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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1094話

『おう、アクセル。こっちの方はお前に言われた通りに人質になっていた奴等を無事救出したぞ。そっちはどんな具合だ?』
「ああ、一応ブリッジにいた今回の主要メンバーと思しき者達は全員無事に捕らえることに成功した」
『へぇ? 随分と早いな。じゃあ、今回の件はこれで終了か?』

 ムウの言葉に、俺が空間倉庫から出したガムテープで手足を縛られ、猿轡で何も喋る事すら出来なくなっているオルタネイティヴ5派、G弾信者、恭順派が混在している奴等へと視線を向けて口を開く。

「どうだろうな。その辺はまだ分からない。ブリッジにいた奴等で全員とも限らないし。とにかく、そっちは捕まっていた奴等をシャトルまで連れていっておいてくれ。こっちは宇宙船を調べて、それで確認してから終わりにする」
『そうか? まぁ、アクセルの事を心配しても無駄だろうしな。分かった、じゃあそっちは任せてくれ』
「頼む。……そう言えば、新人組はどうだった?」

 元々ムウの方にスティング達3人を振り分けたのは、生身での実戦経験を積ませる為だ。
 捕虜となっていた者達がいる以上、当然見張りの類もいた筈だろうし……
 そう思って尋ねたのだが、ムウから返ってきたのは得意げな笑み。

『子供も俺達が知らない間に成長してるもんだよな。随分と立派に戦えたぞ』
「その言葉、何だか年寄り臭いぞ」
『ああっ!? おいこら。俺はまだまだ若いし、受信機の方ももうすぐ使うんだから、若いままなんだよ!』

 年寄り臭いと言われたのが余程面白くなかったのだろう。途端に勢いよくそう言い返してくるムウだが、それがお前の内心を現しているよ。……とは言わずに、小さく肩を竦めてから別の事を口にする。

「まぁ、その辺はまた後でな」
『って、おい! 元々お前が始めた話だろ!?』
「そう言われても、こっちはこっちでやる事があるし。ほら、このブリッジとそっち以外に誰かいないのかを探すとか」
『ちっ、分かったよ。けど、この件は後でしっかりと話をつけるからな!』

 そう告げ、通信が切れる。

「アクセル、あまりムウをからかうな」

 どこか呆れたようなスレイの声。
 ふと気が付けば、美砂は面白そうな表情を浮かべ、イザークが苛立たしげにこっちを見ている。

「悪い悪い。ちょっとな」
「はぁ、まぁ、いい。それで他に隠れている奴がいないかどうかを探すのはお前に任せてもいいんだな?」
「ああ。他に誰かがいたとしても、さすがにここ程に緊迫しているとは思えないし」

 チラリと地面にいる者達へと再度視線を向け、そのままブリッジから出て行く。
 勿論ブリッジの中でスライムを出してもいいんだが、それをするとここにいる奴等にスライムを見せてしまう事になるし。
 別に見せようと思えば見せてもいいんだが。どうせこいつらはこの後は二度と表舞台に……そして世間にも姿を現す事はないんだから。
 けど、何らかの裏取引とかで俺の能力の情報を手札にされるのも面白くない。

「さて……これ以上は誰もいないってのがベストなんだが……その辺はどうだろうな」

 再びスライムを出し、宇宙船の中へと広げていく。
 ……聞こえてくるのは宇宙船の動く音くらいであり、人の呼吸音とか緊張して体温が上がっているのとかは見つからないな。
 そのままスライムを宇宙船の中に広げていき……うん?
 ふと聞こえてくる声を捕らえた。やっぱりまだ人がいたのか。

『くそっ、シャドウミラーが来るかもしれないとは聞いていたが、幾ら何でも早すぎる! もっと時間があればこっちにも対応出来たものを! 二手に別れているようだが、このままでは……おい、そっちの準備は?』
『まだだ! そもそも、これはいざという時の為に準備しておく予定だっただろ! 何だってこんなに早くそのいざって時が来てるんだよ!』
『俺に言うな、俺に! 文句を言うのならシャドウミラーに言え! こっちの準備ももう少し掛かりそうだ』
『この宇宙船を爆破するのはいいけど、俺達は本当に大丈夫なんだろうな?』
『それこそ今更の話だ。そうでもしないと俺達は奴等に纏めて捕虜にされて、どんな拷問を受けるか……シャドウミラーの技術を考えれば、意図せずにこっちの情報を引き出す事も難しくはない』
『それはそうだが……』
『いいから、お前は自分のやるべき事をやれ! そもそも、これから先の心配も宇宙船から脱出しないとどうにもならないんだ! くそっ、大体何なんだあの巨大な戦術機は!』
『特機……だとか何とか。そんな機種名だったと思う』
『分かっている! 今俺が言いたいのは、そういう事じゃない! その特機とやらがこの宇宙船の周囲に展開しているおかげで俺達が逃げられないって事だ! この様子だと空いている背後の方だってどんな事になってるか……いいから、急げよ! シャドウミラーの連中がブリッジの方に意識を集中している間に……うん? まて。なんでこいつは1人だけブリッジの外に出ている? 何をしているようにも見えないが』

 そんな言葉が聞こえてくる。
 なるほど。……カメラはあそこか。
 考えてみれば、ブリッジの入り口やその中にはカメラが設置されているのは至極当然。
 それで俺達がブリッジを占拠したのを見ていた訳か。
 映像はブリッジに流れているのを他の場所でも見られるようにしてある。そんなところだろう。
 で、スライムを見つける事が出来ないのは、純粋にスライムは細い状態で出しているから、解像度の関係か。

『くそっ、何だ? こっちをじっと見やがって。まさかこっちが見えている訳でもないだろうに』
「見えているぞ」

 スライムから聞こえてくる言葉に思わずそう返すが……

『化け物め、この映像が他の場所に流れているのが分かったのか?』

 そんな風な声が聞こえてくる。
 うん? 向こうではこっちの映像を見ることが出来るだけで、音声の類は聞こえていないのか?
 ちょっと恥ずかしい真似をしてしまったな。
 とにかく、この船を爆破するような真似をしているというのは確認したんだ。そのままにして置くわけにもいかない。
 それに、奴等の場所は既に把握しているし……大人しく捕まって貰おう。
 この宇宙船を爆破されたりしようものなら、俺はともかく他のメンバーが死んでしまう。
 一応シャドウミラー製のパイロットスーツを着てはいるが、だからといって宇宙船が爆発した中でも平気でいられる訳じゃないし。
 影槍を使って通路に存在している監視カメラを破壊する。
 まぁ、別に見せても悪くはないんだけど、一応念の為にな。
 そのまま影のゲートを使い、スライムで先程発見した場所へ。
 俺が出たのは物陰にあった影からだった為、話している奴らに見つかる様子はないままに実体化する事に成功する。
 さて、爆破するって話だったが……どんな爆弾だ?
 まさかG弾って事はまずないだろう。となると、次に有り得そうなのがS-11か。
 この世界のS-11という爆薬は、かなりの威力を持つ。
 その割りには戦術機にハイヴ破壊用とBETAに殺される時の自決用に装備されている事も多いので、それなりに数がある。
 そんな俺の疑問は正解だったらしく、S-11がどうこうという話が聞こえてきた。
 にしても、何でここを爆破するつもりになったんだ?
 別にここはこの宇宙船の動力炉って訳でもないし、何らかの重要な場所でもない。
 ぶっちゃけ、色々と物資が置かれている倉庫だ。
 本来ならガラガラの筈のここにこれ程の物資が存在するのは、間違いなくこの宇宙船を乗っ取る事を考えていた者達の仕業だろう。
 一応持久戦になるというのは予想していたんだな。
 けど、その割りにはああやって殆ど自滅に近い状態で片が付いた訳だが。
 ま、とにかくこいつ等はとっとと押さえてしまった方がいいか。
 ここで色々と考えている間に爆破されたりすれば洒落にならないし。

「よお、こんな場所で何をしてるんだ?」

 そう声を掛け、その場にいる4人が反射的な動きで銃をこっちに向けるが……残念。
 既に瞬動を使い、俺から見て一番後ろにいる奴の背後へと回り込み、念動力で強引に勢いを殺して首筋へと手刀を入れる。
 一瞬で気を失った男をその場に残し、2人、3人と気を失わせ……あっという間に最後の1人となっていた。
 そこまで3秒程。
 最後の1人が未だに俺が声を掛けた方へと銃口を向けているのを見ながら、男の肩を軽く叩いてやる。

「何だ! 今は黙って敵を探せ!」
「そんな心配はいらないだろ」
「何!? ……っ!? 誰だ!」

 仲間の声ではない事に気が付いたのだろう。慌てた様子で再び銃口をこっちに向けてこようとしていた男だが、迂闊に銃を撃たれては困る。
 多分大丈夫だとは言っても、ここは宇宙だ。飛行機の中で銃を撃つよりも物凄い事になる可能性があるし、何より爆薬があるとなればそれ以上の惨事にもなりかねない。
 よって、銃を持った相手の手首を掴んで握りつぶしつつ、同時にもう片方の手で拳銃に触れて白炎でドロリと溶かす。

「ぎゃああああああああああああああああっ!」

 手首を砕かれた痛みと、溶けた金属により皮膚を焼かれる痛み。
 この両方の痛みにより悲鳴を上げる男の足を蹴りで掬って転ばせる。
 そのまま未だに泣き喚いている男の胸を足で押さえて制圧完了。
 同時にパチンッと指を鳴らして影槍を作り、手足と首、胴体の全てを地面へと固定してやる。

「あああああああああああ!」
「いいから、黙れ。お前達がやろうとしていた事を考えれば、この程度の痛みはどうということはないだろう」
「っっっっっ!?」

 影槍を使って口を封じてやると、それ以上は喧しい悲鳴を聞かなくてもよくなった。

「さて、それでだ。早速聞かせて貰おうか。……と言っても、喋れないか。YESなら縦に、NOなら横に首を振れ。いいな?」
「っ!?」

 そう告げるが、男はただ黙って血走った目で俺を睨み付ける。

「俺の言葉が分かりにくかったのか? もう1度言うぞ? YESなら縦に、NOなら横に首を振れ。い・い・な?」

 言葉を発するごとに、男の鳩尾を踏みつける足に力を入れていく。
 ミシリ、という音が男の身体から聞こえてきたのは、恐らく骨が軋んだ音だろう。
 自分の身体の中の出来事だけに、男もこのままでは肋骨を全て踏み折られるとでも思ったのか、慌てて首を縦に振る。

「よし、いい子だ。そうやって素直に俺の質問に答えれば、俺としても丁重に扱ってやる。ああ、言っておくけど後からそっちで気を失っている男達にも話を聞くが、その時に違う答えが返ってきたら……どうなるのか、分かっているな?」

 ブンブン、と俺の言葉に慌てて頷く男。
 やっぱり誠心誠意話をするってのは大事だよな。
 どこからかいらない突っ込みが来そうな事を考えながら、口を開く。

「さて、まずは第1の質問だ。今回この宇宙船に立て籠もろうと考えたのはお前か?」

 慌てて首を横に振る男。
 ちっ、違うか。

「なら、ここを爆破しようと考えたのはお前の考えか?」

 これにも首を横に振る。
 うん? この男がこの場におけるリーダー格に見えたんだが……違うのか?

「なら、お前がこの場のリーダー格ではある?」

 今度の質問には、一瞬躊躇った後で頷きを返す。

「つまり、お前はこの場のリーダーではあるが、それだけでしかない?」

 再びの頷き。
 ちっ、現場指揮官でしかないのか。

「なら、次だ。さっきここを爆破するとか言っていたが、どんな爆薬を使う予定だった? ……ああ、悪い。このままだと答えられないか。ほら、答えろよ」

 胸を押さえつけていた足を地面の上へと下ろし、口を覆っていた影槍を消去すると、男は荒い息を吐く。

「はぁ、はぁ、はぁ……ア、アクセル・アルマー!?」
「正解だ」
「ば、馬鹿な。ついさっきまでブリッジの前に……こんな短時間でここまでどうやって」
「その辺は秘密だ。ま、さっきも俺に何も出来ないままにやられただろ? それを考えれば、これくらいは不思議じゃない」
「そうか。消えたように見える速度で走ってきたのか」

 ……うん? 俺はああいう手段が使えるんだから、他に幾つも裏技を持っていてもおかしくないって言いたかったんだが。そもそも、俺が魔法を使えるってのはかなり公になっている事だし。
 まぁ、いいか。どのみちこっちの情報を無駄に与えてもいい事はないし。勘違いしてくれてるんなら、そのままにしておこう。

「で、お前の質問には答えたぞ。次は俺の質問に答えて貰おう」
「……」

 その途端に黙秘を貫く男。
 しかも、俺を見る目には狂信的な光が宿っている。
 ……なるほど。

「お前、恭順派だな?」
「っ!?」

 どうやら当たり、か。
 となると、確かにここで俺がこれ以上尋問しても意味はないだろう。
 俺達シャドウミラーはこいつ等の最大の敵と認識されているし、俺に抗うのはこいつ等にとって宗教的な快楽を与えるに相応しい。
 喜んで殉教するだろう。
 ……気絶させて大人しくアメリカに渡した方がいいな。
 そう判断し、首を縛っていた影槍で一瞬にして意識を奪う。
 一応ここにある爆弾と思しきものについては空間倉庫に格納し、こいつら共々アメリカに引き渡そう。
 もしかしたら宇宙船の中に時限爆弾の類があるかもしれないが……それに関しては、アメリカに任せた方がいい。
 こいつらを引き渡す時にその辺も教えてな。
 こうして、宇宙船ジャック事件は終了するのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:370
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    ???

撃墜数:1183 
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