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雷の第一世代

作者:大空
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妖精の尻尾(フェアリーテイル)

 
前書き
やっと待ちに待った原作突入!
え?待ってない?…わかってるよ!わかってるけど!
…茶番はここまでにして、ストーリーへLet′s go!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ナツとシュレがフェアリーテイルに来てから7年が経っていた。
シュレはS級へと昇った。
ある日、ナツは火竜(サラマンダー)がハルジオンにいると聞き、列車でハルジオンへ向かった。
 

 
ある建物の一室で、水晶玉が転がっていた。
水晶玉はコロコロ転がり、ピキッと割れ、そして何事もなかったかのように元に戻って転がる。

「ウルティアよ、会議中に遊ぶのはやめなさい。」
「だってヒマなんですもの。ね?ジークレイン様。」

ウルティアと呼ばれた黒髪の女性は水晶玉を自分に触れずに寄せ、自分の頭の上に乗せる。

「おー、ヒマだねえ。誰か問題でも起こしてくんねーかな。」

青い髪に顔半分の赤い紋章。
老人ばかりの部屋の中では1番若い。
その発言に、周りの老人は怒る。

「つ…慎みたまえ!」
「何でこんな若造共が評議員になれたんじゃ!」
「魔力が高ェからさ、じじい。」
「ぬぅ~!」

ジークレインの言葉に老人たちはまたもや怒り出す。
すると、ジャラ、と杖の飾りが音を立てた。

「これ…双方黙らぬか。魔法界は常に問題が山積みなのじゃ。中でも早めに手を打ちたい問題は…。」

一息つき、口を開く。

「妖精の尻尾のバカ共じゃ」















フィオーレ王国…人口1700万の永世中立国。
そこは、魔法の世界。
魔法は普通に売り買いされ、人々の生活に根付いていた。
そしてその魔法を駆使し、生業とする者共がいる。
人々は彼らを、魔導士と呼んだ。
魔導士達は様々なギルドに属し、依頼に応じて仕事をする。
そのギルド、国内に多数。
そして…とある街に、とある魔導士ギルドがある。
かつて、いや、後々に至るまで、数々の伝説を生み出したギルド…。
これは、そのギルドに属する魔導士達の物語である。















ーハルジオンー


「あ、あの…お客様…だ、大丈夫ですか?」

ハルジオンの駅の止まった列車のなかで、1人の駅員がオロオロしていた。
後ろの方でスコップを持った男が、その光景を眺めている。

「はぁ、はぁ、はぁ…」
「あい。いつもの事なので」
「ごめんね。」

桜色の髪に白銀のマフラーをした青年「ナツ」が列車の壁に寄りかかってぐったりとしている。
そんなナツの代わりに答えた喋る青いネコ「ハッピー」。
そして駅員に頭を下げる銀髪の少女、「キアラ」。

「無理!もう2度と列車には乗らん…うぷ」
「列車に乗らないと帰れないよ、ナツ。」
「それ何回も言ってるし。」

このやり取りが先程から何回も繰り返されている。

「情報が確かならこの街に火竜(サラマンダー)がいるはずだよ、行こ。」
「ナツっ早く行くよ!」
「ちょ…ちょっと…待って…。」

ハッピーとキアラは列車にぐったりしているナツを急かしている。

「うんうん。」
「やれやれ。」

しかし…。

ポー、シュッシュッシュッ

「「あ」」

突如列車が動き出した。
窓から身を乗り出していたナツが目を見開く。

「出発しちゃった」
「そうだね~。」

表情1つ変えずにそう呟くハッピーとキアラ。
走り去っていく列車から、ナツの叫びが聞こえた。















「えーっ!?この街って魔法屋一軒しかないの?」

ナツを乗せた列車が出発した頃、同じくハルジオンの街の魔法屋から声が上がった。
そこにいたのは金髪(ブロンドヘア)の少女「ルーシィ」。


「えぇ…元々魔法より漁業が盛んな街ですからね。街の者も魔法を使えるのは一割もいませんで、この店もほぼ旅の魔導士専門ですわ。」
「あーあ…無駄足だったかしらねぇ。」
「まぁまぁ、そんな事言わずに見ていって下さいな。新商品だってちゃんと揃ってますよ。」

そう言うと、店主は箱を取り出した。

「女の子に人気なのは、この色替(カラーズ)の魔法かな。その日の気分に合わせて・・・服の色をチェンジ~ってね。」
「持ってるし。」

女の子に人気のものを女の子が持っていないとでも考えるのだろうか…。

「あたしは(ゲート)の鍵の強力なやつ、探してるの」
(ゲート)かぁ、珍しいねぇ」
「あっ!」

何かを見つけたらしく、ルーシィは小さく声をあげる。

「白い子犬(ホワイトドギー)!」
「そんなの全然強力じゃないよ」
「いーのいーの♪探してたんだぁ~。いくら?」
「2万J」
「お・い・く・ら・か・し・ら?」
「だから2万J」

値切ってほしいらしく、ルーシィは胸を寄せる。
お色気作戦らしい。

「本当はおいくらかしら?ステキなおじさまぁ」















お色気作戦の成果があったかなかったかは置いておいて、お目当ての品をルーシィは獲得した。
が…

「ちぇっ。1000Jしかまけてくれなかったー。」

もっと値切れると思ったらしく、愚痴っていた。

「あたしの色気は1000Jかーっ!」

この時、ルーシィが近くのカフェの看板を蹴ったため、傍を通りかかったろ老人がびくっと体を震わせた。
ルーシィがふと前を見て見ると人だかりができていた。

キャーキャー!

「?何かしら。」

ルーシィは何が起こっているのかがわからず、首を傾げている。
そんなルーシィの傍を女の子達は通りすぎていく。

「この街に有名な魔導士様が来てるんですって。」
火竜(サラマンダー)様よーっ!」

女の子達の集団の中央にいるのは火竜(サラマンダー)という男らしい。
傍を通りすぎる女の子達の反応からしてかなり人気なのだろう。

火竜(サラマンダー)!?あ、あの店じゃ買えない火の魔法を操るっていう…この街にいるの!?」

女の子の集団から「火竜(サラマンダー)様~」やら「こっち向いてー」と黄色い声が聞こえる。

「へぇ~、凄い人気ねぇ…カッコいいのかしら」

















一方その頃、ナツ達は。


「列車には2回も乗っちまうし」
「ナツ、乗り物弱いもんね」
「腹は減ったし…」
「お金持ってきてないもんね~。」

フラフラと歩くナツに答えるハッピーとキアラ。

「なぁハッピー、キアラ。火竜(サラマンダー)ってのはイグニールの事だよなぁ」
「うん。火の竜なんてイグニールしか思い当たらないよね」
「シュレも『…行くだけ行ってみろ。』って言ってるし」

シュレは本当に街に(ドラコン)がいるとは思っていないのだが…。

「だよな!やっと見つけた!ちょっと元気になってきたぞ!」
「あい」

と、その時、「キャー!火竜(サラマンダー)様ー!」という黄色い声が聞こえてきた。

「ホラ!噂をすればなんたらって!」
「あい!」
「行くよっ!」

3人…いや、2人と1匹は声が聞こえてきた方へと駆けていった。










それと同時刻、ルーシィは、火竜(サラマンダー)を中心とする人混みの中にいた。

(な、な、な・・・何?このドキドキは!?)

火竜(サラマンダー)を見て、ルーシィの胸の鼓動は早くなる一方だ。
それに顔が紅潮していくのが自分でも分かる。

(ちょ、ちょっと・・・あたしってばどうしちゃったのよっ!)

ルーシィは周りの女の子達と同じように目がハートになっていく。

「ははっ、まいったな。これじゃ歩けないよ」

火竜(サラマンダー)が小さく笑みを浮かべて呟く。
チラ、と火竜(サラマンダー)がルーシィの方を向いたと同時にルーシィと火竜(サラマンダー)の目が合った。。

(はうぅ!)

ルーシィの胸がキュン、と鳴った。

(有名な魔導士だから?だからこんなにドキドキするの!?)

息を少し乱す。

「イグニール!イグニール!」

ナツが女の子を退かして火竜(サラマンダー)へと向かっていく。

(これってもしかして、あたし…)

ルーシィがふらっと歩き出した、その時だった。

「イグニール!」

人混みをかき分けてやっと集団の中央に出たナツが叫ぶ。
その瞬間、ルーシィの目からハートがポトッと落ちた。
しばらくナツと火竜(サラマンダー)は見つめ合った…が、

「誰だオマエ」

言い放った。
その言葉に火竜(サラマンダー)はガーンという効果音がつきそうなくらいショックをうけている。
キアラもその場にいたが、ポカーンとしている。

火竜(サラマンダー)といえば…解るかね?」

すぐにショックから立ち直り、きりっと言うが、その時にはすでに、

「はぁ~」
「ニセモノかぁ…」
「はやっ!」

ナツとハッピーは残念そうに呟き、キアラは「だいたいの予想はついていたけど…只のおじさんなんて…」といいながら2人についていった。

「ちょっと、アンタ達失礼じゃない?」
「そうよ!火竜(サラマンダー)様はすっごい魔導士なのよ」
「謝りなさいよ」
「お、お、何だオマエら」
「ちょ、何~?」

が、すぐに引きずり戻される。

「まぁまぁ、その辺にしておきたまえ。彼らとて悪気があった訳じゃないんだからね」
「やさし~」
「あ~ん」

またメロメロになる女の子たちだが、その中でルーシィは1人、火竜(サラマンダー)を睨みつけていた。
火竜(サラマンダー)は色紙を取り出して何かを書き出した。

「僕のサインだ。友達に自慢するといい」
「キャー」
「いいな~」
「いらん」

そう答えた瞬間、

「何なのよアンタ」
「どっか行きなさい!」
「うごっ」

女の子たちに追い出されてしまった。。

「仕方ない。じゃあ君にあげよう」
「え?」

サインを渡されたキアラはそれをまじまじと見つめ、火竜(サラマンダー)に返した。

「どうしたんだい?」
「わたしはいらない。」
「どうしてだい?」
「はぁ~」

火竜(サラマンダー)が疑問を投げ掛けるが、キアラは呆れたように溜め息をついた。
火竜(サラマンダー)はいまだに首を傾げている。

「使う必要がないからに決まってるでしょうが!」
「わっ!」

いきなりの怒号に火竜(サラマンダー)は飛び退いたが、キアラはナツとハッピーの下へと戻って行った。

「き、君たちの熱い視線には感謝するけど…僕はこの先の港に用があるんだ。失礼するよ」

パチン、と指を鳴らすと紫の炎が出てきて、炎の上に火竜(サラマンダー)が乗る。

「夜は船上パーティーをやるよ。皆参加してくれるよね」

その言葉に女の子達は「はぁぁぁ~ん」やら「もちろんですぅ~」と甘い声を出す。

「なんだアイツは」
「めんどくさいやつ。」
「本当いけすかないわよね」

座り込むナツとキアラに、ルーシィは声を掛ける。

「さっきはありがとね」

身に覚えのない礼に、ナツは「は?」と小さく呟き、ハッピーは首を傾げる。
キアラは「可愛い…」と小さく呟いた。















その後、街のレストランでは。


「あんふぁ、いいひほがぶぁ」
「うんうん」
「よかった~。ありがとう!」
「あはは・・・ナツとハッピーとキアラだっけ?分かったからゆっくり食べなって。なんか飛んできてるから…てかお色気代パーね…」

勢いよく口に食べ物を詰め込むナツと魚をモグモグと食べるハッピー。そして礼をのべながら軽食を食べるキアラ。

「あの火竜(サラマンダー)っていう男、魅了(チャーム)っていう魔法を使ってたの。この魔法は人々の心を術者に引きつける魔法なのね。何年か前に発売が禁止されてるんだけど…あんな魔法で女の子を気を引こうだなんて、やらしい奴よね」
「何それ、やなやつ」
「あたしはアンタ達が飛び込んできたおかげで魅了(チャーム)が解けたって訳」
「なぶぼご」

口に食べ物を入れたままナツが答える

「こー見えて一応魔導士なんだー、あたし」
「へぇ~。意外だね、可愛いのに」
「だよねだよね!」
「う…うん…」

ルーシィのあまりの自意識過剰に引き気味のキアラ。

「ほぼぉ」
「まだギルドには入ってないんだけどね」
「ふ~ん」

ナツはいまだに食べ物を口に掻き込んでいる。

「ギルドってのはね。魔導士達の集まる組合で、魔導士達に仕事や情報を仲介してくれる所なの。魔導士ってギルドで働かないと、一人前って言えないものなのよ」
「ふが…」
「でもねでもね!」

ルーシィの説明に熱がこもり、前にのり出す。

「ギルドってのは世界中にいっぱいあって、やっぱ人気のあるギルドはそれなりに入るのは厳しいらしいのね。あたしの入りたいトコはね、もうすっごい魔導士が沢山集まる所で、あぁ…どーしよ!入りたいけど厳しいんだろーなぁ…」
「いあ゛…」
「あー、ゴメンねぇ。魔導士の世界の話なんて分かんないよね~。でも絶対そこのギルド入るんだぁ、あそこなら大きい仕事沢山貰えそうだもん」

憧れの人がそこにいるかのように話し終える。

「ほ、ほぉか…」
「よく喋るね」
「ね…」

ナツとハッピーとキアラは引き気味になっている。

「そういえばアンタ達、誰か探してたみたいだけど…」
「あい、イグニール」
火竜(サラマンダー)がこの街に来るって聞いたから、来てみたはいいけど別人だったな」
火竜(サラマンダー)って見た目じゃなかったんだね」
「てっきりイグニールかと思ったのにな」
「ねー、無駄足だったな~」
「見た目が火竜(サラマンダー)って…どうなのよ、人間として…」

ルーシィのその言葉に3人はポカーンとする。

「ん?人間じゃねぇよ」
「イグニールは本物の(ドラコン)だよ?」

ルーシィはその言葉に驚愕し、体を仰け反らせた。
そして嘆いた。

「そんなのが街中にいるはずないでしょー!」

その言葉に3人に電流が走った。

「オイイ!今気づいたって顔すんなー!」

それを見たルーシィは溜め息をついた。

「あたしはそろそろ行くけど…ゆっくり食べなよね」

そう言ってルーシィはお金を机に置く。
それを見た3人は顔を見合せ、そして…

「ごちそう様でしたっ!」
「でしたっ!」
「ほんっとうにありがとう!」
「キャー!止めてぇっ!恥ずかしいからっ!」

土下座をした。

「い、いいのよ…あたしも助けてもらったし…おあいこでしょ?ね?」
「あまり助けたつもりがないトコが何とも…」
「あい、はがゆいです…」
「わたしなんか何もしてないし…」
「そうだ!これやるよ」
「いらんわっ!」

お礼にナツが差し出した火竜(サラマンダー)のサインをルーシィははたきおとした。















その後、ナツ達と別れたルーシィはベンチで雑誌『週刊ソーサラー』略して『週ソラ』を読んでいた。

「まーた妖精の尻尾が問題起こしたの?今度は何?デボン盗賊一家壊滅するも、民家7軒も壊滅…あははははっ!やりすぎー!」

お腹を押さえて笑い転げ、ベンチの上にねっころ
がった。

「次はっと…雷竜(ドルネージ)が14つの街を更地にしたが、街中の女の子に庇われ、無罪…あははははっ!そんなに格好いいのー!?」

突っ込みながら次のページを捲る。

「あ。グラビア、ミラジェーンなんだ…妖精の尻尾の看板娘ミラジェーン。こんな人でもめちゃくちゃやったりするのかしら…」

そう呟いて雑誌を閉じる。
そして腕を組んだ。

「てか…どうしたら妖精の尻尾に入れるんだろ。やっぱ強い魔法覚えないとダメかなぁ。面接とかあるのかしら?」

先程から話している、ルーシィが今はいりたいギルド、それは…

「魔導士ギルド妖精の尻尾。最高にカッコいいなぁ」



「へぇ~・・・君、妖精の尻尾に入りたいんだー」
「!さ・・・火竜(サラマンダー)!?」
「いや~探したよ・・・君のような美しい女性をぜひ我が船上パーティーに招待したくてね」
「は、はぁ!?」

火竜(サラマンダー)は茂みをガサガサと揺らしてルーシィの近くへやって来た。ルーシィはそれを見ると、鞄を肩にかけてビシッと指さし、睨んだ。

「言っておくけど、あたしに魅了(チャーム)は効かないわよ。魅了(チャーム)の弱点は「理解」…それを知ってる人には魔法は効かない」
「やっぱりね!目があった瞬間魔導士だと思ったよ。いいんだ、パーティーにさえ来てくれれば」
「行く訳ないでしょ!アンタみたいなえげつない男のパーティーなんて」

ルーシィは火竜(サラマンダー)の提案?を一蹴した。火竜(サラマンダー)はルーシィのある言葉に疑問を持った。

「えげつない?僕が?」
魅了(チャーム)よ。そこまでして騒がれたい訳?」
「あんなのただのセレモニーじゃないか。僕はパーティーの間、セレブな気分でいたいだけさ」
「有名な魔導士とは思えないおバカさんね」
「待ってよ!」

火竜(サラマンダー)に背を向け去っていこうとするルーシィに火竜(サラマンダー)が慌てて声を掛ける。

「君…妖精の尻尾に入りたいんだろ?」

ルーシィは足をピタッと止めた。
そして怪訝そうに振り向いた。

「妖精の尻尾の火竜(サラマンダー)って…聞いた事ない?」
「ある!アンタ、妖精の尻尾の魔導士だったの!?」
「そうだよ。入りたいならマスターに話、通してあげるよ」

それを聞いたルーシィは火竜(サラマンダー)
を見つめた。

「素敵なパーティーになりそうね」
「わ、解りやすい性格してるね…君…」
「ほ、本当にあたし妖精の尻尾に入れるの!?」
「もちろん。そのかわり魅了(チャーム)の事は黙っといてね」
「はいはーい!」
「それじゃパーティーで会おう」
「了解であります!」

去っていく火竜(サラマンダー)を見つめるルーシィの目はハートになっていた。

「はっ!疑似魅了(チャーム)してたわ!」

そして小さくジャンプした。

「妖精の尻尾に入れるんだー!やったーっ!入るまではあのバカ男に愛想よくしとかないとね」


ししし…と笑うルーシィの周りにポタッと水滴が落ちた。
それに気付いたルーシィは急いで2本あった傘の内1つの傘を差した。

「すまないが傘にいれてくれないか?」
「ちょっと、何言ってるのよ!」

突然、ルーシィに誰かが声をかけた。
ルーシィが声のした方を見て見ると、とても顔の整った金髪の男性と可愛らしくもあるが綺麗でもあるような顔をし、緋色の髪を持った女性がいた。

(綺麗…)

ルーシィはその2人に見とれ、ボーっとしていた。

「あの…」
「大丈夫?」
「あっはい」

まさかあなた達の顔に見とれていました、なんて言えるはずもなく、ルーシィは急いでもう1本の傘を出した。

「これを使ってください」
「まぁ、ありがとう!」
「ありがとう」

ルーシィが傘を渡すと2人は急いで差した。

「本当にありがとう」
「そうだ、礼として良いことを教えてやる」
「…あの男…火竜(サラマンダー)には気をつけなさい」
「…はぁ…」
「忠告はしたからね」

2人はそう言ってどこかへと去っていった。
ルーシィはその姿をポカーンと眺めているだけだった。
















夜、ナツとキアラ、ハッピーはルーシィが置いていってくれたお金でご飯を食べ終えていた。

「ぷはぁー!食った食った!」
「あい」
「ナツ達は食べ過ぎ!」

ナツ達に突っ込むのはキアラの役目らしい。

「そいえば火竜(サラマンダー)が船上パーティーやるって。
あの船かなぁ」
「うぷ…気持ちワリ…」
「想像しただけで酔うのは止めようよ、ナツ」

すると、近くにいた女性2人の会話が聞こえてきた。

「見て見て~!あの船よ、火竜(サラマンダー)様の船~!あ~ん、私もパーティー行きたかったぁ」
火竜(サラマンダー)?」
「知らないの?今この街に来てる、凄い魔導士なのよ。
あの有名な妖精の尻尾の魔導士なんだって」
「「「!」」」

それを聞いたナツ、ハッピー、キアラが反応した。

「妖精の尻尾?」
「ふふっ」

ナツが海に浮かぶ船を見つめて呟き、キアラはどこか楽しげに笑った。

「うぷ」
「だから、想像して酔わないでよ」

しゃがみ込み、柵の間と間から船を見つめる。

「妖精の尻尾…」















それと同時刻。
ルーシィは火竜(サラマンダー)が行うパーティーに参加するため、ドレスアップをして船へと来ていた。
そしてその船の中の1部屋でルーシィと火竜(サラマンダー)は2人っきりになっていた。

「ルーシィか…いい名前だね」
「どぉも」

ルーシィは愛想笑いを浮かべる。

「まずでワインで乾杯といこう」
「他の女の子たち、放っておいていいの?」
「いーのいーの。今は君と飲みたい気分なんだよね」

火竜(サラマンダー)が指をパチン、と鳴らす。
すると近くに置いてあったグラスの中から葡萄酒が浮かび上がった。

「口を開けてごらん。ゆっくりと葡萄酒の宝石が入って来るよ」
(うざーっ!)

口に出すことはなく、心の中でそう叫んだ。

(でもここはガマンよ!ガマン、ガマン!)

心の中でそう自分に言い聞かせる。
すると脳裏に先程のやり取りが浮かんだ。

『あの男…火竜(サラマンダー)には気をつけなさい』
『忠告はしたからね』
(どういう意味…?)

ゆっくりとワインがルーシィの口へと入っていく、その時。
しゅぱっと音を立ててルーシィが腕を振った。
すると浮かんでいたワインは床へと落ちた。

「これはどういうつもりかしら?…睡眠薬よね」
「ほっほーう、よく分かったね」
「勘違いしないでよね。あたしは妖精の尻尾には入りたいけど、アンタの女になる気はないのよ」

ルーシィにそう言われた火竜(サラマンダー)はまるで悪人のように顔を歪めた。

「しょうがない娘だなぁ。素直に眠っていれば痛い目見ずにすんだのに…」
「え?」

火竜(サラマンダー)の言葉の意味が分からず唖然としていると、何者かに腕を掴まれた。
ルーシィの後ろにあったカーテンが開き、屈強な男達が次々と出てきた。

「おー、さすが火竜(サラマンダー)さん」
「こりゃ久々の上玉だなぁ」
「な、何なのよ、これ!アンタ達何!?」

慌てるルーシィの顔をくいっと持ち上げ、言い放った。

「ようこそ我が奴隷船へ。他国(ボスコ)につくまで大人しくしていてもらうよ。お嬢さん」
「え!?ボスコ…ってちょっと…!妖精の尻尾(フェアリーテイル)は!?」
「言ったろ?奴隷船だと。初めから君を商品にするつもりで連れ込んだんだ。諦めなよ」
「そんな…!」

あまりに唐突過ぎる言葉にルーシィは言葉を失った。。

(あの人達が言ってたのはこのことだったの…!?)

ルーシィの脳裏に、金髪の髪を持つ、顔が整った男性と緋色の髪を持つ、可愛らしくもあるが、綺麗でもあるような顔をした女性の顔が浮かんだ。

火竜(サラマンダー)さんも考えたよな。魅了(チャーム)にかかってる女どもは自らケツを振って商品になる」
「この姉ちゃんは魅了(チャーム)が効かねぇみてぇだし…少し調教が必要だな」
「へっへっへっ」
「へへっ」

ルーシィの怯えに似た気持ちが表に出、体が震え始めた。

(や、やだ…嘘でしょ…何なのよコイツ…!こんな事をする奴が……)

ドレスのスリットから見える(ゲート)の鍵に火竜(サラマンダー)が気付き、触れる。

「ふーん。(ゲート)の鍵…星霊魔導士か」
「星霊?何ですかい、そりゃ。あっしら魔法の事はさっぱりで」
「いや、気にする事はない。この魔法は契約者しか使えん。つまり僕には必要ないって事さ」

そう言って火竜(サラマンダー)はルーシィの足から(ゲート)の鍵を外し、海へと投げ捨てた。。

(これが妖精の尻尾の魔導士か!)

眼に涙を溜め、ルーシィは静かに怒りながら火竜(サラマンダー)を睨んだ。
火竜(サラマンダー)はそれを臆す事もなく、髑髏の様な模様が入っているハンコに似た物を持ち上げた。

「まずは奴隷の烙印を押させてもらうよ。ちょっと熱いけどガマンしてね」

ルーシィの目からは涙が溢れた。。

(魔法を悪用して…人をだまして…奴隷商ですって!?)
「最低の魔導士じゃない」

ルーシィが誰にも聞こえない程の声でそう呟いた、刹那。
船の天井の板がバキッと割れ、桜色をした少年が乱入してきた。

「ひ…昼間のガキ!?」
「ナツ!?」

ナツ。
ルーシィが昼間にあった者だ。
と、言うことはナツだけではない。

「久しぶり~。えっと…ルーキー?」
「今日会ったばっかりでしょうが!それにルーシィよ!」

キアラはまだ完全には名前を覚えていない…それか只のおふざけでルーシィの名前を間違えていた。
そこまではよかったのだが…

「おぷ…ダメだ、やっぱ無理」
「えーっ!かっこわるー!」
「まったく…」

ナツが酔ってしまった。

「な、何だこりゃ一体…!?何で空からガキが降って来るんだ!?」
「しかも酔ってるし」
「失礼ね!わたしは16才よ!」
「しかも喧嘩腰だし」

すると羽が生えた猫が天井の穴から見えた。

「ルーシィ、何してるの?」
「ハッピー!?騙されたのよ!妖精の尻尾に入れてくれるって…それで…あたし…」

ルーシィの言葉にナツが酔いながらも少し反応する。

「てか…アンタ、羽なんてあったっけ?」
「細かい話は後回しっぽいね…逃げよ」
「わっ」

ハッピーの尻尾がルーシィの腰に巻き付き、飛んだ。

「ちょっ、ナツとキアラはどーすんの!?」
「2人は無理。それにキアラは自力でどーにかするから」
「あら…って自力でって!?」

あのキアラ1人じゃ危険じゃない!と言いたかったが、ハッピーの顔が自身に満ちていたので言い出せなかった。

「逃がすかぁっ!」
「おっと!」

火竜(サラマンダー)が手から紫の炎の弾を放った。
しかしハッピーは余裕でそれをかわした。

「ちっ。あの女を逃がすなっ!評議員どもに通報されたら厄介だ!」
「はいっ!」

火竜(サラマンダー)の仲間の男が返事をし、銃を乱射した。

「わっ、銃だ!」
「きゃあああっ!」
「ルーシィ、聞いて」
「何よ、こんな時に!」
「変身解けた」
「くそネコー!」

慌てるルーシィをよそにハッピーが言い放った。

「やったか!?」

ハッピーの変身が解けたことを打ち落としたと勘違いした男が歓声を挙げた。
その頃ナツは酔いながらも呟いた。

「フェア…リィ…」
「あ?」
「…テイル…おま…え…が…」
「ごめんね、解んないよね。『お前が妖精の尻尾(フェアリーテイル)』だってさ」

キアラはこの状況でも落ち着いている。。
一方、ルーシィは近くの浅瀬に落ちてあった自身の鍵を見つけ出し、鍵の束の中の1本を選んだ。
そしてその1本を、海に刺した。

「開け!宝瓶宮の扉!アクエリアス!」

鐘の音が1つ鳴り響き、人魚のような人(?)が現れた。

「すげぇー!」
「あたしは星霊魔導士よ。(ゲート)の鍵を使って、異界の星霊達を呼べるの。さぁ、アクエリアス!貴女の力で船を岸まで押し戻して!」
「ちっ」
「今『ちっ』って言ったかしらアンター!」
「そんなとこに食いつかなくていいよぉー」
「うるさい小娘だ…1つ言っておく。今度鍵落としたら殺す」
「ご、ごめんなさい…」

アクエリアスはガラが悪いらしく、主人(オーナー)のルーシィでさえ怯えている。

「オラァッ!」

アクエリアスが持っていた壺を振る。
すると大きな津波ができ、ルーシィも巻き込んで船が海岸へと乗り上げた。
船内にいた火竜(サラマンダー)、ナツ、キアラは当然何が起こったのかが解らず、目を回した。

「一体…何事だ!?」
「止まったよ、ナツ」
「あぁ…揺れが…止まった」

ルーシィが船のなかに入ろうとしたとき、ナツとキアラは火竜(サラマンダー)を始めとする数人の男達に囲まれていた。。

「ナツー!キアラ!だいじょ…」

ルーシィが最後まで言うことは出来なかった。
なぜなら、ナツとキアラが険しい表情で立っていたからだ。

「小僧共、人の船に勝手に乗ってきちゃイカンだろぉ、あ?」

火竜(サラマンダー)に答えることはせず、ナツは着ていた上着を脱ぎ捨て、キアラは指をポキポキと鳴らした。

「おい!とっととつまみ出せ!」
「はっ!」
「いけない!ここはあたしが…」
「大丈夫」

鍵の束を手に取って戦おうとするルーシィを、ハッピーが止める。

「言いそびれたけど、ナツもキアラも魔導士だから」
「えーーーっ!?」

その間に、2人の男がナツに向かっていく。

「お前が妖精の尻尾の魔導士か」
「それがどうした!?」
「よォくツラ見せろ」
「わたしにもね」

忘れないで、とでも言うようにキアラ呟くと、ナツは2人の男を纏めて投げ飛ばした。
片手で虫を祓うように。

「オレは妖精の尻尾のナツだ!おめェなんか見た事ねェ!」
「な!」
「え?妖精の尻尾!?ナツが妖精の尻尾の魔導士!?」

ルーシィが驚くのも無理は無い。
先程まで一緒に食事をし、土下座され、船に酔っていた人が自分の入りたいギルド、妖精の尻尾の魔導士だというのだから。
そしてそのナツの肩には妖精の尻尾の1員だという証の真っ赤な紋章があった。

「な…あの紋章!」
「本物だぜ、ボラさん!」
「バ、バカ!その名で呼ぶな!」

本物の名前らしく、ボラと呼ばれて火竜(サラマンダー)は慌てている。

「ボラ…紅天(プロミネンス)のボラ。数年前巨人の(タイタンノーズ)っていう魔導士ギルドから追放された奴だね」
「聞いた事ある…魔法で盗みを繰り返してて追放されたって…」
「自業自得だね」
「おめェが悪党だろうが善人だろうが知ったことじゃねェ」
「けど、妖精の尻尾を騙るのは許さない」

2人はギリ、と歯を唸らす。。

「ええいっ!ゴチャゴチャうるせぇガキだ!」

ボラがナツに向かって紫の炎を放った。
それはナツを覆い、ナツはドサッと倒れた。

「ナツ!」
「次はこっちのガキだ!女も猫もまとめて捕えろ!」

手に鍵を取り、戦おうとするルーシィの前にキアラが立った。

「キアラ!?」
「ルーシィは後ろに下がって。わたしがやるから」
「わたしがやるからって…キアラ、戦えるの!?」
「酷いなぁ、わたしだって妖精の尻尾の魔導士だよ?」
「えっ!?」

ルーシィがキアラを見ると首筋に緑色の妖精の尻尾の紋章が入っていた。

「キアラも妖精の尻尾の魔導士なの!?」
「さっきっからいってんじゃん。ま、そーゆーことだからこんぐらいはよゆーだよ」

そう言って笑い、向かって来る3人の男達を向く。
飛び掛かって来る男達に向かって右拳をゆっくりとつき出す。
その拳に紫の魔法陣が展開された。

武御雷(タケミカヅチ)!」

展開された魔法陣から紫の雷が放たれた。

「ぐああああっ!」
「な、何だ、この魔法は…!」
「あっしは魔法に詳しくねぇ…!」
「凄い……」
「まだやり足りないけどね」

キアラはどこか不満そうだ。

「てか、ナツは!?」
「ナツ?今は物凄く機嫌悪いと思うよ?」
「は?」
「まずい」

機嫌云々の前に安全が確認したいというのに予想外の返事が返ってきた。
ルーシィは訳が分からない、という顔をした。
すると先程ボラが放った炎の中からナツの声が聞こえた。

「何だコレぁ。お前本当に火の魔導士か?こんなまずい『火』は初めてだ。」

モグモグ、ガブガブとナツは炎を喰って行く。
その光景にハッピーとキアラを除く全員が驚愕した。

「ふー…ごちそう様でした」

そう言って口元をぐいっと拭う。

「な、なな…何だコイツはーっ!?」
「火…!?」
「火を喰っただと!?」
「ナツに火は効かないよ」
「こんな魔法見た事ない!」
「わたしもやりたいけど…今回は譲ってあげる」
「おっしゃあ!食ったら力が湧いて来たぁ!いっくぞぉぉぉぉぉぉっっっっ!」

ナツが大きく息を吸い込むと同時にナツの頬が膨れる。

「こいつ…まさか…」

ボラの仲間の1人が呟き、ボラに大声で叫んだ。

「ボラさん!俺ァ、こいつ見た事あるぞ!」
「はぁ!?」
「桜色の髪に鱗みてぇなマフラー…間違いねぇ!こいつが、本物の…」

その先の言葉を男は言わなかった。
否、言えなかった。
ナツの炎の咆哮がボラ達を呑み込んで行く。

火竜(サラマンダー)…」

男が言えなかった言葉をルーシィが呟いた。

「よーく覚えとけよ。これが妖精の尻尾の…魔導士だ!」

その言葉と同時に拳に炎を纏い、ボラへと降り下ろした。

「火を食べたり火で殴ったり…本当にコレ、魔法なの!?」
「竜の肺は焔を吹き、竜の鱗は焔を溶かし、竜の爪は焔を纏う。」
「これは自らの体を竜の体質へと変換させる太古の魔法(エンシェントスペル)…」
「何それ!?」
「元々は竜迎撃用の魔法だからね」
「…あらま」
滅竜魔法(ドラゴンスレイヤー)!」
「イグニールがナツに教えたんだ」

キアラの言葉と同時に足に炎を纏い、男達に飛び掛かった。

滅竜魔法(ドラゴンスレイヤー)…」

ナツはまだまだ暴れている。
その姿はまるで竜のようだった。

「すごい…すごい、けど」

ルーシィの体が震え始めた。
その理由とは…

「やりすぎよォォォッ!」

そう。
ナツのお蔭かナツのせいか、港はほぼ半壊状態。
船は見事に壊れていた。

「あい」
「『あい』じゃないっ!」


ボラも倒れ、気を失っている。
が、ナツは止まらずに次々と敵の殲滅にかかる。

「こ、この騒ぎは何事かねーっ!」
「軍隊!…!」

遠くから大勢の軍隊がやって来る。
それを見てナツはルーシィの右腕を掴んで走り出す。
そしてハッピーとキアラはナツとルーシィを追い、走り出す。
ハッピーは飛んでいるが…。

「やべ!逃げんぞ!」
「なんであたしまでー!?」
「だって妖精の尻尾(俺達のギルド)に入りてんだろ?」
「っ…!」

ナツは驚くルーシィに向かってニカッと笑い掛ける。。

「来いよ」
「歓迎するよ、ルーシィ」
「あい!」

ナツ、キアラ、ハッピーの言葉にルーシィは笑い、共に駆けた。

「うん!」
















「まーた妖精の尻尾のバカ共がやらかしおった!」

長いテーブルに座っている内の1人が苛立ちをぶつけるようにバン、と机を叩き、喚いた。

「今度は港半壊ですぞ!信じられますかな!?」
「いつか街1つ消えてもおかしくない!」
「縁起でもない事言わんでくれ…本当にやりそうじゃ」
「罪人ボラの検挙の為と政府には報告しておきましたがね」
「いやはや…」

ここ、老人の集う会……ではなく、評議会ではナツ達のやらかした問題が議題となっていた。
老人達が頭を抱える中、ジークレインは1人笑っていた。

「オレはああゆうバカ共結構好きだけどな」
「貴様は黙っとれ!」

すぐに喝が飛ぶ。
そしてまた、妖精の尻尾へと話が戻る。

「確かにバカ共じゃが、有能な人材が多いのもまた事実」
「だからこそ思案に余る」
「痛し痒しとはこの事ですな」

老人達がまたもや頭を抱えるが、ジークレインはそれをぶち壊すかのように言い放った。

「放っておきゃいーんすよ」
「何だと貴様!」

評議会が問題とするギルドを放っておく、という問題発言にすぐさま怒りの声が飛ぶ。
そしてジークレインは呟くように言い放った。

「あんなバカ共がいないと…この世界は面白くない」 
  
 

 
後書き
大空「あー、疲れた」

キアラ「ね、意外と時間かかったし」

大空「マジ死ぬ、もうダメ…」

キアラ「てことなんで、わたしの紹介は次回で!」

大空「今やろっかな~って思ったけど死にそうだからっていうことで。じゃ、また次回!」

キアラ「じゃね~」 
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