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黒を纏う聖堂騎士団員

作者:櫻木可憐
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04.クロノス女性疑惑

さてさて、男だらけのマイエラ修道院では、男同士のあつ~い会話が繰り広げられます。
マルチェロ団長はいつも会話の中心にされています。

体つきが美しいとか罵られたいとか・・・
少々どころかマゾが多すぎる気がしますが、まあいいとしましょう。
彼らは当然ながら女性に興味がありますから、安心していただきたい!!

そんな彼らが今、会話の中心にしているのはクロノスです。
マルチェロ、クロノスは美形として見られています。

あ、当然ですがバカリスマ弟は女まみれな日々なので、修道院の輩に嫌われております。
すると狙われるのはマルチェロ、クロノスです。

「クロノスのやつ、腕が細いよな。
いや綺麗だからいいんだぜ?
あー、女みてぇーだよなって話だ」

女みてぇーって・・・女ですから。
それに気づかないあなた方は・・・ククール以下です。
まあ、ククールみたいに見た瞬間わかる変態は遠慮したいですが。

しかし、クロノスには困る事態です。
女が紛れていたなんてマイエラ修道院に泥を塗る上に、何が起こるかわかったものではありません。
男に囲まれたら、大声でマルチェロを呼びそうです。
クロノスは自分よりマルチェロが使えること、マルチェロに怒られたくないと考えていること、を知っています。
中身はマルチェロ並みのやり手疑惑が・・・

「つか、クロノスって人前で脱がなくねえ~か?まさか・・・
いやねえよな。マジで女だったらククールが狙うだろ。」

同じ部屋のククールですか・・・
狙いましたとも、普通に。
テンション100からの会心の一撃によりザオリク以外では起きられない状態に変化しました。
それからククールは手を・・・いまだに出しています。

「聞いてみればよくないか?本人に。
男なら脱げるだろ?みてやろ~ぜ」

あぁ、男はやはりケダモノですね。
マルチェロが見ていたら、メラゾーマを放ち、グランドクロスがきて・・・
彼らは幸せものですね。

そこに嫌なタイミングでクロノスが欠伸をしながら歩いてきます。
寝不足なのか、目が死んでました。

「よ~クロノス。いきなりで悪いが、お前さ~女じゃねぇよな」

「は?」

「腕細いし、人前で脱がなくねえし。
男同士なら問題ねぇだろ?
だから女じゃねぇのかなってよ。」

「いや、傷があるから見られたくないんだが」

そういうことになっています。
マルチェロも口を揃えて言うので、これですんなり通ります。
しかし、そうはいかないのがケダモノ男性です。

「あぁ気にしねえから確認だけさせてくれよ」

セクハラ発言です。修道院がセクハラ発言!!
男同士だろうが、女同士だろうが嫌なものは嫌です。
弁護士呼んでやりたい!!

「さ、触るな!!」

ですよね。
誰でもそうなりますよ、男同士でも!!
身の危険を感じるはずです。
女神の花婿たるあんたらが、男にセクハラしたら目も当てられん。
この場合、女ですが。

「あぁもう!!」

クロノスは胸元を開き始めました!!
いきなりのことに立ち尽くす男たち。
美しい胸板をみせびらかし、怒鳴りました。


「私は男だ!!」


あんまりの気迫に男たちは立ち去りました。
クロノス・・・いや、偽物はそのまま部屋に向かいます。
部屋に入った途端、頭の桂を放り投げました。
その頭は銀髪でした。

そう、ククールがクロノスに変装していたのです。

「ナイスプリティーな罪深き男が、女神の落とし子を守るのは当然の役目・・・
でも気に入らない!!」

「はぁ・・・すまない。ククールは私に体格が似ているからな。
胸は包帯で隠してるが、見せられないからな。
礼をいうよ。」

「マルチェロがやればいいんじゃん?」

「いや、殺気でバレるから。
マルチェロは大人しくしている性格じゃないからな」

そうそう。これから先、未来でやらかすマルチェロさんですよ?
根っからの阿呆でしょうね。
バカリスマ弟の兄だけに。

「いつか出ていくさ。
オディロ院長が止めるからいるようなものさ。
ククールもオディロ院長がいなければ出ていきそうだけどな。」

ククールは黙り込みました。
オディロ院長がいなければ、という考えをしたことがなかったようです。
それに彼の中で単純な問題でもなかったようです。

(マルチェロを置いて出ていくのか)

何だかんだ言いながら仲良くなりたいようです。
いい兄弟ですね。
傍らの兄は弟を恨むあまり世界征服をもくろみましたが・・・ 
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