ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)
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第1章:メルキド編
8:プライバシーの保護……これ重要。
(メルキド)
リュカSIDE
女性はゆっくり着替えるモノ……
皆さん、そうは思いませんか?
殿方への配慮(覗き)を考慮に入れて、ゆったりたっぷるの~んびり着替えるモノ。
なのに……なのに、何故だ!?
ピリンさん、何故そんなに貴女は着替えが早いのですか?
私はだね、覗くなんて器の小さな行為をしたいんじゃないのだよ。
脱いだら、直ぐには服を着せるつもりはないのだよ!
全身全霊ガックリしてると、後ろではロッシがボソッと……
「アホか」
と呟いてる。
お前の所為だ!
希望の旗に張り付けにしてやろうと思ったのだが、突然邪悪な気配が漂ってきた。
如何やら竜王軍が性懲りも無くお出ましの様子。
竜王軍に感謝するのだなロッシ……お前への刑罰は保留にしてやる。
ピリンを再度寝室へ入れ安全を確保すると、俺は腰の袋(ルビスから貰った四次元ポケット)から先程作ったばかりの銅の剣を取り出す。
そして視線を邪悪な気配漂う方へ向けると、俺と同じ様に敵の襲来に気付いてる新顔ケッパーが、冴えない檜の棒を手に臨戦態勢をとっていた。
「ケッパー、これを使え!」
俺は作り置きしといた銅の剣をケッパーに投げ渡した。
「おお、これは頼もしい。ありがとうございますリュカさん」
まぁ1本くらいはくれてやろう。戦力になりそうだからね。
他に戦力になりそうなのはヒゲとロッシだが……
ヒゲは邪魔だよね。でも万が一があるから大木槌を渡しておく。
ロッシは……戦う気が無いのか、ピリンを避難させた寝室前に陣取り防御態勢で居る。
うん。数に入れないことにしよう。
そんなわけで準備万端になり、俺は颯爽と敵軍目掛けて躍り出る。
何度も言うが、今の俺は若返っており、身体能力が全盛期MAX状態だ。
そして長年の経験を生かした戦い方をすれば、ブラウニーやキメラの大軍など怖くはない。
敵を拠点内に入れることなく、戦闘は終結する。
ケッパーに剣を渡したけど、使用してない。
でも今後の戦力としては当てにする予定。
だから労いの言葉はかけますよ。
「ケッパー、お疲れ。今後も敵が襲来すると思うから、その時も宜しく」
と、未来の為に保険をかけますよ。
俺が渡した大木槌を胸の前で握り締めてオロオロしてたヒゲには、声をかけない。
コイツは戦闘派ではないのは分かってるし、当てにするつもりも無い……
でも万が一の為に武器は渡しておく方が良いだろう。
さて……ロッシだが、コイツは戦うつもり無いみたいだったけど、ピリンを守る気はあった様だ。
その証拠にピリンを閉じ込めた部屋の前から動こうとしなかったけど、戦闘が終わったら安心した様にその場を離れ、地ベタにヘタリ込んだ。
そんなロッシに目で労いの気持ちを伝えると、俺は室内へ入る。
勿論ピリンの無事を確認することが本命だが、そのままご褒美タイムに突入する目的もある。
だから爽やかスマイルでピリンに安全になった事を告げる。
「もう大丈夫だよピリン。モンスターは全部追い払った……」
「本当リュカ!? ありがとう、私すっごく怖かったわ」
だよね~。怖いよね~。でも俺が居れば大丈夫さ! だ・か・ら……
「あのねリュカ。こんな時だけどお願いがあるの」
あれぇ? 俺のお願いは無視なのかなぁ?
やっぱり未だ昼間だし、他の連中の目(耳)もあるし、ダメなのかなぁ?
「あのね私……お部屋が欲しいの」
……部屋ぁ?
本当、こんな時に何を言ってるんだろ?
「住人も増えてきたけど女の子は私だけでしょ。みんな紳士だから何かされるわけじゃないけど、それでもやっぱり夜は自分のお部屋で眠りたいの。お願いリュカ、私のお部屋を作って」
う~ん……確かに。
まだ俺を含めても5人しか居ないけど、ピリン以外は男だ。
それなのに何時までも雑魚寝状態って訳にもいかないな!
うん。それにもっと防音性の高い素材で部屋を作れば、ピリンも他の野郎ズも文句を言わなくなるだろう。
よし、早速造ろう。可愛いピリンの為に個人部屋を造りましょう!
すると俺のやる気が伝わったのか、ピリンから部屋の事で提案される。
「あのねリュカ、造ってくれるお部屋なんだけど、誰の部屋か解る目印を付けて欲しいの」
「目印?」
なる程……他の奴が勝手に部屋を占領しない為に、“ピリンの部屋”と解る目印を作れば良いんだな。
となると、看板……だよね。
そう言えばおおきづちの里で立て看板を貰ったけど、これじゃぁピリンの部屋として色気が無いなぁ……
あ、思い付いた!
木材も大量にあるし、塗料も大量に作ったし、壁に掛ける様な看板を作れば良いんだ。
よ~し、そうとなったら早速作業開始だ!
(メルキド高原)
先ずは大量に大木槌を持ってキメラ狩りをした山へ赴く。
そして山を削る様に白く綺麗な岩を採取する。
この素材なら、防音性も優れており、見た目も白くて綺麗だから女の子の部屋の壁として良いと思うね。
今後の事を考えて白い岩を大量に取得する。
お陰で山はエグられ、ドラゴンを倒した草原までの道が出来上がった。
今更あの場所に用は無いけどね。
そんな非常識な事をすれば、大量に持って行った大木槌も直ぐに消費してしまいモノ。
今後も大木槌は使うので、全部使い切る前に白い岩採取を切り上げ、帰りにブナの木を折り倒して木材をゲットする必要がある。
こうすれば、また大木槌を作成出来、白い岩などの堅い物も採取出来る。
だがしかし、とても面倒臭い。
武器は使用すれば強度が落ち、使い続けていれば壊れてしまう。
武器がなくなれば戦いも不利になるし、素材採取も出来なくなる。
解ってるけど面倒臭い。
壊れない武器が欲しい。
……ドラゴンの杖があればなぁ。
あれは特殊な武器だったから、堅い物を殴り続けても壊れないだろう。
ルビスのアホめ……魔法だけじゃなく、俺の大切な武器までも消失させやがった。
リュカSIDE END
(メルキド)
ロロンドSIDE
戦闘も終わり、ピリンから何か頼み事をされたリュカは、颯爽と出かけていった。
丸1日程して帰ってきたリュカは、石の作業部屋で何かを作ると、直ぐさま拠点の一角に部屋を作り始める。
その部屋は他の部屋と違って白い岩壁で造られてゆく。
あの白い岩は土で造る壁よりもかなり丈夫だ。
最初は何を造ってるのか解らなかったが、出来上がりをみて理解した。
どうやらピリンに個人部屋を造る様お願いされてたらしい。
あの男……我が輩にはぞんざいな態度で接するのに、女子に対しては甘い。
少しガツンと言ってやろうと思ったが、男達の中に1人だけ居る女子を隔離するのは当然だろうとも思い、今回は許してやることにする。
勿論ピリンの部屋を造り終えた後は、我々……特に我が輩の部屋を作成するのだろうと思っていたが、何やらピリンから別の頼み事をされて、その作業に移行するリュカ。
如何いうつもりか!?
我が輩の部屋を造るのが最優先ではないのか!
そう思いリュカに抗議しようとしたが、石材を加工し何かを作り出すのに忙しそうで、今はやめておいてやることにする。
でも何を作ってるのかは気になるので、作業を依頼したピリンに尋ねることに……
すると彼女は、
「あのね、衣装部屋を造って欲しいってお願いしたの。だってね、リュカが私に服を作ってくれたから、私も真似をして皆に服を作ったの。だけどロロンド……『人前で着替えるなんてはしたない行為は出来ん!』って言ったでしょ。だからリュカにお願いしたの。皆が着替えられる部屋を作ってって……」
なる程……確かに我が輩はピリンに言った。
そんな我が輩の言葉を受けて、リュカに衣装部屋を造らせて居るのか。
つまりは我が輩の依頼でリュカが行動してると言う事だな。
うむ、それなら文句を言うわけにいくまい。
ピリンは良い娘だ。
我が輩の言葉を真摯に受け取り、そして町の発展に貢献しようとして居る。
これなら我が輩のメルキドも、素晴らしい町になることだろう。
ロロンドSIDE END
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