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DQ5~友と絆と男と女  (リュカ伝その1)

作者:あちゃ
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25.「押すなよ!押すなよ!!」と言うのは、「押せ!」って言っているのと同義語である。

<ルラフェン~西の草原>
ピエールSIDE

これ程やる気のあるリュカ見るのは初めてだ!
幾度と無くモンスターの群れに襲われたが、その全てをリュカ一人で蹴散らしていく。
よほど『ルーラ』を手に入れたいのだろう。
我々の出番がない。
モンスターが現れても、剣を抜く前に終わっている。
これ程強いのなら、普段も少しは協力してくれればいいのに…


ルラフェンの西の山を登り切ると、そこは台地になっていた。
広く綺麗な湖が広がる。
今日はここで野営する。

食事も終わり寝ようとすると、リュカが服を脱ぎだした。
「な、何だ!いきなり!変な物見せるな!」
間近で見てしまった!
「変な物って…ポートセルミじゃ隅々まで観察してたじゃないか!レポート提出してもらおうかと思ったくらいに(笑)」
「観察してない!お前が服を着なかっただけだ!それより何で今服を脱ぐ!」
私は手で顔を覆い、文句を叫ぶ!(しかし指の隙間からしっかり見える。すごい…)

「せっかく綺麗な湖があるから、水浴びでもしようと思って。ピエールもどう?今、汗臭いでしょ!?何なら優しく洗ってあげるよ」
リュカはいやらしく両手を動かし、私を水浴びへと誘う。
「いらん!」
リュカは悪びれもせず、クスクス笑うと湖へ入り身体を洗いだした。

リュカの体は傷だらけだ。
全て奴隷時代の傷らしい。
傷を見るだけで、どれほど過酷だったかが伺える!
私はリュカの逞しい身体に見とれていた。老師の視線に気付かず…
水浴びが終わり、私の所に戻ってきたリュカは
「覗いたりしないから、ピエールも汗を流しておいで」
と、優しく勧める。

正直言うと、私も水浴びをしたかった。
だが…
「本当に見るなよ!」
念を押す私。
「見ないって」
軽く答えるリュカ。
「絶対だぞ!」
更に念を押す…
「絶対見ないよ」
呆れ口調のリュカ…
「お前!本当に見るなよ!見たら、殺すぞ!」
「あのねぇ…あまりしつこいと本当は見てほしいんじゃ?って、勘ぐるよ!」
「うっ…老師!見張っていて下さい!リュカを見張っていて下さい!」
「信用無いのぉ~」
「ね!」


私は物陰で素早く服を脱ぎ湖に浸かる。
身体を素早く洗い汗を流す。
リュカの事だ…きっと覗いているに違いない。
すごく恥ずかしい…
でも、リュカがせっかく汗を流す様勧めてくれたのだ。
それに、リュカになら見られても…恥ずかしいけど、リュカになら…


私は水浴びを終えると、服を着て皆の元へ戻った。
「老師!リュカは覗いてないだろうな!」
「安心せい。すぐ寝てもうた。覗いとりゃせんよ」
「…」
くそ!何か腹立つ!

ピエールSIDE END



<ルラフェン>

俺達はルラムーン草を手に入れると、鬼神の如きスピードで町に戻り、プックルの案内でベネットさんの所に帰ってきた。
ベネットさんにルラムーン草を渡すと、早速調合にとりかかる。
ベネットさんの説明では、魔道書を読んでも魔法適正が無いと使えないので、調合した薬を飲む事で、魔法適正を付けると言う事だ。
つまり、ベネットさんが作る薬を飲んで、ルーラの魔道書を理解すれば、ルーラを唱える事が出来るらしい。

ベネットさんが調合している間、ルーラの書を読み理解した。
もしかしたら最初から適正が有るかもしれない…なんせ主人公ですから!(勇者じゃないクセに!とか言うなよ…)
試しに唱えてみる。
「ルーラ」
……………静かに時が流れた。

「よし!薬が出来たぞい!」
出来上がった薬は形容し難い臭いを放っている。
100%断言出来る!味も最悪だろうと…だって、入れてた物がすごかったもん!
「ただ、残念な事に…一人分しか薬はない。誰が飲むかのう?」
立候補してないのに、満場一致で俺になった。
正直俺もこんな物飲みたくない…が、ルーラの魅力の方が勝る!
俺は躊躇わず一気に飲み干した。
走馬燈が見えました。(父さ~ん…)


気が付くとみんなが心配そうに俺の事を覗き込んでいる。
特にピエールの顔が近い。
どうやらピエールに膝枕されている様だ。
柔らかい太腿が俺を刺激する。

思わずピエールを押し倒す俺!
「トチ狂うな!」と股間を蹴り上げられ身悶える俺!
心配してくれたみんなに呆れられる俺!
そんな俺が大好きな俺!

「さっさと起きんか!」
股間を押さえながら、へっぴり腰で立ち上がる。
「さ、ルーラを唱えてみぃ。何処か遠くをイメージして唱えてみぃ。」
「む、無理ッス…いま、イメージ出来ねッス…」



よし!気を取り直して(宝玉が定位置に戻ったし)意識を集中する。
うーん…何処行こう?
フレアさんの所に行くか?
いや、成功すれば何時でも行ける。
ヘンリーの所に行って自慢するか?
うん!そうしよう!
「ルーラ」




目の前にラインハット城がそびえていた。
大成功じゃん!



 
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