ソードアート・オンライン 〜アサシンとなった少年〜
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その日、復讐に燃えしアサシンは1人の少女を助けた
前書き
ソードスキル、暗殺剣の内容を一部変更致しました。
具体的には、ステルス状態を、相手に気付かれていない状態、相手が自身を敵と認識していない状態だけとし、相手が抵抗出来ない状態というのを消しました。
そして、ワイヤーフックを【サイレントブレード】という物に変更いたしました。
効果は【ステルス状態でのみ使用可能。30秒間武器の切れ味を極限にまで引き上げ、これによって両断された者は即死する。発動中に発見された場合は硬直し、その際のダメージは4倍となる。CT3分】という物です。
そして最後に、アサシネートナイフ【殺】が、ステルス状態出なくても痛みを感じるように変更いたしました。
突然の変更、誠に申し訳ございませんでした。
その日、アルズは最前線の転移門広場にいた。
別に攻略にきたわけではない。
ただの諜報だ。
最前線で話をきくと、時々ラフコフメンバーの事も聞けるのでな。
「頼みます.....仇を...仇をうってください!」
ん?なんだ?
アルズが見ると、1人の男がゲートを通る上位層プレイヤー達に何かを頼んでいた。
「どうした?」
「お、お願いします!」
「は?」
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「........暇な事をする奴もいるものだな。」
アルズは、男の話を聞いて呆れる
聞くところによると、彼はシルバーフラグスというギルドのリーダーらしく、タイタンズギルドというオレンジギルドに襲われ、仲間が全滅したそうだ。
彼は全財産を叩いて買った回廊結晶で彼等を監獄へ入れて欲しいらしい。
アルズは立ち上がり、背を向ける。
「ま、待ってください!」
アルズは歩を止める。
そしてフードを被り___
「いいだろう、その連中のやり方が気にくわない。俺が其奴等を監獄に送ってやる。」
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ある日、アルズは圏内エリアでラフコフメンバーの一人を発見した。
そしてその夜____
「よぉ」
アルズはフードを深く被ってターゲットの近づく。
「ん?お、アサシン様じゃないっすか。どうしあs____」
スパッ
突然、男の首が飛ぶ。
「じゃあな。」
頭は、地面に転げ落ちた瞬間、胴体共に蒼白いガラス片となって消え去った。
すると、アルズの周りに数体のガーディアンが召喚される。
そして、アルズは地面に煙幕を投げ、インヴィジティブルを発動しながら逃走した。
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35層 迷いの森
「ハァ.....ハァ.......」
アルズは圏内エリアより迷いの森まで逃げてきた。
ここまで走った理由は、あのガーディアン達が意外にしつこく追ってくるからだ。
「ふぅ........二人目か。さて......と。」
アルズは一つのパンを取り出し、囓った。
......やっぱり結構美味いなこれ......
そう思いつつ、アルズは歩く。
現在、アルズはオレンジプレイヤーだ。
つまり街に戻ればガーディアン達にリンチに遭う。
カルマ回復クエストをするまで何も出来ないな。
さて.....と、あの依頼、受けてしまったがどうするか.....ん?
アルズは歩を止める。
森の奥で、複数のモンスターと戦闘を行っている少女が見えたからだ。
モンスターを連れている。ビーストテイマーか?
「かなり劣勢だな......助けるか....」
アルズは一歩踏み出した時に気づく。
待てよ?俺はオレンジプレイヤーだ。
こんなことをして大丈夫なのか?
「!?」
アルズは走り出した。
彼女の連れている使い魔が死亡したからだ。
まにあえ......!
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「来ないで.......」
少女が涙ぐみながらモンスター達に訴えたその時だった。
いきなり、二体のモンスターの上半身がスパッっと斬れたのだ。
二体のモンスターは蒼白いガラス片へと変わる。
そして戦闘にいたモンスターも、気づけば首が飛んでいた。
「うっ」
蒼白くは弾けたモンスターに、少女は狼狽える。
すると、そこには全身が紫黒色の装備で統一された一人のプレイヤーが立っていた。
「大丈夫......?」
プレイヤーは何かを悔いているのか、悔しそうな顔をしている。
「ピナ.......」
ん?オレンジプレイヤーだと気付いていない?
「.....すまない......俺が遅れたばかりに......」
「いえ.....私が.....勝手に......一人で森を突破できるだなんて思い上がっていたからこんなことに......助けていただいてありがとうございました。」
少女は礼を言う。
手には、使い魔がドロップしたアイテムを握りしめていた。
!?
アルズはある事を思い出した。
47層......思い出の丘。
アイテムさえ残っていれば、その頂上に咲く花により使い魔を蘇生出来るというアイテムだ。
「......そのアイテム.....名前などが設定されているかい?」
少女は直様確認する。
彼女のウィンドウには【ピナの心】という表記があった。
「うっ.......」
「泣かないでくれ。大丈夫、アイテムが残っていれば、蘇生は可能だ。」
「えっ.....!」
「47層に、思い出の丘というフィールドダンジョンがある。その頂上に咲く花が、使い魔を蘇生させる事が可能らしい。」
「.......四十.....七層......」
少女は一瞬明るい表情となったが、直ぐに暗くなった。
「俺が行ってきてもいいが、主人が行かないと花が咲かないというらしい.....」
「情報だけでも、ありがとうございました!頑張ってレベルをあげればいつかは....!」
「........蘇生可能期間は、死亡後三日以内だ......」
「そんな.......私のせいで.....ピナ.....ごめんね.....」
アルズは立ち上がる。
「大丈夫だ。」
アルズはメニューを弄る。
「これだけあれば、5、6レベル程度は底上げ可能だ。」
「どうして.....私にそこまで?」
「・・・」
........どうしてだ?
なぜ俺はこの子にここまでしようとしている?
ユウに全く似ていないし、彼女がユウの代わりになるなど全くあり得ない。
「......俺に、少しでも良心が残っていたという事だ......」
「.......え?」
「......オレンジプレイヤーという物を知っているか?」
「.......?」
「俺たち、皆、頭の上のカーソルが出ているだろう?」
「は、はい。」
「それがオレンジ色に変色しているプレイヤーのことだ。」
「それでは.....あなたも?」
「ああ、そのオレンジプレイヤーという物に入る。しかも、これになる条件は____プレイヤーを殺す事だ。」
「え......?」
「.....ハァ......嫌だよな?人殺しと一緒に行くだなんて。すまない、他のプレイヤーに頼んでくれ。」
「いえ!」
アルズは少女に腕を掴まれる。
「........俺は人殺しだぞ......?」
「確かにそうです......でも、あなたは私を助けてくれました!正当防衛ですよね?襲われたからやむ終えず....!」
「クッ......」
少女の言葉に、アルズの良心が痛む。
「........そうだな.......」
「あの.....名前は?」
言って大丈夫なのだろうか?
・・・
「アルズ......だ。」
「私はシリカと言います!」
そう言い、少女___シリカは手を出す。
アルズは戸惑いながらも、手を握り返した。
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街のすぐ近くまで着て、アルズはは止まる。
「先に街に戻っていてくれ。俺は少しやる事がある。」
さっさとカルマ回復クエストをやらないとな。
「は、はい!」
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「アルズさん!」
「えーっと......俺と別れてから2時間程過ぎたはずなんだが......ずっとここに?」
「はい!」
シリカは自慢気に答える
.......物好きな人間も居たものだ。
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アルズ達が街を歩いていると___
「お、シリカちゃんハッケーン」
二人組の男性プレイヤーが近づいてきた。
「随分遅かったみたいだけど.....大丈夫?」
「そうだ、今度パーティー組まない?」
「えっと......」
シリカはアルズを見て助けを求める。
「ハァ......」
溜息を一つし、アルズは腕を出した。
「わ、私は今この人とパーティーを組んでいるので。」
「ムッ.....」
二人ともアルズを睨む。
アルズは首を傾げてみせた。
「すみません.....ご迷惑を。」
「いや、大丈夫だ。___君のファンかい?人気者だな。」
「いえ.....」
「?」
「私を、ただマスコットのようにしたいだけです。」
.......不快だな。
「それなのに......龍使いシリカだなんて言われて勝手に舞い上がって.....」
シリカは泣きそうになる。
「大丈夫だ。3日もあるんだぞ?間に合うさ。」
「ありがとう.....ございます。」
シリカは、アルズの言葉に勇気付けられ、涙をふいた。
そのままアルズは辺りを見回し、耳に集中してラフコフの情報を集める。
「そう言えば、アルズさんのホームは?」
「!?」
ホーム......そう言えば.......持ってないな......うん。
宿に泊まったり屋根や木の上で寝たり......
「え、えっとだな......」
考えろ。考えるんだ。
「ご、50層だよ。で、でも上層まで行くのは面倒だから、今日はここに止まるとするよ。ハハハ。」
アルズは苦笑いする。
「そうですか!ここのチーズケーキ、意外といけるんですよ。」
チーズケーキ.....俺....チーズケーキ食べられないんだわ.....
うん、あのチーズの香りが何故か慣れない。
「あらー、シリカじゃない。」
突然の声に振り向くと、赤い髪をした一人の女性が近づいてきた。
後ろには数名の連れがいる。
彼女を見ると、シリカは暗い表情となった。
「森から脱出できたの?よかったじゃない。」
「どうした?」
アルズはシリカに聞く。
「家....別に.....」
「あれ?あのトカゲどうしちゃったの?」
ん?この女......
成る程、情報通りだな。
あとはラフコフメンバーの情報の一つでも集まればパーフェクトなんだが.....まあいい。
「もしかして....」
そいつは何故か嬉しそうだ。
まあ、人間の屑は全員同じって事だな。
「ピナは死にました......けど、必ず生き返らせます!」
「へぇー、てことは思い出の丘にいくんだぁ....でも、あんたのレベルで攻略出来るの?」
「・・・」
シリカは自信が無いように見える。
これは....そろそろフォローと行きますか。
「行けるさ。」
アルズは口を挟む。
「あんたも、その子にたらしこまれた口?見た所、そんなに強そうに見えないけど?」
「ハァ......」
アルズは深いため息と共に、フードを深く被る。
「人を見かけで判断するのはいけないと思うが?」
「.....!」
そいつは少しひるむ。
「じゃあな。____いこう。」
アルズは再びフードを外し、歩き出した。
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さて.....と、どうしたものか。
アルズは宿でそんな事を考える。
クラインアントの要望は殺さずに、だ。
だが暗殺かガチ斬殺しかしたこと無い俺にそれが出来るだろうか?
脅せば行けるか?.....どちらにせよ、泳がせとけば勝手に餌に食いつく。
ん?
アルズは、索敵スキルに引っかかった不審なプレイヤーに気づく。
なんだこいつ?
____ああ、そういうことか。
成る程。じゃ、面白いことでもするか。
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トントン
アルズは扉をノックする。
「シリカ?47層について説明したいんだが、大丈夫か?明日にするという手もあるが?」
「大丈夫です。私もいm____」
突然、シリカが黙り込む。
「どうした?」
「ちょ、ちょっと待っててください!」
?
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アルズは机を運ぶ。
そしてあるアイテムを取り出した。
「?どうかした?」
「い、いえ!」
「?まあいいか。」
「ア、アルズさん、そのアイテムは?」
「ミラージュスフィアっていうアイテムだ。」
アルズは中央のスイッチをおし、起動させる。
すると、円柱状の柱が登り、間に光の球体が出てきた。
球体には、層を模した光の円盤の様なものがついてある。
「これが、47層の主街区だ。こっちが思い出の丘。この道を通って、行く。わかったか?お前のボスに伝えとけよ?」
「アルズさん?」
「わかってんだよ?それとも、ドア越しから突かれたいか?」
アルズが脅すと、ドア越しに話を聞いていたプレイヤーは逃げていった。
「あ、あれは?」
「聞かれてた。いや、聞かせた、か。」
「どういうことですか?それに、ノックしないと部屋の中の音は.....」
「聞き耳スキルを上げていれば、ドア越しでも聞けるよ」
「え?そ....そんな....」
「まあ、大丈夫だから。明日は速い。休んでて。」
「は.....はい.....」
アルズは自分の部屋に戻っていった。
後書き
シリカがヒロインになることはありませんので悪しからず。
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