ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版
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学園祭のライオンハート
最終試合:ダブル『王』対赤白龍神皇帝(1)
「さてとあちらの『女王』も潰した事だし、この先どうなるか見物だな」
「そうだなゲオルグ。こちらはまだ無傷であり、あちらは最早『王』と『兵士』しか残っていないからな」
コーティは腹が減ったのか空間にある卵サンドを食べていたが、単身楽団(ワンマン・オーケストラ)を悪用されるとマズイんで空間にしまった。バイク型の自走式可変単身楽団(ホイールド・トランスフォーマティブ・ワンマン・オーケストラ)もあったが、今回は塔の上だったので使わないで済んだし保管庫にあるから盗まれる問題もないからだ。次のダイスを振ろうとしたら、サイラオーグとリアスが提案した。
「こちらはあと四人であちらは十五名、とてもじゃないが勝てない気がしてならない。ならば団体戦をしようじゃないか、こちらは『王』と『兵士』だけだから、あちらは『王』と『兵士』で。『兵士』は二名までだ、そこの白龍皇と仮面の男と戦いたいのでね。それと今まで使わなかったフェニックスの涙は、全てリタイアした者に使わせてもらったからな」
「ええそうよ!サイラオーグの言う通りで、このままでは私達は全敗してしまうわ。そこでここからは団体戦として出る事で、終盤として盛り上がると思うしね。このままだと若手悪魔として、一太刀も入れずに終わってしまうのは私達にとって最悪なエンディングだわ」
ここで実況が叫んだ。
『おおっと!ここでサイラオーグ選手とリアス選手からの提案が出ました』
皇帝ディハウザー・ベリアルもにこやかに言う。
『確かにサイラオーグ選手とリアス選手の方は後が無い、それに対して兵藤様の方は無敗で余裕。これ以上ダイスでのルールを取っ払って、団体戦にするのは実に面白そうだと思われます』
アザゼルも顎に手をやりながら意見を口にしていく。
『と言うか一ちゃん達強すぎだろう!次の団体戦でケリをつけた方がいいと俺は思う。さて委員会の上役は読める流れのルールを取るか、この状態を維持したままの団体戦を選ぶか。俺的には団体戦で行った方がいい、残りの仮面つけてる奴は気になるからな』
数分の時間が流れ、実況席に一報がもたらせる。
『え、はい。今委員会から報告を受けました!認めるそうです!次の試合、事実上の決定戦となる団体戦です!しかもバアル&グレモリーチームの選手がリタイアされましたがフェニックスの涙のお陰で、全員戦闘態勢のままイケるそうなのでこの団体戦は事実上の十七対三と言う戦いになりそうです!兵藤様側の「兵士」二名まで出場出来ます』
その報告に会場は沸いた。次が決勝戦だが、まさか全員回復してからの再び戦える何てな。
「『兵士』二名までいいそうだが誰を出すんだ一誠?」
「決まってるだろう・・・・『王』は俺で『兵士』はヴァーリと曹操だ」
「ついに来たか、俺はあの『兵士』と戦えばいいのだな」
「そうだ曹操。ヴァーリは俺との戦いに邪魔しそうな者らを半減させて、曹操に譲渡か自分自身に譲渡するんだな。それと俺ら対サイラオーグとリアスになった時が、覇龍を越える覇龍になる頃になるとあの呪文を唱える時が来たようだから考えておいて正解だった」
よし行くか、と言って俺とヴァーリと曹操は魔法陣の上に乗ってジャンプした。フィールドは広大な平地だが、既に前方にはバアル&グレモリーチーム全員いる事で倒された者から聞こえる声。サイラオーグは上着を脱いでいるのか、戦闘服として黒いのを着込んでいるが俺のパクリか?この広大なフィールドで、主にリタイアされた者らからの視線が来る。
『さあ、バアル&グレモリーチーム対黒神チームとの頂上決定戦もついに最終局面になりましたが、兵藤様の仮面の方の名前は何でしょうか!』
俺は合図して仮面とローブを取ったら観客が歓声し驚愕もした。
『さて一応自己紹介しようか。『王』はこの俺であり『兵士』白龍皇ヴァーリ、そしてコイツは元「禍の団」英雄派トップであった曹操。神滅具「黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)」の所有者だ』
『おいおい本当に仲間にしたのか?俺は冗談かと思ったがまさか本当の事だとは!』
アザゼルが嘆いた。そりゃ本当の事を言ったんだからな。審判が両チームの間に入る。
『最終試合、開始して下さい!』
両チームの『兵士』は素早くプロモーションし、『女王』に底上げした。
『禁手化!』
バアル&グレモリーチームの神器所有者で禁手化出来る者は祐斗しかいないが、祐斗は『双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)』と『聖覇の竜騎士団(グローリィ・ドラグ・トルーパー)』にて、騎士団が持つ剣は聖剣ではなく聖魔剣を持っていた。
前衛にいた者が主に『騎士』『戦車』を配置し、中衛には『僧侶』を配置しアーシアは後衛にいる『王』と『女王』がいる。『兵士』レグルスも後衛にいる。
『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!』
『Vanishing Dragon Balance Breaker!!!!』
一方俺らの禁手化は曹操以外驚かないが赤龍帝の鎧と白龍皇の鎧、そして極夜なる天輪聖王の輝廻槍となっているなので主にアザゼルが驚いていたけどな。
『な、何だと!「黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)」での禁手本来は「真冥白夜の聖槍(トゥルー・ロンギヌス・ゲッターデメルング)」のはずだ!だとすれば亜種なのか?』
「俺の禁手は『極夜なる天輪聖王の輝廻槍(ポーラーナイト・ロンギヌス・チャクラヴァルティン)』と言う。この七つの球体一つ一つに、神器としての能力を付加させている。京都の時はまだ未完成だったが、一誠との鍛錬のお陰で禁手が完成できたのさ」
「さて、こちらも始めさせてもらうがまずは雑魚から倒すとしようか」
「僕らを舐めないでもらいたいね、いくら一誠君でもこの人数では一太刀ぐらいは入れるはずだ!」
「舐めてはいないが、俺らの力を舐めているな。ヴァーリ!」
「分かっている!」
『Divide!』
前方にいた雑魚らを半減し、俺はクロックアップで拳を突き出すような感じで相手チームへ吶喊した。突っ込んだお陰で、騎士団や幻影と言ったもんが消え去り本体が見えた事で、あっという間に後衛にいるサイラオーグらを捉えた。全員避けたが、サイラオーグの四肢に奇妙な紋様が浮かび上がらせて紋様が無くなると闘気を纏っていた事に驚く味方。
「これは俺の体を縛り、負荷を与える枷となっているが兵藤一誠の一撃を見た瞬間に外そうと思った。全員、全力を持ってダメージを与えてみせろ。俺も行くが、全力を持ってアイツらに応えるのだ!」
サイラオーグ中心に周囲が弾けると共に、風圧が巻き起こり足元は揺れてクレーターとなった。味方側はサイラオーグから離れて様子見をしていたが、流石の本気を見たのか驚きの顔をしていた。クレーター中心で白く発光するサイラオーグの体に纏っているのは、黒歌や白音に似た闘気のようなもんだが少しだけ違うのは仙術ではない事だ。
「これはこれでいいな、奴の本気を見せているが果たしてどうなるのやら」
「俺達は俺達で戦えばいいさ。曹操何て女性相手に女宝を使っているからか、女性悪魔が使う異能な力を封じられている。そして輪宝で『騎士』を葬っているぞ」
『バアル&グレモリーチーム『騎士』四人、リタイアです』
『・・・・奴もとんでもないが、曹操の禁手化もとんでもない禁手化を編み出したようだな。サイラオーグ選手が闘気を纏い始めたが、ここまで可視化する程な濃厚な質量とはな。だがサイラオーグ選手が気を扱う仙術を習得していないが、皇帝は知ってそうだな』
『はいその通りですが、彼は仙術を一切習得していませんよ。あれは体術を鍛え抜いた先に目覚めた闘気で、純粋なパワーだけを求め続けた彼の肉体はその身に魔力とは違う事です。生命の根本と言うべき力を纏わせているので、彼の有り余る活力と生命力が噴出し可視化したと言っていいでしょう。それにしても私も気にはなりましたが、曹操選手の禁手化は圧倒的な力を持ち合わせているようですね』
『曹操が使う禁手化は「極夜なる天輪聖王の輝廻槍(ポーラーナイト・ロンギヌス・チャクラヴァルティン)」で、七つの球体一つ一つに神器としての能力を付加させていると先程説明がありました。一つ目はどうやら女性が使う異能の力を封じ込める球体で、相手の持つ武器破壊してから球体を槍状にして相手を貫く事で「騎士」を葬ったのでしょうな。一ちゃん、ゲーム終了後になったら曹操を連れて俺らの所に来させろ!スゲー調べたい!「パシィィィィィィイン!」ってぇぇぇ・・・・このハリセン攻撃は一ちゃんか』
「アザゼル、とりあえず黙ってくんない?こちらは試合中だ、集中力が散る」
「とりあえず曹操はあっという間に雑魚を倒しているぞ。七宝の実験でもあるのか『僧侶』に対しては、珠宝で自滅させているし『戦車』は、将軍宝で直撃させる事で倒している」
「いいんじゃねえのヴァーリ。七宝の実験はまだしてなかったからな、上空にいる『女王』に対しては象宝で飛行能力を得たからか。『穴』使いには馬宝で転移させて、味方の攻撃喰らっているようだ。残りがサイラオーグとリアスにアーシアと謎の『兵士』のみとなった」
『バアル&グレモリーチーム「女王」二名「戦車」四名「僧侶」三名、リタイア!』
審判がそう告げた事で、残りの者らを確認出来たが残りの者ら以外を秒殺させた曹操の力を畏怖したバアル&グレモリーチームの面々。サイラオーグとリアスにアーシアと謎の『兵士』以外の者らは、曹操の聖槍で貫かれたり七宝のコンボでやられてしまった。
サイラオーグも参戦したが、聖槍を拳で弾く事は流石に出来ない様子だった。全力中の全力を出してもその程度だったから、聖槍でやられてしまったからなのか怒りの消滅魔力を放ってきたが聖槍で弾いた曹操。
「曹操!よくも私の眷属達を瞬殺してくれたわね!」
「俺はあくまで『七宝』の実験相手をしてただけだ。さてと一誠、露払いはしたからこれでサシでの勝負が出来そうか?」
「ああよくやってくれたが、流石『七宝』を使ったコンボ攻撃だな。俺でさえ驚く事がある」
「俺らの眷属達も聖槍で倒されてしまったが、何と言う速度だ!こちらよりも動ける速度を持った相手などした事がない」
『何と言う事でしょうか!曹操選手だけで一気に十三名を撃破してしまった!残りは「王」二名「僧侶」と「兵士」が一名ずつとなってしまいましたが、ここからどう動くと言うのでしょうか』
『曹操選手が使う禁手は亜種によるもんだが、それ以上に完成系の力を発動する事で一人旅団のようだ』
途中にて聖槍の波動を真正面から受けようとしたが、身に纏う闘気で受けたが流石の聖槍により体中が火傷状態となっているサイラオーグ。なのでアーシアの回復により火傷は治したが、闘気までは回復しないのでここからどうなるかだな。
いくらゼノヴィアが持っているエクス・デュランダルだろうと、付属しているエクスカリバーを改装と同時に能力も進化し持ち主の合意があれば、聖剣因子が無くとも恩恵が受けられると聞いていたがそれを使わずに来たようだ。
「リアスに言っとくが、お前らの眷属らは一見するととんでもないトレーニングをしたはずだが俺らには効果がない無駄な努力をしてきた訳だ。ゼノヴィアが持つエクス・デュランダルの恩恵を使えば、仲間は聖剣因子が無くとも使えたはずだ。持つ者の姿に擬態やら持つ者の姿を透明させる事が出来たはずだが?どうやらその様子だと考えてなかったようだな」
「私らのようにしてエクスカリバーの各能力を使える事は知っていたわ。でもね、それを知っている一誠達に使ったとしても無駄に終わるだけだわ。だからそうさせる訳でもなかったけど、裏目が出た訳ね」
「そう言う事であれば、俺とのサシでの勝負をするぞ!兵藤一誠!」
「来い!サイラオーグ・バアル」
俺の拳とサイラオーグの拳はクロスカウンターで互いの顔面に拳が入るが、吐血したのはサイラオーグだった。倍加していないのにも関わらず、吐血させるだけの力は人間の力だけではない事を。リアスはヴァーリと魔力合戦していたが、曹操は『兵士』と戦おうとしていた。俺とサイラオーグは拳圧で吹っ飛ばそうとしたが、俺の方が強い訳で吹っ飛んだのはサイラオーグ。
「どうしたサイラオーグ?お前の拳はこんなものか?」
「ふん、今のはいい一撃だった。俺とお前の拳圧はかすっただけでも相手に致命傷を与えるが、どうやら兵藤一誠にも出来る拳打のようだが俺を止められるか?」
あちら側は闘気を全身に纏っているがこっちは赤龍帝の鎧を纏った状態で戦っているが、拳と蹴りを放とうとしても簡単に防いでしまい逆に蹴り上げて拳と蹴り技の連打を喰らった。上半身裸の状態となっているが、こちらは無傷とも言える状態となる。互いの正拳突きは腹部に当たろうが、こちらの鎧とあちらの闘気では修復速度はこちらの方が上のようだ。
「どうした?お前の闘気はこんなもんなのか、練り上げられた拳に気迫が体に入り込む中で生半可な想いで鍛え抜いたモノではないだろう」
「良い拳と蹴りを放つお前は今まで手を抜いていたと言うのか?だとしたら力を隠していたとするならば、俺も本気となって戦うまでだ。体術で鍛え上げた事での殴り合いは、俺にとっても良い転機と言っていい程だ」
俺らは殴り合いをしているが、曹操を見ると相手『兵士』との睨み合いをしていたがレグルスと言ったか。奴は仮面を取った後、体中から快音を起こして少年だった体が盛り上がっていく。金毛が全身から生えていき、腕や脚が極太になる。口が裂けて鋭い牙を生やして、尻尾が出てきて首の周りにも金毛が揃って行く。現れたのは獅子、それも巨大なライオンだった。
『おおおっと!バアルチームの謎の「兵士」の正体は巨大な獅子だったー!』
あらま、巨大なライオンだと?だがあの宝玉は一体何だと思ったら、次元の狭間本家で見ていたシャルロットからの念話で正体が分かったのだった。
「アザゼル!このライオン、もしかしてネメアの獅子か?」
『よく気付いたな一ちゃん。あれは元々ギリシャ神話に出てくる元祖ヘラクレスの試練相手何だが・・・・「聖書に記された神」シャルロットがあの獅子の一匹を神器に封じた。そいつは十三ある「神滅具」に名を連ねる程のモノになった。極めれば一振りで大地を割る程の威力を放ち、巨大な獅子にも変化できる。「獅子王の戦斧(レグルス・ネメア)」!敵の放った飛び道具から所有者を守る力も持っていたが、所有者がここ数年行方不明になっていると報告を受けたが、まさかバアル眷属の「兵士」になっていたとは』
やはりアレは神滅具。するとサイラオーグは首を横に振る。
「いや、残念ながら所有者は死んでいる。俺が『獅子王の戦斧(レグルス・ネメア)』本来の所有者を見つけた時には、既に怪しげな集団に殺された後でな。神器である斧だけは無事だったが、所有者は死ねば消滅するはずであろう戦斧は、意思を持ったかのように獅子に化けて所有者を殺した集団を根こそぎ全滅した。俺が眷属にしたのはその時だった。獅子を司る母の血筋が呼んだ縁だとな」
『所有者抜きで単独で意志を持って動く神器で・・・・しかも神滅具だと!?更に悪魔へ転生した!獅子が凄いのか「悪魔の駒」が凄いのか。どちらにしろ興味深い!実に興味深いぞ!うーん、そりゃ俺達も把握出来ない訳だ。クソ!何でまたこの時代に限ってこんなレアな事ばかりが神滅具に起こるんだ!?って言うかサイラオーグ!今度その獅子を俺の研究所に連れて来い!すげー調べたい!「パシィィィィィィイン!」いってえええええ!このハリセンは一ちゃんか!』
とりあえず空間に手を突っ込んでハリセンを持ち、アザゼルがいる実況席にまで行かせて後方から思いっきり叩いた。これで二度目だが、アイツも慣れているだろうな。
「アザゼル、とりあえずうるさいから黙っとけ」
『あ、アザゼル総督。大丈夫ですか?二度目とはいえたんこぶが出来てますが』
『大丈夫だ。いつものハリセンだったらよかったが、金属製のハリセンだったら死んでたかもしれん。にしても俺さえ興奮してしまう事なのに、一ちゃんらは冷静にその獅子を見ているな』
『俺も驚きで一杯だぞ?こんな事が起こる何だな。俺の場合は、所有者が死ねばすぐに意識が途切れて気付いたら次の所有者の神器内にいたが。今代の所有者は、実に面白い者ばかりなのだな』
ああそうだなドライグ。だが今倒すのは目の前の相手だ、まだだが力の加減頼むぞ。と言ってる間に来たので殴りかかった、曹操の相手は神滅具だ。何とかやってくれるだろう。右へ殴ってきたが、俺には分かる。紙一重で避けてアッパーを喰らったサイラオーグは一瞬よろけたが、すぐに立ち上がり攻撃してきた。
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