転生とらぶる
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マブラヴ
1243話
『ミンスクハイヴをシャドウミラーの助けなしで落とせ、と。そういう事かな?』
映像モニタに映し出されたビルは、アメリカ大統領らしい大袈裟な仕草で尋ねてくる。
「ああ。オーストラリアの政府には既に話を通している。近い内に国連でその決議が行われる筈だ。その際、アメリカにも協力して貰いたい」
『何故、と聞いてもいいかな?』
「こう言っては何だが、シャドウミラーの最大の目的でもあるG元素は大量に入手出来た。また、マーズゼロとその周辺のハイヴを攻略して基地化している事で、近くにある他のハイヴにあるG元素をアトリエから奪取するのも難しい話じゃない」
『それはつまり、シャドウミラーはもう私達の世界に用はない、と? そう言いたいのかな?』
「そこまでは言わないさ。ただ、最近ではこのマブラヴ世界でも技術が進歩してきて、戦力も上がってきている。俺達がいなくても、ハイヴを攻略出来るだけの力は既にあるんじゃないか? それに、こっちもマブラヴ世界だけに関わっている訳にもいかないって理由がある」
その言葉に、ビルは眉間に皺を作る。
今まではハイヴ攻略と言えばシャドウミラーが全面的に協力してきたから、それを思えば不安に思ってもしょうがないか。
「安心しろ。シャドウミラーからは手を出さないが、俺達の下部組織として活動を始めた精霊の卵を派遣する」
『精霊の卵? それは……もしかして、以前少し聞いたエルフによる傭兵部隊の事かい?』
「ああ。つい先日火星の方で初陣を済ませてな。晴れて俺達シャドウミラーの下部組織として活動する事になった。まぁ、活動する事になったと言っても、基本的にマブラヴ世界での活動となるだろうけど。現在異世界間交易をしている他の世界では殆ど戦いはないし」
実際、他の世界でも細かい戦いが全くないって訳じゃないけど、あっても小競り合いとかなんだよな。
例えばSEED世界だとブルーコスモスの残党によるテロリストとか、コーディネイターのザラ派によるテロリストとか。
……テロリストばっかりだな。
まぁ、SEED世界は基本的にオーブが頂点に立ってしっかりと治めているから、国同士での戦いみたいな大規模戦闘は基本的に起きない。
DESTINYで起きるユニウスセブン落下事件に関しても、当然きちんと偵察してるし。
可能性があるとすれば……エヴィデンス01とか言ったか。
宇宙生物が存在した証はあるんだから、その宇宙生物が襲ってきたりして……って、それはマクロス世界か。
でもそう考えれば、マクロス世界なら戦いとかはありそうだよな。
それこそ、先史文明のプロトカルチャーに遺伝子操作された種族が色々な星で独自の文化を持っていて、そんな星の勢力が攻めてくるとか。
『なるほど。それにしても、精霊の卵、ね。またロマンチックな名前にしたものだ。……ちなみにだが、もしかしてシャドウミラーが行った事のある世界だと、精霊は卵から生まれたりするのかな?』
「さて、どうだろうな。少なくても俺の知っている精霊は卵から生まれたりはしなかったな」
俺の場合はどちらかと言えば、闇の魔法が暴走して多数の精霊を貪り食って混沌精霊になったんだから、分類的には魔物だよな。
ネギま世界の精霊は……自然とかがあれば生まれるんだろうから、自然発生的な感じなんだろうけど。
そういう意味では、テラフォーミングが進んでいる今の火星は、徐々にではあるが精霊が増えてきている筈だ。
『なら、何故精霊の卵という名前なんだい?』
「エルフ達の希望だよ。俺も他に何かいい名前が思いつくでもなかったから、それをそのまま採用した」
『ふむ……ちなみに、実力の方は? こちらの世界に派遣してくれるというのだから、当然戦力的に期待しても?』
「ああ。シャドウミラーの実働班としてはまだまだ物足りないが、それでもBETAを相手にするくらいなら問題ない」
もっとも、火星での初陣で見せたように興奮して周囲が見えなくなったりする奴はちょっと心配だが。
……ちなみに、それをやった奴はイザークにたっぷりと扱かれる事になったらしい。
いつでもあればそれを止めるオウカも、あのままだといずれ死ぬと判断したのか全く止める様子がなかったとかなんとか。
『そうか。実力があるのであれば、こちらとしては歓迎するよ。傭兵である以上料金は必要になるだろうけど、出来るだけ安いとこちらとしても嬉しいね』
「その辺はエザリアと相談してくれ」
『彼女、かなり手強いんだが。もっとも、あの美貌を見る事が出来るのは喜び以外のなにものでもないけど』
苦笑を浮かべるビル。
アメリカ大統領として、当然シャドウミラーと多くの交流を持っているだけに、エザリアと会う回数も多いのだろう。
で、その手強さに散々煮え湯を飲まされているという訳だ。
もっとも、今の台詞を聞く限りだとエザリアに会うのは好んでいそうだが。
……今度、エザリアじゃなくてレオンを送り込んでやろうか。
「ともあれ、ミンクスハイヴ攻略作戦の方の根回しは頼んでもいいんだな?」
『ああ、シャドウミラーの協力がなくても、精霊の卵とか言ったかな。その傭兵団がアクセルの言う通りBETAを敵にしないのであれば、こちらとしても期待出来るしね』
「そうか、では頼む。一応ミンクスハイヴが攻略されるのは見ているし、もし不味いようなら介入も考えているから、その辺は安心してくれ」
『そうか、それは助かる』
こうして、ビルを始めとして日本やイギリス、アフリカ、中東といったシャドウミラーと親しい国々に対して根回しをし……数日後、オーストラリアから提案があった、シャドウミラー抜きでのミンクスハイヴ攻略作戦は国連で決議される事になる。
「あらあら、随分と頑張ってるわね」
レモンの感心したような、それでいながらどこか呆れたような声が周囲に響く。
俺達の視線の先の映像モニタでは、精霊の卵のMSが無数のBETAを相手に戦っている。
シミュレーションではあっても、エルフ達が真面目に取り組んでいるというのを見ればそれは明らかだった。
こうして見ている限り、その操縦技術は火星での初陣の時に比べると確実に上がっているのだから。
ただ、それでも色々と技量不足に見えるという事は、未熟というのもあるが同時にまだ伸び盛りで先があるという事になるのだろう。
それは俺以外で映像モニタを見ているコーネリアやスレイのように、実際実働班で機体を動かす者にしても同様であり、先が楽しみだといった表情を浮かべている。
「ふんっ、確かに奴等の動きはまだまだだ。だが、それでもBETAを相手にする分にはそろそろ問題のないくらいにはなってきている」
その言葉に、聞いていた者は俺を含めて驚きの表情を浮かべる。
何故なら、それを言ったのがエルフ達に対してはいつも厳しく当たっているイザークだったからだ。
「へぇ。イザークがそんな事を言うなんて珍しいわね。明日は槍でも降るんじゃない?」
からかうように告げる美砂に、イザークは鼻を鳴らす。
そんな行為ですらも不機嫌そうに見えるのだから、イザークはやっぱりイザークということなんだろう。
「ああ見えて、あいつらは俺の教え子だ。戦場で死ぬような訓練は受けさせていない。問題はハイヴ攻略は初めてという事だが……」
チラリと俺の方へと視線を向けてくるイザークが何を言いたいのかは分かっていた。
火星でハイヴ攻略の訓練をさせるべきではないか、と言いたいのだろう。
今もシミュレーターではハイヴへと潜っているが、それはあくまでもシミュレーターだ。
実際の訓練ではない。
いざミンクスハイヴを攻略する時、上手く進める事が出来るかどうかというのは色々と厳しいのだろう。
まぁ、それも当然か。今回のミンクスハイヴ攻略作戦に参加する中で、稼働時間を心配しなくてもいいのは精霊の卵のMS部隊だけだ。
戦術機に使われているバッテリーも、SEED世界からのバッテリー技術を流用しているおかげでかなり長時間の行動が可能になっている。
だがそれでも、有限だというのは変わらない。
主力兵器のガン・ルゥも同様のエナジーフィラーの代わりにバッテリーで動いているのだから、こっちも同じか。
いや、エナジーフィラーは稼働時間に関してはバッテリーよりも短いというのを考えると、マシになっているのか。
リニアガン・タンクはそもそもハイヴに入っていくのは難しいだろうし。
そうなると、やっぱり補給物資が重要になる。
ただ、当然BETAだって補給物資の置いてある場所をそのままにしておくとも思えない。
少し前まではBETAが戦術的な行動を取る事はないってのが常識だったが、今ではその常識は完全に崩されている。
実際、今まで幾度となく戦術的な行動を取っているのだから、これに関してはマブラヴ世界のお偉い学者さん達も文句を言えないのだろう。
……夕呼が学会でその学者を言葉責めにしたって話を聞いた時には、凄く納得してしまったものだ。
まぁ、その学者も今まで夕呼を若い女って事で散々攻撃してきたって話だし、お互い様なんだろう。
俺としては、夕呼に攻撃を加えるとか自殺行為にしか思えないんだが。
あいつ、結構執念深いし。
「ちっ、馬鹿が。出てくるBETAを全部倒していたら、無意味に時間を浪費するだけだろうが」
映像モニタで、ドリフトの中を進んでくる突撃級を全てビームライフルで撃ち殺しているのを見て、イザークが不愉快そうに呟く。
「うん? 何でだ? エネルギー切れの心配はないのだろう? ハイヴを攻略するとなると、精霊の卵だけでは無理だ。そうなれば後方の援軍に負担を掛けないように、BETAの数をなるべく減らすのは当然だと思うが」
スレイの言葉に答えたのは、イザークではなくその隣で心配そうに映像モニタを見ていたオウカ。
「実働班にいれば忘れがちになるのですが、普通のパイロットでは戦闘を長時間行うというのは非常に厳しいんです。それこそ、そんな真似が可能なのはシャドウミラーの実働班や、各世界の一部のエースパイロットやベテランパイロットくらいです」
オウカの言葉に、スレイの眉が微かに顰められる。
美人なだけに、余計にその表情の変化が顕著に見えた。
「そういう風に言われると、私が規格外の存在みたいに聞こえるな」
「いえ、私もそうですが。シャドウミラーの実働班に所属するパイロットは基本的に規格外の存在と言っても構いませんよ」
「規格外なのは、アクセル1人で十分だと思うんだがな」
「おい、何でそこで俺の名前が出てくる」
「……ほう。では、アクセルは自分が規格外の存在ではないと? その辺の、どこにでもいるようなパイロットだと言うのか?」
ジトリ、とした視線を俺に向けてくるスレイ。
そう言われると、確かに言い返せないが……
「そもそも、その辺の普通の男なら恋人を9人も10人も作ったりしないし、毎晩私達を体力の限界まで責めたりしないと思うんだがな」
「えっと、その、スレイさん。こういう場所であまりそんな生々しい話はちょっと……」
オウカが頬を真っ赤に染めながらスレイに忠告する。
その視線が俺の方へと向けられた瞬間、俺は話題を変える。
「レモン、そう言えば星刻に頼まれたKMFの新型に関してはどうなっている?」
「あら、随分と逃げるのが上手くなったわね」
面白そうに笑みを浮かべながらも、レモンは取りあえず俺の会話に乗ってくれたのだろう。そのまま口を開く。
「正直、色々と難しいというのが正直なところね。そもそも、コストが安く、性能が高く、操縦しやすいというのを全て満たせってのが難しいのよ。しかも、KMFに関しては私達はそんなに詳しくないし。勿論その辺のKMFの研究者よりは詳しいと思うけど、それでも本物の本職に敵わない。……という訳で、KMFに関してはロイドとセシルに任せてあるわ」
「だろうな」
ロイドとセシルの2人は、技術班の中でもKMFの専門家と言ってもいい。
レモンは自分で謙遜しているが、どのくらいの天才なのかを知っている身としては、それこそレモンだけでも十分にKMFを新規開発出来ると思うんだが。
ただ、レモンはレモンで色々と忙しいのも事実。
この前俺が頼んだ、メギロートやイルメヤの運用艦についても任せているし。
「ロイドとセシルだけじゃ足りないか? もし何なら、インド軍区からラクシャータを引っ張ってきてもいいが」
「やめておきなさい。確かに彼女はロイドに並ぶ能力を持っているけど、その分相性は色々と悪いわ。まぁ、どちらかと言えば喧嘩する程仲がいいって感じなんだと思うけど、その辺に関しては色々と根深いものがありそうだしね」
「……分かった。まぁ、その辺は技術班に任せるから、よろしく頼む」
「ええ」
レモンが頷き、マリューもまたそれに追随するように頷く。
マリューもアークエンジェルを開発した人物なんだから、恐らくレモンと一緒に無人機の運用艦に関して頑張っているんだろう。
「ああっ、この馬鹿者がっ! 上から戦車級が降ってくるというのは、ハイヴでは良くある事だと何度も教えただろうがっ!」
イザークの怒声を聞きながら、再び俺は映像モニタへと視線を向ける。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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