転生とらぶる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
マブラヴ
1245話
マブラヴ世界における、シャドウミラー抜きでのハイヴ攻略。
それも、シャドウミラーがこの世界に関与する以前に攻略を失敗したミンスクハイヴで、更にはフェイズ5のハイヴ攻略。
どう考えても、マブラヴ世界で大騒ぎになるのは当然だった。
国連軍の方は大量のG元素の入手に笑いが止まらず、その関係で国同士の駆け引きが頻繁に行われている。
世間では、ハイヴ攻略から10日が過ぎても未だにマブラヴ世界のニュースはミンスクハイヴの攻略一色となっていた。
マスコミの事だから、そのうち新しいニュースが生まれればいずれそっちにシフトしてはいくんだろうけど、少なくても今はそんな感じだ。
まぁ、シャドウミラー抜きでのハイヴ攻略といっても、正確にはシャドウミラーの下部組織である精霊の卵も大いに活躍をしている。
そうなれば、当然目立った者達には取材が殺到し……更にテュカを初めとする精霊の卵の者達は、自分達の名前を売るという意味も込めて取材を受けた。
いや、正確には取材というか共同記者会見と言うべきか。
何となく、マクロス世界でシェリルと一緒に共同記者会見をした時の事を思い出す。
「まさか、こんなに早くマブラヴ世界で精霊の卵の名前が知れ渡る事になるとは思わなかったわね」
紅茶を飲みながら、レモンが呟く。
現在は午後2時過ぎ。
本来であれば、皆が色々とやるべき事があって午後の仕事の真っ最中の筈なのだが、これから精霊の卵の共同記者会見が始まるという事で、こうして俺とレモン達9人はリビングに集まっていた。
……ネギま世界で次に発売するCDについての会議があるとか何とか言ってたシェリルまでいるのにはちょっと驚いたけど。
「何? どうかしたの?」
そんな俺の視線に、紅茶へと手を伸ばしながら口を開く。
「いや、まさかシェリルも来るとは思わなかったからな。エルフとは殆ど付き合いはないだろ?」
「そうでもないわよ? 曲を考えている時とか、エルフの居住地に顔を出したりするし」
「……意外だな」
その言葉通り、シェリルとエルフに付き合いがあるっていうのは本当に意外だった。
ただ、どちらもホワイトスターに住んでるんだし、そう考えればそれ程おかしな話じゃないのか。
「ふふっ、確かにあたしはアクセルの恋人だけど、だからってアクセルがあたしの全てを知ってる訳もないでしょ?」
ストロベリーブロンドの髪を掻き上げ、挑発するような笑みを浮かべるシェリルに、両手を上げて降参の合図を出す。
それに満足したのか、シェリルは満足したように頷き……
『では、これより記者会見を始めたいと思います』
丁度そのタイミングで映像モニタに動きが出てきた。
そこにいるのはテュカと、護衛……もしくは保護者という意味もあるのだろう、イザークとオウカの姿もある。
記者達の中にはエルフを初めて見る者も多いのか、テュカが姿を現した時点でカメラのシャッターを切っている者も多い。
確かにエルフは色々な世界に姿を現しているが、それでも毎日って訳じゃないし、マブラヴ世界では色々と危険だという事もあって基地の外に出る事も滅多にない。
だからこそ、エルフを見た者は数える程しかいないのだろう。
まぁ、その何らかの理由でエルフを写真に撮る事が出来た記者から写真が出回っているって話は聞いてたから、UMA扱いはされてなかったみたいだが。
『初めまして、記者の皆さん。私はシャドウミラーの下部組織でもある傭兵団、精霊の卵を率いているテュカ・ルナ・マルソーといいます』
その言葉と共に一礼し、同時にフラッシュの嵐。
『さて、何から話しましょうか。まず、皆さんご存じの通り、私はエルフです。正確にはハイエルフという種族となります。元々の出身は、シャドウミラーで言う門世界に住んでいました。ですがそこでアクセル様に助けて貰い、その力やあり方に尊敬の念を抱き、一族でシャドウミラーへ入る事になりました。どうでしょう? 皆さんが聞きたい事は、この辺りの話だと思うのですが』
『イギリスのNNSのジャミルです。エルフという事ですが、それは私達の伝承に残っているような、いわゆる幻想生物の類と同じエルフという事でしょうか?』
『その幻想生物というのがどのようなものなのかは知らないので答えようがありませんが、シャドウミラーの方々が言うには一般的な認識のエルフと殆ど変わらないと言われています』
『その、エルフというのは人間より遙かに長い時間を生きると言われてますが……もしよろしければ、テュカさんの年齢を聞かせて貰えますか?』
『あら、女性に年齢を聞くのは失礼な行為に当たると聞かされていますが……まぁ、いいでしょう。シャドウミラーでは年齢に対して色々と特殊ですしね。こう見えても、160……いえ、170年近く生きています』
ジャミルと自己紹介した男の記者は、テュカの言葉に唖然とした表情を浮かべる。
「ま、いきなり自分が170歳近いですなんて言われたら、それは普通驚きますわよね」
「あやかの言う通りでしょうね。ただ、私としては寧ろシャドウミラーでは年齢が色々と特殊だって言ってしまったのが気になるんだけど。ホワイトスターの件は知ってる人ってそんなに多くない筈でしょ?」
円の言葉に、そうだったか? と考え……確かにそうだったと頷く。
他の世界にいる人々は別だが、マブラヴ世界ではまだホワイトスターに自由に出入り出来るようにはなっていない。
だからこそ、時の指輪の効果の件に関しては各国家の上層部くらいしか知らない筈だ。
『フランスのTYKのシャルロットといいます。一般的なエルフと同じという事は、いわゆるファンタジー世界の住人と考えていいのですよね? それが、何故戦術機……いえ、MSでしたか。そのMSに乗るような事に?』
『先程も言ったように、私達はアクセル様に対して深い尊敬の念を持っています。そんなアクセル様の役に立つ為、そしてシャドウミラーの中で私達エルフが保護されるだけの存在ではなく、共に在る存在であると自分達自身に自信を持つ為に、といったところです』
テュカの言葉に、シャルロットとかいう記者の方が何故か驚きの表情を浮かべる。
そんな感じでインタビューは進んでいき……最終的には固い話ばかりではなく好きな食べ物や好きな音楽、趣味、休日には何をしているかといった風な話になっていく。
初めて見るエルフという存在に、記者の皆が興奮しているのが分かった。
ただ……女の記者の1人が好みの男はどのような人かと聞いた時に『男だけじゃなくて女の人……貴方も私の好みです。私は男の人も女の人も大丈夫なバイセクシャルですから』とか言ったのにはちょっと驚いた。
いや、その言葉にもだが、テュカがバイセクシャル……いわゆる両刀使いだったという事に。
その一言に驚いたのは俺だけではなく、普段は余裕の表情を崩さないレモンまでもが小さく口を開けていたと言えば、どれ程俺達が驚いたのかが分かりやすいだろう。
にしても、バイセクシャルとかいう言葉は門世界にはなかった筈だけど、どこで覚えたんだ? ……って、ホワイトスターに来てからに決まってるか。
勿論テュカには、エルフというのは全員がバイセクシャルなのかと興奮した記者が尋ねたのだが、そこはあくまでも自分の趣味嗜好であると言って、エルフ=両刀使いというイメージを持たれないようにしていたが。
ともあれ、多少は荒れそうになったものの、記者会見は無事に終了した。
そして俺達もそれを見終わってから、再びそれぞれの仕事に戻っていき……夕食での話題は、当然昼の記者会見になる。
「それにしても、テュカがバイなのも驚いたけど、それに対するマブラヴ世界の記者達の反応がちょっと過激だったわね」
シェリルの言葉に、思わず皆が笑みを浮かべる。
自分がバイだと告げたテュカに、記者達の中の何人かが意地悪い質問をしてきたのだ。
だが、それに対するテュカはその質問をしてきた記者の女に自分に興味があるのなら、いつでも相手をすると言い……結果、その女は怒りや羞恥で顔を真っ赤にしながら、自分はノーマルで恋人もきちんといると叫ぶことになる。
しかも、その記者が何気にマスコミ業界では美人で有名な人物だっただけに、寧ろ周囲の記者はその女の恋人の存在が気になるという……色々な意味で面白い感じで記者会見が進んでいった。
「ま、あのまま突っ込まれて精霊の卵が異端視されるようになったりしなかっただけ……」
そこまで言った時、不意にチャイムの音が聞こえてくる。
現在は夕食の時間であり、普通なら人が訪ねてくるような事はない。
シャドウミラーとしての何か緊急な出来事があれば話は別だが、そういう場合はわざわざ出向くよりも通信を送ってくるし。
疑問を抱いたのは俺だけではなかったらしく、他の皆も不思議そうな表情を浮かべている。
それでも訪ねてきた以上は何か用件があるのだろうと、マリューが近くの映像モニタを操作する。
すると、そこに映し出されたのは……
「噂をすれば何とやらて感じね」
美砂の言葉通り、そこに映し出されているのはたった今まで噂になっていたテュカ……ではなく、オウカ。
まぁ、この場合の噂ってのは記者会見に関してだったし、オウカとイザークも記者会見には出ていたのを思えば、間違ってはいないか?
「ふむ、精霊の卵について何かあったのか?」
オウカが訪ねてきた理由をそう予想するコーネリアだったが、映像モニタ越しにオウカとやり取りをしていたマリューはやがてこっちを……俺の方へと視線を向けてくる。
「アクセル、オウカの用事は貴方にだって。ちょっと出て貰える?」
「うん? 俺? 中に入って貰えばいいんじゃないのか?」
ホワイトスターは気温を自由に操作出来る。
それ故、カレンダー的な季節が冬であっても、そこまで寒くはない。
それでもある程度の季節感は必要だとして、少しは気温を下げているのは事実だ。
寒い中で話をするより、家の中で話をした方がいいんじゃないのか? そんな俺の疑問に、マリューは首を横に振る。
「いえ、オウカはアクセルと2人だけで話をしたいそうよ。……私からもお願い。オウカの言葉をきちんと聞いてあげて貰える?」
「……まぁ、俺は寒さとか関係ないからいいけど」
混沌精霊である俺は、当然寒さや暑さというものは殆ど感じない。
いや、感じる事は出来るが、混沌精霊としての能力を使えばそれを無視出来る。
つまり、中に入れるというのはオウカに対する配慮だったのだが……それを向こうがいらないと、それよりも俺と2人だけでと言うのであれば、俺としても特に異論はない。
「分かった、じゃあちょっと行ってくる」
そう告げ、居間を出て玄関の方へと向かう。
そしてオウカの姿はすぐに見つけることが出来た。
「アクセルさん、すいませんこんな時間に。実はちょっとお話がありまして」
「ああ、何でも俺と話したいって事だったが……精霊の卵で何かあったのか?」
その言葉に一瞬虚を突かれた表情を浮かべるオウカ。
だが、次の瞬間には小さく笑みを浮かべて口を開く。
「私がアクセルさんに会いに来るのに、理由がなくちゃ駄目ですか? まぁ、今回の場合は当たっているような、外れているような……微妙なところですが」
「微妙、ね。良い話か? 悪い話か?」
「そう、ですね。アクセルさんにとっては、良い話かもしれませんね。……ねぇ、アクセルさん。私が洗脳されている時にアクセルさんに助けられてから、随分と経ちましたね」
急に何の話を? と思ったが、確かにあの時から随分と経つのは事実だ。特に俺の場合は異世界に行ってる間の時差で、より長い時間を過ごしている。
「そうだな」
「私、アクセルさんに助けられてから、ずっとアクセルさんの事が好きでした」
「……ああ、知ってる」
告白されたが、それを断ったのも俺だ。当然それを忘れる筈がない。
俺にとってオウカというのは庇護すべき対象ではあるが、傍から見れば掛け値なしの美人なのだから。
そんな相手の告白を忘れるのかと言われれば、否と言えるだろう。
「アクセルさんに告白して、それを断られて……でも忘れられなくて。そのままずっとここまで来てしまいました。けど……その……」
言いにくそうにしているオウカの様子を見て、何故か俺はすんなりと何を言いたいのかを理解出来た。
恋愛関係には決して強いと言えない俺だったが、それでも理解出来た。
「そう、か。……相手は誰だ?」
そう尋ねるも、オウカの言葉は半ば予想出来る。
何故なら、ここ暫くの間オウカと共に行動していた男はたった1人しかいなかったからだ。
「……イザーク、です。今日、ホワイトスターに戻って来た時に告白されました。私は……それを受け入れようと思います。ここ暫くイザークと一緒に過ごしていて、いつの間にか私の中にはイザークが住み着いてしまったらしくて」
やっぱりな。
「そうか。こう言っては何だが……おめでとう」
俺の口から出た言葉が意外だったのか、オウカはその美貌に少しだけ驚きの表情を浮かべる。
「ふふっ、ありがとうございます。……アクセルさん、私はこれからアクセルさんではなく、イザークと共に生きていこうと思います。その結果が結婚になるのか、それとも恋人として終わるのか。それがどうなるのかは分かりませんが」
「ああ。俺がこう言うのもなんだが、幸せになってくれ」
「はい」
どこか切なさそうな、それでいながら嬉しそうな複雑な表情を浮かべたまま、オウカは俺の方へと近づいてくる。
「アクセルさん。貴方は私にとって……初恋でした」
そっと俺の頬に唇を触れさせると、すぐに顔を赤くして後ろへと下がる。
「アクセルさんに恋をした日々、辛い事も色々とありましたが、間違いなく私にとっては幸せな日々でした。素敵な初恋、ありがとうございます」
眦に薄らと涙を滲ませ、それでも笑みを浮かべるとそのまま一礼して走り去っていく。
俺に出来るのはそれを見送り、イザークとオウカが上手くいく事を祈るだけだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
ページ上へ戻る