| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

歌集「春雪花」

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

144




 枯れ芒

  眺むや虚し

   君恋し

 老いてやけふも

    時は止まらじ



 時雨た夕暮れ…枯れ果てたすすきを眺めていると、もう冬なのだなと虚しくなってきてしまう…。

 風は冷たくなり…彼が恋しくて仕方無く…。

 先日に誕生日を迎えて、また一つ歳をとり…時は止まることはないんだと溜め息を洩らした…。

 会えない時間は…どこまでも彼との距離を拡げ続けているようで…。



 住まいなば

   都の花の

    あざやけく

 われ住む里の

    色は褪せにし



 一旦住んでしまえば…都会は目移りする程の物事や人があることだろう…。

 そんな都会に住む彼には…ここは枯れた山波のように、全く色褪せて見えることだろう…。

 私の淋しさを知ることはない…。

 …私は苦しみに抱かれるしかないく…ただただ…じっと待つしかない…。

 そう…木々が冬を耐えて春を待つように…。



 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧