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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1244話

 ミンスクハイヴの攻略が決定してから暫くが経ち、いよいよその日がやってきた。
 現在シロガネのブリッジにいるのは、シャドウミラーの主要メンバー。
 ただし、今回シロガネは戦闘に参加する予定はない。
 あくまでも後方からミンクスハイヴの攻略を見守るだけだ。
 この作戦には当然精霊の卵も参加しているが、もし誰かが撃墜されて死ぬような事になったとしても、俺達は決して手を出さないというのは前もって説明してある。
 俺達がやるのは、ただ後方からこの作戦を見守るだけ。

『アクセル様、ではそろそろ時間ですので、これで失礼させて貰います』

 精霊の卵を率いる立場になったテュカが、映像モニタ越しにそう言ってくる。
 本来なら精霊の卵を率いるのはテュカの父親でもあるホドリューだった筈なのだが、責任感が皆無であるホドリューには任せておけないという訴えがあったらしい。
 もっとも、ホドリューの集落にいた者達はそんなホドリューでもやるべき時にはやると思っている者も多かったのだが、それは逆に言えばいざという時が来なければやらないという事でもあり……つまり、そういう理由からテュカが精霊の卵を率いる事になった訳だ。
 にしても、門世界で集落をやっていた時もホドリューが村長として動いていた筈だったんだが……その辺はどうだったんだろうな。
 微妙に気になる。
 意外とテュカを含めた他の者達に仕事を投げっぱなしだったりしたんじゃないか。

「ああ、気を付けろ。初陣は既に火星で済ませたが、今回はシャドウミラーの下部組織でもある精霊の卵のお披露目だ。お前達の力を思う存分マブラヴ世界の奴等に見せつけてやれ。そうすれば、今度は向こうからお前達を雇いたいと言ってくる筈だ」
『はい! アクセル様の名前に泥を塗らないように頑張ります!』

 少し力が入り過ぎているようなテュカの言葉だが、火星で実戦を経験しているし、何より……

「いいか、みっともない真似をしたらお前等全員思い切り厳しい訓練をさせるからな。その事をしっかりと肝に銘じて、今回のハイヴ攻略作戦に参加しろ」

 イザークが気を引き締めるように告げるが……ただでさえ力が入ってるのに、そんな事を言ったらもっと力が入るだろうに。

「イザーク、厳しいだけじゃいつも意味がないって言ってるでしょ。こういう時は緊張を解す必要があるのよ。……いい、テュカ。貴方達は確かにまだ未熟よ。けどそれでも、私やイザークが訓練したのだから、BETA程度には絶対に負けないわ。全員、1機も欠けず、怪我をせず無事に戻ってきなさい」
『イザーク教官、オウカ教官……ありがとうございます』

 オウカの言葉で緊張が解れたのか、テュカは笑みを見せる。
 元々が美形なだけに、こうして笑うとよりその魅力が際立つ。
 ただ、エルフ達は俺に対して信仰に近い気持ちを抱いている為か、見せる表情は大抵が神妙なものだったり、真面目なものだったりする。
 この辺は、俺が混沌精霊である以上、多分そう簡単には変わらないんだろう。
 もっともエルフ達は長生きをするし、そもそも時の指輪の受信機も持っている。
 シャドウミラーのメンバーとして長い時間を一緒に過ごせば、そのうち俺との接触であそこまで緊張する事もなくなるだろう。

『では、精霊の卵……出撃します』

 その言葉と共に、テュカの操るウィンダム……正確には指揮官機としてカスタム化されたウィンダムがシロガネから出撃していく。
 その後を追うように、他のMSも出撃していった。

「……さて。なぁ、イザーク。正直なところ、精霊の卵がハイヴを攻略出来ると思うか?」

 少し離れた場所で壁により掛かっていたムウが尋ねると、イザークは口元に笑みを浮かべる。

「ふんっ、誰があいつらを鍛えたと思ってるんだ。BETA程度であれば心配はいらん。そもそも、MSの性能を考えればBETAの攻撃は全く通じない筈だ。もっとも、母艦級辺りが全力で攻撃すればあの重量と質量だ。話は別かもしれないがな」

 笑みを浮かべたイザークは、さっきの言葉とは裏腹に自信満々といった様子だ。
 オウカもイザークの隣で自信に満ちた笑みを浮かべている。
 それだけ自分達の教え子に自信があるという事だろう。

「お、始まったっぽいじゃん」

 アウルの言葉に、改めて全員が映像モニタへと視線を向ける。
 そこではミンスクハイヴへと向けて大量の砲弾が撃ち込まれていた。
 砲弾を撃っているのは、リガ湾に停泊している国連軍や欧州連合、ソ連、アメリカ軍、帝国軍の軍艦だ。
 放たれる無数の砲弾がミンスクハイヴとその周辺へと着弾し、BETAの数を減らしているのが分かる。
 同時に、砲弾が飛び交っている空中を飛んでいるのは精霊の卵。
 何故こんな危険な真似をしているのかといえば、当然……

「光線級、出てきたようですね」

 映像モニタを見ていたレイが呟いた通りだ。
 そこでは、光線級や重光線級が空を飛んでいるMSへと向かって幾度となくレーザーを撃っている。
 ……そう、自分達へと向かってくる砲弾を放っておいて、だ。
 そして放たれるレーザーはMSの一番外側に張られているバリアのEフィールドを突破する事が出来ず、全てがMSまで届かない。
 本来なら、この時点の光線級や重光線級の仕事はBETAに降り注ぐ大量の砲弾を迎撃する事だろう。
 だが、BETAの優先順位としてはより高性能の機体を持つ方が上となる。
 その結果、放たれるレーザーは全てがMSへと集中していた。

「AL弾頭とか使わなくても問題がないってのはマブラヴ世界の住人にとってはラッキーだよな。わざわざ自分達の住んでる場所を汚染したくはないだろうし」

 スティングが呟き、その言葉に皆が頷く。
 AL弾頭はレーザーを無効化するが、その代わり汚染の度合いも大きい。
 それこそ、マブラヴ世界の海で獲れた魚は基本的にそのままでは食べられなくなる程に。
 この地を取り戻し、ハイヴを基地として使っていく以上は汚染はない方がいい。
 今までに攻略してきたハイヴでも、AL弾頭により汚染されている場所は多い。
 勿論テラフォーミングにより汚染された地域も回復してきてはいるのだが、最初から汚染されていないに越した事はないだろう。

「あ、次のフェイズに入ったみたいよ。ミンスクハイヴ周辺に戦術機とKMF、リニアガン・タンクの進出を確認」

 美砂の言葉通り、映像モニタに最初の戦艦による砲弾の雨が終了し、機動兵器が次々に戦場へと姿を現している。
 それらがBETAとの戦いを本格化させていく中、精霊の卵のMS部隊は空中を飛び回ってレーザーを放っている光線級、重光線級を次々にビームライフルで撃破していく。

「ふぅ」

 戦場の様子に、イザークが安堵の息を放つのを耳にする。
 何だかんだと言いつつ、エルフ達はイザークの教え子だ。
 ……教え子って意味ではスティングやアウルも入るのかもしれないが、そっちはあくまでも家族という枠組みなんだろう。
 そういう意味では、イザークにとって正式な教え子というのはエルフ達が初めての存在な訳だ。
 それだけに心配するのも頷ける。
 本来であれば、自分が真っ先に戦場へと飛んでいきたいのを我慢しているのは明らかだ。
 簡単に表現すれば、男のツンデレだな。
 そんな事を考えている間も、マブラヴ世界の兵力とBETAが衝突する。
 ここまでは全く死者なしで事態が進行していたが、この段階になってしまえばそうも言ってられない。
 勿論リニアガン・タンクやガン・ルゥの援護がある以上、以前よりも死者の数は少なくなっている。
 戦術機も、MSの技術解析やシャドウミラーを通して購入している他の世界の兵器を解析して得た技術により性能は上がっているのだが……それでも、死者が皆無という訳にはいかない。
 もっとも、ハイヴ攻略をする上で死者が皆無という状況になるなんてのは、マブラヴ世界の住人も可能だとは思ってないだろうが。

「この後、ハイヴ攻略はどう進めていくの?」

 美砂の質問に、オウカが上機嫌に口を開く。
 精霊の卵のMS部隊が全機無事なのが嬉しいのだろう。

「基本的にはシャドウミラーがハイヴを攻略する時とそれ程変わらないわ。ハイヴの中にいるBETAを地上に誘い出して、ハイヴの中にいるBETAの数を減らしていくの。特にMSが地上にいるから、出てくるBETAも今のうちは加速度的に減っていく筈よ」

 その言葉通り、光線級と重光線級を粗方ビームライフルで倒し終わったMS隊は次に他のBETAへと狙いを定めて攻撃していく。
 BETAの中で唯一対空攻撃のレーザーを持っている光線級、重光線級が壊滅してしまった以上、既に地上はBETAの処刑場と言っても過言ではない。
 空中から次々に放たれるビームライフルは、他の地上部隊の援護としても重要な役割を果たす。
 戦術機に対して要撃級の前腕が振るわれようとしているところにビームが放たれ、間一髪で救われる者、真上という装甲殻が存在しない場所からビームを放たれて次々にその場に倒れていく突撃級、数だけは多い戦車級、闘士級、兵士級には頭部と胸部から放たれる無数のビームバルカンが纏めて血祭りに上げていく。
 ……正直、バルカンを実弾からビームバルカンに変えたのってかなりの英断だったよな。
 牽制から迎撃、BETAのように防御力の弱い敵に対して有効と、バルカンの用途は幅広い。
 それこそパイロットによってはビームライフルよりもバルカンの方が重要と言う奴もいるくらいだ。
 それだけに、弾数を気にせずに済むビームバルカンというのは非常にありがたい筈だ。

「あ、また出た」

 円の言葉に、その視線の先にある映像モニタでは、Eフィールドによってレーザーを無効化しているMSの姿。
 先程地上にいた光線級や重光線級は全て撃破したが、またハイヴから出て来たのだろう。
 もっとも、そんな風に少しずつ現れる光線級や重光線級は、レーザーを放つや否やビームライフルによって消滅していくが。
 そして、重光線級が出て来たとなれば、当然そこにはBETAの中でも大型種である要塞級も出てくる訳で……
 そんな要塞級だったが、不意に戦場から放たれた弾丸により身体を貫通され、地面へと沈む。

「今の……リニアレールガン? タンクじゃなくて、戦術機の方ね」

 マリューの言う通り、要塞級を倒したのはTSF-TYPE00だった。
 赤や黄、白、黒といったTSF-TYPE00が次々にレールガンを用いて要塞級を駆逐していく。
 うわぁ、物凄く目立ってるな。
 勿論目立っているのはリニアレールガンだけではない。その動きも軽やかであり、明らかに他の戦術機とは一線を画している。
 それは欧州連合の最新鋭機のEF-2000と比べても明らかに上であり、TSF-TYPE00こそが現在この世界で最強の戦術機であるというのを知らしめているかのようだった。
 ……まぁ、正確にはTSF-TYPE00は戦術機とMSの合いの子って感じなんだけど。
 一応火星で初陣は迎えたTSF-TYPE00だったが、当然その火星の戦いで残っているは記録映像だけであり、その目で直接見た訳ではない。
 そういう意味では、精霊の卵と同じくこのミンクスハイヴ攻略作戦こそがTSF-TYPE00の初お披露目、デビュー戦と言えるのかもしれない。

「あー……でも、やっぱりバリアとかないと結構厳しいな。元々戦術機自体が脆い機体だし」

 ムウの言葉通り、何機もの戦術機がBETAの攻撃により倒れていっているのが分かる。
 バリアの類がないというのは、致命的だな。
 元々今の戦術機は防御よりも回避に重点を置いている作りになってるし。
 それでも不幸中の幸いなのは、人類側に結構な余裕がある事だろう。
 他の戦術機が、ダメージを受けた戦術機を後方へと運べているのだから。
 この辺は、以前とは明らかに違うところだ。
 そんな風にしながら三十分以上が経過し……

「どうやら次のフェイズに移ったようだな。ハイヴの中に突入を始めた」

 ギルフォードの言葉通り、ゲートからハイヴの中へと突入している機体が多い。
 精霊の卵からも、半分以上がハイヴの中へと突入している。

「うん? そう言えば軌道降下してくる部隊がいなかったか?」
「お、ムラタ。いいところに気が付いた。どうやら、今回はそれがないらしいぞ。戦力が十分にあるからってのが理由らしい」

 何かを調べていたムウが、ムラタの言葉にそう返す。
 へぇ。まぁ、軌道降下兵の乗り物兼武器は使い捨てだから、予算的な問題もあるんだろう。
 それこそ、人類の方に余裕が出て来た今なら。
 次々にハイヴの中に入っていく戦術機部隊とMS部隊。
 ただ、当然のようにMSの数は少ない。
 突入している殆どは戦術機で、補給物資を中に持ち込んでいる機体も多い。
 そんな間も、外に出てくるBETAの対処を行い続け……
 ハイヴ攻略の知らせが俺達に知らされたのは、それから2時間程経ってからの事。
 こうして、今日この日はシャドウミラーの助けなし――精霊の卵は協力したが――でハイヴを落とした、記念すべき日となる。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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