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DQ5~友と絆と男と女  (リュカ伝その1)

作者:あちゃ
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26.ペットを撫で回してもご主人に怒られないが、嫁を撫で回すと怒られる。

<ラインハット城>

大成功!
俺もう無敵!
やばくなったら即座に逃げられる。

「なんと!!おぬしの魔法力は途轍もないのぉ!」
どうやらベネットさんも連れてきてしまった様で、何やら騒いでやがる。
「何を驚いているのですが、ご老人?」
「本来、この魔法は個人単体用なのじゃよ」
個人単体用?
なんじゃそれは?
「つまり術者一人だけに効果がある魔法なんじゃ」
何だかよく分からんが俺すごいらしい。

ま、どうでもいいや。
「そんな事より、ヘンリーに自慢してくる」
「そ、そんな事って…すごい事なんじゃぞ…」


ヘンリーの所に行ってルーラの事話したら驚いてくれた。
でも、俺達結婚しましたって発表の方に、俺が驚いた。
ヘンリーとマリアさんが結婚して本当にめでたいと思う。
思うけど、何か悔しいので嫁さんにセクハラをする。
マリアさんの身体を撫で回す。胸、腹、尻を優しく、やらしく撫で回す。
あれ?何か違和感があった…
ブチ切れるヘンリーに真面目な口調で問いかけた。
「出来ちゃった結婚?」
「な!何で分かるの!?」
切れてたヘンリー、一転して驚く。
「マリアさんのお腹触ったら、命の暖かさを感じた」
「お前…やっぱり、すげーな!」

この後マリソルやデルコ、デールに会って近況を報告し合った。
デールから『天空の盾』の情報を貰った。
サラボナと言う町の豪商。
ルドマンさんが家宝として所有しているらしい。
ベネットさんを送り届けたら、次の目的地はサラボナだ。
ちなみに帰り際、またしてもマリソルに泣き付かれました。ちょーかわいー!



<サラボナ>
フローラSIDE

はぁ~…困ったわ、私結婚なんて考えていないのに…
相変わらずお父様は強引すぎるわ。
あら?あれはアンディ!?どうしたのかしら?
「アンディ、どうしたの?」
「うーきゃんきゃん!!」
「や、やぁフローラ!あの、この犬どっかやってくれないかな?」
「リリアン!ダメよ!」
私はリリアンを抱き上げアンディに向き直る。
「うー!」
リリアンはまだ唸っている。
私以外には懐かない…困った子ね!

「フローラ、聞いたよ結婚の事」
「そうなのよ。私も困ってしまって…」
「フローラ!僕も婚約者選びの試練に参加するつもりだ!」
「え!?アンディどうしちゃったの!?お父様はとても危険な試練を用意するつもりよ!危険すぎるわ!」
「そんな事関係ないよ。ぼ、僕は君の事が好きなんだ!ずっと…ずっと前から!」
「ア、アンディ…そんな…私は…」
「だから、試練を成功させたら…その時は…」
そこまで言うとアンディは私の家に入っていった。
今日、お父様が試練の内容を発表するから…

戸惑い惚けていると、私の腕からリリアンが飛び出した。
いけない!
リリアンは私以外に懐かない!
早く捕まえないと!

人通りも疎らな並木道。
町の入り口に程近い所でリリアンを見つけた。
なんと、リリアンは男性に飛び付いていた!
よくアンディが噛み付かれているのを思い出し、私は慌てて近寄った。
「申し訳ありません!うちの子が…」
私は目を疑った!私以外…家族にも懐かないリリアンが、見ず知らずの男性にじゃれついている。
私と同じくらいの歳の男性は、紫のターバンを巻き顔は日に焼け、逞しい体付きをしている。
その人の澄んだ美しい瞳が私の心を惹きつけた。
「リリアンちゃんは可愛いですね」
私は我に返り慌てて謝罪した。
「申し訳ありません!うちの子がご迷惑を…何故…リリアンの名前を!?」

フローラSIDE END



<サラボナ>

サラボナの町は活気に満ち溢れていた。
そんな町を歩いていると、前方からふわふわな毛並みの小型犬が、走り寄り飛び付いてきた。(動物好きゲージMAX!!)
ちょー可愛い!
すげー可愛い!

俺は犬を撫で回し話し掛ける。
「君の名前は何て言うの?…そう、リリアンって言うの。可愛い名前だねー!」
ふと顔を上げると、そこには一人の女性がこちらを見て立っている。
とても美しい…清く可憐なと言う形容が彼女以外に使えない程の、美しくお淑やかそうな女性が俺を見て立ち尽くしている。
リリアンが「きゃん!(ご主人様)」と、鳴くのが聞こえる。

この人引いてるよね!
そりゃ普通引くよ!
自分の犬と戯れ喋っている、見ず知らずの男を見たら…
せっかく美人と仲良くなるチャンスなのに『なに、こいつ!キモッ!』とか思われるのヤダー!

なんとかしないと…
「リリアンちゃんは可愛いですね」
「申し訳ありません!うちの子がご迷惑を…何故…リリアンの名前を!?」
しまったー!!!
何て言う!?
何て言い訳する?
「犬に直接聞きました」って、電波なの!?俺、電波受けてんの!?

何これ!?
何このドン引きスパイラル!?
どうしよう、どうしよう!
不審がってるよ彼女!
何か答えないと…何か言わないと…

「あ、あの…お名前は…?」
名前聞かれた!
やばい!
『不振人物が町に潜入!』なんて町中に警戒を呼びかけるのか!?
ヘンリーの名前騙るか!…いや、仮にも王族の名はまずい!色々まずい…
「リュカと申します。美しいお嬢さん」
ムリです。
もうリカバリーはムリです。
諦めましょう…町中の美少女から白い目で見られても、泣かない様に我慢しましょう…
そして傷付いた心はサンタローズで癒そう。



 
 

 
後書き
嫁選び編突入! 
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