ソードアートオンライン VIRUS
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気持ち
前書き
ゲツガとユキのいちゃいちゃするだけの話。もう付き合えよお前等・・・・・
六十四層に来たゲツガとユキは街道を歩いていた。六十四層は例えるなら、和風の町に洋風の街を合わせた感じの少しおかしな感じだが、ゲツガはここの街を気に入っている。黙って歩いているユキはクラディールのことが申し訳ないと思っているらしく、まだ俯いたままだ。
ここは男を見せなければならないと思い、声をかける。
「ユキ、さっきのことは気にしなくていいって。あいつにはムカついたけど仕返しはしたからな」
「でも……ゲツガ君にあんな失礼なことを言ってたし……」
まだ、俯いてるユキの頬を両手で挟んで無理に顔を上げさせて、目を見る。その時、ユキは耳まで真っ赤にして、はわわといっていたが気にせずに言う。
「ユキ、もう終わったことは忘れろ。小さいこと忘れたほうがいいって。そんなのいちいち気にしてたら疲れちまうぞ」
「でも……」
「でもじゃない。いいか、あいつの暴言なんて忘れてしまえ。あんなの覚えていたって無駄だろ」
「……」
俺はユキの目を見続ける。そしてようやくユキは肯定した。
「わかった」
「よしっ」
そう言うと俺はユキの頬から手を離そうとする。するとユキがその手の上から自分の手の上にかぶせてくる。
「ちょ……!ど、どうしたんだよ、いきなり!?」
いきなり手をかぶせられて動揺する。しかし、なぜこのような気持ちになるのかがわからなかった。現実では何度も女の人に触られたりしたが、このような気持ちになることはなかった。しかし、ユキが触ったり近づいただけでなぜかこのような気持ちになる。
「しばらく……しばらくでいいからこのままでいさせて……この温かさを感じたいから……」
ユキはそのまま目をつぶって、手の温もりを感じていた。その時のユキの顔を見ることが出来ず目をそらす。
数分後、手を離してから、ありがとうと言った。それに、おうと応じてから家に向かった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ゲツガ君に不快な思いをさせてしまった。だから、ゲツガ君の家に行くときには横について行ってたが俯きっぱなしだ。ああ、実際はこんなはずじゃなかったのに!!そう思っていたとき、ゲツガ君のほうから話しかけてきた。
「ユキ、さっきのことは気にしないでいい。あいつにはムカついたけど仕返しはしたから」
ゲツガ君はそう言ってくれる。
「でも……ゲツガ君にあんな失礼なこと言ってたし……」
だけど、そう言われても顔を上げれない。しかし、頬に温かいものに覆われる。その瞬間、無理やり顔を上げられる。視界があがると鼻の先には、ゲツガ君の顔があった。
「はわわわ」
えー!もしかしてゲツガ君、ここで、き、キスするつもり!?そんなことを考えてしまったが、ゲツガ君は私の目を真っ直ぐ見て言う。
「ユキ、もう終わったことは忘れろ。小さいこと忘れたほうがいいって。そんなのいちいち気にしてたら疲れちまうぞ」
優しいなゲツガ君は……そう思っても部下の責任は私の責任でもある。
「でも……」
「でもじゃない。いいか、あいつの暴言なんて忘れてしまえ。あんなの覚えていたって無駄だろ」
「……」
確かにゲツガ君の言う通り。小さいことは気にしないでいい。
「わかった」
「よしっ」
そう言って、ゲツガ君は手を私の頬から離そうとする。その前に、私は自分の手を重ねる。
「ちょ……!ど、どうしたんだよ、いきなり!?」
ゲツガ君もさすがにびっくりするが、その状態を保っていた。
「しばらく……しばらくでいいからこのままでいさせて……この温かさを感じたいから……」
そう言って、ゲツガ君の手の温もりを感じる。最初はなに言ってんだろ、私!と思ったけどゲツガ君の手の温もりに比べたらそんなこと些細なことと感じた。その温もりを出来るだけ堪能するべく目を閉じた。数分間、ゲツガ君の手の温もりを感じた後、自分の手を離した。
「ありがとう」
「おう」
「それじゃあ、ゲツガ君の家に行こうか」
そして、私はゲツガ君の家に案内してもらった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ユキを俺の家に案内して、中に入れる。現実世界に例えるなら和室二部屋とキッチンの付いた2Kと言ったところか。とりあえずちゃぶ台の前に座らせて、自分は料理を作ることにした。
「ゲツガ君って、マイホーム持ってたんだー。和風ってなかなか私好きだよ。いくら位したの?」
「ん、えっと……内装は少しケチったからな……だしか二千Kぐらいだったような気がする?」
「結構かかったんだね。お金大丈夫なの?」
食材を出しながら答える。
「ああ、一時期籠もったり、モンスターハウスでのレベル上げとかしてからな。まだ結構余ってる」
「モンスターハウスって、まだそんなトコでレベル上げとかしてんの!?」
ユキがモンスターハウスと聞いて驚いていた。まあ、あんなトコでレベル上げするなんてただの自殺志願者か馬鹿だけだしな。あ、俺って馬鹿だ。とりあえず調理する。今日は味噌汁に似たものとご飯らしきものと焼き魚と和風サラダを手早く完成させてちゃぶ台に並べる。その時にユキがガミガミ言ってたがとりあえず飯が出来たと言って静かにさせる。
「よし、それじゃあ料理も完成したし食べるか」
「うん!!「いただきます!」」
合掌をしてから食べ始める。ユキも美味しいといって食べてくれたので作った甲斐があった。全て食べ終わり、食器の類を片付ける。お茶を飲みながらユキと話す。
「ごちそうさま、美味しかったよ」
「どういたしまして」
「ゲツガ君ってアスナみたいに料理スキル上げてたんだね」
「ああ、少しでも美味しいものとか食いたいからな。それに、なんていうのかな。現実でもやってたからか、こっちでもやってないと落ち着かないというか」
そう言った後、ユキが聞いてくる。
「ねえ、ゲツガ君。失礼かもしれないけど、聞かせてくれる。現実世界のこと……」
しばらく考える。特に名前とか出さなければ問題ないだろうと思い話し始める。
「いいぞ。あんまし面白くないけど。……俺の親は、今は母親しかいないんだ。親父は俺がまだ五歳の頃、俺をかばって交通事故で死んだんだ。その時の約束は今でもはっきり覚えてる。俺はその言葉どうりに今まで頑張っていたんだ」
少し暗い話しになってしまったなと思う。
「ごめん。軽はずみに聞いちゃって」
やはりユキは頭を下げて謝ってきた。頭を上げるように言って、他の話に変える。そのあと、普通に現実世界ではなくこの世界での世間話などで花を咲かせた。
時刻が九時を回るとユキはそろそろ帰らないとと言ってから立ち上がる。
「こんな時間に一人歩きは危ないから送ろうか?」
「ありがとう。じゃあ、お願いするね」
そして家から出て、ユキを《セルムブルグ》まで送る。転移門まで来てから、ユキはここまででいいと言ったので、転移門の前で立ち止まる。ここで別れるのかと思うと、胸のどこかが淋しく感じた。
「今日はありがとね。家にまで行って、ご馳走までしてもらって」
「いいよ、俺も久しぶりに二人で食事したから楽しかったし。もしも、また食べたくなったら来いよ。いつでもご馳走してやるから」
なぜだろう、ユキと話していると自然と言葉が出てくる。
「じゃあ、また今度またご馳走させてもらうわ」
「いつでもどうぞ」
「じゃあね、また今度」
そう言ってユキは転移門で《セルムブルグ》に帰っていった。家に帰ってる道でこの気持ちはなんだろうと考えていた。ユキを考えただけで胸が熱くなる。そして家の前についてその答えを導き出した。
「そうか……俺、ユキに惚れてたのか……」
上を向いてそう呟く。しかし、自分は人を殺めた。俺のような奴と一緒にいたいと思うだろうか?そんなことを考えてしまう。それだったら自分から離れていくいいだろう。だからこの気持ちはずっと胸の中に閉まっておくのが一番だ。そう思い、家に入って眠りについた。
後書き
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