世界をめぐる、銀白の翼
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
涼宮ハルヒの憂鬱 ~パーティ アンド デストロイ~
鍋が始まった。
え?描写が簡単すぎ?
いいじゃないか!
「まずみんなに確認を取りたい」
「なんだ?」
「普通にすべきか闇にすべきか」
「普通にやれ!」
「そこが問題だ」
「そこっていうのがお前の頭なら正解だよ」
「多数決だ!」
「聞けよ!」
「普通がいい人ー」
五人の手があがる。
「お前も普通でいいんじゃねえか!」
「ほら、もし闇の方がいいって人がいたら・・・」
「基本的におらん!」
「その方が面白そうなんだが」
「鍋の本来の目的をしっかりと果たせよ!」
「キムチでいいか?」
「はい、かまいません」
「え?キムチって?あの?」
「・・・・・(コクン)」
「あっさり決めやがった。普通だ。本当に普通だ。なんだったんだよ・・・」
じゃあ始めますか
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そうして鍋が始まった。
「お、うまい」
ハルヒの鍋ほどではないが、結構うまい。
長門がどんどん食っていってる。
あの身体、どういう構造になってんだ?
「宇宙になってるのかもしれませんね」
フードファイターかよ。
「ふぅー、ふぅー。あむあむ・・辛いけど、おいしいです!」
朝比奈さん、貴女のその仕草でお腹いっぱいです!
「(パクパクパクパクパクパクパクパク)」
「おおー、よく食べるな」
蒔風が長門の食いっぷりに感心している。
長門の食い方はなんかこう機械的なんだよな。
でも、心なしかいつもより口に含んでる時間が長くなっている気がする。
ダパダパダパダパダパダパダパダパ
そんな音がして蒔風の方を見たら、キムチ鍋のもとを自分のお椀に注いでやがった。
そんなにかけて大丈夫か!?
「辛いのが大好きなのさ」
辛党なんだな。
「甘いのも辛いのも好きだけど、どちらかをいえば間違いなく辛いのが好きだ」
そんだけかけてりゃ疑いようもないわ。
「ほら、おまえも(ダパダパダパダパ)」
「何するんですか!!!???」
「いやあ、な~んかあんまり食ってないような気がしてさ」
蒔風が古泉のお椀にも大量に注いでいく。
古泉め。普段いじられてないからな。焦ってるぞ。
「くっ、貴方はどうです?辛いの好きでしょう?」
「別に好きでもないわ!!!」
古泉、笑顔が怖い。
あとオレを巻き込むな!!
「僕だけじゃひどいと思いませんか?SOS団の仲間じゃないですか」
「仲間だと思うなら一人で背負ってくれ」
「(ダパダパダパダパ)」
「てめえ!!何やってんだ!!古泉!!この野郎、グッジョブとかやってんじゃねえよ!!」
「囮ごくろう」
「いえいえ。っていうかすべてあなたのせいなんですけどね」
「図りおったなあああ!!!!」
おのれ、蒔風の罠か!!
「古泉~」
「はい?むぐっ!」
「うまいか??」
「ヒャラララララララ!!!!(ビクンビクン)」
「おい、大丈夫かよ!?古泉??古泉ーーーー!!!」
まあそんなこんなで時間は過ぎていった。
朝比奈さんは涙目になってたなぁ。可愛かったけど。
そしてオレも食べはじめた。
もちろん、普通の辛さのをな。
あんなんじゃとても食えん。
普通のをしっかりいただきましたよ。
腹が減っては戦は出来ぬとは、昔の人はよく言ったもんだ。
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「あと少しですね」
「ふぅ食ったなぁ」
「お腹いっぱいです」
「もう入らん」
「・・・・・・・」
古泉、みくる、蒔風、キョンが、まだ少し残っている鍋をみてギブアップ宣言。
長門がまだ食べられそうだが、押し付けるのは気が引けるので、誰もなにも言わない。
ちなみに古泉は蒔風に食わされた事を覚えてなかった・・・・・
「もう19時ですね。「奴」は本当に来るんですか?」
「来る、間違いなく」
「なぁ、来ない方がいいだろ?少なくとも俺はごめんこうむるね」
「まぁ、とりあえず片付けますか」
「そうだねー。片しますかー」
「・・・・・・・・」
みくると古泉が食器を手に流しに向かう。
コンロをキョンが受け持ち、蒔風がまだ少し暑いナベを持ち上げる。
そんな中、長門だけが窓の外をジッと見つめていた。
「長門・・・・・どうした」
「・・・・・・・・・・・・・・・来た」
「!!ふんっ!!!」
ガッシャァ!
長門の言葉を聞くやいなや、蒔風が掴んでいた鍋を思いっきり外に向かって投げつけた。
投げつけられた鍋はUFOのように回転しながら飛び、窓ガラスを粉々に砕く。
そして外にいるであろう標的に向かって猛烈な速度で突っ込んで・・・・
その空間に消えた。ぶつかる音も、落ちる音も聞こえない。
代わりに
「おいおい、食べ物を粗末にすんなよ」
夜の闇の中から声が聞こえた。
「奴」が光の範囲に入ってくる。
その手には鍋が握られていた。
その鍋を蒔風にむかって投げる。
「うまかったよ。ありがとうな」
「は・・・残り汁だけどな。お粗末さま」
「蒔風・・・・こいつが?」
「お、こんばんは主人公。殺しに来たぞ」
「どうやらそのようですね」
「長門、頼む」
「了解」
ブォン!
「おっと、仲間外れはだめだよ」
「な!?」
「私たちもですか!?」
「まったく、意地が悪いぜ。戦えるやつだけ結界内に閉じ込めるなんて」
そう、蒔風が長門に頼んでいたのは、自身と「奴」だけを隔離する事だった。
しかし失敗した。
「奴」はキョンだけでなく他のみんなをも引きずりこんだのだ。
「・・・・・・こうなったら仕方ねぇ。古泉、長門。そこの二人をたのむ」
「わかりました。御武運を」
「あんがと」
「やはりお前とはどうしても戦わなければならんか」
「涼宮を狙えばよかったじゃん」
「それはー、つまらん!貴様を叩き潰したいんだよ、オレはな」
「物好きなやつ・・・・」
「さあ、蒔風は今回もオレに勝てんのかなぁ?はっはっはっはぁ!!」
「テンション高ぇなあ。じゃあ、オレも上げてくっかな。無理矢理上げんのは好きじゃ・・・ないんだけどっ!!」
両者共に気分は最高潮。
高揚とした気分とは裏腹に、これから始まるのは殺伐とした殺し合い。
ここから、戦いが始まる。
「「さあ行くぜ!覚悟しとけよ!!!」」
to be continued
後書き
・闇鍋
したことがない。
だからしなかった。
・キムチ鍋
蒔風がいれたのは、特製の物。
市販品とは比べ物にならない辛さを味わえます。
・テンション
上がってます。唐突に上がりました。
何だかこの二人キモチ悪いですね。
アリス
「次回、「奴」と戦い、旅立つ蒔風。WORLD LINKは?次の世界は?一体なんだ?」
ではまた次回
YUKI.N>また図書館に
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