世界をめぐる、銀白の翼
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
涼宮ハルヒの憂鬱 ~ワンダー ヒューマン~
「オリャァ!」
ドカッ
パァンン
朝倉コピーとの戦いが始まって二分。
やっと三体目を倒したオレは古泉と長門に向かって叫んだ
「やられるとこいつら弾け飛ぶぞ!しかもグジグジしてまた復活しやがる!」
「はぁ!それはっ!わかってますっ、が!」
古泉が赤い球体を飛ばしながら、所々で息を吐きながらかえしてくる。
長門は無言で向かって来る奴らから薙ぎ払っている。
「それ無理。」「それ無理。」「それ無理。」「それ無理。」「それ無理。」「それ無理。」「それ無理。」「それ無理。」「それ無理。」「それ無理。」「それ無理。」
『『『死んでよキョンくぅ~ん・・・・・』』』
「怖えええええええええええええ!!!!!!!!っを!危ないからそれ貸しなさい!ひいいいいいいいいいええええええ!!!!怖い怖い!!・・・・・っと、超変身!」
バシッと朝倉コピーの持っているナイフを奪い、タイタンフォームに超変身する。
ナイフは瞬時にタイタンソードになって、敵を次々となぎ払うが――――
「きりがねぇ、そのうちに身がもたなくなる!」
「どうすれば、はぁっ!いいですか!?」
「これらは再生の際、他の個体に頼っている。すべてを一度に殲滅するのが突破口」
一度に殲滅?
「古泉!できそうか?」
「僕、ふっ!にはできません!」
「長門さんは?」
「妨害があるために実行不可」
「蒔風さん。ふんっ!できませんか?」
「できるけどどうせならクウガで倒したい!」
「そんな理由ですか!?」
そうして、ないかな~と考えると・・・あ
「あ、あったよ。殲滅技」
「本当ですか!っふ!!」
「長門さん!3キロ四方を吹き飛ばしてもこの空間は大丈夫か?あと堪えられるバリアは張れます?」
「バリアは可能。あと、この空間は物理的な方法での破壊は不可能」
「ならいけるな。じゃあ、頼みますよ!」
「(コクン)」
ブォン
長門と古泉がキョンと朝比奈さんがいるバリアに入るのを確認した蒔風。
そして、攻撃準備に入る。
「いくぜ!ハアァァァ・・・ライジング!」
フォームをマイティに戻し、更にライジングマイティに強化した。
手の甲には「雷」を意味するリント文字。
右足にはプレートが装着され、装甲の淵に黄金のラインが走った。
「オォリャァァァァァ!!!」
ドッ、グアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・
ライジングマイティキック。
その必殺のキックが二、三人で固まっている朝倉コピーに命中し、その爆発で3キロ四方が巻き込まれた。
朝倉コピーは復活する間もなく焼き払われ。一人残らず消滅されていく。
と、術者がいなくなったためか、それと同時に異空間も消えていた。
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「ふぅふぅ・・・・はぁ・・・・これが、「奴」の力ですか・・・・」
「古泉。大丈夫か?」
「大丈夫ですよ。しかし敵が細かい分、神人より厄介でした」
「まあ、今日はこの程度だろうよ。後は明日ってところかな」
「そういえば、蒔風はどこ住んでんだ?いざという時に知っておきたい」
「オレとしては一緒に泊まってくれたほうが楽なんだがな」
「何が悲しくて野郎で固まらなきゃならんのだ。で、どこだ?」
「駅近くのマンションだ」
「そのマンションってさ・・・・あそこか??」
「んー、そう、だね」
「な、何号室だ??」
「あん?505号室」
「そこ、朝倉が住んでた部屋だぞ。ちなみに、長門が同じマンションに住んでる」
「・・・・・・・・・・キョン!うち泊まれよ!安全だぜ!!?」
「馬鹿野郎!余計に気が滅入ったわ!!」
「なんか事件後のアパートに住んでる気分でいやじゃんかよ。それに一人はさびしい!!!」
「男に言われてもなんも思わんわ!!」
「しかし、確かにそれが合理的なのは確かです。今日はいいとして、明日からどうするのですか??」
「う・・・・」
「「奴」は寝ている間にお前をズシュッ!!とやってそれで終わりだぜ?」
「だけどハルヒにばれたら・・・」
「それは僕のほうで手をまわしておきます。緊急事態ですからね。機関も動くでしょう」
「世界云々の話を信じてくれる人たちかいのう?」
「そう言わなくても、涼宮さん関連で動いている組織は同じように彼のことも気にかけています。新参の名も知れぬ組織が早とちりして暴走したことにします」
「あっ。わたしそのままのこと報告しちゃいましたぁ。大丈夫でしょうか?」
「大丈夫ですよ、朝比奈さん。貴方の上司は・・・・多分知ってますから」
「ふえっ?キョンくん、わたしの上司を知ってるんですか?」
「ん!?いやあ。朝比奈さんの上司ならそうかなって思ったくらいですよ。ははは」
「・・・・?ちょっと待ってください。朝比奈さん、未来とは今まで通り通信できるのですか?」
「えっ?はい、できますけど・・・なにかいけなかったですかぁ??」
「いえ、そういうわけではなく。もし「奴」に世界を破壊されているとすれば、当然、未来もなし崩し的になくなります。しかし朝比奈さんは未来と交信できる。つまり「奴」はこの世界を壊せなかった、ということになりませんか?いえ、もっと言ってしまえば、僕たちがどのように動いたかを教えてもらえば・・・・」
「そりゃ無理だ古泉。オレと「奴」はこの世界において完全にイレギュラーなんだ。この「物語」に本来存在しないキャラクターなんだよ。だから俺たちは涼宮ハルヒに関係がないんだ。現れるべくして現れるなら、関係してないとおかしいだろ?つまり、この世界の未来も、俺たちのことを知らない。「未来」もひっくるめて、「この世界」だからな」
「そうですか・・・・」
「おいおい。だから勝手に納得するなよ!!肝心の俺が置いてけぼりじゃないか!」
「説明しだしたらきりがないし、お前はこの世界の構造を知りたいわけじゃないだろ?」
「そこまでは・・・」
「だからお前が知ってりゃいいのは、自分の命が狙われているってことだけで十分だ。本来、こんなもん背負わせるものじゃないんだけどな」
「・・・・・・・」
「で、どうしますか?とりあえず今日は解散しますか?もう23時です。汗も流したいですし、僕としてはお開きにしたいのですが」
「そうすっかな。キョン、明日までに決めとけよ??」
「ああ・・・・ん?なんだ長門」
「これを」
「なんだこれ」
長門がキョンに防犯ブザーのようなものを渡している。
「貴方の命が危険にさらされたときに作動する。・・・・貴方にはこれを」
「ん?」
そして蒔風に同じようなものを渡した。
「あちらのほうが作動したら、貴方は瞬時に彼の居る場所に転送される」
「おおー!!ありがとう!!」
「ありがとな、長門」
「(コクン)」
「んじゃ、おやすみなさーい」
「では僕も」
「・・・・・・・・・(スタスタ)」
「じゃあ、キョンくん。気を付けてくださいね?また明日」
「あ、はい。また明日・・・・」
キョンは思う。
(畜生、「また明日」ってのがこんなに重いなんてよ・・・・・)
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次の日、蒔風は北高に転校した。
クラスはキョンのクラスとは違う。
おそらく、涼宮の近くだと危ないからだろう。
そして放課後、蒔風はSOS団の部室に向かった。
「そこで!!おれは襲いかかるチンピラどもをバッタバッタとなぎ倒していったわけよ!!」
そこで彼は、涼宮に自分の売り込みをしていた。何としてもこのSOS団には入らなければならない。
そうでなければ監視が大変だ。とはいえ、「奴」が手を出してくるとは思わないが。
「へえー、あんた凄いのね。で、それであなたはこのSOS団にどうやって貢献するの?」
「ボディーガードさ!!このSOS団は聞くところによれば世の中の不思議を探してるそうじゃないか。だけどそういうのはX-ファイルしかり未知との遭遇しかり、何かと狙われてしまうもんだ。そこで襲いかかるエージェントから俺がみんなを守るのさ!!」
「うーん・・・・じゃあ!あんたは団員じゃなくて警護官ってことでいいかしら?」
「ああ、構わないさ」
よかった、どうやら近づけたようだ。
「なあハルヒ。なんで団員じゃないんだ?」
「団員はあたしとあんた、有希にみくるちゃんに古泉君だけでいいのよ!それがあたしたちSOS団よ!」
「して団長、今日の予定は?」
「そうそう!あたしね、思ったのよ!今までいろいろやったわ!夏休みには夜空を見て宇宙人を探した。映画では未来人を主人公にしたし、超能力者も出した。でも、今まであたしたちが手を出していないジャンルがあったのよ!!!」
「一応聞くが、なんだ?それは?」
「異世界人よ!!!」
とまった。おもに蒔風が。
ビシッときたね。
キョンが面白い顔して見てる。
(いやでも、こういう話は聞いてたからいいんだけどね?いきなりこうこられると、さあ)
「お、お前は異世界人と何をしたいんだ?」
「遊ぶのよ!!異世界旅行に行ってもいいわね!!」
「お、おい待てよハルヒなんでいきなり異世界人なんだ?ホムンクルスとかでもいいじゃないか」
「バカねキョン。あたしが四月に言ったこと忘れたんじゃないの?」
キョンが、お前も今日思い出しただろうに、という顔をしている。
「あたしはね、「宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら」って言ったのよ!!でも来ないから自分で探したしいろいろやった」
「それでいいじゃねえか」
「向上心のない人間はすぐに堕落するわよ!!でね、異世界人だけ触れてないなーって思ったのよ」
「・・・・で、結局おれたちは何をやらされるんだ?」
「それはもちろん、異世界への行き方を探すのよ!」
そうして俺たちは街に出た。
なんでもこのようなものは結構起こるらしく、適当にぶらついて時間をつぶすだけの時間になるらしい。
無意味に時間を過ごし、集合し、それで今日は解散した。
それから30分後、俺たちは昨日のように公園に集合した。
「それで、うちに来んのかい?」
「ああ。そっちには長門もいるしな。家には新入部員の歓迎会でそのまま泊まるって言ってある」
「ほ、本当に大丈夫なんですか?その人が攻めてきても」
「大丈夫だ。俺がいるからな。それに「奴」はおそらく今晩来る」
「たしかに、準備が済み次第、すぐに実行するのは基本ですからね。それにしても不思議だ」
「ん?」
「いえ、あなたに会ったのはつい昨日のことです。まだ24時間も経ってないのに、我々はあなたに程度は軽くても、ある種の信頼を寄せている。これは不思議なことです」
「・・・・もしかしたら、の話だけどな」
「なんでしょう?」
「この世界で「仮面ライダークウガ」は一つの作品として知られている。同じように、お前たちの話も、どこかの世界で作品になっている。その作品を、オレは読んだことがあるのかもしれない」
「それは・・・」
「もちろん、記憶はない。おれはお前らのことは知らなかった。あの作品の誰々だ、なんてこともわからない。だけど、無意識のうちに気に入られるようにふるまっているのかもしてないな」
「まてよ。でもさ」
「なんだ?キョン」
「結局そんな風にできるってことはお前はもともといろんな人に対していい人ってことだろ?本当にそんな人間じゃなかったら、そんな風にはふるまえないだろうしよ。たぶん、そんなことがなくても、おまえは打ち解けてただろうし、今そんなこと言ってもしょうがないだろ」
「そ・・・・・っか。・・・いやぁ!ありがとうな!キョン!!お前いいやつだわ!!」
「いてっ、叩くなよ!!」
「本当に、不思議ですね・・・さて部屋に行きましょうか」
「え?」
「僕も泊まりますよ。そのほうがいいでしょうし、何よりも上からそう仰せつかってるもので」
「あのぅ、あたしも長門さんの部屋にお邪魔するつもりだったんですけどぉ・・・」
「みんなで泊まりか・・・なんか涼宮がかわいそうだなあ」
「いいのかよ?」
「しかたねぇだろ。それに、最主要じゃなくても主要人物がこんだけいるんだ。これなら「奴」もこっち狙いで来るだろうよ」
「囮、ですか」
「そういうのは好きじゃないんだけどな。仕方ないだろ」
「まあ、そうですね。涼宮さんが狙われる可能性は?」
「ないだろうなぁ。あいつ、オレのこと目の敵にしてるから、オレのほう狙ってくるだろうし」
「そうですか。「奴」のことに詳しいのですね」
「まあね。まだ三個目の世界だけど、あいつのことは大体わかっちゃうんだよなぁ」
「まあ、こんなところで話しててもしょうがない。いったん俺の部屋に集まって、みんなで飯だ!!」
「ちなみに何を?」
「もちろん」
ガサッ
蒔風がその手にビニール袋を持って言った。
「鍋だ」
to be continued
後書き
・殲滅技
ライジングマイティキックは、厳密には殲滅技ではない。
ただ、その高威力ゆえに爆発が半径三キロに広がってしまうだけ。
強力なグロンギにはこれしか効かないとあって、当時の警察などはフォローに頑張っていた。
・SOS団
色々と手を貸してくれる人はいるけれど、やはりメンバーはこの5人で固定です。
・鍋
キムチ鍋がやっぱり一番うまいと思うのです。
タラとか入れたら至高ですね。
異論は認めます。
アリス「オンリーワン止まりの野郎ども!!私がナンバーワンだ!!」
SMAPの名曲をそんな風にネタにするな!!!
ア「だってあの曲事あるごとに流れるからもう聞きあきたんですもの」
う・・・たしかに・・・
ア「ねーねー、二人だけじゃつまんないよー。蒔風はいいからなんか他の世界の人連れてきましょーよー」
ほらほら、飴あげるから
ア「んー、(ゴクン)もーいっこー」
そんな舐め方する子にはもう飴はあげません!!!
ア「んおっ、コロコロ」
人間ポンプをするな!!!今更とりつくったって遅いわ!!!
ア「ごめんなさい」
じゃあよろしく
ア「SOS団お泊まりか~い(ハルヒ除く)。ハルヒがいなくても大変なことになるかも!?」
ではまた次回
禁則事項です
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