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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1086話

 ニーズヘッグの通信機で艦隊の周囲にいたシャドウを呼び出し、捕虜とした中将を始めとする軍人達を任せる。
 一応この軍艦の軍人達が妙な考えを起こした時の為にメギロートも近くに呼び寄せているし、安全に関しては問題ない。

「……さて、NジャマーⅡ解除、と」

 電波を妨害していたNジャマーⅡを解除する。これによってこの周辺でも通信が出来る様になっただろう。
 もっとも、既に制圧されている以上はどうしようもないだろうが。
 一応周囲のメギロートやシャドウに、降伏した艦も含めて他の艦が妙な真似をしたらすぐ対応するように指示してあるから大丈夫だろう。

『アクセル、G弾の方はどうなった? 特にその軍艦が爆発したりしていないところを見ると、何もないようだが』

 映像モニタに映し出されたのは、スレイ。言葉では心配そうに尋ねているが、表情はいつもと対して代わらない。
 ……幾ら俺が物理攻撃ではダメージを受けないんだとしても、心配そうな態度くらいしてくれてもいいと思うんだが。
 そう思いつつ、軽く肩を竦める。

「問題ない。予定通りに回収は完了した。それより他の艦に異常はないか?」
『ああ、特に問題はない。こちらに降伏した艦も、今アクセルがいる旗艦と最後まで降伏しなかった艦も、全て今は大人しくなっている』
「そうか。なら、取りあえず俺はコーネリアとマリューに連絡を取るから、もう暫く周辺の警戒を頼む。……まぁ、向こうにもこれ以上の戦力はないと思うけどな」
『任せろ』
「それとメギロートに、海に落ちた戦術機でベイルアウトしていないようなのがあったら回収と、ベイルアウトしたパイロットがいたらこっちも回収を頼む」

 その一言にスレイが無言で頷き、通信が切れる。
 この辺の頼もしさは相変わらずだ。
 そんな風に考えつつ、コーネリアとマリューへと通信を入れる。
 コーネリアのいるアラスカとアメリカの緩衝地帯はともかく、マリューの場合はシロガネが存在しているのは宇宙だ。
 にも関わらずタイムラグなしのリアルタイム通信が出来るのはフォールド通信システムがあってこそだよな。……いやまぁ、OGs時代からそのくらいは出来てたんだが。

「コーネリア、マリュー、こっちは無事敵艦隊を占拠した。そっちはどうだ?」
『こちらはまだ戦闘中だ。ただ、向こうの戦力が思ったより多くないので、それ程時間が掛からずに鎮圧する事が可能だろう』

 戦闘中なのを示すように、ラピエサージュを操縦しながら言葉を返すコーネリア。
 未だに戦闘中だというのはちょっと予想外だったが、考えてみれば納得出来ないでもない。
 俺が戦術機のパイロットを殺さない様に撃墜しないで手足や頭部を破壊するといった風に手間を掛けたのと同様に、向こうでもなるべく殺さないように手を尽くしている筈だ。
 それを思えば、何だかんだでここまで時間が掛かってしまってもしょうがない。

『こちらは特に問題なしね。地上で戦闘が始まった直後はそっちに移動しようとした衛星もあったけど、メギロートで確保しているわ。一応事前に各国に対して連絡はしておいたのだけど』
「どこの国だ? 今のマブラヴ世界で俺達の要請を無視出来る国がそうそうあるとは思えないが……」
『アメリカ、ソ連。この2つはまずいいわよね?』
「ああ。今回の当事者だしな。特にアメリカの場合はG弾を使おうとしている者がいる可能性が高いのを考えると……」
『ええ。だからアメリカの衛星は真っ先に抑えたわ。ソ連に関しても同様ね。G弾とは言わなくても、何かを企んでいる可能性は十分以上にあるから』

 マリューの言葉に頷く。
 確かにG弾はアメリカしか持っていないが、別にこの世界にあるのはG弾だけではない。中国とソ連が最初期にBETAとの戦いで使った核兵器。これに関してはBETAの数の前には殆ど意味がなかったが、それでもある程度有効な兵器である事は間違いない。
 ……その変わりに地球を汚染していくのだが。
 ともあれ、核兵器という手段があるのを考えると、ソ連の衛星を確保しておくのは間違っているとは思えなかった。
 だが……

「この2国以外にも、俺達の言葉を無視してちょっかいを出そうとした国があるのか?」

 そう。そこが問題だ。言うまでもなく、現在のマブラヴ世界は俺達シャドウミラーが協力しているおかげで、BETAに対して優位性を保っている。
 そんな俺達が前もって忠告したというのに、それを無視して手を出してくる国がある?
 それはちょっと信じられない。
 だが……次の瞬間、マリューが口にした国の名前に、納得すると同時に疑問を抱く。

「大東亜連合よ。それとフランス」

 そう。大東亜連合に関しては、これまで幾度となく騒動を引き起こしてきた国だ。
 大東亜連合……正確にはそこに所属している某国が、だが。
 まぁ、その某国が騒動を引き起こすのは決まって日本に対してだけだったのを思えば、日本が全く関係していない今回の件で何を考えて介入しようとしたのかは疑問が残る。
 考えられる可能性があるとすれば……日本とシャドウミラーの関係が深いからか?
 普通であればちょっと考えられないんだが、ありもしない歴史を自分達に都合がいいように作り出してまで日本を責めるような国だ。……ああ、そう考えれば寧ろ自然か?
 にしても、大東亜連合を形成している他の国は色々と大変だよな。
 これまで、何度同じような真似をしてきた事やら。
 ……今回も色々とと大変な目に遭ってそうな感じはするが、そろそろ大東亜連合から追放されるんじゃないか? あの国を自由にすれば世界的に迷惑しか掛からないんだから、出来ればもう少し大東亜連合には頑張って欲しい。
 そして……

「フランス、か。こっちは完全に予想外だった」
『そうね。私も最初報告を受けた時は驚いたわ』

 フランス。以前はEUのリーダー的存在の1国ではあったのだが、第3世代機の開発計画でもあるECTSF計画から離脱。
 色々とゴタゴタとした問題はあったようだが、その時点では良かったのだろう。……そう。その時点では。
 結局は自国開発という形に持って行った訳だが、その間にイギリスとシャドウミラーは急接近。フランスを除くEUにもその恩恵は少なからず渡っている。
 更には、イギリスがガン・ルゥに使う為のバッテリーを開発してガン・ルゥのライセンス生産を開始したり、MSが譲渡されたり、それらの技術から第3世代戦術機の開発が一気に進んだりと、色々な意味でブーストが掛かった。
 ECTSF計画に参加していた国々はその恩恵を受けているが、当然途中で計画から抜けたフランスには利益がないだろう。
 ここに来て、一気にイギリスとフランスの差が付いたと言ってもいい。
 そして、フランスとしては当然現状に我慢出来る筈もなく、何とかして国力の差を縮めようとしている訳だ。
 その一つとして当然シャドウミラーに対して接近してくるというのもあるが、シャドウミラーとしてはイギリスとの関係がいい現状を考えれば、向こうの思い通りになる訳にもいかない。
 だからといってフランスを冷遇している訳ではない。普通の国と同じように接しているだけだ。
 だが……恐らくフランスにはそれが我慢出来なかったのだろう。その我慢出来ない状況を何とかしようとして、今回のように衛星を動かしたと思われる。
 まぁ、ここで衛星を動かして何かを得られるかと言えば疑問だが。
 恐らく……本当に恐らくだが、シャドウミラーの戦闘記録を撮って分析し、自分達の技術に結びつけたかったとか、そういう事……か?
 せめてもの救いは、フランスがG弾を使うというのは全く考えていない事か。
 そもそもG弾を作ったアメリカと違い、フランスは国土を取り戻す必要がある。
 リヨンハイヴは取り戻したとしても、まだ完全にフランスからBETAを払拭出来た訳ではないし、ヨーロッパがBETAとの戦いの場となっている以上、再びハイヴを作られる可能性が皆無とは言い切れない。
 それを考えれば、使用後に重力異常が起きるようなG弾は絶対に使いたくないだろう。

「フランスの衛星に不審な動きは?」
『爆弾投下とか、そういう動きはなかったわ』

 やっぱりな。となると、フランスの狙いは予想通りに情報収集か。

「とにかく、押さえてくれて助かった。宇宙の方は安全、と。そうなると残りはそっちだけなんだが……」

 視線をコーネリアの映し出されている映像モニタに向けると、自信の感じられる笑みを浮かべたコーネリア。

『こっちももう少しで終わるから、心配はいらない。アクセルはゆっくりと待っているといい』
「別に心配はしていないさ。シャドウミラーの実働班を率いるコーネリアだ。アメリカ軍……それも、暴走している一部のアメリカ軍程度、どうとでもなるだろうし」
『ふっ、言ってくれる』

 俺の言葉に再びニヤリとした笑みを浮かべつつ、忙しく機体を操作していく。
 オープンチャンネルから悲鳴や爆発音といったものが聞こえてくるが、コーネリアに戸惑ったような様子は一切ない。
 こうして見る限りだと、予想通りに全く心配はいらないようだな。

「ならそっちに関してはもう完全に任せるぞ? 一応海と宇宙の件が解決したのをビルに知らせておきたいし」
『分かった』

 短い返事。だがその返事はこちらを信頼しているからの返事たというのを、俺は知っている。
 だからこそ、俺もそれ以上は何も言わず……いや。その前に。

「今日の夜はたっぷりと可愛がってやるから楽しみにしていてくれ」
『なっ!?』

 その言葉に頬を薄らと赤く染めるコーネリア。
 だが次の瞬間には俺の方へと鋭い視線を向けてくるのを見ながら、通信を切る。

『……アクセル、貴方ねぇ……』

 コーネリアとの通信は切れたが、シロガネとの通信はまだ繋がっていた為、マリューのどこか呆れたような表情が目に入ってきた。

「激励だよ、激励」
『……はぁ。ま、いいけど。今夜コーネリアに逆襲されて……いえ、アクセルがそっち関係で負けるなんて事は有り得ないかしら』
「さて、どうだろうな。それはともかく、コーネリアに言ったようにビルの方に通信を送るから、こっちの通信もこの辺で切るぞ」
『あら? 私には夜にサービスしてくれないの?』
『それを言うのなら、私もだろう。全く、共に行動した私を置いておきながらコーネリアやマリューとイチャつくとは、どういうつもりだ?』

 通信に割り込んできたのは、スレイ。
 言葉では不機嫌そうだが、表情には面白そうな、悪戯っぽい笑みが浮かんでいる。

「分かった、今日は全員に徹底的にサービスする。鳴いても、泣いても、啼いても徹底的にな」
『ちょっ、アクセル!? それはスレイだけで……』
『待て、あのアクセルを私だけで相手をさせる気か!?』

 そんな風なやり取りを効きつつ、2人との通信を切る。

『……やるねぇ』
『ふんっ、破廉恥な』

 一瞬だけ映像モニタにムウとイザークが映し出され、それだけ言ってすぐに切れる。
 ……聞いてたんだな。
 そんな2人の様子に苦笑を浮かべながら、通信を前もって約束しておいたチャンネルへと繋げる。

『アクセル! こうして通信を入れてきたって事は……』

 映像モニタに映し出されたビルが勢い込んで聞いてくる。
 まるで、映像モニタからこっちに飛び出ようとしているかのようにすら見えるビルに、若干引きながらも頷く。

「ああ。艦隊の方は鎮圧を完了した。宇宙の方も同様だ。アラスカとの間にある緩衝地帯の方は現在戦闘の真っ最中だが、こっちももう少しで終わるだろう。それで、ソ連の方は?」

 俺達がオルタネイティヴ5派やG弾信者の方に集中出来ていたのは、ビルがソ連の方を抑えてみせると言ったからだ。……正確にはレオンの力が大きかったんだが。
 ソ連にしても、緩衝地帯のすぐ側にアメリカ軍がいる状況で、更には自分達が恭順派と繋がっていたと全世界に流れる演説で告げられた以上、そのままに出来る筈もない。
 当然ソ連軍としても緩衝地帯付近に戦力を展開していたんだが、ビルがそれに待ったを掛けた。
 ……正直、レオンの、より正確には俺達シャドウミラーの後ろ盾があったとしても、あのソ連が本当に止まるとは思ってもいなかった。
 まぁ、ソ連にとってもアメリカに大きな貸しを作る事になるんだし、シャドウミラーの口利きがある以上は……というところか。

「で、宇宙船の方は?」
『そっちに関しても問題はない。既に警備を厳しくするように命令してある』

 こちらもまた順調、か。
 言うまでもなく、この場合の宇宙船というのはオルタネイティヴ5で作っている宇宙船だ。
 今回のソ連に対するG弾攻撃というのが失敗した……というか、それを行った以上、既にこの地球を捨てると決めている者がいて、リソースを集中して作った宇宙船で地球を脱出してもおかしくはないのだから。
 もっとも、シャドウミラーの技術力があれば、逃げてもあっさりと捕捉出来るだろうが。
 フォールドシステムとか、システムXNとかあるし。

「なら、大体は無事に終わったようなものか。そっちもG元素やG弾の実物、データ関連をしっかり用意しておいた方がいいぞ」
『……分かってるよ』

 俺の言葉に、心底疲れた様子で頷くビルを見ながら、大国の大統領でも色々と大変なんだなぁ、と思うのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:370
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    ???

撃墜数:1183 
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