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ボカロ☆ロマンス

作者:nsk118mk
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第10話 大晦日パニック

 
前書き
前回の続きです。未だに大晦日ですが。 

 
ー大輝視点ー

…大晦日も午後6時になった。賑やかになった我が家では夕食の準備が進められていた。いつもは夕食の支度は俺の担当だが《殆どの家事は俺の担当だが》今日だけはリビングのソファーに腰をかけゆっくりくつろいでいた。というのも、鏡音リン・レンの2人がしばらくうちでお世話になるので何か手伝いをしたいのだと言うからだ。最初、俺も断っていたのだが、どうしてもと言うので仕方なく任せたのだ。
…決してラクをしたいとかそういうコンタンはないからな。

ミク「ねぇマスター…本当にあの2人で大丈夫
なんですか?」

隣に腰をかけてぼんやりとテレビを観ていたミクが不意に話かけてきた。
思えばこいつも我が家にだいぶ慣れてきたなぁと思う。最初の頃は結構おどおどしてたんだけどな。え?知らない?そりゃあ…ほら…その辺は割愛されたから…《オイ》

大輝「う〜ん…伽耶もいるし大丈夫だろ。」
大輝「夕食を作るとは言ってもメインディッシュ
はもう作ってあるし、残りの簡単な行程を
任せただけだからな。」
ミク「そうですね〜」

そう言うとミクは意識をテレビに向けた。
ミクは先程風呂に入ったばかりなので、ミクの綺麗なエメラルドグリーンの髪の毛から甘い香りが漂ってきた。
俺は決してフェチなどではないが、この香りは好きだ。多分、ジャンプーの香りなんだろうけどつい嗅いでしまう。クンクン。

ミク「ひゃあ‼️」
ミク「ちょっとマスター何するんですか⁉️」

アレ?いつもは気づかないんだけどなぁ…《オイ》

大輝「ごめんごめん。でもいい匂いだな。
大変じゃないのか?こんな長い髪の毛
を洗うのって。」
ミク「まぁ大変ですけど…」
ミク「あ‼️マスターがショートの方がいいなら
私、断髪しますよ。」
大輝「今は遠慮しとくよ。」

ミクが若干顔を赤らめながらサラッとボケてきた。
こいつ…やりおる…

リン「ご飯できましたよぉ〜」
大輝・ミク「はぁい‼️」

リンちゃんが俺たちを可愛い声で呼んだ。やっぱりボカロなんだな。
リンちゃんの声に聞き惚れていた?俺とは違い、ミクは待ってましたと言わんばかりに食堂へと向かっていった。俺はヤレヤレと言うようにテレビの電源を消してミクの後を追った。





ーリン視点ー

大輝さんの家にお邪魔して半日が過ぎました。ぶっちゃけ最初は緊張していたんだけど伽耶ちゃんは勿論、ミク姉や大輝さんも超いい人ですぐに打ち解けちゃった。今日の夜も女子トークをしながら年を越すことにしてるの。
ちなみに今は、みんなで夕飯を食べています。
お世話になるお礼に作った私達自慢のポテトサラダも喜んでもらえたみたい。…実は手が滑ってタバスコとか入っちゃったんだけどね。

大輝「おいミク?」
ミク「はい?」
大輝「なんか辛くねぇか?」
ミク「…それは言っちゃダメですよ。」

残念聞こえてますよ。まぁ、責任は私達にあるからしょうがないね。

大輝「そーいえば2人はボーカロイドアンドロイド
なんだろ?」
リン「はい」
大輝「マスターとかいないのか?」
レン「居ますよ。貴方のこともよく聞いてます。」
大輝「俺は君らのこと一言も聞いたこと
なかったぞ。」
伽耶「…てへ。」
リン「マスターはちょ〜優しい人なんだよ‼️」
大輝「…そんな人俺の知り合いにいたかな?」
リン「《佐久間 那津芽》って知ってる?」
大輝「…‼️」
大輝「まさか…佐久間先輩…?」
伽耶「正解‼️」
ミク「…どなたですか?」

…あれ?若干ミク姉怒ってる?無表情でそう言うミク姉怖いんだけど。

大輝「昔から世話になってる2つ上の先輩だ。」
大輝「元々両親同士が仲良くしていたから
小さい頃からの馴染みなんだ。」
ミク「そうですか…ハァァ」

そのため息が意味深で気になっちゃう。あとで質問攻めにしよう。





ーレン視点ー

大輝さんの家に泊まりに来て初めての夕食。普段の俺たちからは考えられないほどの賑やかなひと時になった。
途中からミクさんの元気がなかったことがちょっと気になるけど…まぁ気のせいだろう。
さて、夕食も済ませたし部屋に行ってゲームでも…

リン「あ、レン‼️暫く立ち入り禁止ね。」
レン「…今なんて?」
リン「女子トークするから男子禁制にする
って言ってるのよ。さぁ出てった出てった。」

…追い出されてしまった。せめてゲームくらい…
そうウジウジしながらなんとなくリビングに向かうと真っ白で大きなソファーに大輝さんが腰をかけていた。
特にやることもなかったので俺は大輝さんの隣に腰をかける。

レン「大輝さん…隣…いいですか?」
大輝「あぁ。ちょっと狭いけど。」

そう言って大輝さんは端へと寄ってくれた。いや、3人掛けのソファーだから別に寄らなくてもいいのに。とは言ってもなんか気まずかったので大輝さんとは少し離れて座る。

大輝「部屋…追い出されたのか?」
レン「…恥ずかしながら。」
大輝「まぁ…いざって時、男は女に
勝てないからな。」

…なんだろう。この人には俺と似た物を感じる。

大輝「ところでさぁ。」

大輝さんが不意にこちらを向いてきた。

大輝「ボーカロイドってさ人間に恋する
ものなの?」
レン「…。」
大輝「突然変なこと聞いてごめん。たださ、
ミク以外のボーカロイドアンドロイドって
初めて見たからさ。」
レン「…まぁなくはないでしょう。
俺たちだって心は人間なんですから。」
大輝「そうか。ありがと。」

…一瞬黙ったのは他でもない。俺が人間に恋してるからだ。



…続く
 
 

 
後書き
次回で大晦日編は終わりです。ってかこのぶんだと正月編終わってる頃にはGW入ってるかも… 
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