転生とらぶる
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マブラヴ
1231話
「模擬戦? うちとか?」
『まさか。そんな事ある筈がないでしょ。シャドウミラーと模擬戦なんかしたら、こっちが自信をなくするだけじゃない。今、シャドウミラーでMSを使った傭兵部隊を下部組織として鍛えてるんでしょ?』
映像モニタに映し出された夕呼が、笑みを浮かべて告げる。
「……随分と耳が早いな。マブラヴ世界には昨日通達したばかりだってのに」
『あのねぇ、あたしはこれでも国連の秘密計画を任されている人物よ? 国連に通達すれば、当然情報はすぐに入ってくるわよ。それに、レモンも何だか意味ありげな事を何度か言ってたしね』
「なるほどな。で、模擬戦か。……ちょっとまだ早いな。お前の部隊と模擬戦をやるとなると、A-01部隊とかいう奴等だろ?」
今まで何度かその戦闘をしているのを見た事はあるし、火星の息吹作戦でもニヴルヘイムの周辺で戦闘をしているところを見た事がある。
戦術機を使っているので、総合的な戦力は俺達や他の世界に比べると低かったが、それはあくまでも機体の差だ。
純粋な操縦技術となれば、かなり高い。
少なくても、下級の修羅では太刀打ち出来ないだろう。
シトリーを操っている部隊は修羅の中でも精鋭として名高いが、それよりも上だと思っていい。
まぁ、それはあくまでも操縦技術で、機体の性能を考えれば修羅神側の方が上なのだが。
そうなると、恐らく……いや、まず間違いなく現在のエルフ達では勝つのが難しい筈だ。
一応イザークとオウカも頑張って教官をやってるんだけどな。……相変わらず言い争いをしながらだが。
そう言えば、以前肉じゃがを食べさせて貰った恭子の知り合いの家に斯衛の学校に行っている子供がいたが、そろそろ卒業してもおかしくない筈だ。
だとすれば、斯衛の新米相手ならエルフも勝てるだろうが……
『そ。正直、火星の息吹作戦に参加したのはいいけど、結構自信をなくしてるのよ』
「……何でだ? マブラヴ世界の中で日本だけが参加したんだぞ? しかも1人も死ぬ事なく作戦を終了した。自信を持っても、自信をなくす事はないと思うんだが」
『確かに普通に考えればそうかもしれないわね。けど、あの作戦に参加した他の世界の戦力を見れば……しょうがないと思わない? 私も戦術機の映像データを見て、改めて驚いたわ』
溜息を吐きながら告げる夕呼だったが、俺は首を傾げる。
「今までにも俺達の戦闘は色んな映像データに残ってただろ? それを見た事がないとは言わせないぞ」
『直接その目で見るのと、映像データで見るのは違うんでしょうね。それも、あれだけの数のBETAを相手にしての戦いで』
「……そんなものか?」
『そんなものよ。大体、魔法使いって何なのかしらね。生身のまま火星で戦い続けるって、どんな身体構造をしてるのよ。それに闘士級ならともかく、強化外骨格の類も使わないで戦車級とか要撃級、突撃級を普通に殺してたんだけど。中には要塞級を数匹纏めて片付けている人とかいたわよ? しかも身体を雷みたいにしてるとか、魔法って一体何なのよ』
あー……うん、多分それはネギだな。
雷速瞬動を使って要塞級相手に無双でもしたのだろう。
で、科学者の夕呼にとっては理屈で説明出来ないのが我慢出来ない、と。
「まぁ、それこそ魔法だからとしか言えないな。魔法には魔法なりに色んな法則があるんだよ。それが科学で理解出来ない事でも」
『なら、あんたが教えなさいよ。アクセルだって魔法を使えるんでしょ?』
「いや、俺の場合は殆ど感覚で使ってるからな。そもそも俺の身体そのものが魔力で構成されているようなものだし。ぶっちゃけ、意思がそのまま魔法となると言ってもいい」
そう告げ、夕呼が映し出されている映像モニタの前で人差し指を立てると、それを白炎へと変える。
そうして次の瞬間に白炎は数十匹の蝶の炎獣へと姿を変え、部屋の中を漂う。
『……呆れるしかないわね。大体。部屋の中でそんなのを出して構わないの?』
その様子を見ていた夕呼が、溜息を吐きながら聞いてくる。
「ああ、問題はない。この蝶は触っても火傷をしたりしないからな」
『触っても火傷をしない炎って、どういう炎よ……』
『でも、綺麗です』
そう言って俺と夕呼の会話に割って入ったのは、いつものウサギの耳をピョコピョコと動かしている霞だった。
「霞、元気にしてたか?」
『はい。アクセルさんも元気にしてましたか?』
「ああ。俺が元気じゃないなんて事は有り得ないからな」
『良かったです』
相変わらず表情が殆ど動いていないが、それでもこうして何年も顔を合わせていれば、霞の感情の動きを理解するのは難しくない。
それに、感情以上にウサギの耳が激しく動いて霞がどう思っているのかを教えてくれるし。
『あんた達、相変わらず親子みたいね。もういっそ、社を養子にでもしたら?』
「その場合、夕呼は母親か?」
『あのねぇ。何だってこのあたしが、この若さで子持ちにならないといけないのよ。世界の損失よ?』
「……俺が子持ちになるのはいいのか?」
『いいのよ』
まさか、こんなにはっきりと断言されるとは思わなかった。
『大体、あんたの場合は恋人が9人もいるじゃない。それだけじゃなくて、この前帰ってくるまでいた世界でも何人も女を作ったんでしょ? なら、子供がいてもおかしくないわよ』
「何人もって……2人なんだけどな」
『9人も恋人がいて、更に2人恋人を作っているのなら、それで十分よ』
その辺に突っ込まれると否定出来ない事実ではあるな。
正直、以前言ってたように女好きじゃない! と言えるような状況じゃないのは、現状が示しているし。
夕呼に何て言い返そうかと考えていると、不意に霞が口を開く。
『アクセルさん、スキー……というのをやった事はありますか?』
「スキー?」
いきなり何を?
そうも思ったが、良く見ると霞の手には何らかの雑誌が握られている。
恐らくその雑誌にスキーに関する事が書いてあったのだろう。
「何度かやった事はあるけど……随分と昔の話だな」
正確には士官学校に在籍している時に訓練でやったくらいだ。
それこそ異世界の時差も含めて考えると、10年近くは昔だと思う。
にしても、スキーとかの雑誌が今のマブラヴ世界にあるとは思えないんだが。
どうやって入手……と考えて、すぐに納得する。
恐らくホワイトスターで火星の息吹作戦の祝勝パーティをやった時、A-01部隊の誰かが入手したのだろう。
買ったのか、拾ったのか、それとも……譲って貰ったのか。
A-01部隊に所属しているのは、男も女も美形な者達が多い。
そんな連中におねだりでもされれば、雑誌の1冊や2冊は普通にやるだろう。
夕呼の指示でシャドウミラーや他世界の情報を何でもいいから欲したのか、それとも単純に偶然だったのか……どちらでもいいだろうが、とにかく雑誌が霞の手元にあるのは事実だ。
まぁ、仲のいいレモン辺りから貰っただけって可能性もあるが。
『では、今度一緒に、その……』
言いにくそうにしている霞だが、何を言いたいのかは話の流れで理解出来る。
海に行った事がなかった霞だ。そうなれば当然スキーにだって行った事がなかったのは事実だろう。
ただ、霞はロシア出身だ。雪なんかは見慣れていてもおかしくないが……いや、雪を見慣れているのとスキーをやるのでは違うか。
「そうだな、今度一緒に行くか。スキーをやるのは随分と久しぶりだし」
『いいんですか?』
ウサギの耳をピョコピョコと激しく動かし、嬉しさ……あるいは驚きを露わにする霞。
この姿を見ると、シャドウミラーの中でも人気があるのは理解出来る。
ちなみに人気という意味では夕呼も当然あるが、その性格からそこまで人気が高いという訳ではない。
総合的な人気だと、癒やしという意味で霞の方に軍配が上がるだろう。
ああ、それと何気に時々夕呼を護衛しているフワフワの髪をしている……神宮司? とかいう女もそれなりに人気が高かったりする。
軍人としての厳しさを表に出しているが、何だか優しそうな外見をしているという風に言われているのを聞いた覚えもあった。
いわゆる、ギャップ萌えって奴か?
ともあれ……
「ああ、俺の方は全く構わない。夕呼はどうだ?」
『えー? あたし? 嫌よ、面倒臭い。何だって自分から寒い場所にいかなきゃ行けないのよ』
心底面倒臭そうに呟く。
海水浴とか花見とかは結構進んでやって来るんだが、スキーは別らしい。
若干気持ちが分からないでもないけどな。俺も士官学校の時は冬山で苦労したし。……それでも俺の場合は身体能力そのものが他の奴等と違ったから、それ程でもなかったんだろうが。
『駄目ですか……?』
目をウルウルさせて、夕呼へと尋ねる霞。
何だか『いぢめる? ねぇ、いぢめるの?』とか言ってそうな感じがする。
そう思ったのは俺だけではなかったらしく、珍しく夕呼も霞の言葉に一歩引いてみせる。
感情を殆ど表には出さないが、霞とそれなりに親しい人物には分かる、残念そうな視線。
当然四六時中霞と一緒にいる夕呼がそれを分からない訳がない。
向けられる視線に何とか対抗しようとしていたものの、やがて小さく溜息を吐いて頷く。
『分かった、分かったわよ。冬山に行けばいいんでしょ? アクセル、この場合はあんた達も当然来るんでしょうね?』
「ああ、こっちは問題ない。火星の息吹作戦も完了したし、マーズゼロを含めて占領した3つのハイヴで基地化の作業は順調に進んでいる。他に何か急いでやらないといけないって事はないし」
敢えて急いでやる事を上げるとすれば、エルフ達の訓練だろうが……こればかりは今日やって明日効果が出るって訳にはいかないしな。
勿論訓練を1日サボれば、その分忙しくなるんだろうけど。
まぁ、スキーをやりに行くのなら、オウカやイザークも誘うけど……果たしてあの2人がエルフの訓練を投げ出して来るかと言われれば、正直微妙だろう。
『あら、あっさりと決めるのね。……ちなみに、どこの世界のスキー場?』
「この場合は……やっぱりマブラヴ世界だろうな。俺達の事が普通に知られていて面倒がないし」
SEED世界は俺達の地元がオーブだし、マクロス世界は惑星そのものが違う。ネギま世界はそもそも俺達の事を知っている者が極少数だ。
そういう意味ではギアス世界の陽光もいいんだが……正直、陽光で霞が期待しているようなスキー場があるかと言われれば、どうなんだろうな。
後、どうせスキー場に行くのなら温泉を完備してる場所にもしたいし。
そうなれば結局最後に残るのは日本な訳で……マブラヴ世界な訳だ。
『私達の世界? 確かにその辺はきちんと整備されているだろうけど。それもこれも、あんた達が鉄原ハイヴを攻略してくれたおかげだけどね』
「うん? 何の事だ?」
『もし鉄原ハイヴや重慶ハイヴを攻略出来ていなければ、多分日本にBETAがやってきたのは間違いないわ。それを迎撃する必要があって、レジャーなんかの余力は真っ先に削られていたでしょうね』
「ああ、なるほど」
確かにレジャー施設なんてのは、BETAとの戦いで真っ先に削られるリソースだろう。
特に雪の中で動かす施設なんだから、通常よりも多くの電力とかのエネルギーを使ってただろうし。
『ま、オルタネイティブ4の成果もある程度出して余裕が出来たし……少しくらいは遊んでみてもいいかもね。アクセル、そっちで来る人達の準備は任せてもいい? 私もこの世界の人達には話を通して見るわ。……もっとも、シャドウミラーがウィンタースポーツをやりたいって言ってると聞けば、それを断れるような人はいないと思うけど』
ニヤリ、と意地の悪い笑みを浮かべる夕呼。
何だかんだで、結局夕呼も楽しみになったらしい。
「スノボの準備もしておいた方がいいだろうな。そっちに興味があるってのもいるだろうし」
『スノボ……スノーボードね。あたし達の世界だと、やってる人はいないわね』
なるほど。スノーボードが一般的に広まったのは丁度2000年前後だ。
けど、マブラヴ世界ではBETAとの戦いでスノーボードが広まるような余裕は全くなかった訳だ。
「スキーが出来る奴ならそんなに難しくないから、夕呼もやってみたらどうだ?」
『……前向きに善処しておくわ』
その言葉は大抵やらない為のフラグだろう。
どこぞの政治家じゃあるまいし。
ともあれ、スキーをやるという事は決まった。
花見や海水浴には結構行ってるし、そういう意味では冬の行事としてはそんなにおかしくないのかもしれない。
「一応崇継や恭子辺りにも話を通しておいてくれ。まぁ、2人共今は色々と忙しくてそんな余裕はないかもしれないが」
崇継は征夷大将軍になる準備で、恭子は崇宰家当主の座に就く準備で忙しいらしい。
ただ、そういう忙しさのストレスを解消する意味でもスキーをやるってのは結構悪い提案ではないと思うけどな。
『そうね、一応連絡はしておくわ』
夕呼も俺と同じ意見なのか、そう頷く。
何だかんだで、夕呼も斑鳩家、崇宰家と友好関係にある。
それだけに、崇継や恭子の息抜きをさせてやりたいと思ってもしょうがないのだろう。
俺も、他の世界で今回の件に参加する奴がいないか募集してみるか。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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