカ先輩も……珍しい場所でお会いする。」
「フッ、これも女神の巡り合わせというものだね。ラウラ君、フィー君とツーヤ君もよかったら私と一緒に―――ん?そちらの少女は何者かな?」
セレーネに気付いたアンゼリカは目を丸くしてセレーネを見つめた。
「その娘はセレーネ。あたしの妹で、ちょっと理由があって一緒に行動しているんです。」
「セレーネ・アルフヘイムと申します。以後お見知り置きをお願いします。」
「わ~、ツーヤちゃんの妹なんだ。フフ、確かによく見たらツーヤちゃんに似て可愛いね。」
「………………………」
ツーヤに促されて自己紹介をするセレーネの様子をトワは微笑ましく見守り、アンゼリカは呆けた表情でセレーネを見つめ
「―――セレーネ君、だったね?是非とも!今から私と一緒に帝都巡りをしようじゃないか!」
目の色を変えてセレーネを見つめて言った。
「え、えっと…………す、すみません。ツーヤお姉達と一緒に帝都を回っていますので。」
「勿論、あたし達は用事がありますので、アンゼリカ先輩の誘いはこの場で断らせて頂きます。」
「ガックシ…………」
しかしセレーネとツーヤの答えを聞き、心底残念そうな表情で肩を落とした。
(先輩も懲りないな……)
(あはは……噂どおりの人みたいだね。)
アンゼリカの様子を見たリィンは呆れ、エリオットは苦笑していた。
「そういえば、導力バイクでトリスタから来たんですか?」
その時リィンは二人の背後にある導力バイクに気付いて尋ねた。
「ああ、そいつを使えば40分くらいで着くからね。トワを後ろに乗せてきたわけさ。」
「ふむ……機械の馬みたいなものですか。」
「なんかカッコイイ。」
アンゼリカの説明を聞いたラウラとフィーは興味ありげな表情で導力バイクを見つめた。
「あはは、アンちゃんの運転、激しいから大変だったけど。は~、でもお祭りはいいよね~。これでテロリストの心配がなければ言うことはないんだろうけど……」
「ど、どうしてそれを―――」
「もしかしてサラ教官から何か聞いたんですか?」
トワがテロリストの存在を知っている事にマキアスは驚き、ツーヤは真剣な表情で尋ねた。
「うん、君達の実習に関してはわたしも少しお手伝いしてて……昨日も、知事さんからの要請を教官に取り次いだんだよね~。それで、ちょっと心配になってアンちゃんと見に来たんだけど。」
「そうだったんですか……」
「何やら見えないところでお世話になっているようですね。」
「感謝。」
「えへへ、別に大したことはやってないんだけど……」
リィン達に尊敬の眼差しで見つめられたトワは恥ずかしそうな表情で答えた。
「おや、細かい手続きや書類作成も手伝っているんじゃなかったかい?サボリがちなサラ教官に代わって各方面への連絡もしているそうだし。」
「そ、そうなんですか!?」
「教官……ちょっとは見直したと思ったんだが……」
「うーん、さすがにちょっとサボリすぎかもね。」
「というかレーヴェさんも何で手伝わないんですか……」
トワの話を聞いたリィンは驚き、マキアスは呆れ、エリオットは苦笑し、ツーヤは疲れた表情をした。
「ま、まあまあ。教官達だって忙しいんだし。それにしても、リィン君たち、皇女様と会ったんだよね~?いいなぁ、わたしも一目でいいから見たかったんだけど……」
「はは……俺達も驚きましたけど。」
「たしかに噂どおり”天使みたい”だったかも。」
(アルフィン皇女と同じ”天使”で呼ばれているレンさんとは随分違いますけどね……)
トワに羨ましがられたリィンは苦笑し、フィーは自分の感想を口にし、ツーヤはレンとアルフィン皇女を比べて苦笑していた。
「は~、いいないいなぁ。」
「フッ、皇女殿下の愛らしさは帝国の至宝といってもいいが……リィン君の妹さん達も素晴らしい素質を持っていたね。エリゼ君とエリス君だったか……またお目にかかりたいものだよ。」
「ああ、エリスだったらちょうど殿下の付き人として園遊会に出席している所ですね。エリゼはリフィア殿下の専属侍女長として、この後控えている園遊会にリウイ陛下やリフィア殿下達と共に出席すると思います。」
「ほ、本当かい!?むむ、皇女殿下にエリゼ君とエリス君、それにフィー君とセレーネ君を加えたら……究極15s(フィフティーンズ)の出来上がりじゃないかっ!」
リィンの話を聞いたアンゼリカは血相を変えて大声で叫んだ!
「なんか参加させられてるよ?」
「悪い気はしないかも。」
「フフ、セレーネはどうなの?」
「えっと……皆さんの中に入るなんて、光栄です。」
エリオットに指摘されたフィーは口元に笑みを浮かべ、苦笑するツーヤに見つめられたセレーネは微笑んだ。
「くっ、こんなことなら父上の言いつけに従って園遊会に出席しておけば……いや、さすがに麗人たる私がドレスを着るわけには……しまった、それならタキシードを着て行けばよかったじゃないかっ!」
一方アンゼリカは真剣な表情で悩みぬいた後ある結論を出して心底悔しそうな表情で拳を打ち付けた。
「アンちゃん、どうどう。」
そしてその様子を見たトワに諌められている様子をリィン達は冷や汗をかいて見守っていた。
「なんだなんだ、揃い踏みかよ~?」
「クロウ先輩………」
「あれ~、クロウ君?」
「なんだ、君も来てたのか。」
するとその時クロウがリィン達に近づいてきた。
「フン、まーな。」
「そう言えば”夏至賞”に行くとか言ってましたけど。」
「メインレースの結果はどうだったんですか?」
「聞いてくれるな……まさかあそこでブラックプリンスが来るなんて誰が予想できんだよ……しかもランバーブリッツが2番手に差し込んでくるなんて大番狂わせもいいとこだぜ……」
エリオットとマキアスに尋ねられたクロウは悔しそうな表情で答えた。
「ああ、4-5で当たりか。わざわざ懸賞ハガキを出した甲斐があったみたいだな。」
「って、しれっと特賞を当ててんじゃねーよっ!?もうヤダこのオンナ……」
そして何事もないかのように答えたアンゼリカの話を聞いたクロウは信じられない表情で声を上げた後肩を落とした。
「フッ、これも日頃の行いの差というものだろう。」
「あはは、アンちゃん異様にクジ運とか強いからねぇ。」
肩を落としたクロウの様子をアンゼリカは静かな笑みを浮かべて見つめ、トワは苦笑し、リィン達が冷や汗をかいて見守っていると鐘の音が聞こえて来た。
「3時の鐘だね。」
「そろそろ各地の行事も終わるくらいの時間かな?」
「それに”モルテニア”もそろそろ到着する頃ですが……――――!どうやら来たようですね。」
「え…………」
ツーヤの言葉を聞いたリィンが呆けて、ツーヤや仲間達と共に空を見上げると巨大な戦艦が帝都の空港に近づき、着陸しようとしていた。
同日、15:00―――
~ガルニエ地区・ドライケルス広場~
「ふ、ふええええ~っ!?」
「凄く大きな船ですね……」
「………………」
「オリヴァルト皇子のリベールからの帰還の時にも見たけど、やっぱりこうして近くで見ると怖いよね……」
巨大な飛行戦艦―――”モルテニア”に圧倒されたトワとセレーネは驚き、リィンは口をパクパクさせ、エリオットは不安そうな表情をし
「な、何なんだ、あれはっ!?もしかしてあれがメンフィル皇室専用の船なのか!?」
マキアスは信じられない表情でツーヤに尋ねた。
「いえ、”モルテニア”は皇室専用ではなく、大規模戦闘用に作られた”戦艦”です。」
「おいおいおい……あんなデカブツまで持っているとかメンフィルはどこまでチートなんだよ……」
「……あの規模の戦艦だと数時間あれば、帝都を灰燼と化す事も可能だろうね。」
「あれが”ゼムリア大陸真の覇者”と謳われているメンフィル帝国の”力”の一端、か………………」
ツーヤの説明を聞いたクロウは表情を引き攣らせ、フィーは真剣な表情で”モルテニア”を見つめて推測し、ラウラは真剣な表情で”モルテニア”を見つめて呟いた。するとその時巡回していた近衛兵が慌てた様子で噴水に近づいた。
「……っ!?」
「…………………」
その様子を見ていたリィンとフィーは厳しい表情になり
(お姉様……水の流れが……)
(うん……どうやら何者かの仕業みたい……)
何かの違和感を感じたセレーネに視線を向けられたツーヤは真剣な表情で頷き
「あれ、どうしたの?」
エリオットは不思議そうな表情で首を傾げた。すると噴水の水がどんどん広がり、地面に流れ始めた!
「……これは……」
「ふむ、何かの圧力が高まっているような……」
「ああ、こいつは……」
そして噴水の様子を見たラウラやアンゼリカ、クロウが警戒したその時、噴水から水が思い切り吹き上がった!
「!?」
「こ、これって……」
「夏至祭の余興……!?」
「いや―――――」
更に少しすると地面が揺れ、マンホールがある部分から次々と水が吹き上がった!
「くっ……!」
「テロリストの仕掛け―――!」
「うん、そうみたいだねっ。アンちゃん、クロウ君!みんなの避難誘導を手伝って!憲兵さんたちも混乱してるみたいだから!」
「ああ!」
「合点承知だぜ!」
状況を判断したトワの号令に力強く頷いたアンゼリカとクロウは分散して避難誘導を開始した!
「会長、俺達も……!」
「ここはわたしたちに任せてリィン君達は動いて!君達にしか出来ない事がきっとあるはずだよ!」
「俺達にしかできないこと……」
「それって……」
トワに言われたリィンは瞬時にクリスタルガーデンにいるはずのアルフィン皇女とエリスを思い出した。
「……!」
「マーテル公園……!」
「まさか……陽動か!?」
「間違いなさそう。」
そしてリィン達が”敵”の狙いに気付いたその時、魔獣がマンホールから現れた!
「なっ!?」
「ま、街中に魔獣だと!?」
魔獣を見たリィンとマキアスが驚いたその時、建物から出て来たある人物達が走って出て来て魔獣に向かい
「せいっ!!」
「ハッ!」
「えいっ!」
「斬!!」
「滅!!」
建物から出て来た人物達―――エステルが棒で、ヨシュアは双剣で、ミントは長剣で、メティサーナは大鎌で、フェミリンスは槍で魔獣達を次々と滅し
「沙綾―――紅燐剣!!」
夕焼け色の髪と青の瞳を持ち、女性に見間違うような美しい容姿を持つ青年が空高くへと跳躍し、跳躍しながら剣に溜め込んだ闘気を真空の刃と化して解き放ち、解き放たれた刃は憲兵や市民達に命中せず、地区にいる魔獣全てに向かい、刃に命中した魔獣達全ては滅された!
「す、凄い……」
「………………!その紋章……そなたたちはまさか――――」
エステル達の手際の良さにエリオットは驚き、青年の剣技に見惚れた後エステル達の服に付けられてある”支える籠手”の紋章に気付いたラウラは目を見開き
「エ、エステルさん!?それにヨシュアさんやミントさん、メティサーナさんとフェミリンスさんまで……!」
マキアスは信じられない表情で声を上げた。
「あれ?リィン君達じゃない!」
「ツーヤちゃん、また会えたね♪」
リィン達に気付いたエステルは目を丸くし、ミントは嬉しそうな表情をし
「フフ、こんな所で会えるなんて奇遇だね……って、ええっ!?な、何でクロスベルにいるはずのセリカさんが帝都にいるんですか!?」
ツーヤは微笑んだ後青年――――異世界ディル・リフィーナでは”禁忌”の存在である”神殺しセリカ・シルフィル”に気付いて信じられない表情で声を上げた。
「エステルがクロスベルでいつも頑張っている”お礼”で、夏至祭に誘ったんだよ……」
「ハア……”神殺し”を祭りに誘うエステルにも問題はありますけど、のこのこと誘いに乗って帝都に来る”神殺し”にも問題がありますわ。」
(ハアッ!?って事は本当に本物の”神殺し”!?な、何でこんな所に……!)
ヨシュアは苦笑しながら説明し、フェミリンスは呆れた表情で溜息を吐き、フェミリンスの言葉を聞いたベルフェゴールは信じられない表情をし
「……メティをそろそろ回収しようと思っていたから、ちょうどよかっただけだ。……まあ、まさか早速揉め事に巻き込まれるとは思わなかったが。」
(ククク、行く先々で揉め事に巻き込まれるとはエステル嬢ちゃんか、セリカの宿命か、どっちなのかの?)
セリカは呆れた表情で説明し、セリカの愛剣”ラクスハイシェラ”に宿る魔神にしてセリカの永遠の好敵手にしてセリカの盟友――――”地の魔神”ハイシェラは口元に笑みを浮かべていた。
「―――!ご主人様!エステル!また来たぞ!」
その時何かに気付いたメティサーナが後ろへと振り返ると今度は人形兵器の大軍が現れた!
「な、何なんだ、あれはっ!?」
「傀儡の類のようだが……」
「……あんな物まであるなんて、テロリストのバックには相当な大物がいるね。」
人形兵器を見たマキアスは驚き、ラウラとフィーは厳しい表情をした。
「ヨシュア、ミント、フェミリンス!」
「うん!」
「はーい!」
「ええ!」
「一瞬で片付けるぞ、メティ!」
「任せろ!」
一方エステル達は再び武器を構えて人形兵器の軍団に突撃し
「そこだっ!!」
ヨシュアは一瞬で人形兵器に斬撃を叩き込んだ後下がり
「はぁぁぁぁぁ………!!」
エステルは棒で凄まじい連打を浴びせた後下がり
「えーいっ!!」
ミントは人形兵器達の目の前で長剣を地面に叩きつけ、大地を揺るがす程の凄まじい衝撃波を発生させて、人形兵器達を舞い上がらせた後エステルと共に跳躍し、エステルは鳳凰の姿に、ミントは竜の姿になり、そしてヨシュアは写し身を数体作った後、3人はそれぞれ同時に突撃した!
「「「究極奥義!太極烈波――――ッ!!」」」
3人が人形兵器達に突撃すると人形兵器達の全身はズタズタに切り裂かれ、さらに人形兵器達の中心地で超越した大爆発が起こり、人形兵器達を塵も残さず消滅させた!
「我が奥義!受けて見なさい!」
一方フェミリンスは槍で残りの魔獣達に目にも止まらぬ早さで舞うかのような動作で乱舞攻撃を行い、そして一端下がって槍を横に構えて凄まじい魔力や神力、闘気を溜めこみ
「神技!姫神乱舞!!」
強烈な薙ぎ払いを放った!フェミリンスが放った最後の一撃を受けた人形兵器達は身体を真っ二つにされ、さらに人形兵器達の中心で起こった光の超越した大爆発に巻き込まれ、塵も残さず消滅した!
「我が大鎌によって裁かれるがよい!とぉぉぉりゃああああああっ!!」
メティサーナはSクラフト――――魂ヲ切リ離ス鎌斬で多くの人形兵器達を真っ二つにして滅し
「奥義!飛燕――――――」
セリカは残りの人形兵器達に向かって神速で飛び込んで一瞬で無数の斬撃を叩き込み
「姫神恍舞!!」
そしてセリカが人形兵器達の背後に立つと、無数の斬撃を受けた人形兵器達は微塵切りにされた!
「……………………」
「ふえええ~っ、さすが遊撃士さんだね~。」
「な、何あれ!?遊撃士って、みんなあんな凄い強さなの……!?」
エステル達の圧倒的な攻撃を見たラウラとトワは呆け、エリオットは信じられない表情をし
「あ、相変わらず非常識としか思えない強さだな……」
「ん。というかあのセリカとかいう名前の剣士、”ブレイサーロード”達すら比べものにならないとんでもない強さだね。」
冷や汗をかいて表情を引き攣らせたマキアスの言葉にフィーは頷いた後セリカを見つめ
「お姉様の知り合いって、凄い方ばかりなんですね!」
「え、え~と……気付けば、そうなっていたんだよね……アハハ……」
目を輝かせるセレーネに見つめられたツーヤは苦笑した。
「エステルさん!市民達の避難誘導などは任せても大丈夫ですか!?」
「うん、任せて!こういう事に関してはあたし達の得意分野だから!だから君達は君達のやるべき事をやって!」
「ん。」
「承知……!」
リィンに言われたエステルは力強く頷き、エステルの言葉にフィーとラウラは頷き
「あ、あの……!わたしも手伝わさせて下さい……!」
トワが真剣な表情でエステルを見つめて申し出た。
「へっ!?」
「見た所どこかの学生のようだけど……もしかしてリィン達の?」
トワの申し出にエステルは驚き、ヨシュアは目を丸くした後リィン達を見つめた。
「はい。トワ会長は生徒会長を務めている関係で指示や判断なども的確にできますし、サラ教官に代わって各方面への連絡もしていたそうですから、きっとエステルさん達のお役に立てると思います。」
「……わかったわ!トワちゃんだったわね?サラさんへの連絡や情報交換も頼みたいから、一緒に来て!」
「はい!」
「セリカとメティは協力して帝都中にいる魔獣や人形兵器の排除をお願い!後、市民達が襲われたら最優先で助けてあげて!」
「ああ。」
「うむ!今こそ弱き者を守る”天使”としての底力、見せてやろう!」
「それじゃあみんな―――行くわよっ!!」
「おおっ!!」
そしてエステルは次々に指示をした後ヨシュア達やトワと共に行動を開始し
「俺達も急ぐぞ!」
「ああ……!」
エステルに続くようにリィンも号令をかけて仲間達と共に”マーテル公園”へ急行した…………!
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