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転生とらぶる

作者:青竹
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Fate/stay night
  1169話

 道場へと戻ると、そこでは凛、綾子、ライダー、セイバー、イリヤ、セラ、リズといった衛宮以外のメンバーが存在していた。

「アークエネミー……色々と言いたい事はありますが、まずはお礼を言わせて下さい。ありがとうございました。貴方がいなければ、間違いなく桜を臓硯の呪縛から解き放つ事は出来ませんでした」
「いいさ。俺だって別に完全に人助けってだけでやったんじゃないんだし」
「……桜を助けて、貴方にどんな利益があるのですか?」

 きょとん、とした様子で尋ねてくるライダー。
 まぁ、眼帯をしているから完全に表情は分からないが。

「そうだな……どこぞの誰かさん達に頼まれたってのもあるし。自分の女の頼みを聞くのは、男の甲斐性だろ?」

 チラリ、と凛と綾子の方を見ながら告げると、その突然の言葉に色々と衝撃を受けたのだろう。凛と綾子が顔を真っ赤に染めて俺へと視線を向けてくる。

「ちょっと、アク……アークエネミー! あんた一体何をいきなり言ってるのよ! だ、大体、誰があんたの女ですって!? 何回か抱いた……あ」
「遠坂、あんたそれ自爆」

 頭に血が上って叫ぶ凛だったが、幸いここにいるのはそっち系の知識を持っていないイリヤに、感情の薄いリズ、イリヤ以外には興味のないセラ、桜第一主義のライダー、アーサー王であるが故にそっち関係に関しては興味がない――原作では裸の状態で衛宮に洗面所で会った時も、最初は特に表情を変えていなかった――セイバーだ。
 もっとも、セイバーは最終的に羞恥心を覚えてその手の事も理解出来るようになったが……残念ながら、このセイバーはまだそこまで情緒が発達していないらしい。
 それとも単純に、自分の事じゃないからってだけか?
 この世界の衛宮は、セイバールートなのか、桜ルートなのか……凛ルートだけは俺のせいで完全に消えてしまったが。
 まぁ、臓硯や真アサシンの件を思えば、さっき思ったように桜ルートよりなんだろうけど。
 ともあれそういう理由で色々な偶然が重なり、ここにいるのはその手の事をよく知らないか、特に興味のない者ばかりだった。

「とにかく、いきなり私を自分の女扱いしない事! 大体、告白されてもいないのに、いきなり人を自分の女扱いするなんて、デリカシーが足りないわよ」
「うん? じゃあ遠坂は、アークが告白したら受け入れるのか?」
「ばっ! い、いきなり何を言ってるのよ綾子は!」
「だってそいういう風に聞こえたぞ?」
「そんな訳がないでしょ! ま、全くもう」

 凛と綾子がいつものようなやり取りをしていると、やがてイリヤが背後に控えているメイドへと向かって口を開く。

「ねぇ、セラ、リズ。あの2人が言ってるのって、どういう意味か分かる?」
「ええ、お嬢様。ようは1人の男の寵愛をあの2人が奪い合っているのです。ただし、お嬢様とも多少の関係がある遠坂の方は、まだ自分の気持ちを素直に表せないようですが」

 近くでそんな話をされていれば、当然俺に聞こえない訳がない。
 そして、更に当然な事に凛にも聞こえない筈はなかった。

「ちょっと、イリヤスフィール! 何を好き勝手に言ってるのよ! 特にあんたのメイド!」
「……私はお嬢様に聞かれた事を、客観的に見た光景から答えただけですから」
「な、なななな……何よ、それじゃあ私がアークエネミーの事を好きだって言いたいの!?」
「ええ。ですが、そんなに気にする必要もないのでは? お嬢様もバーサーカーに対して親愛の情を抱いておられましたし。……もう、今は何を言っても意味がないですが」

 セラが、チラリと俺の方を見ながらそう告げる。
 このホムンクルス、チクリと針で刺すような嫌味も言えるんだな。

「え? 親愛? あ、そう。うん、そうよね。確かに私がアークエネミーに抱いて……」
「もっとも、私の目から見た場合、それは確実に男女間の恋愛関係の類に発展しているように見えますが」
「なっ!」

 セラって、本当にホムンクルスだよな? 上げて落とす的なこの仕草は、とてもホムンクルスのようには思えないんだが。
 それとも、これがアインツベルン脅威の技術力って奴なのか?

「……何だか、随分と騒がしいな。どうかしたのか?」
「遠坂先輩……それに美綴先輩!? 何で美綴先輩がここに……」

 そんな風に会話をしていると、不意にそんな声が聞こえてくる。
 そちらへと視線を向けると、そこには衛宮と桜、2人の姿があった。

「もういいのか? 折角なら、居間でもっとゆっくりしてくればよかったのに。具体的には2時間くらい」
「2時間っ!?」

 俺の言葉から何を連想したのか、桜の白い頬が真っ赤に染まる。
 その割りには衛宮の方は特に表情を変えている様子は見えなかったが。
 ただ単純に気が付いていないのか、それとも気が付いているけど受け流しているのか。……どう考えても、衛宮の場合は前者だろ。

「そんなに驚く事か?」

 桜が衛宮の事を好きなのは、原作知識云々もそうだが、こうして見ているだけで理解出来る。
 本人はそれを口に出す事は出来ないが、態度にはモロに出てるんだよな。
 凛の方はちょっと面白くなさそう表情を浮かべているが……これはやっぱり、原作と違って凛が衛宮を認めていないからだろう。

「そっ、それより! 何で美綴先輩がここに!? 美綴先輩は一般人だったんじゃ……」

 話を誤魔化すかのように綾子の方へと視線を向ける桜。
 まぁ、無理もない。綾子は桜にとっては部活の信頼出来る先輩。
 言わば、日常の象徴と言っても過言ではない存在なのだから。
 そんな綾子がこっちの世界に足を踏み入れる結果になったのは……

「誰のせいかって言えば……」

 チラリ、と綾子がライダーの方へと視線向ける。
 ちなみに綾子の様子を見る限りだと、ライダーに対するトラウマを抱えているって事はないらしい。
 原作同様に血を吸われて、しかも本当かどうかは知らないけど、慎二にレイプされていたとかいう話も嘘か本当かあったのを思えば、それがなかっただけに当然なのか?
 いや、hollowでは処女だとかいう描写もあった筈だし、レイプ云々はなかったのか?
 ともあれ、そういう意味でも慎二の頭を砕いたのは正解だった。

「え? ライダー!?」

 綾子の視線を追った桜が、戸惑ったように自分のサーヴァントへと視線を向ける。
 桜にとって、ライダーは自分の理解者の1人であり、姉のような存在だ。
 そんな姉が自分の尊敬する先輩を襲って魔術の世界に引きずり込んだというのだから、驚くのは無理もないか。

「正確には、慎二が綾子に注意された腹いせでライダーに綾子を襲わせたところに、私とアークエネミーが乱入。その結果色々とあって綾子が半サーヴァントと呼べる存在になったってところね」
「半サーヴァントですって!?」

 近くで話を聞いていたイリヤが驚愕の表情を浮かべる。
 まぁ、アインツベルンは聖杯戦争を始めた家なのだから、そう考えれば驚いてもおかしくはないのか。

「確かにステータスがある……まぁ、凄く弱いけど」
「本当だ……そんな、半サーヴァントなんて、そんな事が……」

 イリヤと桜がそれぞれ上げる驚愕の声に、ライダーが申し訳なさそうに頭を下げる。

「申し訳ありません、桜。桜の先輩に手を出してしまい……美綴、貴方にも謝罪を」

 そんなライダーの側では、衛宮もまた同様に暗い顔をしている。
 ワカメの行動には自分が責任を取るとか言ってたのに、それが結局綾子を人外の存在にしてしまったんだもんな。
 正直、ワカメと最初に戦った時に殺していれば、綾子が半サーヴァントになる事もなかったし、学校でライダーが結界を展開する事もなかった。
 その辺は衛宮にとって、心の底に打ち込まれた楔も同然だろう。
 だが、綾子はそんな3人に対して笑みすら浮かべて首を横に振る。

「確かに最初はそこのライダーってのを色々と恨んだよ。あんたのおかげで、人間辞める事になったってね。けど……だからこそ、人間を辞めて半サーヴァントという存在になったからこそ、あたしはアークと深い関係になる事が出来た」
「……え?」
「深い、関係……?」

 衛宮と桜がそれぞれ呟き、その言葉の意味を理解した桜の顔が真っ赤に染まる。
 衛宮の方は何を言っているのか全く分かっていない様子だが。
 ……その割りには、原作だと何気ないところでボソッと殺し文句を言って凛を口説いてたりしたが。
 あ、それを思うと微妙にむかついてきた。
 以前にもその辺の話を聞かせてはいたが、それをすっかり忘れて――あるいは意図的に記憶の底に沈めて――いたらしい衛宮に、改めて俺とこの2人がどういう関係なのかを教える為、綾子の腰を右手で、凛の腰を左手でそれぞれ抱き寄せる。
 2人共、とてもじゃないが一流の魔術師だったり、半サーヴァントとは思えないような細い腰をしている。

「きゃっ、ちょっ、ちょっとアークエネミー!?」
「うわっ、あまり驚かさないで欲しいな」

 凛と綾子がそれぞれ文句を言ってくる。
 ……高校生とこういう関係になったってのは、まぁ、今のところは忘れるとして。
 凛と綾子を抱いたまま、視線を衛宮の方へと向ける。
 そこにあったのは、何が起きたのか理解していない呆然とした表情。
 桜は頬が赤いままだし、イリヤやセイバー、ライダーは特に何も感じていないように表情を動かしてはいない。

「お、おいアーク。お前一体何を……」
「言っておくけど、この2人は俺の女だからな。妙なちょっかいを出すなよ」
「あー……うん、衛宮。気にするな。アークのこういうのは知っての上であたし達はそういう関係になったんだから」
「ちょっと、綾子! わ、私は別にまだアークエネミーとは……」

 俺に腰を抱かれながらも笑みを浮かべてそう告げる綾子と、人前で腰を抱かれるといった行為に羞恥を覚え……それでいながら、文句は言っても俺からは離れようとしない凛。
 聖杯戦争が始まるまでは凛に憧れを抱いていた衛宮にしては、ちょっとした衝撃だったかもしれないが……以前凛も言っていたように、衛宮が凛に憧れを抱いていても、凛がそれに応えるつもりがない以上はしっかりとしておいた方がいいんだろう。
 まぁ、衛宮にはセイバーと桜の2人がいるし、他にもイリヤがいる。
 その辺を思えば、決して衛宮にとっても悪い事だけじゃないのは事実だ。……多分。

「美綴、お前それでいいのか? あんなに慎二が何人もの女と付き合ってたのは気にくわないって様子だったのに」
「まぁ、アークの場合はサーヴァントになる前が前だったしね。それに、慎二と違って遊びで女と付き合うような気はないんだし。……だよね?」

 恐らく、サーヴァントとして繋がっているパスの影響で俺の夢を見たからだろう。しかも、恐らくはそういうシーンを。
 今にして思えば、だからこそ凛とか綾子は朝に時々顔を真っ赤にしていたりしたんだろうし。
 けど、夢を見たんならPTとか魔法を使った戦いの光景を見ていてもおかしくなかった筈であり、少なくても俺がこの時代の英雄じゃないってのは分かったと思うんだけどな。
 ネギま世界の魔法にしたって、世界樹とか、魔法界を見ればこの世界の英雄だとは思わないような……

「……美綴先輩、遠坂先輩も……本気、なんですよね?」

 何かを確認するかのように告げてくる桜に、綾子は幸せそうな笑みを浮かべて頷き、凛は俺に腰を抱かれたまま、顔を真っ赤に染めて視線を逸らしながらも、軽く頷く。

「あ、凛がデレた」
「アークエネミーッ!」

 思わず呟くと、凛が俺に腰を抱かれた状態のまま睨み付けてくる。

「あー……うん、悪かった」
「そう思うなら、離しなさい」

 ジト目でそう告げられ、綾子と凛の2人の腰を離す。
 そんな俺達から離れた場所では、いつの間にかライダーと桜が再びサーヴァントの契約を結び直していた。

「あたしは別にあのままでも良かったんだけどね」
「……はぁ、いいから、綾子はちょっと黙ってて。取りあえず話を戻すわよ。桜の件が解決したところで聖杯戦争の続きを……って言いたいんだけど、実は幾つか問題があってね。昨日、ランサーと戦ったんだけど、その時に色々と情報を仕入れる事が出来たのよ」
「え? 遠坂達、バーサーカーと戦い終わってから、また戦ったのか!?」

 衛宮の驚愕の声に、凛が頷く。
 まぁ、普通バーサーカーと戦った後で他のサーヴァントと戦うなんて思わないよな。
 そう言えば報酬の話が有耶無耶になってるけど……その辺はまぁ、後回しでいいか。
 こっちから無理に報酬を貰わなくても、俺にとっては金ぴかと戦えるだけでかなりの報酬になるんだろうし。

「色々と事情があったのよ。で、その結果幾つか情報を得る事が出来たわ。……例えば綺礼が監督役でありながらマスターとして聖杯戦争に参加してたとかね」
「待て! 待ってくれ! それは色々と興味深いけど、何だってそれを俺に教えてくれるんだ?」

 凛の言葉に、衛宮が叫ぶ。
 だが……

「ちょっと待って。ランサーと戦った? ……おかしいわ、ランサーの魂はまだ聖杯に収められていない」

 切迫したようなイリヤの声が、道場の中へと響き渡る。
 それに呼応するように、桜は小さく呟く。

「ランサーの魂は……私の小聖杯の方に収められていました」 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:390
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1407
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1187 
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