転生とらぶる
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マブラヴ
1085話
俺の目の前には、大きさで言えばニーズヘッグとそう代わらないミサイルが存在している。恐らくこのミサイルの中にG弾が存在しているんだろう。
見た限りG弾搭載のミサイルは俺の目の前にある1発だけらしい。
まぁ、何だかんだとこの世界のG元素は……特にG弾を作る為に必要不可欠なグレイ・イレブンは、俺達シャドウミラーがその多くを奪っていったんだから、どうしてもG弾を作れる量にも限度があったと見るべきか。
本来なら、軍艦のミサイル発射口からG弾を積んだこのミサイルを発射する予定だったのだろう。だが、当然軍艦の中でも威力の高いミサイルを発射するミサイル発射口をシャドウミラーのメンバーがそのままにしておく筈もなく、その辺は既に破壊済み、と。
「ま、NジャマーⅡを使っていても、念には念を入れるか」
さすがにこの距離でG弾が起動してしまえば、ニーズヘッグでもかなりの被害を受ける事になる……かもしれない。
いや、正直Eフィールドはともかく、念動フィールドは念動力を全開にすれば損傷はするだろうが、大破まではいかない……ような気がする。
それでも、わざわざ試してみたいとは思わないけど。
一応この周辺を確認し、敵と思われる者の存在がいない事は確認する。
最初は何人かいたんだが、俺が突っ込んできた事でパニクったのか、皆逃げ出したんだよな。元々G弾自体が最高機密なんだから、ここにいる人数も知れたものだったし。
まぁ、いきなり軍艦の装甲を突き破って機体が突っ込んで来れば、そうしたくなる気持ちも分からないではないんだが。
特にニーズヘッグは戦術機よりは小さいが、バリオン創出ヘイロウやエナジーウィングのように色々と特徴的な装備もある。
そして何より、ニーズヘッグがどれだけの力を持っているのかというのは、この世界の軍人であれば誰もがBETAと戦うニーズヘッグの姿を映像等で見た事があり、理解している筈だ。
それを思えば、こうして誰もが逃げ出したとしても不思議はない。
ニーズヘッグでNジャマーⅡを作動させたままコックピットブロックから降り、ミサイルの方へと向かって……歩き始めたその時、数人の人影が走ってくる足音が聞こえてくる。
それも、少しでも早く、急いでといったように、なりふり構わぬような足音。
誰が来たのかは大体予想が出来たので、この軍艦に唯一存在しているG弾搭載ミサイルに手を触れたまま、その足音の主達が来るのを待つ。
1分もしないうちに、その人物達は姿を現した。
まず真っ先に突っ込んできたのは、意外な事に先程まで俺と通信をしていた中将だった。
その地位から、やってきても後ろから指揮を執るだけだと思っていたのだが……まさか自分が真っ先に突っ込んで来るとは、思いも寄らない行動を取るな。
いや、ここまで走ってくる足音に殆ど乱れを感じさせなかったのを考えると、すぐ後ろから突入してきた特殊部隊の軍人と思われる者達と同等の速度で走ってきた事になるのか。
……60代で中将という階級にある割には妙に体力のある相手だ。
「それから手を離せ!」
持っていた拳銃の銃口を俺に向けながら叫ぶ中将に、小さく肩を竦める。
「何でだ? このミサイルは俺に見られると色々と危険な物なのか?」
心底不思議そうな表情を作って尋ねるが、中将はそれに答えずに再び叫ぶ。
「いいから、そこから離れろと言っているんだ!」
怒声と共に銃声が聞こえ、俺のすぐ足下に着弾してそのままどこかへと跳弾する。
「おいおい、こんな場所で拳銃なんか使うなよ。跳弾してどこに弾が当たるか分からないだろ? このミサイルに命中したりすれば、お前も困るだろ?」
自分の足下に拳銃を撃ったのに、俺が全く怯えた様子がないのが気にくわないのだろう。俺に向かって再び怒鳴りつける。
「いいから、そのミサイルから離れろと言っているんだ! 次は身体に当てるぞ!」
うん? 今までの言動を見て疑問に思っていたんだが……もしかしてこいつ、俺に対して物理攻撃では効果がないってのを知らないのか?
確かにこっちの秘密は色々と明らかにしていないが、その辺の事はシャドウミラーの情報を集めれば手に入れるのは難しくないだろうに。
まぁ、いい。それよりも……
「おい、お前。ニーズヘッグに妙な真似をしようとするなよ」
中将が連れてきた軍人達の中の一人がニーズヘッグの方へジリジリと動いているのを見てそう告げ、同時に指をパチンッと鳴らす。
次の瞬間には俺の影から何本もの影槍が生み出され、ニーズヘッグへと近づこうとしていた軍人の目の前でピタリと止まる。
……まぁ、分からないではない。ニーズヘッグはシャドウミラーのフラッグシップにして、最強の戦力。ニヴルヘイムと同じく象徴的な存在と言ってもいい。
正直、G弾とニーズヘッグのどちらを選ぶかと言われれば、その辺の事に詳しい人物なら間違いなくニーズヘッグを選ぶだろう。
そもそも、ニーズヘッグに使われている技術はG弾とは比べものにならない程に高いのだから。
まぁ、それでもニーズヘッグを入手出来るかと言われれば、答えは否でしかない。
俺自身がこうして立ち塞がっている時点で既に詰んでいるし、もし俺をどうにかしたとしても、ニーズヘッグには念動力による搭乗者識別機能がついている。
シャドウミラーのフラッグシップ機にして最強の戦力なのだから、その辺は当然だろう。どうあっても奴等がニーズヘッグを手に入れる事は出来ない。
だが、手に入れられないからといって、奴等の汚い手でニーズヘッグに触れられるのが嬉しいかと言われれば当然答えは否だ。
俺の愛機として共に幾度となく戦場を駆け抜けてきた機体だ。色々と思い入れもあるし……
「何より、うちの技術班が俺の為に作った機体だ。お前達如きが触れていいようなものじゃないんだよ!」
オルタネイティヴ5派やG弾信者が必死に作ったG弾搭載型ミサイルに触れた状態で何を言っているのかと言われれば確かにそうだが。
影槍の尖った先端が進行方向に現れたのを見た軍人はそれ以上進む事が出来なくなる。
まぁ、影精を練り込まれた影槍は、意識を吸い込むような艶やかな黒さを持つ。
そんな黒い影精で作られた槍……というか、先端が鋭利に尖っているのが顔面の前に幾つも姿を現せば、それは目を奪われるだろう。
「……さて、動きを止めたところで、そろそろこっちの用件も済ませて貰おうか」
「用件、だと?」
中将の言葉に頷き、未だに触れたままのミサイルへと視線を向け……
「収納」
短く一言だけ呟く。
だがその一言がもたらした効果は絶大と言ってもいい。
何しろ、一瞬前まで目の前にあったミサイルが綺麗さっぱりと消えてしまったのだから。
それこそ、今まで見ていたのが夢だったのではないか。そんな風に綺麗に消え去ったミサイルに、中将だけではなく影槍で動きを止められていた軍人達もまた唖然とする。
いやまぁ、確かにこれは驚いても当然だろう。
もっとも、所詮はミサイル。ジェネシスのような超巨大建造物が綺麗さっぱり消えたとかよりは大分驚きは少ないだろうが……
それでも現在俺の目の前にいる中将達は、何が起こったのか理解出来ないままに周囲へとキョロキョロ視線を巡らせる。
そして……
「ミサイル……ミサイルをどこにやった!」
最終的には、ミサイルが消える寸前まで触れていた俺に詰問が飛ぶ。
「さて、どこに行ったんだろうな。予想だけど、G弾が何らかの動作不良を起こしてブラックホールでも作り出してそこに消えてしまったんじゃないか?」
「ふざけた事を言うな! 何がブラックホールだ!」
再び銃声。
「言え! ミサイルをどこにやった! あのミサイルはお前達のようなこの世界の異分子が触っていいものではないんだぞ!」
「さて、どこに行ったんだろうな。まぁ、恐らくは今頃どことも知れない場所に存在しているんだろうが」
空間倉庫の中に存在している以上、どことも知れない場所ってのは決して間違いではない……だろう。あの空間倉庫の中身が実際はどうなっているのかなんて、使っている俺だって理解出来ていないのだから。
「とにかく、お前達が頼りにしていたミサイルはもうない。他の艦も殆どが降伏している。こうなったら、お前達に何か出来る事があると思うか? 大人しく降伏する事をお勧めするがな」
パチンッと指を鳴らして、影槍を消滅させながら告げる。
正直な気持ちを言わせて貰えば、この中将達はここで始末してしまうのが手っ取り早いんだろう。だが、この中将がG弾を装備した別働隊の最高責任者の立場にいるのは間違いない以上、こっちとしても迂闊に始末する訳にはいかない。
大人しく捕虜になって貰って、今回の件の責任をきちんととって貰わないとな。
責任者ってのは、責任を取るためにいる訳だし。
「ふ、ふ、ふ、ふざけるなぁっ!」
だが、生憎と俺の降伏勧告に素直に応じるつもりはないらしい。
再び構えた拳銃の銃口を向けてくる。
ただし、先程と違うのは今回は足下ではなく俺へと向けられている事だ。
別にここで撃たれても俺に全く被害はないんだが。……G弾入りのミサイルがあれば、いざという時の誤作動が心配だったかもしれないが、そのミサイルも既にここには存在せずに空間倉庫の中だ。
ニーズヘッグにしても、俺がコックピットにいないからバリアの類は発生していない――発生していればそもそもコックピットに戻れない――が、機体が起動している以上既にPS装甲が組み込まれているT-LINKフレームは機能を発揮している。
ビームとかならともかく、物理攻撃の銃弾一発程度では傷一つ付かないだろう。
「ほら、行くぞ? お前達が誰を敵に回したのか、その身を以て教えてやるよ!」
その言葉と共に、目に魔力を通して鬼眼を発動する。
正直、混沌精霊としての姿を見せてやればそれで事足りそうな感じもするが、今は少しでも鬼眼に慣れておきたいという気持ちもあるからな。
「がっ!」
「え?」
「な!?」
鬼眼の効果が発揮したのだろう。中将を含めてそれぞれが自分に何が起きたのか理解出来ないように声を上げる。
……まぁ、ネギま世界や門世界みたいにファンタジーがあったり、ギアスみたいに目に能力が宿ったりする世界ならともかく、このマブラヴ世界にファンタジー的な要素は存在しない。……BETAがファンタジー的な存在と言えるかもしれないが。G元素とか。
そうである以上、まさか見られただけで自分達に何か異常が起きるというのは完全に予想外の結果だった。
「う、うわぁあああああっ、お前、お前がぁ! エミリーの仇ぃっk!」
叫びながら軍人の一人が仲間の軍人に向けて銃口を向ける。
銃口を向けられた方の軍人は、麻痺になっているのだろう。仲間に銃口を向けられながらも一切身動き出来ない為、目に恐怖の光を宿す。
っと、混乱か。中将以外はオルタネイティヴ5派なんだろうし、正直どうでもいいんだけど……ま、情報源は少しでもあった方がいいか。
瞬動を利用し、鬼眼で混乱している軍人の背後へ移動すると、首筋へと手刀を振り下ろして意識を絶つ。
他に周囲に危険を及ぼすような奴は……いないな。
毒だったり麻痺だったり、眠っていたりする奴はいるし、身体中に妙な斑点が出ているのは……何だ? 何かの病気だったりするのか? まぁ、今までの経験から言えば、ある程度の時間が経つと状態異常は自然と解除されるからな。
特に今回はそれ程魔力を込めた訳ではないから、その時間もそれ程掛からない……筈。
「ま、生身で俺の前に出てしまった時点で終わりって事だ」
それぞれに殆ど身動き出来ないでいる中将達に視線を向け、小さく肩を竦める。
毒とかは身動きしてもおかしくはないが、身体を襲う毒に対抗出来ないのか、身動き出来ないでいる。
取りあえず見ただけで即死するというのがないから、こういう時には便利な能力だな。
もっとも、混乱になった男のように予想外の行動に出る奴がいたりもするから、多少の注意は必要だけど。
うーん、やっぱり狙った状態異常を与える事が出来ればいいんだけど。こればっかりはどうやっても出来ない。
流す魔力を意図的に変更させたり、強く念じてみたりとかしても相変わらずランダムだ。
ともあれ、こっちは何とかなった。G弾入りのミサイルも確保したし……残るのは緩衝地帯付近に集まっていたオルタネイティヴ5派やG弾信者の方と上か。
上はシロガネがいるし、メギロートとかもいるから大丈夫だとは思うけど、一応確認しておいた方がいいな。
床の上で寝転がり、身動きが出来なくなっている中将達を一瞥し、面倒臭いと思いながらも空間倉庫から取り出したローブでその場にいる者達を縛り上げていく。
中将が思い切り睨み付けてくるが、身動き出来ない状態だとどうしようもないだろ。
「悪いが、お前達の……オルタネイティヴ5派の企みはここで終わる。史上最も卑劣な存在として歴史に名前が残るだろうな」
呟き、それ以上は中将の表情すら見ずにニーズヘッグへと戻っていく。
こいつらを確保しておく為に、量産型Wを呼ぶ必要があるしな。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:370
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
???
撃墜数:1183
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