雷の第一世代
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マスター現る!
前書き
最初にキアラの説明です。
【名前】
キアラ・S・ベイン
【年齢】
16
【容姿】
腰ほどまで伸ばした銀髪に艶やかで活発そうな目。顔立ちは特には整っていないものの、不細工ではない。身長は平均よりもやや低め(ルーシィの目の位置辺りに頭が来る)。スタイルは中の上。肌が白いのが特徴的。
【魔法】
武御雷《タケミカヅチ》
紫雷(読んで字の如く紫の雷)を操る。更にタケミカヅチの名の通り、魔法使用中は身体能力が強化される。(タケミカヅチは武伸)。更に更に、彼女の愛用する「ナルカミ(ハンマー。イメージでは星空の鍵編でエルザが持ってたやつ)」の威力を強化させる。
とまあ、こんな感じで。
キアラは緋色の空さんから送ってもらいました。ありがとうございます!
では早速ストーリーへ!
「わぁ・・・大っきいね」
そう言ってルーシィが目の前の建物を見上げる。
建物の前の看板には堂々と「FAIRY TAIL」と書いてある。
「ようこそ、妖精の尻尾へ」
「早く中に入ろう!」
ハッピーがそう言い、キアラが急かした。
此処は妖精の尻尾。
フィオーレ王国にあるマグノリアという街の唯一のギルド。
妖精の尻尾は依頼に行くと共に様々な問題を起こす。
それ故、その悪名はフィオーレ中・・・いや、大陸中に知れ渡っている。
「ミラちゃーん!こっちビール3つお願い!」
「はいはーい」
そう言って微笑むのはミラ。
しかしどうしたことか、昔のミラのように狂暴ではなく、おっとりとした看板娘へと変貌を遂げている。
「ミラちゃ~ん」
「はいはい、何かしら?」
そう言ってミラを呼ぶのはワカバ。
これまた昔とは違く、老けていr「うっせー!」。
ワカバは吸っていた煙をフーッと吐いた
「今度俺とデートしてよぉ」
「あ!ズリィ、抜け駆けすんなよ」
「もぉ・・・」
ワカバの言葉にミラは右手だけでお盆を持ち、左手を動かした。
「あなた、奥さんいるでしょ?」
「どわーっ!うちの嫁なんかに変身するなよォ!」
「ワ~カ~バ~?」
「げっ、トニー!」
「ミラは俺のだっての!」
そう言ってワカバに鉄拳を落としたのはトニー。
ミラの恋人だ。
「あ」
ミラは変身を解き、ギルドにある大きな扉の方を向く。
「ただいまー!」
「ただー」
「たっだいまー!」
そこには怒った様に扉を蹴って入って来るナツ、元気よく入ってくるハッピーとキアラがいた。
「ナツ、ハッピー、キアラ。おかえりなさい」
「また派手にやらかしたなぁ。ハルジオンの港の件・・・新聞に載・・・て」
「テメェ!火竜の情報、ウソじゃねェかっ!」
「うごっ」
「あら・・・ナツが帰ってくるとさっそくお店が壊れそうね。うふふ」
「もう壊れてるよ・・・」
ミラの天然発言にフレアが突っ込む。
フレアはキアラ、トニーと同じく、シュレとナツが入ってから三年目にギルドに加入した。
「誰かナツ止めろー!」
「ぎゃふっ」
「てめ・・・ナツ・・・」
「痛て・・・ハッピーが飛んで来た」
「あい」
ナツがギルドのみんなを巻き込んで乱闘を始める。
「すごい・・・あたし本当に、妖精の尻尾に来たんだぁ」
ルーシィが感激して1人呟いていると、バタバタと誰かがやって来た。
そして来るなり、
「ナツが帰って来たってぇ!?テメェ・・・この間の決着つけんぞ!コラァ」
と、ナツに喧嘩を売ったのはグレイ。
この7年間で成長し、顔立ちも整った。
だが・・・
「グレイ・・・アンタ、なんて格好で出歩いてるのよ」
「はっ!しまった!」
格好が今一度だ。
どのような格好かというと・・・パンツ一丁だ。
何故かグレイには異常とも言える程の脱ぎ癖があるのだ。
「これだから品の無いここの男共は・・・イヤだわ」
「オオゥ!ナツゥ!勝負せェや!」
「服着てから来いよ」
そう言って大樽ごと酒を飲むのはカナ。
こちらも7年前よりは大人っぽくなったのだが・・・品が無い気がする・・・。
ルーシィはその光景を見て言葉を失った。
「くだらん」
そんなルーシィの背後から現れたのはエルフマン。
もう昔の弱気なエルフマンではなく、筋肉がつき、体が大きくなっている。
「昼間っからピーピーギャーギャー、ガキじゃあるまいし・・・漢なら拳で語れ!」
「結局喧嘩なのね・・・」
「「邪魔だ!」」
「しかも玉砕!」
漢を語るが、ナツとグレイにあっさりと吹き飛ばされる。
「ん?騒々しいな」
「あ!『彼氏にしたい魔導士』上位ランカーのロキ!」
「まざって来るね~」
「頑張って~」
(ハイ消えたっ!)
女の子達とイチャイチャとするロキを見てルーシィは何かの雑誌のロキの事が書いてある欄に大きくバツ印を書いた。
「な、何よコレ・・・まともな人が1人もいないじゃない・・・」
「だ、大丈夫・・・?」
「え?」
突然声を掛けられたルーシィが振り向く。
そこには鮮血の様に真っ赤な髪に透き通る様なグレイの目をした少女がいた。
「だ、誰・・・?」
「あ、やっぱり知らないか~」
「え?」
「アタシはフレア。あなた、新人?」
「は、はい、ルーシィです」
「ルーシィ、これからよろしくね!」
「はい!」
フレアとは仲良くできそう、と思った矢先。
ドッカァーン!
フレアの上に机が乗っかった・・・いや、飛んできた。
「キャー、フレア、大丈夫!?」
ルーシィが急いでフレアに呼び掛ける。
すると机がドッシィーンとおおきに音を立てて床に落ちた。
「あたた・・・ルーシィ、大丈夫?」
「は、はい・・・」
「これからは敬語なしで行こーよ」
「そうだね、フレア」
「じゃあ、アタシは喧嘩混ざってくるね」
「う、うん・・・」
結局喧嘩か、と思いながらフレアを見送る。
「見ねぇ顔だな」
「新人さん?」
「ミ、ミラジェーン!キャ~!本物~!」
グラビアでしか見ることが出来ないミラを生で見ることが出来て興奮するルーシィ。
そしてミラの後ろにはミラの恋人のトニーがいた。
興奮していたルーシィはすぐさま我に帰る。
「ア、アレ止めなくていいんですか!?」
「いつもの事だからぁ」
「放っとけ」
「あららら・・・」
「それに・・・」
ミラが何かを言おうとしたが、喧嘩をしている人達から瓶が飛んで来て見事にミラの頭に命中した。が、
「キャーっ!ミラジェーンさん!」
「それに・・・楽しいでしょ?」
(怖いですぅー!)
何事もなかったかの様にミラは立った。
だが、その額からは血がだら~っと垂れていた。
「・・・」
「あれ、トニーさん?」
先程まで隣にいたトニーがいつの間にかいなくなっていた。
どこへいったのだろう、とルーシィは辺りを見回す。
そして見つけた・・・喧嘩集団の中に
「ミラに瓶投げたの誰だーーーーーーっ!」
「えぇーーーーーっ!?」
トニーは拳で集団に殴り掛かった。
「おふっ」
「きゃーっ!」
「へっへ~ん」
それと入れ替わる様にグレイが飛んできた。
そしてそのグレイのパンツをナツがクルクルと回している。
ということは・・・
「あーっ!オレのパンツ!」
「こっち向くなー!」
お約束の展開となる。
「お嬢さん。よかったらパンツを貸して・・・」
「貸すかーっ!」
ルーシィの拳がグレイの顔のド真ん中に命中した。
「やれやれ・・・デリカシーのない奴は困るよね。ところで君、どこのモデル?」
「何コレ!?」
そしていつの間にかルーシィはロキにお姫様抱っこをされていた。
「漢は拳でぇーーーーーっ!」
「邪魔だっての!」
またもやエルフマンは一撃でぶっ飛ばされた。
「誰だぁぁぁーーーーーーっ!」
「ちょ、トニー、落ち着け!」
トニーはまだ暴走している。
「あんた達いい加減に・・・しろぉーー!」
「ギャー!やめろー!」
キアラも混ざった。
「イッヤッホー!」
「俺を蹴って喜ぶな!」
フレアはおもいっきりこの喧嘩を楽しんでいる。
「あー、うるさい。落ち着いて酒も飲めないじゃないの」
ついにカナがキレた。
飲んでいた酒樽を足元に置き、カードを指に挟んだ。
「アンタらいい加減に・・・しなさいよ・・・」
カナのカードがピキィッと光り出す。
「ええい静まれ静まれ!黙らないなら黙らせてやるから掛かって来い!」
キアラもキレ、両拳に紫の雷を纏う。
「アッタマきた!」
腰にタオルを巻き、掌に拳をのせるグレイ。
「ぬおおおおおおおっ!」
魔法で腕を変形させるエルフマン。
「困った奴等だ・・・」
そう呟きながら右手の人差し指にある指輪を光らせるロキ。
「おもしろいことになってきたね!」
こんな状況を楽しみ、槍を構えるフレア。
「ミラに瓶投げたやつは唯じゃおかねぇ!」
砂を拳に纏わせるトニー。
「かかって来いっ!」
両手に炎を纏うナツ。
「魔法!?」
「これはちょっとマズイわね」
いくら天然のミラでも困ってしまう。
と、そこに。
「そこまでじゃ。やめんか、バカタレ!」
「でかーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
ギルドの天井に付きそうな程デカイ巨人がいた。
だが、巨人の一喝により全員の魔法が停止した。
「あら・・・いたんですか?マスター」
「マスター!?」
ルーシィはマスターがこの巨人だということに驚愕した。
「ちっ」
「フン」
「ちぇ~」
「ミラぁ!大丈夫かぁ!?」
「酒」
「あ~あ」
「ふぅ」
巨人・・・いや、マスターの一喝で皆はそれぞれの反応を見せる。
「だーっはっはっはっ!皆してビビりやがって!この勝負は俺の勝・・・ぴ」
そんな中で1人調子に乗っていたナツはマスターに踏み潰された。
「む、新入りかね」
「は、はい・・・」
「ふんぬぅぅぅ・・・!」
ようやくルーシィに気付いたマスターは急に力みだし、ルーシィはそんなマスターを見て唖然としていた。
「えぇーーーーーーーーっ!?」
「よろしくネ」
マスターはどんどん小さくなっていく。
そして最後にはルーシィの膝の辺りまでの身長になった。
そんなマスター、マカロフはシュタッと片手を挙げた。
「とう!」
2階の手摺に登ろうとしたが、後頭部を強打。
・・・見なかったことにしよう。
「ま~たやってくれたのぅ、貴様等。見よ、評議会から送られてきたこの文書の量を」
マスターの手には大量の文書が握られていた。
「まずは・・・グレイ」
「あ?」
「密輸組織を検挙したまではいいが・・・その後街を素っ裸でふらつき、挙句の果てに干してある下着を盗んで逃走」
「いや・・・だって裸じゃマズイだろ」
「まずは裸になるなよ」
マスターはため息を盛大につく。
「エルフマン!貴様は要人護衛の任務中に要人に暴行」
「『男は学歴よ』なんて言うから、つい・・・」
マスターはふるふると首をに振る。
「カナ・アルベローナ。経費と偽って某酒場で飲むこと大樽15個。しかも請求先が評議会」
「バレたか・・・」
何故バレないと思ったのだろうか。
「ロキ・・・評議員、レイジ老師の孫娘に手を出す。某タレント事務所からも損害賠償の請求が来ておる」
その言葉を放ったあと、ガクッと肩を落とした。
「そしてナツとキアラ・・・デボン盗賊一家壊滅するも民家7軒も壊滅。チューリィ村の歴史ある時計台倒壊。フリージアの教会全焼。ルピナス城一部損壊。ナズナ渓谷観測所崩壊により機能停止。ハルジオンの港半壊」
「そんぐらいいいじゃん、ねぇ、ナツ」
「おう!」
「よかないわ!」
キアラとナツのやり取りにマスターが突っ込む。
「そして・・・トニーとここにはいないがあの大馬鹿者!貴様らが一番多いんじゃ!」
そう言ってマスターが取り出したのはさっきの文書の2倍はある文書の束。
「トニー・・・魔法教団を拘束したが、その際に辺り一面を更地に変え、森5つを吹き飛ばす。そして、アンバルの姫に告白されるが、『俺にはミラがいる!』と言って一蹴した。姫はそれっきり吹き込んでおり、損害賠償を請求されておる。・・・外67件」
「スマンスマン」
ギルドの全員が目を見開いた。
そりゃあそうだろう。
1人でこれだけやらかしたのだから。
「そして・・・ここにはいないがあの大馬鹿者・・・依頼先で大暴れ。街を14つ更地にするが、街中の女の子に庇われ無罪。闇ギルドに潜入したことが闇ギルドにバレ、戦闘になり、森を5つ程更地にした。魔法の練習と言って山を2つ吹き飛ばす。・・・外81件」
「流石だな!」
「感心しとる場合か!」
呑気なナツにマスターが突っ込んだ。
そしてまたまた皆は目を大きく見開いた。
まぁ2人でナツやグレイ達の2倍以上もの文書があるのだから当然とも言えるが。
「貴様らァ・・・ワシは評議員に怒られてばかりじゃぞォ・・・」
マスターはプルプルと震えだし、そこにいたもの全員が気まずそうな顔をした。
そしてルーシィはビクッと震えた。
「だが・・・」
今までの言葉とは正反対を示す言葉を発した。
「評議員などクソくらえじゃ」
そう言って2つの文書を燃やし、投げた。
するとナツがそれを喰った。
「良いか。理を超える力はすべて理より生まれる。魔法は奇跡の力なんかではない。我々の内にある『気』と自然界に流れる『気』の波長が合わさり、初めて具現化されるのじゃ。それは精神力と集中力を使う。いや、己が魂全てを注ぎ込む事が魔法なのじゃ。上から覗いてる目ん玉気にしてたら魔道は進めん。評議員のバカ共を怖れるな」
そう説きながらにんっと笑う。。
「自分の信じた道を進めェい!それが妖精の尻尾
フェアリーテイル
の魔導士じゃ!」
『オォォォォォオオオオオオッ!』
マスターの声に全員が歓声をあげ、先程までの喧嘩が嘘のように笑いあった。
「じゃあナツが火竜って呼ばれてたのか!?他の街では」
「へぇ~ナツの魔法ぴったりの別名だね」
ナツの別名について話しているとハッピーが
「ナツが火竜ならオイラはネコマンダーでいいかなぁ」
「マンダーって何よ」
と意味の分からないことを言い出した。
因みにナツはミラのお手製、ファイアパスタ、ファイアチキン、ファイアドリンクを食べている。
どうしたらこんなもの(特にファイアドリンク)が作れるのだろうか。
それは謎である。
と、そこに上機嫌のルーシィがやって来た。
「ナツー!見てー!妖精の尻尾
フェアリーテイル
のマーク入れてもらっちゃったぁ」
「良かったなルイージ」
「おめでとう、ルーキー!」
「ルーシィよ!」
ルーシィは怒鳴る。
「お前、あんな可愛い娘、どこで見つけてきたんだよ」
「いいなぁ~、うちのチーム入ってくんねぇかなぁ」
「ナツ、どこ行くんだ?」
「仕事だよ。金ねーし」
「じゃあわたしもついてく」
ナツ、ハッピー、キアラは依頼板の前に立ち、依頼を選ぶ。
ギルドの依頼には討伐、呪文を解く等の様々なものがある。
「どれがいいかな」
「報酬がいいヤツにしようね」
「あ!これなんかどお?盗賊退治で16万J!」
「いいな!」
「決まりだね」
仕事が決まってミラに受注してもらおうと思った、その時。
「父ちゃん、まだ帰ってこないの?」
「む」
マスターが自分と同じくらいの背の高さの少年と話しているのが聞こえて来た。
「くどいぞロメオ。貴様も魔導士の息子なら親父を信じて大人しく家で待っておれ」
「だって・・・三日で戻るって言ったのに・・・もう1週間も帰ってこないんだよ・・・」
少年の名はロメオ。
マカオの息子だ。
ロメオの目には涙が溜まっていた。
「マカオの奴は確かハコベ山の仕事じゃったな」
「そんなに遠くないじゃないかっ!探しに行ってくれよ!心配なんだ!」
「冗談じゃない!貴様のオヤジは魔導士じゃろ!自分のケツもふけねぇ魔導士なんぞ、このギルドにはおらんのじゃあ!帰ってミルクでも飲んでおれい!」
マスターが怒鳴るとロメオは肩をフルフルと震えさせた。
「バカー!」
「おふ」
そしてマスターの顔面にパンチを食らわせ、ギルドの外へと駆けて行った。
「厳しいのね」
「ああは言っても、本当はマスターも心配してるのよ」
ルーシィとミラは気の毒そうにロメオを見、このような話しをしていた。
すると、ズシッという轟音が響いた。
ナツが依頼板に依頼紙を殴り付けたのだ。
キアラも俯いている。
「オイイ!ナツ!リクエストボード壊すなよ」
ナブの声を無視し、ナツとキアラは荷物を背負ってギルドを出ていった。
「マスター・・・ナツとキアラの奴、ちょっとヤベェんじゃねぇの?」
「あいつ等・・・マカオを助けに行くつもりだぜ」
「これだからガキはよォ・・・」
「んな事したって、マカオの自尊心が傷つくだけなのに」
その言葉を聞いたマスターはキセルをかぷっと噛み、笑った。
「進むべき道は誰が決める事でもねぇ。放っておけぃ」
カウンターに座っていたルーシィは呟くようにミラに聞いた。
「ど・・・どうしちゃったの?あの2人、急に・・・」
「ナツもキアラも、ロメオ君と同じだからね」
「自分と重ねちまったんだろ」
「トニーさん」
「トニーでいいよ」
そこへトニーがやって来る。
トニーは続ける。
「ナツの父さんも出て行ったっきりまだ帰ってこねーんだ。父さん・・・つっても、育ての親だけどな。しかもドラゴン」
その言葉にルーシィはズッコケた。
「ドラゴン!?ナツってドラゴンに育てられたの!?そんなの信じられる訳・・・」
「ね。小さい時そのドラゴンに森で拾われて、言葉や文化や・・・魔法なんかを教えてもらったんだって」
「だがある日、そのドラゴン・・・火竜イグニールはナツの前から姿を消した。何の前触れもなく、突然だ」
「そっか・・・それがイグニール・・・」
「そーゆーこと。ナツはいつかイグニールに会える日を楽しみにしてんだ」
「そーゆートコが可愛いのよねぇ」
「あはは・・・じゃあ、キアラも誰かの帰りを待ってるんですか?」
ルーシィが何気無く尋ねる。
するとトニーは顔を曇らせた。
が、ルーシィとミラはそれに気付かなかった。
「さあ?私は知らないわ」
「ふーん、トニーは?」
「いや、俺も知らない」
ルーシィは少しトニーの様子がおかしいことに気付いたが、気のせいか、と思った。
「私達は・・・妖精の尻尾の魔導士達は・・・皆・・・皆何かを抱えてる・・・」
「傷や・・・痛みや・・・苦しみや・・・」
「私も・・・」
「え?」
とても聞き取れないような声で呟いたため、ルーシィは聞き返した。
「ううん。何でもない」
しかし、ミラは何事もなかったかの様に微笑んだ。
それを見たトニーも小さく呟く。
「・・・俺も・・・」
「え?」
またもやルーシィは聞き返す。
「いや、何でもねぇよ」
が、トニーはミラと同じく何事もなかったかの様に微笑んだ。
そんなミラとトニーを見て、ルーシィはなにも言えなくなってしまった。
そしてナツ、ハッピー、キアラはハコベ山へとマカオを探しに出掛けた。
後書き
大空「やっと終わった~!」
フレア「お疲れ様!」
大空「ありがとう、私の癒し」
フレア「え?アタシが?癒し?」
大空「うん。今んとこ一番好きだし」
フレア「ありがとう!」
大空「じゃあ、次回は」
フレア「新キャラの紹介と『火竜と猿と牛』だよ」
大空「次回もよろしく~!」
フレア「じゃ~ね~!」
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