ポケットモンスター 急がば回れ
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14 グリーン対カスミ 2
カスミ「いきなさい、スターミー!」
レフェリー「ニドキング対スターミー、始めっ!」
ニドキングはそうとうダメージを受けていてつらそうにしている。
グリーン「ニドキング、突進だ!」
スターミーはプールの中に避難する。
腕を振り下ろすとプールサイドは瓦礫と化し、衝撃でプールの水は真っ二つに割れる。
スターミーまで一直線に伸びた水の亀裂を突き進んでいく。
カスミ「スターミー、波乗り!」
スターミーは水の流れを操って亀裂を修復するための大きな波を造りだす。
それに突進するニドキングはわざと飲み込まれようとしているかに見える。
巨大な波に逆らって、その上にいるスターミーを目指す。
カスミ「無駄よ!」
案の定ニドキングは飲み込まれる。
波はプールから溢れてハナダジムは水浸しになる。
プールサイドでニドキングは倒れていた。
レフェリー「ニドキング、戦闘不能! スターミーの勝ち!」
カスミ「ちょっとあんた!
もっと自分のポケモンをいたわって作戦立てなさいよ!」
グリーン「うるせー! これが俺のやり方だ!」
カスミは呆れている。
グリーン「次はお前だ! いけっ、ギャラドス!」
カスミ「へぇ……水タイプのポケモンね。面白いじゃない!」
グリーン「こいつが俺の最後のポケモンだ!」
カスミ「そう……実はあたしもだったりして!」
レフェリー「ギャラドス対スターミー、始めっ!」
グリーン「ギャラドス、ハイドロポンプ!」
水の大砲を発射する。
それをスターミーは高速回転で受ける。
しばらく飛沫を撒き散らして、やがて止んだ。
カスミ「それも無駄よ! スターミーには通用しないわ!」
スターミーは表情を変えない。
というか表情がない。
グリーン「本当に効いてないのか? 読めねえヤローだ。
ギャラドス、火炎放射!」
再び高速回転で掻き消す。
カスミ「無駄だって言ってるでしょ!」
グリーン「熱くなるなよ。水がポリシーなんだろ?」
カスミ「いちいち癪に障る奴ね。
スターミー、ハイドロポンプ!」
グリーン「ギャラドス、ハイドロポンプ!」
2つの水柱がぶつかり合う。
ギャラドスがわずかに押している。
カスミ「おかしい……もっと威力があるはず」
グリーン「ギャラドス、破壊光線!」
荒々しい光の線は轟音と共に水柱を貫いていく。
カスミ「やばいっ、サイコキネシス!」
しかしスターミーは何もしない。
いや、できなかった。
破壊光線を真っ向からくらう。
カスミ「どうして……」
コアを点滅させてスターミーは倒れた。
レフェリー「スターミー、戦闘不能! ギャラドスの勝ち!」
グリーンはギャラドスをモンスターボールに戻す。
グリーン「スターミーをよく見てみな」
カスミ「まさか、ニドキングの毒のトゲ! あの突進のときに……!」
グリーン「お前の敗因は2つ。
毒のトゲに気づかなかったことと、水タイプにこだわるお前がエスパー技に頼ったこと。
エスパー技は繊細だ。二足のわらじを履いたようなタイプのポケモンが状態異常のまま使えるもんじゃない」
カスミ「うーん……私の負けね。
しょうがない! 私に勝った証拠にブルーバッジをあげる」
グリーン「コメント無しかよ。
親切に忠告してやったのに」
カスミ「じゃああたしからも忠告するけど、あんたポケモンに無茶させすぎよ!
弱った状態で苦手な水に突っ込んでいくわ大技を連発するわ、もう無茶苦茶よ!」
グリーン「仕方ないだろ、それが俺のやり方だからな」
カスミ「あんたのポリシーってわけね」
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