FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
2対3?
前書き
久々の2日連続更新!!
しかし!!実はこの話割りと前に書いたものだったりします。
実は3話ほどストックしておいて新しい話を書いている間に次に更新する話の誤植を直しているという形を取っています。
なのに誤植が多い私は一体何なんでしょうね・・・苦笑
話が反れました。要するに何が言いたいかというと更新が早いということは3話先の話が順調に進んでいるということになります。
3話先といえば皆さんお待ちかねの『バトル・オブ・ドラゴンスレイヤー』です!!
もう既に3話目に突入してますけど(笑)
1つのバトルに3話も費やせるとは思ってなかったので自分でもビックリしています。
また話が反れました。
皆さんのご意見等のおかげでバトル・オブ・ドラゴンスレイヤーは大変順調に進んでいます。
案などくれた皆様ありがとうございました。
今後とも~水の滅竜魔導士~をよろしくお願いします。
医務室にて・・・
「んん・・・」
眠っていたルーシィが目を覚ます。すると目の前に心配そうにこちらを見ている少女と2匹の猫がいることに気づく。
「ルーシィさん!目が覚めましたか?」
そこにいたとはウェンディとシャルルとセシリー。ウェンディはルーシィが目を覚ましたので声を掛けた。
「今何試合目?」
「第一試合が終わったところです。青い天馬が勝ったみたい」
ルーシィの質問にウェンディが答える。
「これから第二試合が始まるところよ」
「蛇姫の鱗と人魚の踵が戦うんだよ~」
シャルルとセシリーが眠っていてバトルパートの組み合わせを知らないルーシィに説明する。
「そっか。ナツたちの試合はまだなんだ」
ルーシィは安心したような、心配しているような声で言う。
「ナツさん試合の前にルーシィさんの顔を見に来るって言ってましたよ」
「それまでもう少し寝てなさい」
シャルルはそう言うとルーシィに布団をかけ直し、寒くならないようにする。
「今はとにかく体力を回復させないとね~」
「ありがとう。そうするね」
セシリーの言葉に従うルーシィ。彼女はゆっくりと目を閉じ、しばし休息を取ることにした。
『さぁ!!次は第二試合!!蛇姫の鱗からはリオンとレオン、そしてユウカ!!』
闘技場の入り口から真ん中にエース格のリオン、右サイドにレオンと左サイドにユウカという並びで入場してくる蛇姫の鱗。
『そして!!人魚の踵からはカグラとミリアーナ、ベスの出場です!!』
人魚の踵も同様にエースのカグラを中心にベスとミリアーナがそれぞれ右左に並んで入場してくる。
「元気最強!!人魚の踵をよろしく!!」
「ミリア少し落ち着きなよ」
両手を上げて観客たちに応援してくれるように声を出すミリアーナとそれを落ち着かせようとするベス。カグラはそんなことなど気にも止めずに闘技場の中心部へと歩いていく。
『ヤジマさん、この試合どう見ますか?』
『どちらが勝ってもおかしくない、楽しみな試合だね』
リオンとカグラは両ギルドの中でのトップと言える力を持つ魔導士、そしてその2人だけではなくユウカやレオン、ミリアーナとベスもギルドの代表として参加しているだけに実力がある。さらには現在この2チームはポイントも並んでいるため実力伯仲と考えて間違いないだろう。
「リオンもレオンもユウカも強敵だ!!ミリアーナ!!油断するなよ!!」
観客たちに手を振り緊張感など微塵も感じないミリアーナにそう言ったのは妖精女王こそエルザ。
「ギヒッ。おめぇは人魚の踵の応援か?」
「ああ、昔からの知り合いだからな。肩入れしたくなるのは人情というものだ」
ガジルとエルザがそう言う。それを隣で聞いていたシリルはそういうものかと納得し、自分も応援しようと息を思いきり吸い込む。
「レオーン!!頑張れぇ!!」
甲高い声は闘技場のレオンの元まできっちりと届き、レオンはシリルの方を向いて軽く手を振る。
「グレイ。お前は応援しなくていいのか?」
「リオンさんに声掛けなくていいんですか?」
ラクサスとシリルが待機場所の奥、出入り口付近で壁に寄っ掛かり、試合を見ようともしていないグレイにそう言う。
「さぁな。今は別々のギルドでライバル同士だからな」
冷静な表情で答えるグレイ。それを見たエルザはどこか微笑んでいるようだった。
「ん?」
しかし、その隣で石柵に体を預け試合を見ているナツに気づき、声を掛ける。
「どうした?ナツ」
「ん?ルーシィやエルフマンたちも試合を見たいんじゃないかと思ってさ」
ルーシィとエルフマンは現在医務室にいる。医務室にも試合を見るための魔水晶ビジョンはあるのだが、基本的には安静にしていなければならない医務室で魔水晶ビジョンを見ることはあまりない。ましてや昨日シリルが魔水晶ビジョンから見た試合を見て医務室を飛び出していってしまったので、ポーリュシカが試合を見るのを許可することはまずないだろう。
「ならば、あいつらの分もしっかり見ておこう。後で話してやれるように」
「そうだな。よし!!そうする!!」
ナツはエルザの言葉に納得すると柵に預けていた体を起こした。
その頃妖精の尻尾の応援席では・・・
「オイラは人魚の踵の応援するよ!!ミリアーナとは楽園の塔の時からの知り合いだから」
「私は蛇姫の鱗かな?日頃色々お世話になってるし」
ハッピーとレビィは今回の対戦カードでどちらのギルドを応援するのか話していた。
「確かに・・・蛇姫の鱗とは付き合いがあるが・・・」
「人魚の踵の魔導士ってみんな美人だよなぁ・・・」
マカオとワカバのオッサン2人を中心に、ギルドの男性陣はみんな人魚の踵の魅力に誘惑されており、レビィはそれを見てタメ息をついていた。
「ジュビアはやっぱりリオンの応援なの?」
レビィは振り返り、後ろの長椅子に座っているジュビアに質問する。
「リオンにアプローチされてるんでしょ?」
「女心としては気になるわよねぇ」
どこからともなく現れたカナとミラジェーンがジュビアの両サイドを堅め逃げられないようにする。
「ジュビアは・・・ジュビアは・・・」
ジュビアは両サイドの楽しそうな2人とは対称的に落ち込んでいるような顔をしている。
(どうせならチームに残ってグレイ様と一緒に戦いたかった・・・)
ジュビアは今回のチーム再編成に伴い正規メンバー6人から外れてしまったのである。そして彼女の想い人であるグレイはメンバーに入っているため、そのような気持ちを抱いているのであった。
(そうだ!!まだチャンスはある!!)
先程までの落ち込んでいた表情からは一転、ジュビアは天にも昇るような笑顔に変わっていた。
(チームの誰かが試合でケガをして人数が足りなくなれば!!)
ジュビアは正規メンバーにこそ選ばれてないものの、その高い魔力と能力を買われてリザーブメンバーとしての登録がしてあるのである。基本的にはリザーブ枠はあまり使われることはないはずのだが、仮にこれからのバトルで誰かしらがケガをし、最終日に人数が足りなくなれば彼女が出ることができる。つまりグレイ様と一緒に戦うことができる、というのが彼女の極論であった。しかし・・・
「いけない!!」
ジュビアはその極論を願ってはいけないのだということに気づく。
「ギルドの一員として仲間のケガを祈るなんてジュビアは悪い子!!あぁ~ん!!だけどグレイ様のお側にいたい!!
だけど!!仲間にケガはしてほしくない!!ジュビアはどうすれば!?」
頭を抱えて困り果てているジュビア。その様子を見ていたカナ、ミラジェーン、レビィの3人は突然叫び出したジュビアに何があったのかわからずに困惑している。
「ど・・・どうしたの?ジュビア」
「何か悩み事?」
「相談に乗るからお姉さんたちに話してごらん?」
3人の優しさに一瞬でも仲間のケガを祈ってしまったジュビアはさらに罪悪感に苛まれ、顔を被いタメ息をついていた。
「この試合が終わったらいよいよ妖精の尻尾と剣咬の虎の試合ですなぁ」
マカロフが隣に立っているメイビスにそう言う。
「彼らを信じるだけです。どっしり腰を据えて待ちましょ―――」
メイビスはいつものように石でできた柵に腰かけようとした時、バランスを崩して転落してしまう。
「おおおお!!」
「初代!?」
「みんな・・・ちょっとは腰据えて見学しよう・・・」
まだ自分たちの試合が始まってすらいないのにここまでの大騒ぎ。ハッピーはあきれた様子でそう呟くのであった。
その頃蛇姫の鱗の方では・・・
「レオン!!頑張ってね!!」
シェリアの声が聞こえ、闘技場のレオンは片手を上げて反応を見せる。
「ねぇジュラさん」
「どうした?シェリア」
自分たちのギルドの仲間が試合をするとあり、それを見届けようと闘技場を見つめている蛇姫の鱗のメンバーたち。シェリアはそんな中、チームのエースにして今大会の最強候補筆頭のジュラにある疑問を投げ掛ける。
「リオンとレオンが一緒に試合に出て大丈夫なの?」
シェリアはなぜかリオンとレオンという2人の氷の造形魔導士が同時に試合に出ることを心配していた。
「大丈夫とは?」
「リオンとレオンがもし同時に魔法使ったらレオンの弱点がバレちゃうんじゃないの?」
シェリアがそう言うとジュラは「うむ」と言い、言葉を続ける。
「確かに弱点がバレるかもしれんのぅ」
「だったら・・・」
「だが、どうせならその方が良い」
「え?」
シェリアはジュラの言った意味がわからず固まってしまう。
「ワシらが優勝するために・・・いや、魔法界の今後のためにはワシとリオンはその方がよいと考えておる」
「どういうこと?」
シェリアの問いにジュラはあえて答えずに「見ておれば分かる」とだけ言い、闘技場に視線を戻す。
シェリアはどこか納得いかないようだったが“愛”する2人の美男子を応援するために、闘技場へと視線を移した。
シリルside
試合開始の合図を待つ蛇姫と人魚。会場にいるすべての人たちが静まり返っており、時おり吹く風の音だけが聞こえる状態になっている。
人魚の踵のミリアーナさんが観客席の方を見上げとこか上の空だったが、カグラさんがミリアーナさんに声を掛け、隣にいるベスさんと一緒にこの試合についての戦い方のことなのだろうか、話し合っている様子である。
「向こうは女性3人。だが、全力でいかねば勝利は於保つかん相手だ」
「まぁ確かに強敵ではあるよね」
その様子を見ている蛇姫の鱗のユウカさんとレオンも何やら話し合っている様子である。
「相手はカグラだからな。しかし!!」
リオンさんは突然視線を反らし、俺たちの仲間のいる応援席を見る。
「ここでいいところを見せれば・・・俺の評価も上がるはず!!」
どうやらリオンさんは大好きなジュビアさんの方を見ていたようだ。きっとあの人の頭の中ではカグラさんたちに勝利を納め、ジュビアさんに惚れられるイメージしかないのだろうな。
「すんげぇ余裕だな、おい・・・」
「さすがリオンくんだね」
ジュビアさんのことばかりを考えていられるリオンさんの余裕に呆れたような感じのユウカさんと同じようにかなり余裕そうなレオン。
「コラァ!!まじめにやらないと3人とも回すよ!!」
蛇姫の鱗のマスターであるオーバさんは指をクルクルさせながらそう言う。
「制限時間は30分!!それでは試合開始カボ!!」
ゴォーン
試合開始の銅鑼と同時にまずはミリアーナさんが動き出す。
「先手必勝!!」
羽織っているマントを脱ぎ捨て高々とジャンプするミリアーナさん。
「ネ拘束チューブ!!」
ミリアーナさんの手から一本のオレンジのチューブが繰り出され、レオンたちを縛ろうとする。
ガッ
しかしその攻撃を3人はあっさりと交わしてすぐに体勢を整える。
「ニンジンミサイル!!」
「!!」
すると今度はユウカさんの前にいつの間にかやって来ていたベスさんが無数のニンジンを放ち攻撃を仕掛ける。
「波動!!」
だがそれもユウカさんの波動の前では無力、あっさりと消されてしまう。
「ん?」
その様子を横目で確認しつつミリアーナさんとカグラさんにも注意を払っていたリオンさんはあることに気づく。
こちらに走ってくるミリアーナさんの後ろに控えているカグラさんが全く動く様子が見受けられないということだ。
「もしかしてミリアーナさんとベスさんだけで戦うつもり?」
「蛇姫の鱗相手に大丈夫なのかい?」
ソフィアとアラーニャさんが戦っているミリアーナさんたちを見てそう言う。
「カグラはやれると判断したんだろう。ここは任せてみようじゃないか」
心配しているソフィアたちとは違い、カグラさんの判断なら大丈夫と思っている様子のリズリーさん。3人が話している間にも2対3の戦いは激しさを増しており、闘技場の至るところから砂煙が巻き上がっている。
「カグラちゃんが出るまでもないね!!」
「あちきたちだけで余裕だよ!!」
ミリアーナさんのチューブとベスさんの野菜たちがリオンさんとレオンを攻め立てるが2人はそれを見切って交わしていく。
「ずいぶんとナメられたものですわね」
「よっぽど自信があるんじゃない?」
シェリーさんとシェリアがエースのカグラさんを温存しつつ戦っている人魚の踵を見てそう言う。その隣では明らかに苛立っている人がいるようだけど。
「おのれ・・・人魚の踵・・・」
オーバさんは余裕綽々な戦法を取る人魚の踵を見てプライドを傷つけられたと思ったのか、眉間にシワを寄せていた。
「リオン!!レオン!!ユウカ!!何が何でも勝つんだよ!!私らの強さを見せつけておやり」
オーバさんは自分がクルクルと回転しながらレオンたちに渇を入れる。その横でトビーさんは頭を抱えて怯えているけど、どうしたのかな?
「カグラは見ているだけか?」
「別に良くない?その方が勝てる率高くなるし」
カッカきているユウカさんとは対称的に気にした様子もなくチョコバーをかじるレオン。
「いや、カグラが出てこないと意味がない。全力で引きずり出してやる」
ユウカさんと同様に苛立ってきているリオンさんはカグラさんを勝負に出すために攻撃を仕掛ける。
「アイスメイク・・・イーグル!!」
リオンさんの右手から作り出された魔法陣から無数の鷲が飛び立ち、試合に参加していないカグラさんを襲おうとする。
パリンッ
しかしその攻撃は彼女に届く前にオレンジのチューブと大きな大根によって破壊される。
「私を無視するな!!」
「あんたたちの相手はあちきたちだよ!!」
あくまでの2対3の戦いにこだわるミリアーナさんとベスさん。試合は人数が少ないはずの人魚の踵の方が優勢に見える。
「チッ、波動!!」
「アイスメイク・・・・・スノーホーク!!」
ユウカさんは魔法無効化の波動とレオンは数羽の鷹をそれぞれミリアーナさんとベスさんに放つ。
「ニャッ!!」
「わっ!!」
2人の足元を狙ったレオンたちの攻撃であったが、ミリアーナさんとベスさんはジャンプしてその攻撃を避ける。しかし、
ドスッ
「きゃっ!!」
レオンの作った鷹の内の一羽がベスさんの脇腹を捉える。
「ベス!!ニャッ!!」
一瞬ベスさんの方に注意が逸れてしまったミリアーナさん。ユウカさんの波動がそのミリアーナさんに直撃する。
『入ったぁ!!最初に攻撃をヒットさせたのは蛇姫の鱗!!』
「ミリアーナ!!」
「レオンの鷹は自由に動き回れる。そう簡単には避けられないってことですね」
エルザさんはミリアーナさんを心配し、俺は動の造形魔法を操るレオンの攻撃をそう分析する。
「・・・?」
俺とエルザさんが別々のギルドを応援している中、ラクサスさんが顎に手を当て何かを考えている。
「どうしたんですか?ラクサスさん」
「いや・・・今レオンって奴の造形・・・何か違和感を覚えたんだが・・・」
「違和感だぁ?」
俺とガジルさんは?を浮かべる。別に今のレオンの魔法に何かおかしな点はなかったように思う。3日目のMPFの時の赤色とは違い、1日目のバトルパートでの黒い氷を使ってるけど、7年前にあった魔法コンテストみたいな魅せる場面で複数の色を使えた方がいいという考えを持っていると思えば2色の氷を使っても何も変なところはない。
「気のせいじゃねぇのか?」
「そうなのかねぇ・・・」
ガジルさんにそう言われても納得のいかない様子のラクサスさん。何が気になったのかわからないけど、たぶん気のせいだと俺も思うし、レオンの応援に戻ろうっと。
「アイスメイク・・・・・片刃剣!!」
レオンは片面にのみ刃のついた氷の剣を作り出し、ミリアーナさんへと斬りかかる。
「まただ・・・」
後ろでラクサスさんが何か呟いていたが、試合に集中していた俺やエルザさんには聞こえていない。
「ニンジンミサイル!!」
「ごはっ!!」
ミリアーナさんに片刃剣が当たる寸前、ベスさんが立ち上がり放ったニンジンたちがレオンにぶつかり、吹き飛ばされる。
「この・・・波ど―――」
「させない!!」
ユウカさんは自分に半身を向けているベスさん目掛けて波動を繰り出そうとしたが、その上にミリアーナさんがジャンプで接近していた。
「キトゥンブラスト!!」
チューブを渦のように使うミリアーナさん。そのチューブが突然ピンク色に光り出す。
「ぐっ!!フェイントか!?」
ユウカさんは目眩ましを受けミリアーナさんの姿を見失う。
「もらったぁ!!」
ミリアーナさんはそのユウカさんに肩車するかのような形で乗っかり、
「猫パンチ!!猫パンチ!!」
「いてててて!!」
顔をグウで殴打する。
『おおっと今度は人魚の踵の反撃開始か!?』
何度も何度もパンチするミリアーナさん。ユウカさんはただされるがままの状況になっている。
「ふぅ。ひとまず大丈夫そうだな。それにしてものびのびと戦えているなぁ」
一時劣勢になりかけたミリアーナさんたちを心配していたエルザさんだったが、なんとか持ち直すことができて安心しているようである。
「アイスメイク・・・イーグル!!」
見かねたリオンさんがユウカさんを援護しようと氷の鷲を作り出す。
「あなたの相手はあちきだよ!!」
「なっ!!」
だがリオンさんのすぐ後ろにベスさんがやって来ていた。
「ニンジンミサイル!!」
「ぐはっ!!」
超至近距離で魔法を出されたために避けることができなかったリオンさん。ミリアーナさんにさんざん殴られたユウカさんもようやく解放されたがその際に踏み台にされた形となり、後方によろけたユウカさんとリオンさんが調度後ろにいたレオンと集まるような形で並ぶ。
「まだまだこんなんじゃないよ!!」
「こっちは毎日カグラちゃんに鍛えてもらってるんだから!!」
ミリアーナさんは両手にはめていた手袋を外す。そこから現れた手には猫のように長く、そして鋭く磨かれた赤い爪の生えた手が見えてくる。
「必殺・・・」
ジャキンジャキンジャキン
「引っ掻き攻撃!!」
「「「うわぁぁぁ!!」」」
ミリアーナさんの長い爪に顔を引っかかれたレオンたちは痛みに悶えている。実際の猫の爪ってバイ菌だらけだからあんなことされたら病気になっちゃうぞ。
「この・・・」
リオンさんがすぐに反撃しようとしたが、
「ミリアだけじゃないよ!!」
「「「!!」」」
ミリアーナさんと反対方向にいるベスさんへの警戒を怠っており、追加攻撃を受けてしまう。
「大根ソード!!」
「おわっ!!」
どう見てもただの大根にしか見えないけど・・・大根ソードなるものでリオンさんの腹部を叩いたベスさんはミリアーナさんと並ぶように立ち直る。
「どうしたの?」
「全然手応えがないよ」
「「「くっ・・・」」」
人数的には有利なはずの蛇姫の鱗。だがその利点を生かしきれずに次々とミリアーナさんとベスさんにいいようにされてしまっている。このままレオンたちは負けてしまうのだろうか?
後書き
いかがだったでしょうか。
このバトルは少し長くやるので1度ここで区切ろうと思います。
次回もよろしくお願いします。
ページ上へ戻る