機動戦士ガンダム0091宇宙の念
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
宇宙編
邂逅編
第17話 狭間
前書き
ブラウビッシュ
月とレーモ7の間にある民間コロニー。
ジオン残党が活発化してきたため、連邦軍が極秘に軍事行動を起こしている。
「失礼します…」
パイロットルームから出てきた彼女は、前よりも暗い目をしている。
「もう…いいのか?」
「ええ、大丈夫です。心配をお掛けし申し訳ありません、隊長。」
「いや…」
恐らくまだ不安定な状態だろう。
いまは…彼女を戦わせるわけにはいかない。
「あー…よく寝た。ん?」
ボサボサ頭の眠そうな男。
「お前、フーバーか?」
この声、つり目のボサボサ頭。
年の割に若い風貌、彼は
「っ‼︎お久しぶりです、グレイブ教官!」
「ははっ、デカくなったな!お前も!」
暗い空気を吹き飛ばした彼は、フーバー達のアクシズの頃の教官、グレイブ少佐。
「少佐には、フィンドラを率いて我が艦隊に参加してもらうことになった。」
「次の作戦では恐らく一緒にお前達と闘うはずだ。見せて貰おうか。」
「望むところです、俺らだって成長しましたから!」
「アイラもこの艦に乗っていると聞いたが…」
「あいつなら、今はパイロットルームにいるはずです。」
「そうか、俺はこれでフィンドラに戻る。またな」
「はい、お気をつけて!」
デッキから飛び立つドーベンウルフを、フーバーはブリッジから静かに見ていた。
「おいジゼル、聞えてるか?」
「は…ー…聞え…ーーす」
途切れて聞えた通信。ミノフスキー粒子によるものだ。
「チッ、ここからじゃ粒子濃度が濃すぎるか。…しかし、あいつらがいるとはな。やり辛いぜ…」
ラーディッシュ艦内ー
「フラン、どうですか?」
「なんとか大丈夫ね、でも少し出撃はまだ無理だわ。」
MSデッキにはボロボロのデルタガンダムがそのまま置かれていた。
なんでも、補充パーツが来ない限り、修理は出来ないらしい。
「ナナ、大丈夫か?」
「はい、私は。」
「あまり無理はするなよ。」
「はい。あの…」
「ん?」
「今から…一緒に…食べません?」
体を丸め、顔を赤くして食堂を指差した。
「ああ、俺も行こうと思ってたしな。いいよ、行こう。」
ルシオンの背中で彼女は嬉しそうに笑った。
後書き
次回に続きます!
ページ上へ戻る