ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)
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第1章:メルキド編
7:よく考えて行動しよう。色んな意味で命取りになる。
(おおきづちの里周辺)
リュカSIDE
前に来た時も気にはなっていたのだが、ここら辺の土中には石炭・銅・銀と言った鉱物資源が豊富に含まれており、岩山を降りれば石材が多数あり、木材になるブナの木も豊富にある。
まるで宝の山だね。
俺は手に入れたばかりの大木槌を使い、気が狂ったかの様に山を削り・岩を壊し・木を折り倒しまくる。
勿論そんな滅茶苦茶な使い方をしてれば、新品の大木槌でも直ぐに壊れてしまう……
でも大丈夫。なんせ大木槌を10本も持ってきたからね!
取り敢えず最後の1本になるまで資源採取を行う予定。
だが“予定は未定につき確定にならず”と言う言葉があるが、まさかの理由で採取中止に追い込まれてしまう。
その理由とは何か……うん、ルビスから貰った収納袋にも限度がきたのだ。
仕方が無いのでロッシに言われた人物を探しに、細道で繋がってる小島へと向かう。
目的の場所には本当に人が居た。
でも何かに怯え辺りを警戒してる。
借金取りにでも追われてるのかな?
「お、おい。ここは危ない! 近付くんじゃない!」
状況を知る為に挙動不審者に近付くと、向こうから近寄るなと警告される。
でも近付いてから言われても意味ないよね。
だって……俺の周りにもモンスターが集まってきちゃったんだモン(笑)
如何いう理由か解らないけど、この男はモンスターの集団に襲われていました。
厄介事に巻き込まれましたねぇー……如何して俺は厄介事に巻き込まれやすいんですかねぇー?
今度ヒゲメガネに聞いてみようと思います。
でもその前に、この状況を何とかしないとなりませ。
俺は手持ちの大木槌を振り、迫り来るモンスターの群れを蹴散らしてゆく。
当初から襲われてた男も、謎の味方(俺の事)の加勢に勢いづいたのか、手持ちの檜の棒で奮戦再開。
先日倒したドラゴンが襲ってきたわけではないので、微塵の危機も感じる事無くザコ敵軍団を駆逐した。
もう襲ってこない事を確認し、改めて襲われてた男に話しかける。
「やぁ初めまして。僕はリュカ……ビルダーをやってます」
「ど、どうも……私はケッパー。危ない所を助けてくれてありがとう」
大して強くはなかったけど、このケッパーと名乗る男は戦い慣れをしている様だ。
年季の入った兵士風の兜を被り、背筋を伸ばして礼を言ってくる。
「一体何があったの?」
「お恥ずかしい話ですが、状態の良い檜の棒を手に入れたので、調子に乗ってモンスターに戦いを挑んだら、集団で襲ってこられちゃいまして……あははは」
「いや、面白くないよ。馬鹿なのお前?」
「そうは言いますけど、良い武器を手に入れたら使いたくなるのが人間でしょう」
だからアレフガルドの人口は減少したのか?
「ならないよ……良い武器を手に入れたって戦いたくならない。何故なら、戦いは武器でするんじゃないからだ。戦いは心でするんだ……相手を傷付ける事・自分が傷付く事・相手の守りたいモノを壊す事・自分の守りたいモノを壊される事、そんな事を考え心で戦うんだ。武器を手に入れただけで戦いたくなるなんて、まだまだ戦いの何たるかを理解してない者の証明だ」
「……そ、その通りですね。私はまだまだ未熟者……リュカさんと仰いましたね。かなり御高名な戦士様とお見受けしました。どうか私を弟子にして下さい!」
「ヤダよ! 弟子とかそういうの面倒臭いし、何より戦士じゃねーし……先刻言っただろ、ビルダーだって!」
「ビルダーとは何ですか? 戦士の異名ではないのですか?」
「違ーよ……アレフガルドを復活させるのがビルダーの仕事! 今はメルキドの町を再建してるだけだけど……」
「なる程……ビルダーとは町を再建させる存在なんですね。では私にも手伝わせて下さい、そのメルキド再建のお仕事を! 私の祖父は、昔のメルキドで警備兵をしていたんです。是非リュカさんが作るメルキドの警備兵にして下さい」
う~ん……面倒臭そうな男だな。
でも人手は必要だし、俺が出かけてる間に敵が襲ってきた時用に警備の者も配置したいし、ロロンドは当てにならなそうだし、ロッシも協力的じゃないし……うん、ピリンの安全を考えて、コイツを町に連れて帰ろう。
「僕はビルダーだから、戦い方とか教えられない。でもビルダーとして、町に襲いかかってくる敵は撃退するから、それを見て学べば良い。そんな感じで良ければ、一緒にメルキドを再建させようじゃないか」
「は、はい。宜しくお願いします!」
俺とケッパーはしっかりと握手をし、友好を誓い合う。
そしてそのままキメラの翼を使い拠点へと帰還する。
(メルキド)
拠点へ帰り着くと、皆にケッパーを軽く紹介し、とっとと作業部屋へ入ってゆく。
ヒゲの時もそうだが、みんな子供じゃないんだから、勝手に自己紹介とかするだろう。
俺は大倉庫などの作成で忙しいのだよ。
先ずは今も言ったが大倉庫を作る。
ブナの原木を木材にし、そこから制作開始だ。
ヒゲが教えてくれた通りに作業を進めると、いとも容易く完成した。
しゃくに障るが我慢しよう。
一旦作業部屋を出て大倉庫を設置することに……
取り敢えず今まで適当に置いてあった収納箱と共に、新たな部屋を作って1カ所へ配置する。
良いねぇ……これで拠点内が片付くよ。
作業部屋へ戻ると、次に行ったのは炉作りだ。
銅や石炭を手に入れたので、それらを加工出来る物が必要になる。
そして思い付いたのが“炉と金床”だ。
炉と金床を作ったら今度は銅の剣作りだ。
銅を手に入れた時に思い付いた武器で、大木槌よりも扱いやすい。
でも素材を集めるのには大木槌の方が扱いやすい。
まぁ剣なんで戦闘用だね。
他にも、篝火・壁掛け松明・塗料・石の階段・フェンス・石の椅子・石のテーブル・食器・ツボ・ベンチ……と、思い付く限り作り出す。
だが何より作りたかった物があるのだ。
それはね……服だ!
俺は今、どうしようもない様なボロい服を着させられている。
ルビスはアホだから、俺を復活させる時に気を利かせなかったのだ。
だからボロ切れや毛皮を手に入れた今、先程作った塗料などを使用して、前世で着ていた様な服を作る事にした。
頭の中に自動的に作り方が思い浮かばなかったので、強引に思考を巡らせ作り出す。
そして出来たのは濃い紫のターバンとマント。
中に着る服は拘り無いので、旅人の服で良しとする。
因みに鎧は嫌いだ……重いし動きづらいからね。
完成させた服を身に纏い、自分だけが身綺麗な格好をすることに戸惑いを感じる。
物作りを失ってた他の連中は、先程まで俺が着てたボロい服以上にボロい服を着ており、そしてこれからも着続けるのだ。
う~ん……
俺一人だけってのはやっぱり拙いよね。
でも皆の分を作るのは面倒だよね。
そんな時は如何するか……
そう、そんな時はピリンの分だけ作れば良いのだ!
ピリンに似合いそうな赤い服と白い下着を作り出し、俺は晴れやかな笑顔で作業部屋から姿を現す。
そしてピリンを目で探し、爽やかな笑顔で彼女に近付く。
「わぁリュカ。服を作ったんだぁ」
「うん。あんなボロい服は僕みたいなイケメンが何時までも着てて良い服じゃないと思うんだよね。ピリンみたいな美女も、ボロい服を着続けてちゃダメだと思う。だから、はい」
そう言って作りたての服(純白パンツ付)を見せた。
「うわぁ私の為に作ってくれたの!? ありがとうリュカ♥」
「さぁさぁ……早速着替えましょう。と言っても、ここじゃ着替えられないから、寝室に入って色っぽく着替えましょう(ニヘラ)」
「え……リュカも一緒に入るの?」
「そりゃ下着も作ったんで、お着替えをお手伝いしなきゃねぇ(ニヘラヘラ)」
本心で着替えを手伝いたいのではない。それ以上のことを求めてるのだよ、私は!
「お前等、何やってんだよ。こんなまっ昼間っから!」
寝室に入りピリンとイチャってると、ロッシが勝手に入ってきて俺等の行為を咎めてくる。
だから俺は言ったね。
「空気読めよ、この野郎」
って言ってやったね。
ロッシの顔面を鷲掴み、そのままゆっくり室外へ出てから、低い声で言ってやった。
「い、いててて! 空気読むのはお前だ……こんな防音性の無い部屋でイチャイチャするな! 早く手を離せ馬鹿!」
コイツもピリンを狙ってるのか?
集団行動嫌い的な事言ってたのに、未だに出て行かないし……
しかし、こういう事は早い者勝ちだもんねー!
そして俺はもう勝ってるもんねー!
だから、防音性とか気にしない俺は、颯爽と寝室に向けて踵を返す。
だがしかし……
寝室から出てきたのは、既に着替え終わったピリンだった。
着替えるの早ー!
リュカSIDE END
後書き
原作にはリュカの衣装(に近い物も含む)は存在しませんが、
リュカはあの格好が似合うので、勝手に作らせました。
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