転生とらぶる
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マブラヴ
1230話
視線の先では、撃墜判定を食らったダガーLが地上へと降りてきていた。
それを行ったメギロートは、仲間の仇と言わんばかりに放たれたビームを身体を斜めにして回避する。
その動きを読んでいたかのようにビームサーベルを構えたストライクダガーがより高い位置から降下してくるが……そのストライクダガーは真下にいるメギロートへと到着するよりも前に、地上から放たれたイルメヤのビームガトリング砲によりこちらも撃墜判定を受けて地上へと落下していく。
「何をやっている! メギロートの動きの予想くらい、きちんとしてみせろ!」
「イザークさん、あまり怒鳴らないで下さい。パイロットの人達が緊張して動きが鈍くなるじゃないですか!」
「ええいっ、オウカは優しいと甘いを勘違いしているぞ!」
「それでしたら、イザークさんも厳しければ厳しいだけいいと勘違いしていませんか!?」
近くにある指揮所から聞こえてくるのは、イザークとオウカの言い争う声。
あの2人、本当に性格が合わないな。
それでもエルフ達の教官としては、かなり上手い具合に教えているって話なんだが。
当初俺が予想した通り、飴と鞭といった感じで。
エルフ達が実機を使った模擬戦をやるというので見に来たんだが……まだちょっと早かったんじゃないか?
いや、それでも大分MSを乗りこなしてはいる。
ストライクダガーとダガーLの2機種が混ざっていて、後者の方が性能は高いんだが、それでも上手い具合に連携を取っているし。
この辺はイザークとオウカの教育の成果だろう。
実際、俺がSEED世界で戦った連合軍のパイロットよりは確実に上だが、一般のコーディネイターのパイロットには及ばない程度の技量といったところか。
……まぁ、あくまでも俺がSEED世界で戦っていた時の連合軍やザフトの印象だけどな。
特に連合軍のパイロットは、今はもうあの時みたいに操縦技術が素人同然って事はないだろうし。
その後の模擬戦も、結局はメギロートとイルメヤの連携を崩す事が出来ず、最終的にはエルフ達の方が全滅して負けたのだった。
ちなみに連携を崩す事は出来なかったが、それでもメギロートやイルメヤを何機かは撃墜判定にしている。
その辺を考えると、決して腕が悪いって訳じゃないんだよな。
ただ……
「ですから、何度も言ってるでしょう? イザークさんの教え方は厳しすぎるんです。もう少し相手に分かりやすく教えていく必要があります」
「何を言ってるんだ? このままでは、こいつ等が実働班に上がってくるだけの実力を得るのにどれだけ掛かると思っている? それを少しでも短くするには、厳しく教えるのがいいと何故分からないんだ!」
教官2人がこの調子だからな。
この2人を足して割れば丁度いい教官になりそうな気がする。
「ほら、取りあえず落ち着け。お前達が教えた成果は十分に出ているだろ」
「アクセル! お前がそうやって甘やかすからだな!」
「ちょっと、イザークさん。アクセルさんに失礼な口は……」
うん、この2人の言い争いは最近良く見るようになったが、関わると厄介な事になりそうだ。
ここはさっさとこの場から消える方がいいだろう。
「取りあえず、今のエルフ達の実力は見せて貰った。この短い期間で大分上がってはいるけど、傭兵団として使うにはまだちょっと難しいだろうな」
普通の傭兵団としてなら、十分に使えるだけの実力はある。
だがシャドウミラーの下部組織というのを考えると、最低でもコーディネイターの赤服、俺が始めてイザークに遭遇したくらいの実力は欲しい。
「そうですか。……それで、火星の方ですがどうでしょう? 火星にいるBETAであれば、今の彼等でも十分に戦えるだけの実力はあると思います。確か、アクセルさんもその辺を考えていると」
「それはそうだが、難しいところだな。確かに火星のBETAであれば、間引き辺りも兼ねてやらせてみてもいいかもしれないが」
実際問題、マーズゼロを取り戻しにBETAは幾度となく攻め込んできている。
当然その度に護衛の戦力として残してきたメギロートやイルメヤ、シャドウに撃退されているんだが。
そろそろこっちの戦力に対応してもおかしくないのでは? とも思ったが、この対応のなさはマーズゼロの重頭脳級が撃破されてしまった影響なのだろう。
そうなると、ハイヴごとに独自の判断をして行動していると思ってもいいんだろうが。
それともただの頭脳級はあくまでも受信機や子機といった扱いで、そこまで独自に対応は出来ないのか。
「そう、だな。分かった。なら近いうちに火星に連れていく。ただし、言うまでもないが火星で行われるのは実戦だ。確かにBETAは弱いが、それでも攻撃を食らえばMSに乗っているパイロットが死ぬ可能性もある。その辺は十分に言い聞かせておけよ」
「勿論です。ですが、エルフ達は実戦を知らないという訳ではありません。それぞれが門世界で幾度となく実戦を繰り広げてきた者達です。アクセルさんが心配しているような事にはならないと思いますよ」
「ふんっ、俺が鍛えてるんだ。実戦の空気に呑まれて役立たずになるような不甲斐ない真似だけは絶対にさせん」
強く言い切るイザークだったが、その辺はこの2人を信じるしかないだろう。
まぁ、相手はBETAだ。その気持ち悪さに吐き気を覚えても、人を殺したとかで悩むような事がないのは救いか。
いずれ経験する事にはなるんだろうが。
「分かった、じゃあ頼む。俺は魔法球に宝具の解析を聞きに行くから、この辺で失礼させて貰うぞ」
「あ、ちょっと待てアクセル!」
「アクセルさん、ちょっと待って下さい!」
イザークとオウカの呼び止める声が聞こえてくるが、俺はそれを無視して影のゲートへと身体を沈めるのだった。
「ふはははははは! なるほど、イザークとオウカがな。確かにあの2人は性格が正反対だ。……いや、他人への態度はともかく、自分に厳しいという面では一致しているから正反対とも言えないか」
俺の話を聞いたエヴァが、愉快そうに笑う。
ここは魔法球の中だから、エヴァが幾ら笑っても周囲に迷惑を掛ける事はないだろう。
「お前はそうやって笑ってるけどな。あの2人を教官としているエルフ達にしてみれば、笑い事じゃないんだぞ?」
「何を言ってる? そもそも、アクセルがイザークとオウカの2人を教官にしたんだろう?」
「それはそうだが……」
言葉に詰まると、それを待っていたかのように茶々丸が姿を現す。
「アクセルさん、マスター。紅茶です」
「悪いな、茶々丸。……うん、美味い」
「ありがとうございます」
ペコリと頭を下げる茶々丸を眺め、最近ますます人らしくなってきたと感じる。
まぁ、エヴァの世話や技術班の世話をしていれば、どうしても感情が発達するのだろう。
それこそエキドナの自我が確立した時のように。
そう言えば、エキドナと茶々丸は意外と仲がいいらしい。
自分達の出身が人ならざるものであるというのもそうだし、技術班の暴走を止める時に協力する時もあって、話す機会が多くなっているんだとか。
その調子でどんどん仲良くなっていって欲しいものだ。
エキドナは上司や部下といった者はいるが、対等の友人は少ない。
ラミアがいれば話は別だったのかもしれないが、いない以上は何を言っても始まらないだろう。
そういう意味で、茶々丸がここにいるというのは嬉しい誤算とも言えるべきものだった。
「……さて、それで宝具の方の研究はどうなっている?」
紅茶と一緒に茶々丸が用意したクッキーへと手を伸ばしながら、未だに面白そうな様子のエヴァに尋ねる。
その言葉に、一瞬前まで笑っていたエヴァの表情が若干不愉快そうなものへと変わる。
「まだ何も分かっていないというのが正直なところだな。お前が最優先で調べて欲しいと言っていた、あの鍵剣も全く使い方が分からん」
「そうか、エヴァでも無理か……」
「言っておくが、こういうのは元々時間が掛かるものなんだからな。特に神代の代物ともなれば、それは顕著だ。私達の世界にある魔法界のアリアドネー辺りに持って行っても、恐らく何も分からないだろう」
「安心しろ、別に責めている訳じゃない。お前がシャドウミラーの中で最も魔法に詳しいというのは理解している」
フェイトも魔法については詳しいが、実戦ではなく知識となれば、やはり600年の歳月を生きてきたエヴァに勝る者はいない。
俺の言葉が意外だったのか、エヴァは少し驚きの表情を浮かべる。
ここ最近のエヴァは結構感情表現が激しくなってきてるんだよな。
多分、自分以外に不老の者が大量に出来たおかげだからじゃないかと……ああ、そう言えば。
「三日後、ホワイトスターと時の指輪の融合を完全にするって話は聞いてるな? 一応その時はこの魔法球の中から出る事になると思うが、忘れてないよな?」
「ふんっ、勿論知ってるよ。けど、何だってわざわざそんな真似をする? 前回の融合の時も、特に何かが起きたという話は聞いてないが?」
「マスター、それでもアクセルさんが言うのですから、聞いておいた方がいいのでは?」
窘めるような茶々丸の言葉に、エヴァがジト目を向ける。
「茶々丸、お前何かとアクセルの味方をするが、それは私の従者としてどうなんだ?」
「そんな事は……私はただ、マスターを心配しているだけです。麻帆良にいる時はボッチだったマスターが、多くの友人が出来てはしゃいでいるなど……」
「ええいっ、誰がそんな事を言っている! ボッチだと、このボケロボ! 巻いてやる、巻いてやる! ただひたすらに巻いてやる!」
「あ、あ、あ……いけませんマスター、そんなに巻かれては……魔力を込め過ぎです」
この主従の様子は相変わらずらしい。
マスター思いの従者ではあるんだろうが、マスターであるエヴァの方がお子様なのが問題なんだろう。
「エヴァ、そのくらいにしておけ。茶々丸もお前の為を思って言ってるんだから」
「……ふんっ、アクセルに免じてこの辺で止めにしてやる」
「ありがとうございます、アクセルさん」
取りあえず落ち着いたのを見てから、改めて口を開く。
「ともかくだ、今回の融合で時の指輪とホワイトスターの融合は完全に完了する。その際に何が起きるか分からないのも事実だ。何しろ、マジックアイテムとG元素という未知の物質の融合だぞ? 何が起きても不思議じゃない」
「ふむ、一番の難関の最初に成功しているのを思えば、心配はいらないと思うが……まぁ、お前がそう言うのであればこちらとしても否はない。雪景色を見に行くのもいいかもしれないしな。ただ……技術班の奴等は言う事を聞かないと思うぞ?」
確かに。最初に融合しようとした時も、かなり不満だったようだし。
その上、今は金ぴかの宝具がある。
そうなると、技術班の者達がそう簡単に諦めるとは思えず……
「エキドナの出番だな。セシルはこっち側か? もしかしたら茶々丸を借りる事になるかもしれないが?」
「私ですか? マスターの許可が貰えるのであれば構いませんが」
「ふんっ、好きにしろ。……まぁ、それはともかくとしてだ。宝具の件に話を戻すぞ。あの鍵剣は使い方が分からないが、天の鎖といったか? そっちの方は特に何もせずとも効果を発揮する。真名解放とかいうのは特に必要ないらしい」
「俺としては嬉しい限りだ。神に対する効果を発揮するのなら、これからきっと役立つだろう」
「アクセル、お前神と戦うのを前提にするのはどうかと思うぞ?」
俺の言葉に呆れたように呟くエヴァだったが、色々な異世界に転移しては戦いに巻き込まれている俺だ。
今回のFate世界はシステムXNでの転移ではなかったが、これから先、システムXNで転移した先に神と敵対している世界があってもおかしくない。
というか、神と敵対しているというのは物語的に良く見る話だ。
そして、俺が転移する世界というのは基本的にはそういう原作のある世界。
それが俺の知ってる原作かどうかというのは別にしてもだ。
神と戦うという機会がある可能性が高い以上、どうしてもその辺に関しては準備しておく必要がある。
「異世界に転移した時、神と戦うという可能性は高いからな。備えあれば嬉しいなって言うだろ?」
「憂いなしだ、この馬鹿者。……では、どうする? 天の鎖は持っていくのか?」
視線を鍵剣の隣にある天の鎖へと向けるエヴァに、軽く首を横に振る。
「いや、システムXNで転移する時には持って行くけど、今はまだいい。出来れば研究を進めて、PTとかに対神宝具の効果を与える事が出来ればいいんだが」
「また、無茶を言う」
溜息を吐き、ふとエヴァが話題を変えようとしたのか口を開く。
「そう言えば、あのアークエンジェル級だったか? 新しく注文しようとしているという話をオーブで聞いたが、どうなっている?」
「……まぁ、別に特に隠している訳じゃないから、オーブで広まっても不思議じゃないけど……その通りだよ。エルフ達の母艦にしようと思ってな」
「ああ、何だか最近ホワイトスターでエルフを傭兵にとかの話が広まっているな。それか」
「それだ。まぁ、傭兵は傭兵でもPTとかの操縦で生身ではないけど。……生身ならエヴァに戦闘訓練を頼んだんだが」
「止めろ、これ以上忙しくするな」
そんな風に、次第に世間話へと移っていく。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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