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ロックマンゼロ~救世主達~

作者:setuna
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第53話 オリジナルゼロ

 
前書き
オメガとの最終決戦 

 
クロスチャージショットを受け、その巨体が爆散したオメガの残骸が落下していく。

ゼロとルインはフットパーツのバーニアを噴かして落下の勢いを落としながら着地した。

「あれ?ここはどこ?」

見覚えのない場所にルインは辺りを見回すが、この場所はゼロにとって見覚えがありすぎる場所であった。

「ここは……俺が眠っていた場所……」

自分が眠っていた研究所跡。

シエルによって永き眠りから解き放たれ、そこからネオ・アルカディアとの戦いが始まったのだ。

「ここがゼロの眠っていた場所なんだ……」

『クククククーッ!!見事だぞ!ゼロ!ルイン!特にゼロ…とても偽者とは思えん程のパワーだ』

研究所跡に響くバイルの狂笑と言葉に、ゼロとルインは目を見開く。

「偽者だと!?」

その時、オメガの残骸が吹き飛び、中から一人のレプリロイドが現れた。

真紅のアーマーに流麗な金髪を靡かせたそれは二人にとってあまりにも見知った姿だった。

『クックックッ…貴様が伝説のレプリロイド?おめでたい奴よの…ここで見つけたレプリロイドをレジスタンスの馬鹿共が勝手にゼロと呼んだだけだ…。お前も…確かにゼロではあるが、単なるコピーだ。伝説の英雄でもなーんでもないたーだーのコピー…なのだよ!!』

ゼロに似たオメガらしきレプリロイドがゼロとルインを禍々しい狂気に満ちた血を思わせる紅い瞳で見据える。

『クックックッ…自分がコピーだと知らず、英雄を気取りおって…本当に笑わせるじゃないか。オメガこそ、正真正銘…本物のオリジナルゼロだ!お前はそのコピーに過ぎん!!』

「あれが…本物…オリジナルのゼロ…?」

「オリジナルゼロが…何故、お前の言いなりになっている…」

「そうだよ。もしオメガが本当にイレギュラーハンターとして活動していたゼロ本人ならあなたみたいな外道に従うはずがない。昔のゼロを知る私からすれば、オメガがオリジナルゼロだなんて信じられないね。」

バイルは昔のゼロからしても嫌悪の対象の存在である。

そんな相手にオリジナルの…本物のゼロが従うはずがない。

『ふん…!貴様はオリジナルゼロの本性を知らぬだけだ!奴は血に飢えた破壊神…その力を限界まで引き出せるよう、改造してやっただけだ!!』

「悪いけど、私はイレギュラーハンターになってからエックスと一緒にゼロの背中を追いかけてきた。あなた以上にゼロのことを知ってる自信がある。そのゼロがあなたなんかに従うもんか!私達の知ってるゼロはあなたなんかに従うくらいなら死を選ぶ。ゼロはそんな誇り高い人なんだ!ああ、それとも心理的に私達を追い詰める気?お生憎様、そんな低レベルな策なんて通用しないよ。」

この時点でルインには一つ確信出来る事があった。

「(…確かにオメガのエネルギー反応は私の知っている昔のゼロその物だ)」

傍らに立つゼロはルインのエネルギー感知器にはオメガとは僅かに違う反応を示していた。

エネルギー反応だけで言えばルインの記憶に明らかに合致するのはオメガの方だが、しかしそれでも…。

「ゼロ!こんな偽者に惑わされないで!私は知ってる…私の知っているゼロは、殺戮をするような外道に従うような人じゃない!!」

『ふん、愚かな…まあいい。さあ、オメガ…いや、オリジナルゼロよ!哀れな偽者が百年見続けた夢を…そろそろ覚ましてやれ!ついでに目の前の現実を受け入れられない哀れな人形の目も覚ましてやるがいい!!』

バイルの命令でオメガはホルスターからゼロの物と同型のセイバーを引き抜いた。

「我は…我はメシアなり!ハーッハッハッハッハ!!」

叫んだのと同時にオメガがダッシュで距離を詰め、セイバーを構えて凄まじい勢いでルインに突撃する。

「なっ!?速い!?」

ルインは咄嗟にZXセイバーで振り下ろされたオメガのセイバーを受け止めるが、あまりの力に手が痺れてしまう。

「(な、何てパワーなの…!?)」

いくら戦闘用とは言え女性型レプリロイドである自身は男性型レプリロイドに力で負けてしまうのは仕方ないにしてもあまりにもこの力は異常である。

「その程度か…?」

「ぐっ!その顔でそんな風に笑うな…!」

ゼロと同じ顔で自分を嘲笑うオメガにルインの表情は自然に苛立ちで険しくなる。

「オリャアアアッ!!」

オメガはセイバーを握る腕に力を込め、そのまま強引にルインを弾き飛ばす。

「くっ!なら、バスターで…!!」

弾き飛ばされたルインは何とか体勢を立て直してオメガにZXバスターを向けてチャージショットを放とうとしたが…。

「ダブルチャージウェーブ!!」

オメガもまたゼロが持っている物と同型のバスターショットを構えると、ルインよりも早くエネルギーチャージを終え、ルインやゼロの物より一回りでかいチャージショットが二発連続で放たれた。

「ダブル…チャージショットっ!?」

「馬鹿な…」

「まだだ!!」

居合いの要領でセイバーを勢い良く振るってソニックブームを放ち、チャージショット二発とソニックブームの三連撃を繰り出す。

オメガが繰り出したソニックブームは同じソニックブームを繰り出すゼロの放つ光幻刃とは比較にならない射程距離と切断力を誇っていた。

「ぐっ!!」

フットチップをダブルジャンプからシャドウダッシュに切り換えて攻撃をかわそうとするが、ダブルチャージショットはかわせたものの、最後のソニックブームが掠る。

「吹き飛べっ!滅閃光!!」

拳を地面に叩きつけ、放射状にエネルギー弾を繰り出す。

ゼロもルインも知らないが、かつてゼロがイレギュラー戦争時に起きたスペースコロニー・ユーラシア事件で会得した技なのだ。

ゼロは咄嗟にエネルギー弾をセイバーの腹で受け止め、その衝撃を利用してオメガと距離を取る。

「バーストショット!!」

「温い!空円舞!!」

バーストショットの火炎弾を凄まじいスピードで回避し、何とオメガは空中で二度もジャンプした。

ゼロと違ってフットチップも使用せずにだ。

「アークブレード!!!」

空中回転斬りを繰り出し、それによって発生した広範囲に放たれた無数の衝撃波がこちらに迫る。

ゼロは再びシャドウダッシュで回避し、ルインはHXアーマーのエアダッシュで回避したが、オメガはそれを見越していたのか、エネルギーチャージを終えたバスターを向けていた。

「ダブルチャージウェーブ!!」

空中にいるルインに向けて放たれるダブルチャージショットとソニックブーム。

ルインはバーニアを噴かしてそれを回避しようとしたが、オメガは不敵に笑うと拳を地面に叩き付けた。

「裂光覇!!!」

オメガの周囲に光の柱が立ち上り、射程内にいたルインは吹き飛ばされてしまう。

この技もイレギュラー戦争のナイトメアウィルス事件でゼロが会得した技だ。

「ルイン!!」

一瞬吹き飛ばされたルインに気を取られてしまったゼロはセイバーを構えて突撃するオメガに反応出来なかった。

「はああああああっ!!!」

セイバーによる凄まじい連撃・乱舞にゼロは防ぐ暇もなくオメガに体を斬られていく。

「ぐっ!!」

「龍炎刃!!」

とどめとばかりにセイバーに炎を纏わせ、ゼロにジャンプ斬りを喰らわせる。

この技はイレギュラー戦争時のレプリフォース大戦で会得した技だ。

覚えていないとは言え、かつてゼロの大切な少女を葬った技を自身が受けることになるとは皮肉なものだ。

そして一方のサイバー空間では…。

「ゼロ!ルイン!!」

オメガに圧倒されている二人の姿に、サイバー空間で戦いを見ていたエックスが悲痛な叫び声を上げる。

「ありゃりゃ…ゼロ君とルインちゃんがオメガに圧されてるねえ。やっぱりオリジナルボディが相手じゃキツいかなぁ…多分、エリアXー2でルインちゃんと戦った影響かな?オメガ相手にオーバードライブまで使っちゃったわけだし」

「女神様!まだボディは完成しないんですか!?時間がかかるようなら強化アーマーなら必要ありませ…」

「あ、うん、そうだね。良い頃合いだろうし…いいよ。行ってきて」

「は?」

サラリと言い切った女神にエックスは一瞬状況を忘れて呆然となった。

「だからゼロ君達に加勢していいよ。とっくにボディは完成しているから」

「か、完成してる!?そ、それはいつから!?」

「え?そんなのゼロ君とルインちゃんがオメガと第一ラウンドを始めた時からだけど?」

サラリと言う女神にエックスは唖然となりかける。

「な、何でもっと早く言ってくれなかったんですか!?そんな大事なことを!?」

「お馬鹿、ピンチになってからルインちゃん達を助けに行った方がヒーローっぽいし、ドラマチックじゃん。ピンチのヒロインをヒーローが助ける、これヒーロー物の定番でしょ?」

切迫した状況なのに、いっそ呆れるほどマイペースだ。

頭に血が上ってもよさそうな発言なのに、ああもあっさり言われると怒る気も失せる。

何故、並行世界のゼロや人間時代のルインが彼女を女神だと信じなかったのか…その理由が今、分かった気がした。

「た、大変だ…早く行かないと!!」

焦って自身の新たなボディに駆け寄るエックス。

「ちょっとストップ」

「え?」

「強化アーマーのことで色々考えたけどこのボディには強化アーマーはないの。今まで君が使用してきた強化アーマーも、アルティメットアーマーさえもエックス君がエックス君でいる範囲での強化ってわけだから。ある意味拘束具みたいなもん。私はエックス君が自由自在に潜在能力を引き出せるようにしたんだ。レイジングエクスチャージの強化上限が上がっているはずだよ。基本性能は普段と同じのはず」

「は、はい!女神様、どうもありがとうございました!!」

今までボディの完成を黙っていたことに思うところはあるものの、エックスは人型から球体の状態になるのと同時に女神製のボディに入り込む。

体に感じる重力と、体の隅々までエネルギーが染み渡る感覚が今の自身の状態のデータが津波のように電子頭脳に押し寄せて来る。

自分は再びボディを持って戻ってきた……。

かつてオリジナルボディで行動していた時は何事もなく見逃していたそれらも、今の自分には処理しきれないほどの量に感じられる。

視覚

聴覚

触覚

味覚

痛覚

全てがはっきりとし始める。

「…………」

「どう?」

「問題ありません。全システム…オールグリーン」

まるでオリジナルボディ…いや、それ以上に魂と呼べるサイバーエルフがしっくりくる。

全身に内から漲ってくる力、アルティメットアーマーさえも凌駕する力にエックスは表情を引き締めた。

心を強く持つ、それが力に飲まれることなく自身でいられるようになる。

「行きます…」

「行ってらっしゃい、必ずルインちゃんを助けるんだよ。君はルインちゃんのヒーローなんだから」

「はい、ファントム。サイバー空間のサイバーエルフ達を…守ってあげてくれ」

「…御意」

いつの間にかエックスの傍にいたファントムにサイバー空間のことを任せ、エックスは戻るのだ。

ゼロとルインがいるあの世界に。

そして場所は研究所へ戻り、ゼロとルインはオメガに完全に圧されており、オメガの圧倒的なまでのパワーとスピードに二人は回避と防御するので精一杯だ。

「龍炎刃!!」

二人のオメガはセイバーに炎を纏わせ、ジャンプ斬りをルインに繰り出す。

ルインはセイバーでそれを何とか受け流し、ゼロはチャージショットを放つがオメガには通用せず、セイバーの一振りで容易く掻き消されてしまう。

「ふん、ダブルチャージウェーブ!!!」

間髪入れずにゼロに向けてダブルチャージショットとソニックブームが放たれた。

それをゼロはシールドブーメランで受け流すが、シールドブーメランが機能停止を起こした。

衝撃で内部のチップが破損したのだろう。

「シールドブーメランは限界か…」

「その盾は使い物にならなくなったようだな」

いつの間にか距離を詰めていたオメガが大上段でセイバーをゼロに振り下ろす。

「ぐっ!!」

咄嗟に片方のリコイルロッドでセイバーを何とか受け止める。

受け止めた方の腕が痺れるが、ゼロはもう片方のロッドのエネルギーチャージを完了させ、オメガにチャージ攻撃を叩き込んで吹き飛ばすが、まるでダメージを受けていない。

「この程度か?」

「っ………」

「ば、化け物…」

ここに来るまでの間の復活したボスや防衛メカニロイド達との連戦、そしてオメガとの三連戦によって体力を消耗し過ぎて、膝をつくゼロとルイン。

「どうやら終わりのようだな、ならば今すぐ消え去れ」

オメガが膝をついた二人を冷たく見据えながらバスターを構えた時である。

「はああああああっ!!」

「っ!!」

空から急降下してきたハルピュイアがソニックブレードをオメガに振り下ろすが、オメガはセイバーでそれを容易く受け止めてしまう。

「邪魔だっ!!」

「うっ!?」

オメガがダークエルフの力を解放し、ダークエルフの力がバリアとなってハルピュイアを弾き飛ばす。

「オラオラオラァッ!!」

「何…っ!?」

ハルピュイアが弾き飛ばされた次の瞬間、オメガに巨大な火炎弾が何発も炸裂した。

「オラァ!借りを返しに来たぜ!!オメガァ!!」

オメガに向けてマルチプルランチャーのソドムとゴモラを構えながら吠えるファーブニル。

咄嗟にダークエルフの力によるバリアで防いだためにオメガは無傷だが、オメガの表情には次から次へと現れる邪魔者に苛立ちが浮かんでいた。

「貴様は…むっ!?」

自身に向けて襲い掛かる氷龍をジャンプでかわし、オメガはチャージセイバーで粉砕しながら着地する。

それを狙って飛び出したレヴィアタンがフロストジャベリンを振り下ろすが、ダークエルフのバリアで弾き飛ばされる。

「きゃあっ!…っ…やられっぱなしって、性に合わないのよね!!」

弾き飛ばされた痛みを耐えながらジャベリンを構え、オメガを睨み据えるレヴィアタン。

「貴様らは…あの時の……ふん、雑魚が何匹集まろうと同じ事だ。纏めて消し去ってやろう」

ダークエルフの力を高め、セイバーを構えながらハルピュイア達を蔑むオメガ。

「駄目、三人共逃げて!オメガは、君達が戦った時よりも遥かに強くなってるんだよ!!」

更に上昇していくオメガのエネルギー反応に、このままではハルピュイア達が殺されてしまうと判断したルインは逃げるように言うが、三人は退かない。

「んなこたあ分かってる!お前らがここまで一方的にやられてるってことは、こいつがとんでもねぇ化け物なんだってことくらいな…けどな…やられっぱなしで終わりなんて、闘将の名が廃るってもんだ!!」

「ゼロは私の獲物なの…だからオメガなんかに横取りされるわけにはいかない!!」

「オメガを生かしておくわけにはいかん…相手が誰であろうと、人間を守るために俺達は戦う!!」

ハルピュイア達が風・氷・炎の力を解き放ちながらオメガに向かっていく。

「うおりゃあああっ!!」

「雑魚共が!!」

渾身のファーブニルの拳を最低限の動きでかわし、逆にオメガの拳がファーブニルの腹部に叩き込まれた。

「ぐおっ!?」

四天王の随一のパワーを持ち、相当なタフネスを誇るはずのファーブニルの全身を揺さぶる一撃にファーブニルの意識が一瞬飛んだ。

ファーブニルを踏み台にしてダブルジャンプで二人の真上を取ると、ハルピュイアとレヴィアタンにチャージセイバーを叩き込む。

「オリャアアアアアッ!!」

「ぐっ!!」

「きゃあっ!!」

チャージセイバーをまともに喰らったハルピュイアとレヴィアタンは吹き飛ばされるが何とか体勢を立て直し、ハルピュイアは空高く飛翔した。

「はああああっ!!」

接近戦は不利と悟ったハルピュイアは連続でブレードを振るい、ソニックブームを繰り出す。

「やああああっ!!」

レヴィアタンもオメガから距離を取ってジャベリンから連続でホーミング弾を放つ。

「オラアアアッ!!」

そしてダメージから立ち直ったファーブニルも両腕のソドムとゴモラから火炎弾を連射する。

「チッ…」

端整な顔を苛立ちで歪ませ、舌打ちしながらセイバーで四天王三人の攻撃を捌くオメガ。

容易く攻撃を捌かれても三人は諦めずに攻め続けるが、痺れを切らしたオメガが拳にエネルギーを収束させた。

「しつこい…滅閃光!!!」

拳を地面に叩き付け、放射状に放たれたエネルギー弾がソニックブーム、ホーミング弾、火炎弾を容易く吹き飛ばす。

「「「っ!!」」」

「はああああああっ!!!」

四天王三人が怯んだ隙に一瞬でファーブニルとの距離を詰め、セイバーによる乱舞でファーブニルの全身を斬り刻む。

「ぐおおっ!?」

あまりにも一瞬過ぎて防御体勢すら取れずにファーブニルは一方的に斬り刻まれる。

「「ファーブニル!!」」

「滅閃光!!!」

加勢しようとするハルピュイアとレヴィアタンに滅閃光を繰り出し、吹き飛ばすとレヴィアタンを標的に定め、セイバーに炎を纏わせた。

「なっ!?」

「龍炎刃!!」

「きゃああああっ!!!」

氷属性のレヴィアタンには炎属性の龍炎刃はあまりにも威力がありすぎた。

全身を炎に焼かれてレヴィアタンは勢いよく地面を転がる。

「レヴィアタン!?」

「砕けろ!!!」

「ぐっ!?」

レヴィアタンを倒した直後にダブルジャンプからのチャージセイバーでレヴィアタンに一瞬気を取られたハルピュイアを地面に叩き落とす。

「あのハルピュイア達を…」

「こうも簡単に…」

四天王の力を知っているゼロとルインは、四天王が三人掛かりでも相手にならないオメガにかつてない脅威を感じた。

「貴様らはそこで寝ていろ。後で始末してやる…まずは貴様らからだ…」

倒れ伏す四天王を蔑みながらオメガはゼロとルインを鋭く睨み据えた。

『クーックックック!いいぞオメガ!早くあの偽者共を消し去ってしまえ!!』

バイルの狂笑が響き渡り、オメガはセイバーを構えてゼロとルインに凄まじいスピードで突撃した。

激しく傷付いたゼロとルインは防御すら出来ずに直撃を受けると思ったが、何時まで経っても衝撃が来ない。

オメガを見遣ると、右肩を何かが掠ったようで負傷していた。

屈辱に顔を歪めるオメガは、ゼロとルインから少し離れた場所を睨み据えていた。

「貴様…!!」

『ば、馬鹿な…貴様は…あ、有り得ん!!』

バイルの驚愕した声にルインとゼロはオメガが見据えている方向を見遣ると目を見開いた。

そこにはどんな不可能さえ可能にしてきた無限の可能性を秘めた蒼き英雄、ロックマンエックスがオメガに向けてバスターを構えながら佇んでいた。 
 

 
後書き
オリジナルエックス復活。
基本性能はモデルX。 
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