ハイスクールD×D ~聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝~
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第4章 俺の幼馴染とテロ屋さんが修羅場すぎる!
ホワイトデー特別SS とある年のホワイトデー
前書き
毎度のことながら……
お待たせしてしまい本っ当に申し訳ありませんでしたーーーー!!
一年以上空いてしまったのは流石に予想外だったといいますか、そもそも待ってくれている方がまだ残っているか甚だ疑問ですが……。
仕事の山場は超えたので、これからはまたちょくちょく更新出来………………たらいいなぁ。
本日俺、兵藤一誠は普段の俺からはまったくもって似つかわしくない場所に居た。場所は駅前の大型デパート、その地下一階のお菓子売り場だ。ただしお菓子と言ってもスナック菓子などのお菓子ではない。各地の有名な和菓子や洋菓子屋さんがテナントとして入っているフロアで俺は様々な店を覗きつつ、どれを買うべきかと吟味していた。俺がいつも以上に真剣にお菓子を、それも今月のお小遣いどころか貯蓄も全て使い切る覚悟で見ているのには理由がある。本日の日付は3月13日。そう、ホワイトデーの前日なのだ。
「しっかし、どうしたもんかなぁ……」
ホワイトデーのお返しを渡すのを躊躇ってる訳じゃない。そもそも返さないという選択肢は元から選ぶ気なんてなかった。だけど……
「店で売ってるのを只渡すだけでいいのかね?」
そう、それが俺の悩んでいる点なんだ。だってさ、義理とはいえあんな手の込んだチョコくれたんだぜ? ……まぁ黒歌姉と龍巳のチョコは少々アレだったけど……。なのに返すのは既成品って。いや、既製品でもあいつらは喜んでくれるし、毎年悩んでは結局既成品を、せめてもと思って普段なら買えないような値段のもの渡すんだけど……でもなぁ~。
などとしゃがみこんで頭抱えて悩み込んでいたために、周りの視線が少々痛くなってきたその時
「おや? 珍しい所に珍しい奴がいる」
「んぁ?」
聞こえた声に振り向けばそこには
「あれ、兵藤くんじゃん。やっほー!」
「げっ」
「うわ……」
最初に声をかけてきた桐生、その後声をかけてきた巡はいいとして……部活仲間にその反応はどうなんだ、片瀬、村山?
「へぇ~、火織ちゃんたちにねぇ」
あの後俺達は少々場所を移動して俺に似つかわしくない場所で苦悩していた理由を4人に話した。この4人なら火織のことをよく知ってるし、桐生は龍巳のことも知ってるからな。もしかしたら少しはアドバイス貰えるかもしれないし。……決して通報しようとした片瀬や村山を思い留まらせるためではないからな。
「まさか火織さんたちがこんな奴に……」
「義理とはいえ信じらんない」
「うっせぇよ!」
そんなに俺があいつらからチョコ貰えたのが信じられねぇか!? 兄弟みたいに仲良く育ったんだからこういったイベントのやり取りがあったておかしくないだろうが!
「義理、ねぇ……」
「ん? 何だよ桐生」
「いや、別にぃ~?」
……お前のその意味ありげな表情、どう見ても別にって感じじゃねぇぞ?
「でさ、兵藤くんは結局何あげるの?」
「……分からん」
いやもうマジで分からん。例年通り高いお菓子をあげるべきか、それとも何かしらの物がいいのか、それとも……
「あいつらかなり手の込んだ手作りくれたからさ、ただ買ったもの渡しただけでいいもんなのかな?」
「……まぁそこまでのものくれたんならお返しも手作りにしたいわよね。あんたどうなのよ、料理の腕の方は?」
「残念ながらからっきしだ」
正直今まで食う方専門だったからな。一時期黒歌姉の手伝いをしつつ覚えようとしたこともあったんだけど、結局諦めちまったしな。
「う~ん、兵藤くんさ、火織ちゃんたちにお返しが何がほしいかとか聞いたこととかもないの?」
「あ~、前に一度聞いたことがあるんだけどその時の答えが……」
……やべ、いらん事思い出しちまった。
「お、なになに? なんて言ってたの?」
目をキラキラさせてこちらを覗き込んでくる巡。いやでもアレをそのまま素直に教えるわけには……って桐生がすげぇニヤニヤしてこっちを見てやがる!
「はは~ん? 兵藤、あんた随分と面白いお返し要求されたみたいね? ほらほら、言ってみ言ってみ?」
「いや、でもな……」
あいつらのため、と言うより俺自身言うのが恥ずかしいというか……。
「ふ~ん? 言わないんならあんたの幼馴染みへの熱い思いをたっぷり盛って龍巳ちゃんたちに「ちょっ!? 待て待て待て!? 言うよ! 言うからマジ勘弁して!!」……分かればいいのよ分かれば」
くっそ、こっちの弱みに付け込みやがって。
「で、何が欲しいって言ったのよ?」
「早く早く!」
「「……」」
興味津々に迫ってくる桐生と巡、そして我関せずといったふうに顔を背けつつも、それでもやっぱり興味があるのかチラチラ見てくる片瀬と村山。
「あ~っと、そのだな……」
「「うんうん!」」
「俺ので型をとった……その………………子宝アメを」
「ブフォォッ!?」
「「「………………???」」」
あ、巡も片瀬も村山も、子宝アメが何なのか分かってねぇなこりゃ。一方の桐生はというと……
「ク、クフフフ……あっはははっっ!! ひぃぃっ、ダメ! お腹痛い!」
大爆笑だよこいつ。こちとら恥ずかしいの我慢して言ったってのに。
「ねぇ兵藤、それ言ったの龍巳ちゃんでしょ!」
「よく分かったな。まぁあいつが言っただけだったんならまだ良かったんだけど、黒歌姉は同調するし、白音ちゃんは顔を真っ赤にしても反対は1回もしなかったし、おまけに火織は苦笑しつつも止めようとしないし…………おまけに俺が乗り気じゃないと分かるや型取りを強行しようとするしでマジで大変だったんだからな」
「あっはっは! で、でもまぁいいアイデアなんじゃない? あんた龍巳ちゃんたちと一緒に模型とか作ってるから型取りのノウハウはあるし、アメなんて最悪砂糖溶かした水を温めて水飛ばした後放っとけばべっこう飴にはなるんだしさ」
「いいわけあるか、馬鹿!」
「ねぇ藍華、子宝アメって?」
とそこで村山が桐生に怪訝な顔で聴いてきた。
「えっとね、子宝アメっていうのはぁ…………ごにょごにょ」
分かってない3人に耳打ちする桐生。そして聞かされた3人はというと……………………ボンッ!! と顔が真っ赤になった! すげぇ、瞬間湯沸かし器みてぇだ。
「な、なななっ」
「アワワワワ……」
言葉が出ないといった感じの巡と村山。そんな中、真っ赤になりながらも片瀬がキッ! と睨んできた!
「こ、この変態!」
「いやなんでだよ!?」
お前らが吐かせたんだし、そもそも俺が言ったわけじゃないのに!
「龍巳さんのことはよく知らないけど、女の子がそんなもの……し、しかもその、あんたのだなんて……欲しがるわけないじゃない!」
「あ~、それはそうとは言えないわよ?」
「え? あ、藍華ちゃん?」
「たしかに龍巳ちゃんのことよく知らなかったらそう思うかもだけど、龍巳ちゃんってヘタすると兵藤よりエロいし。なんせあの娘重度のオタクで慢研で18禁本書いてるし、確かコミケでも18禁本出してたわよね?」
「あぁ、しかも最近腐女子なんて属性まで加わっちまったからな……」
「え、あの噂もマジなの?」
「あぁ、まぁ人の趣味にとやかく言う気はないけど、俺が掘られる同人誌書くのだけはマジでやめて欲しい……」
「なにそれ見たい」
「いやマジ勘弁してくれ。しかも掘るのが松田と元浜だぞ?」
「なにそれ超ウケる!」
「いやいや全然これっぽっちもウケねぇよ!」
と、くだらんやり取りをしつつも横を見てみればポカンとしてる3人。そして
「えっと……火織ちゃんの妹って、その……オタクなんだ」
……何言ってんだこいつ、と思うと同時にこうも思った。こいつら、もうすぐ1年の付き合いになるのにまだ火織に対して幻想押し付けて本人の事ちゃんと見てないんだな、と。まぁそりゃあ、剣道大会連覇して全国でも有名になりつつある火織に対して理想を抱く気持ちも分からなくはないけど、お前らそばで何見てきたんだよ。
「言っとくけど火織も、それに一番下の白音ちゃんもジャンルは多少違っても立派なオタクだからな?」
「「「えぇっ!?」」」
「え、嘘? なに、3人共知らなかったの?」
「別に火織も隠してるつもりないはずなんだけどなぁ……」
だって部活中にも普通にネタ発言してるし……。
「あ、あんたが変なこと吹き込んでオタクになったんじゃ……」
「いや、どっちかっつーと最初からオタクだったのは火織の方だ。で、俺、龍巳の順番に影響受けて、最後に白音ちゃんが火織と龍巳の両方から影響受けたって感じだな」
っていうか俺の影響で龍巳が腐女子になったんなら、俺もそういう趣味を持ってるってことになるわけで……うわぁ、考えたくねぇ。
「っていうかなんでこんな話になったんだ? 明日のお返しのこと考えてたはずなのに」
「あ、そういえばそうだったわね」
とりあえず未だに微妙な表情をしてる3人は放っておいて俺と桐生だけでも話を戻す。
「ところで兵藤、あんた予算はどのくらいあるわけ? ここって私達じゃなかなか手が出せないものばっかなんだけどさ」
「とりあえず今日は8万持ってきた」
「「「「8万!?」」」」
うわっ!? びっくりしたぁっ!! え、何?
「8万ってあんた、その金どうしたのよ?」
「どうしたって言われても、バイトなりで貯めてた金を持ってきただけだぞ? 今年は去年より少し多めに頑張ったから2万くらい予算増やせた」
「じゃあ去年も6万の予算があったわけか。一人あたり1万5千……あんた去年何渡したの?」
「あー、去年は結局1人6千円くらいのクッキーとチョコの詰め合わせと、残りでぬいぐるみだな。けどあれは失敗だった。結構大きめのぬいぐるみでさ、皆枕元に飾ってくれてるんだけど、あれ絶対寝るとき邪魔だよなって見るたびに思うんだよ。でも俺に気を使ってるのか1年経った今でもそのまま飾ってるし、やっぱ形に残るものはダメだな」
「(……それ純粋に貰ったの嬉しくて大事にしてるだけだと思うけどね。それにしてもなんでこいつは気付かないかね。龍巳ちゃんは当然として、ちょっと話しただけで黒歌さんや白音さんも誰に気持ちが向いてるかあれだけ分かりやすいっていうのに)」
「……え? ごめん、なんだって?」
「あー、いや、何も。でも、クッキーか……」
そこで顎に手を当て考えだした桐生。そして、うん、と1回頷くとズビシィッ!! とこちらを指差して宣言した!
「兵藤! 今年のあんたのお返しは手作りクッキーで決定よ!」
「……はいぃっ!?」
「う~ん、ちょっと……」
「なんかダマになってるし……」
「表面焦げてるのに生焼けだし……」
「というわけで兵藤、やり直し!」
「……はい」
あの後何故か桐生主導のもと大量のクッキーの材料を買わされ、そのまま桐生の家に連行、桐生の指導のもとクッキー作りをさせられていた。そこに興味津々の巡、更に何故か片瀬と村山も付いてきて、さっきから作っては試食の繰り返しだ。どうしてこうなった……。
しかしながら俺は自分の料理の腕に呆れた。昔は多少は練習した時期もあっただけに、少なくとも食べられないものを作ることはないかな、なんて楽観的に考えてたんだけど………………まさかガハマさん並の錬金術を披露してしまうとは。流石にあれはみんなに食べさせられなくて、俺が全部胃袋に流し込んだ。
あれから数回指導されつつ試作して、なんとか見れるものにはなったんだけど、相変わらず美味しくない。っていうか言われた通りに作ってるのになんでこんなにうまくいかないんだ?
まぁ言ってても仕方ないので、さっさと残ってるぶんを毎度のごとく牛乳で流し込んで、次の試作にとりかかる。今度こそは……!
「……ねぇ変態」
「……なぁ村山、流石にその呼び方はやめてくれねぇか?」
「じゃあエロガッパ」
「だから……はぁ、もういいよ。で、何だよ?」
「なんであんたそんなに頑張ってるわけ?」
「いや手作りにさせたのは桐生だよな?」
「でもなんだかんだ言って投げ出さずに続けてるじゃん」
「……まぁ俺も前からお返しは手作りがいいと思ってたし渡りに船だったんだよ」
「でも普通そこまで必死に頑張る? どうせ義理のお返しでしょ?」
「まぁ他のやつならそうだけどさ、あいつらは特別、っていうか俺にとっちゃあの4人は紛れも無い家族なんだよ。家族のためなら全力になるのは当然だろうが」
「……あっそ」
そう最後に言うと、そのままリビングに行ってしまう村山、そしてそれに付いて行く片瀬。そしてなぜかこちらをニヤニヤしながら見ている巡。
「……なんだよ?」
「いやー、兵藤くんってさ……四股してるの?」
「ブフォッ!?」
さ、さっきの話聞いてなんでその結論になった!?
「なんでだよ!? そもそも俺は最初から火、じゃなくて! あいつらは姉や妹みたいなもんなんだって!」
「あ、分かった! じゃあ兵藤はシスコンなわけだ!」
「違ぇよ!? 桐生、お前も何聞いてたんだ!?」
「え~? でも姉や妹みたいな娘を大事にしてるんでしょ? 普通の兄弟はそこまで仲良くないわよ?」
「ぐ……いやでも、姉や妹みたいなものだからシスコンってわけじゃ……」
「じゃあやっぱり四股?」
「だから違うんだって巡!」
そんな感じでクッキー作りは賑やかに進み、なんとか渡せそうなものが出来上がる頃にはいつの間にか夜の10時になっていた。……家に連絡忘れてて、しかも携帯もマナーモードになってて着信に気付かなかったせいで、家に帰ったらみんなにめっちゃ怒られた。
☆
「ねぇ、昨日のことなんだけどさ……」
「うん?」
昨日藍華ちゃんの家からの帰りが遅かったこと、剣道部の朝練もなかったことから登校が結構ギリギリになった私は、おそらく同じ理由でぎりぎりになってたこの娘と下駄箱で鉢合わせた後一緒に教室向かっていた。
「なんで火織ちゃんってさ、兵藤なんかと幼なじみやってるんだろ?」
「……だよねぇ」
確かに兵藤も良いところがないわけじゃない。剣道の時間はまじめに取り組んでるし、大会もなかなかの成績だった。2年に上がっての最初の大会ではおそらくレギュラーに上がると思う。……でもそんなことが消し飛ぶほど欠点だらけなんだよね。スケベの変態で、同じく変態な松田や元浜とつるんでるし、デレデレしてる顔が超キモいし。
「いくら家が隣で小さい頃から付き合いがあるって言ってもさ」
「うん、普通あんなのとだったら疎遠になって終わりだよね」
「っていうかさ、火織ちゃんは違うと思うんだけど、昨日の藍華ちゃんの話しぶりだと他の3人は……」
「うん、多分そうだよねぇ……」
となるとマジで理解できない。話したことはないけど黒歌先輩はグレモリー先輩や姫島先輩と並んで三大お姉さまの一人として男女問わず人気だし、龍巳さんだって学園のマスコットとして有名。白音さんは会ったこと無いけど、藍華ちゃんの話だとこの子も相当かわいいらしい。となれば相手なんて選び放題でしょうに、なんで兵藤なんかと……。
と、そんなことを考えつつあるクラスの前を通りかかると
「あ、片瀬、村山、調度良かった」
話題のあいつ、変態兵藤があいつのクラスから出てきたところで鉢合わせになった。
「……何か用?」
「っていうか部活以外で用もないのに話しかけてほしくないんだけど。っていうか部活でも話しかけてほしくないけど」
「相変わらず俺の評価低いのな。別にこれ渡そうと思っただけだよ。ほれ」
という言葉とともに私達に何かを放ってきた。
「わっ!?」
「ちょ、何!?」
い、いきなりだったから変な声出ちゃったじゃない! それにしてもこれ、ラッピングされた袋?
「なにこれ?」
「ん、まぁ何? 昨日世話になったしな。残り物で悪いんだが、お礼だ」
「え?」
その意外すぎる答えに、思わずその場でリボンを説いて中身を確かめる。すると中からはそこそこいい出来のチョコチップクッキーとレーズンクッキーが出てきた。っていうか
「昨日あんたプレーンしか作ってなかったんじゃなかったっけ?」
「あぁ、まぁプレーンだけじゃなんだからさ、家帰った後徹夜で作ったんだよ」
「「徹夜!?」」
あの後家に帰って更に作ったっての!?
「あぁ、1回じゃうまく作れなくてな。時間かかっちまった。おかげで眠ぃよ」
そう言って欠伸をする兵藤。っていうか
「そ、そんなに頑張ったんなら私達じゃなくて先に火織ちゃんたちに……」
「いやそれは当然だろ。火織たちには朝食前に焼きたて渡したよ。……で、まぁ予想外に喜んでくれてさ。だからまぁ何だ。昨日は練習付き合ってくれてありがとな」
そう言うと若干顔を赤らめつつクラスに戻る兵藤……と思いきやその兵藤の襟元がガシっと掴まれた!? た、確かこの娘が火織ちゃんの妹の龍巳さんよね? その龍巳さんは完全な無表情のままクラス内に兵藤を引きずって行った!
「ちょっ、龍巳!? どうしたんだよ!?」
「いいから来る」
「っていうかなんでそんな機嫌悪いんだ!? 俺何かした!?」
「いいから来る!」
「ちょっと待ってぇぇええっ!!」
そのままズルズルと引きずられていく兵藤。龍巳さんって確か常に無表情で感情が読めないって有名だったけど、兵藤は分かるんだ。そしてクラス内を覗いてみれば……
「……誰?」
「あいつらのことか? 片瀬と村山って言って同じ剣道部で」
「なんで?」
「いや今日ってホワイトデーだろ? それで」
「チョコ、もらった?」
「いやいやそうじゃなくて!」
「まさか……告白?」
「だから違ぇって! さっき桐生に渡したのと同じ理由だ! 練習に付き合ってもらったんだって!」
「……本当、藍華?」
「まぁ昨日一緒に味見したのは本当だけど……そのことで兵藤があの2人をどう見てるのかまでは分からないかなぁ~?」
「ちょっ、桐生!? お前デタラメ言ってんじゃねぇよ!?」
「イッセー、説明」
「いや、だから……」
「「イッセー貴様どういうことだぁっ!!」」
「だぁっ!! めんどくさいから出てくんな松浜!!」
「「略すな!」」
「ん、黒歌お姉ちゃんと白音、連絡して来てもらう」
「ちょっ!? もう授業始まるんだから止せ龍巳! っていうか白音ちゃんは学校違うだろ!」
わーわーぎゃーぎゃーとうるさいクラス内。そしてそんな中藍華ちゃんが苦笑しつつこちらを見てきた。その手には私達と同じラッピングの袋が。
「そろそろ私達もクラス行こうか」
「そうだね」
賑やかなクラスをあとにして、私達のクラスに向かう。その際中、気になって1つだけクッキーをかじってみた。……悔しいけど昨日最後に食べたのよりさらに美味しい。
……何よ。火織ちゃんたちの気持ち、ちょっと分かっちゃったじゃない。
後書き
というわけでホワイトデー編でした。
前回バレンタインデー編の続編となり、なかなかスポットの当たらない桐生、片瀬、村山を出してみました。
楽しんでいただけたら幸いです。
次回は一日空けまして、16日の午前0時に投稿予定です。
お楽しみに。
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