ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)
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第1章:メルキド編
12:防壁は必要。でも防壁だけじゃ直ぐに突破される。町も人の心もね。
(メルキド)
リュカSIDE
ロッシの漠然とした頼み事を聞いたピリンのお願いで、石の作業部屋をグレードアップさせることになった。
ぶっちゃけグレードアップの方法が解らなかったけど、作業台に向かったら勝手に頭の中に方法が浮かび上がり、道具屋の壁掛けを作ることが出来た。
その他に、壁掛け松明も作り直ぐに作業部屋を改装。
おおきづちの里で戦った、大きなブラウニーから得た革袋も壁に掛け、何となくグレードアップした様な気がする。
さっそくピリンとロッシに見せてやろうと思い、作業部屋から出て二人を探す。
直ぐに見つかった。
先程まで俺とピリンが楽しくお喋りしてた場所で、今度はロッシがピリンと楽しくお喋りしている。
あの野郎……俺をピリンから遠ざける為に、漠然とした依頼をしてきたのか!?
「おいコラ、ソロ活動野郎。ご所望の“石の本格工房”を完成させたぞ」
「え、もう?」
早さに対する驚きの後に、ピリンとのお喋りタイムを邪魔された残念さが窺える。
コイツやっぱり……
「ちょっとこっち来い」
「うわっ、何だよ!?」
俺の最も得意な分野のアンテナがロッシ君に反応したので、奴の首根っこを掴んで人気の無い場所へと連れて行く。ピリンは不思議がってたなぁ……
「お前……集団行動が嫌いって言ってなかったっけ? 直ぐに町から出て行くって言ってなかってっけ? 集まって目立った生活してたら、竜王軍に目を付けられるから、早々に逃げるって言ってなかってっけぇ? もう目を付けられてますけどぉ~!」
「う、うるせーよ。目を付けられてるけど、他に行くよりここの方が今のところ安全だから……だ、だから今は未だ居るだけだよ!」
「とか何とか言っちゃってぇ、ピリン嬢との会話は楽しそうでしたけどぉ~……惚れちゃったのかなぁ? だから出て行かないのかなぁ~?」
俺はオーバーリアクションで首を傾げながら、ニヤニヤとロッシに問い詰める。
「な……ち、違ーよ! ホ、ホレるとか……そ、そんなんじゃ……」
「いやいや隠すな若人よ。分かる。うん、僕には分かるんだよ!」
耳まで赤くするロッシ。楽しい玩具を見つけた気がするね。
「ピリンは可愛いよね。先ず笑顔が可愛い。そして小ぶりだけど、意外とオッパイが大きいんだ。でね、乳首を責められるのが弱い」
「え、チクビ? お、おい……何を言るんだよ?」
不安な表情を見せるロッシ少年。これ以上言ったら泣いちゃうかな?
「もう一つ可愛い点があって、左右の内太股の付け根にホクロが一つずつあるんだよ彼女。丁度股を閉じると重なり合う位置にね。顔を突っ込んだ時に左右に見えて気付いたんだ」
「か、顔を突っ込んだって……如何いう状況だよそれ!?」
怒ってるのか悲しんでるのか判らない声で俺に詰め寄るロッシ君(笑)
「リュカよ、石の守りの解読に成功したぞ!」
俺の答えを待つロッシを押し退けて、ヒゲが石の守りの設計図を持ってきた。
う~ん……ナイスタイミング!
「本当かヒゲ!? では今すぐ制作に取り掛からないと! 悪いなロッシ……僕は忙しい身なのだよ(笑)」
そう言って複雑な表情を浮かべるロッシを残し、石の守り建設予定地へヒゲと向かう。
「やはりリュカも石の守りはここに設置した方が良いと思うか」
「当然だろ、竜王軍はこの方角から来ることが多い」
ヒゲの設計図を眺め、気持ちは石の守りの設置に切り替わる。
大まかな形はメルキド城塞跡にあった物で解っているが、石垣とトゲ罠の作り方が解らないで居た。
しかしヒゲの設計図には、その二つの作り方も掲載されており、直ぐに制作に取り掛かることが出来る。
「……にしても、汚ー字だなオメェーも!」
「う、うるさい。読めれば良いだろうが!」
ギリギリなんだよ読めるのが。
まぁいい。こんなムサいヒゲに何時までも構ってられないから、早速資材造りの為に先程完成した石の本格工房へと入る。
そして初めて石垣を作ってみると、頭の中に“石垣積みの壁”なるアイテムが思い浮かんだ。
偉大なるルビス様に与えて戴いた能力だろう……気分は良くない!
だが、これを作れる様になったお陰で、今まで土で建てていた部屋の壁を、一瞬で石垣に補強出来るのは便利だ。
でも今は石垣とトゲ罠が優先なので、黙々と作成して行く。
相当量を蓄えた所で工房から出ると、既に真夜中だった。
また寝てない。また四日も寝てない。
流石に寝不足続きは嫌なので、石の守り造りは明日に持ち越し。
ピリンの部屋に入ろうかと思ったけど、寝てるのに起こしちゃ拙いと思うので、最初に作った寝室へ……
ヒゲの隣は嫌だけど、以前はピリンが寝てたと思えば、まぁ我慢出来るだろう。
そんな事を考えながら寝室に入ると……
うん、また寝れない。
ロッシが先に寝てやがった。ピリンの匂いを嗅ぎながらシコったに違いない!
そんな所では寝たくない!
もう一つベッドを作ろうと思ったんだけど、とても面倒臭い。
だからもうソファーで良いや!
そう、希望の旗の目の前に設置したきり動かしてない野晒しソファーで、俺は寝ることにする。
もうここに部屋を造った方が早いかな?
それも面倒臭いなぁ……
夜明けの風が俺の頬を撫で優しく起こす。
時間にして3時間くらいだろうか……四日ぶりの睡眠は、それなりに俺の体力を回復させる。
幼い頃に慣らされてしまった為、俺の睡眠時間は短い。
しかも深い眠りにはつかない。
万が一にも敵襲があったときのために、殺気を感じると目が覚める体質になっている。
殺気じゃ無くても人が動き回る気配を感じると寝てられないのだ。
それでも睡眠は睡眠。
ソファーから起き上がり薄曇りの空にノビをして身体をほぐす。
そして直ぐに石の守り造りに入ろうと思ったのだけど、取り敢えず藁のベッドを幾つか作って設置しておこうと思う。
と言うのも、ヒゲとロッシに占領されて、俺の寝床が無い……だけでなく、ケッパーの寝る場所も存在しないことが昨晩判った。
あいつは自ら町の見回りを夜中してるから不要な気もするが、住人なのにベッドがないのは可哀想だから作ってやることにする。
それから今後も住人が増えた時用に多めに作って設置する。
そうすれば俺の寝床がないなんて事もなくなるだろう……
あ……先に自分の部屋を造れば良いのかな?
まぁ先に頑張ってるケッパーを優先してやろう。
さて、ケッパーとまだ見ぬ住人用のベッドを設置した所で、自分の部屋を造ろうと思う。
大量に採取して置いた白い岩を使い、ゴージャスな部屋を造ろうじゃないか!
建設場所はやっぱりピリンの部屋の隣だよね~♥
「おいリュカ。昨日の話の続きだが……」
拠点内を自室建設の為見渡してたら、ロッシが怖い顔で話しかけてきた。
俺とピリンの関係が気になるらしい。
こういう事を有耶無耶にしたままだと、ロッシ君の精神衛生上害があるよね。
……うん。有耶無耶にしよう(笑)
存分に気にしてるが良い!
「何だよロッシ。俺は忙しいんだよ……この町の守りを固めなきゃならないからな」
ちっ……自室作成は後回しにして、石の守りを造って忙しい振りをせねば。
よ~し、今日も頑張るぞぉー!
「ちょ、待てよ……町をガチガチに固めると、ゴーレムが破壊しに来るぞ!」
はぁ? 何でゴーレムが来るんだよ?
そんなに俺の気を引きたいのか? ピリンとの関係を知りたいのか?
無視だね、無視。
俺は忙しいんだよ……
石の守りを造らなきゃならないからね。
リュカSIDE END
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