リリカルビィト~才牙と魔法が交わる物語~“改稿版”
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七十一話、任務(バベル&界護編)4、龍也の新たな力
前書き
作者「其ではどうぞ!」
ードゴォォン……
「……ん?」
「どうしたの? 勝人君?」
龍也の牙が相手に向けられてから数分後、チルドレン達と合流した勝人は内部からの音に反応した
「いや、なんか今音が"ドガァァァン!!!!"うわっ!?」
突然、勝人の近くが爆発し、何かが出てきた……
それは
『……腕?』
巨大な両腕だった
しかも、片方はISと女性を掴み、もう片方は武器と何人かの人達……
そして、
「よ、御待たせ」
何事もなかったかのように龍也が穴から出てきた……
●○●○
『式神才牙?』
任務のあと、帰りながら龍也の言葉に?を浮かべるチルドレン達と勝人……
ついでに言えば、軍用ヘリに乗っていたりする……
「あぁ、簡単に言えば才牙を依代にした式神だよ、今練習中なんだ」
そう言いながら説明する龍也……
要約すると式神才牙とは……
①、才牙を依代とすることで生み出す式神の総称で今回だしたのは天氷掌(アイスハンズ)を依代にした式神、"ブリザードフィンガー"であること
②、操作する際には、操作系魔法を利用する事により、精密で且つ力強い攻撃を可能としている事が特徴。しかも、才牙に宿した魂もセミオートで動くので消費する魔力も少ないのが特徴
③、天力の塊である才牙を依代としている為か、普通の式神とは違い、強力な力を持つ
④、天撃使いとしての素質と、魔導師としての素質、更に式神使いとしての素質が無ければ使えない
という事である……
「いや~、少し切れちゃってさ、思わず使っちゃったんだよね、殺さなくて良かったわ」
ハッハッハッと笑う龍也に皆が思った……
ーコイツ、エスパーよりも危険だわ……
と……
そんな中、勝人は全く別の事を考えていた……
ーマジギレしてたら地球、終わってたな……と
そう思いながら龍也の祖父から聞いた昔話を思い出していた
●○●○
まだ龍也がデバイスを使っていなかった頃……急遽都合が悪くなった特騎士の代わりに、他の特騎士と共にある依頼を受けた時のこと……
内容は、ある富豪が所有する無人世界に、依頼主である管理局の調査団(代行については承諾済みであった)に同行して、生態調査を行うというもの。龍也達特騎士の役目は、その護衛であった……
しかし、その『調査』には、裏があった……
金持ち達による、命を弄んだ道楽……ライブハントという、裏のイベントが隠されていたのだ……
監獄の囚人や、罪人ですらない、罪もない一般人や、何も知らない管理局員や騎士など……色々な人間をその世界に放ち、その時その時の気分で方法を変えてその者達を狩る
裏の人間を雇って殺させることもあれば、魔物を放って食い殺させたり、その様を遠方からサーチャーで鑑賞して楽しむ……
ちなみに龍也達の時は、服役中の囚人達を使って(看守や管理局を金で買収して用意した)、方法を任せた上で狩らせる、というものだった。囚人の性格によっては、暗殺や強襲、強姦殺人やバラバラ殺人など多彩な手口が拝めて楽しめるという、悪趣味なもの
そんな狂気の遊びの招待客として、調査団と龍也達は選ばれてその世界に来てしまった、というわけである
といっても、龍也達特騎士達には、障害ですらなく……それが発覚した時点で、別に恐怖も何もなく『あほらし』という呆れと面倒くささの中で、さっさと片付けようという結論に至っていた
問題だったのは、管理局の調査団の中に、龍也を弟のように可愛がっていた女性の騎士がいて……その女性の顔なじみ、 しかも、無実の罪で服役させられていた恋人が、 選ばれた囚人の中にいたこと
富豪達は経歴だけを書類で見て選んでいたため、 冤罪の有無についてまでは知らなかったのだ
その囚人の彼と、調査団の彼女は、運命のごとく再会し……2人は協力して、囚人の彼が知る内部事情 や抜け道などを生かして(そんなものがなくとも龍也達は正面突破する気満々だったが)、全員での脱出を試みた
しかし、それを他の囚人達および富豪達にそれを悟られ……2人は捕まった
純粋に気に食わないと、そして、外に事情を知る者を出すわけにはいかないと考えた、富豪 達の手のものによって
幸いにも、他の囚人を全員返り討ちにし、さらに別の場所でそれぞれ監視していた別な何人かの富豪も片付けた後、それを察知した龍也が駆けつけ…… 間一髪、2人が殺される前に助けることが出来た
が、その時に、今のこの状況(目の前に化け物がいる)をわかっていなかった富豪たちは、外に出すわけにはいかないだの、我々は管理局にもコネがあるから何をしても無駄だし罪にも問われないだの、どうせなら女は楽しんでから殺してやろうかだのと、 想いあっている男女に向かって無遠慮にも言いきったことで
挙句の果てに、仲間の富豪が捕まったり殺された(実際は自爆だが……)ことを知った途端、『ただのゲームだったのにお前達なんてことを!』なんて外れたセリフを吐いたことで……もともと姉の様な存在である女性とその恋人に好感を抱いていたことで怒り心頭だった龍也が、ついにキレた
富豪がまだスピーチを続けている中で、離れた場所……先に時空戦艦に戻っていた人達すら恐怖を覚えるほどの殺気が突如としてその場を、いや世界を飲み込んだ
その場に居合わせた、その男女2人の証言によると、その時に龍也が、つぶやくように、しかし殺意を多分に含ませて言っていた言葉というのが
『……もういいや。あんたらみたいなクズのこと、考えるだけ無駄だ……。島の外に生きて出られたり、証拠とか持ち出されたりすると困る……? せっかくだし、EBB(エクシード・ブロード・バスター)として証拠隠滅に協力してやるよ……』
一拍、
『……この世界ごと、な……』
数分後……
その無人世界はチリ一つ残らず消えた……
自然や、隠して建設されていた富豪達の施設……そして、逃げる術も、骨の欠片すら残さずに消し飛んだであろう、富豪達 と共に……
その後、管理局と聖王教会による、情報規制や内部捜査が厳粛に行われたり、色々とあったらしいが……その当事の正確な事実を把握している者は少ない……
余談だが、女性騎士の恋人は龍也達特騎士達が冤罪を消してくれたことで釈放され、その女性騎士と結婚、特騎士に所属している……
●○●○
~その日の夜~
「……なんだよ、此れ……」
龍也は勝人がくれた資料を読んで絶句していた……
「こうしちゃいられない……直ぐに竜にメールしないと……!!」
ー幸いもう一ヶ月過ぎている!
そう思いながらメールする為、走り出した
机の上の資料にはある人物の名前が載っていた……
その名前は……
"須郷信之"……
後書き
作者「前回の前書きの答えは……パンダのパはパトカー(交通違反)でンダはダンプカーのダンを逆にしたもの……つまり工事用車の後ろということ、つまり交通違反と大型車のバックに気を付けろ、という意味です! 其では感想、待ってます!」
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