| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ボカロ☆ロマンス

作者:nsk118mk
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第11話 そして古き年は過ぎる

 
前書き
大晦日編ラストです…正直、こんなに伸ばす気は無かったんですけどね。まぁ、最後までお付き合いください。 

 
ーリン視点ー


20〇〇年12月31日、午後7時。伽耶ちゃんの部屋。
私達はここで年が明けるまで女子会をします。年またぎです。女子会と言っても多分、お菓子を食べながらとりとめのない話をするだけになりそうですが。それでもいいの‼️というかそれが楽しみでここに来たんだから‼️
…それにしてもミク姉遅いなぁ。確か洗い物をしてくるって言ってたような気がするけど。まぁ、さっき派手にパーティした分だけ大量に洗わなければならないものがあるんだろうけど。

伽耶「リンちゃん‼️布団敷いたからこっちおいで。」
リン「うわぁー‼️敷布団だ‼️」
伽耶「もしかして敷布団で寝るの初めて?」
リン「うん!私達のマスターってハンモック派
だから。」
伽耶《ハンモック派なんて初めて聞いたよ…》

私がひまを持て余していた間に伽耶ちゃんが敷布団を敷いてくれました。私達の家はハンモック派なので、敷布団で寝るのは初めて‼️ただ寝るだけなのにワクワクしちゃう…初めてのお泊まりってみんなこんな感じですよね?
私は敷布団に思いっきりダイブした。うわぁお‼️フッカフカ‼️

伽耶「ちょっとリンちゃん‼️
埃が舞っちゃうからやめてよ‼️」
リン「ごめんごめん。」

そう言って伽耶ちゃんは少し咳き込む。そーいえば伽耶ちゃんは喘息持ちなんだっけ?次からは気をつけよう…
それにしても今日の私のテンションはヤバイな。笑
そうやって私と伽耶ちゃんではしゃいでいると、不意に部屋の扉が開いた。

ミク「入ってもいいですか?」
リン「あ、ミク姉やっと来たぁ‼️
もう…遅いよぉ〜‼️」
ミク「ごめんごめん。洗い物が長引いちゃって。」

扉を開けたのは、私達が待ちに待っていたミク姉だった。
《ミク姉とは呼ぶけど、稼働時間で言えば私の方が実は先輩だったりする》
ミク姉は遅くなったことを「ペロッ」って舌を出して笑いながら謝ってくる。その姿…やっぱり可愛い。ちょっとずるいような気もする。まぁ私達の可愛さだって負けてはいないけど。

伽耶「遅かったね。お兄ちゃんは手伝って
くれなかったの?」
ミク「マスターですか?それが、お腹を壊して
しまったようで…トイレに籠ってます。」
伽耶《そーいえば私とミクちゃんの分の
ポテトサラダも全部食わせたんだよな…》
伽耶「それが原因か…」
ミク・リン「⁇」
伽耶「いや、なんでもない。それより、早く
初めましょう。」
ミク「何をですか?」
伽耶「ミクちゃんについてのビデオ鑑賞会」
ミク「⁉️」
リン「待ってましたぁ〜‼️」

伽耶ちゃんは懐からスマホを取り出し、とある映像を流し出した。

ミク「…っ‼️こんなものいつの間に撮ったんですか⁉️」
伽耶「お兄ちゃんから送られてきた。」
ミク「…マァスタァのバァァァカァァァァ‼️」

伽耶ちゃんが不敵に笑いながらミクちゃんを煽る。これは…正直恥ずかしいと思う。どんな内容かは本人に怒られそうだから言わないでおこう。






ーレン視点ー

…上が何やら騒がしい。リン達が今日寝る部屋《女子会をする部屋》は二階の東側にある広めの和室だったが、おそらくそこからの声だと思われる。あの声はミクさんかな?
あまりの煩さにテレビの音がかき消されてしまう。大晦日のテレビ番組は内容はともかく、お祭り的な雰囲気は中々良いものだと思うので、少し損した気持ちになる。なんだかブルーな気持ちになっていたところで大輝さんがトイレから出てきた。俺は大輝さんの方へと意識を向ける。何やらお腹を壊したらしいが原因は…

レン「本当にごめんなさい。余計なこと
しちゃったみたいで。」
大輝「いや、気にすることはねぇよ。
これもいい思い出だ。」

…なんだろう。この人、噂に聞くよりかなりいい人だ。《大輝さんは巷でも噂の天才なのだ。》
みんな口々に「愛想のないやつだ」と言っていたからもっと冷たい人だと思っていたのに。

大輝「誰だそんな噂流したやつ。」
レン「聞こえていたんですか…」
大輝「覚えとけ。ボカロはポーカーフェイスと
商業スマイルは上手いが隠し事は下手だ。」
レン「肝に銘じておきます。」

そーいうと大輝さんは表情を少し緩めて、こう問いかけてきた。

大輝「京都に行ったら何をしたい?」
レン「…特にはないですけど。」
大輝「なら、1日だけ俺につき合ってくれないか?
悪い思いはさせないから。」
レン「…いいですけど。ミクさん達とは行かない
んですか?」
大輝「いや、ミクや伽耶じゃダメだ。」
大輝「…レン君か、リンちゃんじゃないと。」
大輝「しかし、上うるせぇな。ちょっと様子
見てくる。」

そう言って大輝さんは二階へと向かった。俺かリンじゃないとダメ?いったい何をする気なんだろう…というか、何故リンを誘わなかったんだ?
大輝さんは超頭がいいらしいが、やっぱり天才の言うことはわからない。考えれば考えるだけ頭がオーバーヒートしそうだったので、俺は再び意識をテレビに向けた。







ー伽耶視点ー

夜11時30分。盛り上がった女子会もお開きになった。何故なら、ミクちゃんとリンちゃんが寝落ちしてしまったからだ。2人とも普段は11時には寝ているそうなので、少し無理をさせちゃったかな。だけれども、あんな話やこんな話が出来て私的にもとても面白い時間になった。2人の寝顔もとても幸せそうなのできっと満足したのだろう。
さて、夜も更けてきたが私はまだ眠くなかったのでまだ起きているだろうお兄ちゃんのところに行くことにする。
部屋の扉を開けるとそこにはお兄ちゃんが伸びていた。そーいえば先ほどコイバナの最中に入ってきて邪魔をした煩い男がいたような気がする。《3人でボコボコにしました》

伽耶「起きて、煩い男。」
大輝「…」
伽耶「ドロップキック‼️」
大輝「ぎゃああああああ‼️」
大輝「義兄になんてことするんだ‼️殺す気か‼️」
伽耶「女子会の邪魔をしたお兄ちゃんが悪い。」
大輝「う…」

お兄ちゃんがバツの悪そうな顔をしている。そんな顔も決まっているお兄ちゃん…やっぱりずるいよ。結局、私はあの人にはかなわない。

大輝「そーいえば他の連中は?」
伽耶「みんな寝ちゃったよ。レンは?」
大輝「ガ◎使観てる。」
伽耶「あらそう。うまくやってるようで何より
だわ。レン君は少し人見知りなところが
あるから…」
大輝「わかってるよ」

そう言うとお兄ちゃんは私に手招きをした。

大輝「年越し蕎麦食べようぜ」
伽耶「…手打ち?」
大輝「馬鹿か。普通に冷凍麺だ」
伽耶「だよね。じゃあいただくよ。」

そう言って私はお兄ちゃんの後を追う。
一階のリビングに入ると、レン君がソファーに腰をかけて真剣にテレビを観ていた。周りなんか見えてないみたいで、こちらに見向きもしない。ガ◎使ってそんなガチで観るものだったっけ?

大輝「レン君?よければ年越し蕎麦を食べないか?」

お兄ちゃんが話しかけると、レン君はやっとこちらを振り向いた。

レン「いいんですか?」
大輝「当たり前だ。冷めるとマズイから早く食べ
ちゃおうぜ。」
レン「いただきます。」

…そーいえば蕎麦はいつ作られたんだろう?お兄ちゃんに聞こうとしたその時、レン君が私にこう尋ねてきた。

レン「リン達は?」
伽耶「みんな寝ちゃったよ」
レン「そう」

レン君はいつの間にかテーブル近くの椅子に腰をかけ、蕎麦の登場を待っていた。私も考えるだけ無駄なことを考えることをやめてレン君の隣の椅子に座る。レン君は私なんかに興味がないのか一切振り向かなかった。

大輝「はい。熱々の年越し蕎麦だ。
今年中に食べてしまおうぜ。」
レン・伽耶「いただきます」

蕎麦を一口すする。冷凍食品なのに、お兄ちゃんが作ったというだけで何故か美味しく感じる。






ーこうして今年も終わるー 
 

 
後書き
久しぶりの更新です。またしばらく音沙汰無くなると思いますが、あしからず。というか本編に関係なさすぎな話なのに、3話はかけすぎでしたね。反省。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧