ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版
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学園祭のライオンハート
第五試合:ダブル『女王』対精霊の女王コーティカルテ
第四試合を終えてもこちらは無傷だが、バアル&グレモリーの所は残り六名となっている。ほとんどの駒である『騎士』『戦車』が居ない状態となっているが、アーシアだけは残っているが残りは『王』サイラオーグ・バアルとリアス・グレモリー『女王』クイーシャ・アバドンと姫島朱乃『僧侶』アーシア・アルジェント『兵士』レグルスのみとなっていた。ゲーム開始前はあんなに大所帯だったのが、今では少数となってしまったがこちら側は回復魔法や補給をしている。
『さあ、戦いも中盤を超えようとしてます。もうまもなく終盤に近い。バアル&グレモリーチームは残り六名!対する黒神チームは未だ十五名!有利なのは兵藤様率いる黒神ですが、果たしてこれから巻き返せるのでしょうか?』
実況が会場を盛り上げるが、あちらの『兵士』は駒消費七だから少なくとも今まで出て来た奴よりも強敵になりそうなのは確かだ。俺らの本気はあちら側の『王』らが出て来た時が、俺らが本気になる場面であり今までの事は単なる手加減をしているようなもんだ。
第五試合のダイスを振るサイラオーグと俺だったが、流石にあちら側のメンバーが少ないのか小さな数字になると再度振り直しとなる。こちらは『兵士』の駒価値は一だが、既にヴァーリと曹操以外は出場したので何度も振った。何投目かで合計数字が九となったから、あちら側は『女王』二人出すのだろうと推測するのならばこちらも『女王』を出そうか。
「どうするんだ一誠?そろそろ俺が出るか?」
「いや曹操を出すのはこの後だ。こちらも『女王』を出すか、コーティ出番だぞ」
「お、やっと私の出番か。一誠も練習したんだろう?」
「ああ、今回のゲームは絶対出すつもりだった。それにこいつを使う時が来たからな」
「と言う事はコーティカルテさんの本来の姿が見える訳ですが、ルール状では違反になるかと思いますが」
空間から単身楽団(ワンマン・オーケストラ)を取り出して背中にしょった事で、他の皆も納得して送り出そうとしていた。この為だけにピアノやそれぞれの楽器を普段から弾いていたのは、この為のみだからだ。それを知っている曹操らもだが、本来の姿を見た事で納得していた曹操らだったが観客と実況とバアル&グレモリーから何か言われそうだ。
「本来なら俺が行くとルール違反になるが、コーティよりも後方にいるから大丈夫だ。と言う事で言ってくるが、一応だからあちら側の会話でも聞くとしようか」
「『王』は十二だが、神曲学士なら納得だしな。精霊の力をフル活用出来るには、一誠が弾く神曲が必要だからな」
コーティと後ろに立つ事で、『王』としてではなく神曲学士として行くがきっとあちら側から何か言われそうだ。転移魔法陣から転移されようとしていたが、事前に言っといたのかコーティと俺が転移された。
「あちらは十五名でこっちは六名となってしまったが、果たして誰が出るのかしらね?」
「九だとしたら自動的に『女王』が出ると思いますわ。『女王』同士で行った方がいいかと」
「俺の『兵士』は、出来るなら俺と共に出る事になるからな。それにしても俺が気になるのは、仮面とローブ姿が一人と知らない少女がいる訳だがこちらも『女王』を出すとしよう。コリアナ、頼む」
「了解しました。サイラオーグ様、朱乃さんと一緒にあちら側の『女王』の力量を探ってきます」
本来なら出てくるはずの『兵士』二人を投入して来ないのは、こちらもあちらも理由はほぼ同じである。第二試合では十だったから、『兵士』八人いるのに対し出して来たのが『戦車』ヘラクレスと呂布『兵士』黒歌のみだ。いくら魔法が得意だったとしても、あちら側の考えている事が不透明なのだと考えていた。
「心配するなリアス。俺の『女王』は『番外の悪魔』アバドン家の者だ、レーティングゲームの現役トップランカー三位であるアバドン家で相当強力な悪魔一族としては有名だからな」
「確かにそうよね。アバドン家の特性は攻撃を吸収し、属性を分解して特定の攻撃のみを撃ち返す『穴』だったかしら。いくらあちらに強力な『女王』がいたとしても、属性を分解すれば勝機はあるかもね」
と言っていたが、確かにバアルの『女王』は絶大な魔力とアバドン家の特色である『穴』を使って他者を圧倒していた。『穴』と言うのは厄介な代物だが、俺らの『女王』はどんな強力な魔力を撃ち出しても属性を分解出来ない程な威力を持っているコーティ。そう言ってコリアナと朱乃は転移魔法陣に乗り、消えて行った。
朱乃らがいる場所は無数の巨大な石造りの塔が並ぶフィールドとなっているが、朱乃とアバドンが到着する前に俺らが到着してから待機となっていた。ようやく来たので、コーティは塔のてっぺんに立っているが俺は後方の塔上にいる事により、朱乃らが何か言いたそうにしていた。それに関してはバアル&グレモリーチームも一緒であり、俺がいる事でルール違反じゃないかとな。
「『王』は十二のはずだぞ!なのに何故兵藤一誠が一緒にいるんだ?ルール違反じゃないのか?」
「分からないけど、ルール違反ならとっくに反則負けとなっているわ。それなのに一緒に転移してきたと言う事は、ルール状問題なく一緒に転移した事になるわね」
サイラオーグとリアスが言っていたが、それは実況と解説者も同じ気持ちであった。
『さて第五試合、バアル&グレモリーチームからは『女王』クイーシャ・アドバン選手と姫島朱乃選手だ!対して兵藤様からは、謎の赤い髪の少女と共に来た兵藤様がいますがこれはルール違反ではないのか?』
『俺は今回『王』として来た訳ではない。別世界でやっていた神曲楽士としてやって来たが、目的はここにいるコーティの本来の姿へとする為である』
『神曲楽士とは何でしょうか?アザゼル総督』
『俺も分かりませんな。ただでさえ別世界と言うのも眉唾物だと思っていましたが、先程の試合で見せたあの少女達の技術も別世界からだと思いますな』
『ここで黒神チームから情報提供が来たので、私が読ませて頂きます。今回コーティカルテ選手と神曲学士=ダンティストと言って、精霊を活発化させる為に弾く事で力が増大されます。コーティカルテ選手は見た目少女ですが、神曲を弾く時には本来の姿である女性の姿となり本来の力が解放します。兵藤様が背中にあるのは、コア部に賢者の石を用いたセルを搭載し、楽士が使う主制御楽器・スピーカー・その他のパートを受け持つ補助演奏装置・音響などを調整する制御卓を繋ぐ可動式の各アームとなる・・・・との事ですがアザゼル総督はどう思いますか?』
『・・・・今聞いただけでは一ちゃんが何をするかは分かりませんが、神の曲と書いて神曲なのでしょうからきっと弾き始めると本来の力が解放されるのでしょうな。それにしても賢者の石を使っていると言う事には興味がありますが、それについてはゲーム終了後にでも聞くとするか』
雷光の巫女と金髪ポニーの『女王』同士で、こちらは一見少女だが本来の力が解放されるととんでもない威力が発揮する。俺に対するダメージを負う事を禁止にして、戦う相手を間違えないでほしい所だ。俺とコーティは塔の上にいたが、審判が現れて開始の合図をする。
『第五試合、開始してください』
朱乃と一緒にいるアバドンは、翼を羽ばたかせて空中戦をするみたいだがこちらはまだ動いていない。コーティも四枚の翼を展開し、空中にいたが攻撃する様子は無いので試しに魔力による撃ち合いを始めた。
炎と氷の魔力を撃ち合えば、コーティは軽く手を振るだけで赤い魔力が炎と氷を封殺する。周囲の塔が両者の魔力の余波を喰らったのか、崩壊し始めるが俺がいる所に攻撃が来るがコーティからの防御魔法陣によって守護される。
『おい貴様ら、一誠に攻撃するんじゃない!相手は私だ』
『そうだぜ朱乃。俺を攻撃対象とするのなら、ルール違反になるのはそちらだぞ?と言う事で準備を始めるんでなコーティ』
俺の準備が始まったが、ボタンを押し出てきたのはまるでピアノだった。試しに押して調整をしてから始めた。
『兵藤様のアレが情報の単身楽団(ワンマン・オーケストラ)でしょうか?あれではまるで一人オーケストラと言う感じですが、この後どうなるのでしょうか!?』
『それは見てからのお楽しみだ。行くぞコーティ!』
『いつでもいいぞ!』
俺はピアノを弾き始めたが、別世界『神曲奏界ポリフォニカ』で覚えた神曲。弾き始めてからコーティに攻撃をしようとも、守護結界に覆われていて少女から大人の女性姿と変化していく。赤いオーラを出しながらだが、力の差は歴然としていた。
『おおっと、兵藤様がピアノを弾き始めたら少女から女性に変わったぞ。これは一体どう言う事だ!?』
『我が名はコーティカルテ・アパ・ラグランジェス。始祖精霊で精霊の女王だ』
『せ、精霊だと!?そんなバカな!しかも始祖精霊がこの世界にいる何て話は聞いた事がないが、翼が6対12枚だとすれば第一の姿である大天使化並みに強そうだ!』
『それがいるんだよねー。この世界にもいるが、精霊王も存在しているが今のコーティは精霊界の本物の女王とした力を発揮する。いくら属性を分解出来るとしても、無駄に終わるだけだ!』
実況と解説者も驚いていたが、リアス達も同じような感想を言って驚愕していた。まさか始祖精霊である女王がいるとは思いもしないだろうが、今戦っている朱乃とアバドンは魔力の撃ち合いをしたとしても俺が弾いている限り力の差は天と地だ。
朱乃は雷光で牽制しつつも、コーティの魔力を『穴』で吸収しつつ他にも複数『穴』を出現させた結果としてコーティに向かうがそれを弾いた事で無駄に終わる。
『我の力を吸いこんで分解しようが無駄だ。一誠が弾いている限り、我の力は無限大に湧いてくるからな。「穴」が広げる事もいくつも出現させる事も吸い込んだ力を分解しようともな。さてと、そろそろここで終わりにしようか』
コーティの桁違いの魔力によって生まれた攻撃を吸い込んだが、限界以上の出力により『穴』ごと破裂と共に朱乃らは自滅したのだった。余りにも神速だったのか気付かずにやられたのか、光輝いていくがその攻撃は聖なるオーラだったので猛毒だからだ。
『バアル&グレモリーチーム「女王」二名、リタイヤです』
最強の『女王』同士なのに、こちらは本物の女王とした出力を出した事で圧倒された。こちらは弾き終えると同時に、コーティは女性から少女の姿へと戻ったが単身楽団(ワンマン・オーケストラ)を楽器状態から元の箱状態に戻してから俺らは陣地へ帰還した。あちら側にとってはまさか即効で終わるとは思わなかったらしく、精霊の女王が相手となったのか力不足を感じた。
「・・・・まさかコリアナの『穴』を破裂させる勢いを持つ威力だったとはな」
「これで『女王』がいなくなったから、残りは『王』同士による終盤よね。私達も覚悟しないと・・・・」
俺らが戻ってきた黒神陣地は、少々疲れた俺に対する回復魔法をしてくるルフェイとゲオルグ。本来の姿を見た事で、やはり敵わないなと思いながらも始祖精霊で勝てる者は今の時点でいる訳がない。精霊と言っても基本的には見えない存在だが、炎・風・地・水の精霊王と契約している事で力を発揮する精霊術者だと言う事も知らないだろうな。
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