DQ5~友と絆と男と女 (リュカ伝その1)
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24.自分の好きな事に熱中したい。でもまず好きな事を見つけないとね。
<ポートセルミ-酒場>
ピエールSIDE
ポートセルミに着いたのは深夜になってからだった。
寝床を確保すべく宿屋で記帳する。
ステージではダンサー達が煌びやかにダンスを披露していた。
一人元気になったリュカは、ステージにかぶりつきヒートアップしている。
もはやつっこむ気力もない我々は割り当てられた部屋に行くと、手間取ることなく眠りについた。
翌朝、併設される酒場で遅めの朝食をとっていると、リュカだけがなかなか起きてこない。
次の目的地を話し合わねばならない為、部屋まで起こしに行く。
「リュカ!何時まで寝ているつもりだ!」
そう言いリュカの布団を剥ぎ取った。
リュカは裸で寝ていた。
そして、見知らぬ女が裸でリュカに寄り添い寝ていた…
「な、な、な…、何をしているか!!馬鹿者!!」
二人揃って起きあがり、私を見て互いを見る。
「やぁ、おはよう、クラリス。ごめんね、騒がしい朝で」
「おはよう。しょうがないよ、すぐに出発するんでしょリューちゃん?」
リュ、リューちゃんだと!?
そう言って女はのそのそと服を着る。
いや、服などとは呼べない。
裸より幾分マシな、ほぼ裸のステージ衣装を身に着け
「リューちゃん!今度寄った時は、すぐ声かけてね!リューちゃんの上だけで踊ってあ・げ・る♡」
そう投げキッスを残し部屋を出て行った。
「ひょ~っほっほっほ!リューちゃんはお盛んじゃのぉ」
「わ~っはっはっは!若さ満喫!」
リュカと老師が下品な会話を繰り広げる。
「馬鹿な事言ってないで今後の事を考えろ!」
私は不快感を露わに、話を進めようとした。
「いや、もう決めてあるよ」
「ほう。何処へ向かうのじゃ?」
「ここから西に行った町、ルラフェンへ」
「確か…複雑な町の造りで有名じゃが…何があるんじゃ?」
「可愛い女の子がいるから、等と言う理由なら許さんぞ!」
このバカが言いそうな理由だ…
「違う違う!なんでも、すっごい魔法を研究している爺さんがいるらしい。今後の旅に役立つかなぁーと思ってさ」
思いの外まともな理由に安心した。
「して、どんな魔法何じゃ?」
「それは知らん!」
分からない魔法の為に、ワザワザ足を運ぶのか?
「どこから仕入れた情報じゃ?」
「昨晩クラリスが教えてくれた」
ちぃ…あのバカ女からの情報か…
「ひょ~っほっほっほ!自慢の剣を使って情報収集をしておったのか!」
「わ~っはっはっは!僕が腰を振って、彼女が情報を出す!ギブ・アンド・テイクってヤツですよ!」
私は、不快感を露わに睨み付けていた。
ピエールSIDE END
<ルラフェン>
この町は入り組んでいる。
まるで巨大迷路の様だ。
転生前の子供時代、俺は喜んで遊園地などのアトラクション、巨大迷路に飛び込んだ。
大人になってからも彼女と巨大迷路に入ってイチャつく事も暫し…
しかし今日は喜んで飛び込んでもないし、イチャつく彼女もいない!(ピエールにそんな事しようものなら、最近覚えた『イオラ』をかまされる!)
「あ~!腹立つ!何、この町!全然行きたい所に行けないじゃん!」
目的の場所は見えている。
余計に腹立つ!
「誰だよ、こんな町に行くなんて言ったのは!」
「「お前だ!!」」
ちょー怒られちゃった!
みんなイラついてたのね…
そんな中、急にプックルが走り出した。
『ワシぁ~疲れた』とか言って、勝手にプックルの背中に乗り楽をしていたマーリンを振り落として走り出した。
ざまー!
「いたたたた…なんじゃ、あいつは!」
「いや…ほら、猫だから…」
「猫じゃない!キラーパンサーじゃ!」
どっちだっていいよ。
プックルを追いかけると、目的地に到着!
さすがプックル!
大好きプックル!
君は僕らのヒーローだ!
皆プックルを褒めまくる!
撫でまくる!
祝賀ムードで盛り上がっていた。
「やかましい!人んちの前でガタガタ騒ぐなー!!」
しかし中の住人に怒られました。
みんな、しょんぼりムード…
「申し訳ありません。魔法の研究で有名な先生がいると聞いてやって来ました。この町の入り組んだ構造のせいで辿り着くのに難儀してしまいましたが、今辿り着き嬉しさのあまり、はしゃいでしまいました。どうか許して下さい」
俺は身を正して謝罪しする。
「ほ~ほっほっほ!ワシは有名か!?」
「はい!先生!」
「先生なんて、照れるのぉ~。ワシの名はベネットじゃ。ま、入れ、入れ!」
ふっ…チョロいぜ…
中に入るとイカニモな室内だ!
色々な物が散らばり、足の踏み場もない。
イヤだ…俺、この部屋じゃ住めない…話を終わらせて、サッサと出て行きたい。
「それで、どのような魔法を研究しているのですか?」
「うむ!『ルーラ』と言う魔法を知っとるか?」
「ルーラ…ですか?何かエッチな響きですね」
きっと魔法を唱えると、女の子の体が火照ってきちゃって、服を脱ぎ出しちゃう様な魔法!
「エッチじゃないわい!この魔法は、行った事のある場所なら瞬時に移動する事の出来る魔法じゃぞ!」
え!?
瞬時に移動!?
瞬間移動の事か?
「…すげぇ~…」
「ふっふっふ…そうじゃろ!そうじゃろ!!」
「じゃぁ…じゃぁさ!ベットで寝ていてトイレ行きたくなったらビュン!とか、お腹空いたら食料庫へビュン!とか、高い所へ風船が引っかかっちゃったからビュン!とか出来ちゃう訳!?」
「ま、まぁ…可能じゃが…もうちっと広大な範囲で使って欲しいのぉ…」
「覚えたい!すぐ覚えたい!今覚えたい!」
「では、ここより西に一山超えた所にある、『ルラムーン草』を採ってきてくれ!それがあれば、ルーラが完成する」
「その草の特徴は!」
「夜になると、淡く光る」
俺は聞き終わると、疾風の如く翔だした。
しかしルラフェン迷宮に嵌り、プックルに救出されるまでベソをかいていた。
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