moon light fantasy
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魔術師アリスとの出会い
前書き
ヒロインらしきもの登場回です。
「…?」
さてグールの団体様を超えてみると。生きている少女がいた。
15歳くらいだろうか…?その少女は目の前にあるガレキのバリケードを見ていた。魔眼の影響は…受けていない様だな。
「ん?貴方は…。」
「…。」
「冒険者…ですか?ここは危ないですよ?」
危ないのはどっちだ、と言いかけた言葉を飲み込んだ。
その少女の装いは烏帽子にローブと言う魔女の格好をしていた。髪は白い。まるで新雪の様に。そして顔立ちは無表情…クールな印象を受けた。そして気付いた。
こいつ…。魔術師か。
格好だけはちゃんとしている。そんな中。魔術師は俺に忠告をしてきた。
「見た所剣士の様ですが…。剣も無しにここは危険です。早々に立ち去りなさい。」
「あんたこそ帰れ。」
「は?」
魔術師はポカンと俺を見てきたので鼻で笑う。
「聞こえないのか?さっさとあんたこそ帰れって言ったんだ。見た所こんなバリケードを越えられない魔術師こそ邪魔だ。」
「な…!」
俺は黙って『夢幻剣』を取り出す。月の光の様な輝きを放つその剣で。
「…月華流『月光』。」
バリケードに向かって横薙ぎに一閃。すると剣先から衝撃波が生み出されバリケードは大きな音を立てて吹き飛んだ。
それを見て魔術師は慌てて。
「何やってるんですか⁉︎今の音でグールやモンスターがやって来たらどうするんですか!」
「あんな雑魚は切り刻む。それだけだ。」
俺の答えに魔術師はポカンとした。
「…貴方は一体…?」
「俺か?俺は…。」
…。
…いやあの名前は捨てたんだ。
本名を言いそうになったがそれを飲み込んでこの世界の名前を言った。
「俺の名前はフォルツ・レープリカ。
…冒険者だ。」
「…?フォルツ・レープリカ…何処かで聞いた事がある様な…?
じゃなくて。」
魔術師は無い胸に手を当てて。
「名乗られたなら名乗りましょう。
私はアリス。アリス・スタライズです。
やはり貴方も炎帝に囚われた人の救出に?」
「俺は炎帝に用がある。そんな弱い奴なんて関係ない。」
俺はバッサリとそう言って切り捨てる。すると魔術師は。
「な⁉︎」
「まー!まー!落ち着きましょう?お嬢様?」
すると待っていたかの様に俺の前に黒い光玉が出た思うとその黒い光球からニナが飛び出してきた。それを見てアリスはげげんそうな顔をしてニナを見た。
「これは…使い魔ですか?」
「あったりー!フォルツの使い魔のニナだよ!以後お見知りおきをっと。
さてアリスさんが言いたい事があるのは山々だと思うんだけどここは黙っておいてくれないかな?
ここで言い争うよりも僕達を利用した方がいいと思うよ?」
「利用…?」
「アリスさんは僕達の邪魔をしない。そのかわりに僕達はこの前庭及びシャトーにいるモンスター類は一手に引き受けよう。」
「…。」
ニナの提案にアリスは少し考える。俺は慌ててニナの言葉を遮ろうとする。
「ニナ。何を勝手に…!」
「まあまあ、アリスさんと別々に行ってアリスの後になったら侵入者にたいしての警備は上がると思うよ?だったら共闘という事の方が良いんじゃないかな?」
「…お前…。」
「悪いんですけど…。お断りします。」
するとアリスはペコッと謝ってきた。それは一応断って置く。様な雰囲気を出していた。
「貴方といると戦闘が多くなりそうですし…。炎帝も強いとの噂です。
…ただ貴方が勝手に暴れて警備が緩くなればしめたものですね。では失礼します。」
そう言ってアリスはクルッと前を向くとさっさと行ってしまった。それを見てニナがニタニタと笑う。
「フラれたね。」
「誘ったのはお前だろ?」
俺はため息を一つ吐くと。炎帝の館がある方へと前を向く。
「まあ…この先の敵も薙ぎ倒すだけだ。」
「その事なんだけどフォルツ。」
ニナは僕の肩に座ると自分の頭を掻きながら忠告する様に。
「この先も進むのはいいんだけど炎帝はあいつじゃない。だけど僕達の知ってる人かな?」
「…どういう事だ?」
ニナは俺の反応を見てクスクスと笑う。
「いやはや。僕は炎帝と言えばあの人が思い浮かぶけどね。
でもやってる事がポリシーに合わないし、違うか…」
「どうでもいい。」
俺はニナの呟きを遮る様に止めて少しだけ考える。
炎帝…。そう言えば遠い昔に会った。まだ仲間と共に笑いながら生きていた時だ。
確かにあの時は違う名前を名乗っていたが…。
するとニナは。
「関係無いか。今の僕達には。」
そうだ。関係無い。例え昔の知り合いだろうが仲間だろうが。
「敵ならば容赦はしない。」
後書き
アリスさんはジト目のクーデレみたいな感じで。
…そんなキャラ好きだな。僕。
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