黒を纏う聖堂騎士団員
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05.旅人or賊
何かが起きそうな予感にかられながら・・・
マルチェロはオディロ院長に呼び出されました。
お叱り、命令・・・とにかくマルチェロがオディロ院長に従わないわけありません。
「今、命を落とせとおっしゃられるなら、私は喜んで死んで見せます」
と、言うようなマルチェロですから・・・
オディロ院長がそんなことを言うことはまずありませんが。
そんなこと言うなら、マルチェロが今ごろこの世にいません!!
「マルチェロ・・・よく来たのぅ・・・」
あなたが呼んだのですが・・・とは言わないマルチェロ。
みんなにそれだけ優しければよいのですが。
そうしたらククールとも仲良くしていただろうに。
「クロノスは問題なく元気にしておるか」
「はい。オディロ院長のおかげで、男として修道院におりますが・・・
いかがなさいましたか?」
もしクロノスに何かあれば、すぐさまオディロ院長にも連絡がいきます。
しかし、オディロ院長はいつもこの質問をなさるのです。
マルチェロには不思議でなりません。
「彼女を女として修道院から出すべきじゃろうが、それが本人が生きていく上で必要なのか。
ワシにはわからんのだよ」
「・・・・・・」
答えられるはずありません。
マルチェロにはオディロ院長の言う意味がわからないのですから。
何が本人を苦しめる対象なのか。
クロノスに何があるのか。
それがわかることを前提の話のようです。
オディロ院長も人が悪い・・・
そこに一人、警備の団員がやって来ました。
物語で良いところで中断するキャラクターですね、こいつは。
語り手作者がいうのですから、マルチェロはオディロ院長からその先の話を聞くことはありませんでした。
旅人・・・賊がうろついていると警備が言うのですから、マルチェロは行かないわけに行きません。
賊とは、暗黒神ラプソーンを近い未来で倒してしまう人を越えた勇者一行のことです!!
その賊はクロノスの耳にも入りました。
そして、旅をする自分を思い浮かべます。
(退屈で飽き飽きしているククールでも引っ張り出せば楽しいだろう。
あぁ、女で金を使いそうだな。
いや、賭け事があるか。)
など、ククールを一切信用していない妄想をかましました。
もう少し同じ部屋の赤い生物を信用してほしいですね。
そのあとにククールではなくマルチェロなら、と妄想してげんなりしたのはご想像におまかせします。
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