機動戦士ガンダム0091宇宙の念
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宇宙編
邂逅編
第18話 狭間2
「艦長、お呼びでしょうか」
「来たか、少尉」
「少尉、ブラウビッシュというコロニーは知っているかね?」
「えぇ、レーモ7と月の間にある…」
「そうだ、そこにいるネオジオンの役人に、ある資料を送って欲しい」
艦長が黒いケースを見せた。
「これは…今後の作戦配置図?」
「察しが良くて助かる。それを届けて欲しいのだが、頼めるか?」
「命令とあれば、いきます」
「すまんな、支援にシャドウハウンド隊をつける」
「ジャック中尉!」
黒く短い髪の優しげな顔。
「おお、フーバー!どうした?」
シャドウハウンド隊、副隊長のジャック中尉だ。
「次の作戦お願いします」
「おう!あんまりMSは好きじゃないが、こいつは特別だ!」
親指でMSハンガーで整備中の彼の機体を指す。
AMXー102、ズサ。
「丸っこい感じがかわいいだろ?」
「かわいい…ですか」
俺には、ただのMSにしか見えない…
「だったら、俺のバウだってかっこいいっすよ!」
命を乗せて駆ける自分の愛機。孤独な宇宙で頼るのはこいつだけとなれば、自然と愛着も湧く。
「まぁ、今回お前さんがMSに乗ることはないだろうさ」
「そうですね…」
ラーディッシュ級艦内
「艦長!ブラウビッシュより緊急入電です!回線回します!」
「こちら、コロニー防衛隊隊長、ヒル・バロンであります!先程、武装集団がコロニーの一部を占拠!増援願います!」
「了解した、部隊を派遣する」
「MS隊発進準備!出せる機体だけでいい!」
「艦長、コロニー内で戦闘は…」
「わかっている、被害は最小限にだ。」
「出撃だって?」
「コロニーの鎮圧だとよ」
「ったく、俺らは便利屋じゃねえんだぜ」
空気が悪いMSデッキ。
劣悪な環境といつ死ぬかもわからない戦場では、兵士間の信頼、友情は強固なものとなる。
「1番MSデッキ、ヘッジホッグ出せます!」
「2番デッキからも、ジムIII出撃できます!」
各班から、様々な情報が流れていく。
「よし、わかっていると思うが、犠牲はなるべく出すなよ!全機発進!」
「ヘッジホッグ、発進よろし?」
「発進よろし、行けます!」
モニターに映し出されたGOの青文字。
カタパルトによる背後からの力を感じると同時に、フットペダルを踏み込む。
より強いGが体をシートに押し付ける。
「ルシオン・スタフィ行きます!」
後書き
次回に続きます!
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