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ランス ~another story~

作者:じーくw
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第2章 反逆の少女たち
  第20話 悪魔の悲鳴

          
                    
~迷宮≪地獄の口≫鏡の間~



 ランスは、ニヤニヤとその妖艶な光景を眺めていた。涎が止まらず……自分も混ざりたいと膝を揺すりながら見る。

「ぬぬぬ……(我慢だ我慢。女同士じゃないとレズにならんからな)」

 ランスは必至に我慢を続けていた。他の魔女たちとHする為に我慢が出来るのだ!Hの為ならどんな努力も惜しまないのがランスである。

 そして、その妖艶な光景とは……。

「あ、ぁ……んん!」
「ほら……、イって良いんだぜ? マリア」
「ゃっ……あ、あうっ……」

 マリアとミリが絶賛レズ中なのだ。
 巧みにミリはマリアを押倒すと、服を脱がし、自分の服も脱ぎ去り、マリアを責めていたのだ。細かな説明は省く。

「も、もう良いでしょ……ぁん!」
「まだ見たいだな……、ワープ装置が解放されてないからな。ほら……こんなになってるぜ? 気持ち良いんだろ……?」
「や、やぁ……」

 十分ここまででその行為になっているのに、中々解放されないのだ。

「がはは! マリアがイかなければ、どうやら 解放されないみたいだな??」
「んな……っ、なんで、わたし……」

 マリアは、紅潮させた顔を左右に振りながら悶える。

「それなら、大丈夫さ。もう、後少し、だろ?」

 ミリは、涙目になってるマリアの頬をペロリと舐めあげた。そして、ラストスパートをミリはかける。

「ふふ……可愛いぜ、マリア……イきな」
「あっ、あん……!!ああ―――っ……!!」

 マリアの叫び声が部屋内に響き渡った……。そして、もう1つの声も。


『ぴんぽんぱんぽーん♪第四のワープ装置が解除されました』


 それもこれも、マリアと言う偉大な少女の活躍のおかげなのだ。心より、彼女に敬意を払いましょう。そして良く頑張ったで賞を。

「いらないわよーーーーーーっっ!!馬鹿ぁぁぁぁぁぁ!!!」

 もう一度、マリアの叫び声が響き渡ったのだった。

 そして、今度こそ鏡を叩き割ろうとしたのだが、ランスに止められてしまい、無念を晴らす事が出来なかった、と言うのは余談である。


 そして、更に数分後。


「ぅぅ……、もう、お嫁に行けない。あんな、あんな……」
「ほらほら、あんまし気にすんなよ。野良わんわんにでも噛まれたと思って」
「噛んだ張本人が言わないでよ! ぁ~ん! 他のみんなには言わないで~~!」

 マリアは、必至に懇願をしていた。
 ランスはまたまたニヤニヤしてて、それをダシにまたエロい事をしようと考えてるようだ。ランスの顔を見ただけで何を考えているのか、大体判る。そんな時。

「皆、とりあえず無事……じゃないな。ご苦労様マリア」

 鏡の間を開けて入ってきたのはユーリだった。

「ぅぅ……、良かった。ユーリさんが来る前に終わってて……」

 マリアはせめてもの救いだとほっとしていた。だが、怪しんでいるのはミリとランスだった。

「と言うか、時間がかかりすぎじゃないか? オレとしてはユーリが来るのを待っていたんだがな?」
「ちょっ! なんでよ!!」
「がははは! 貴様の事だ。ちゃっかりこっそり見てたのでは無いのか!? ホモで無いのなら、むっつりすけべぇと言うヤツか? がははは!」
「……はぁ、んなわけあるか」
「ゆ、ユーリさぁん……」

 何故か、マリアが涙目でこっちを見ている?ワナワナと体を震わせながら。

「うぅ……、ユーリさん、ユーリさんだけは 味方だって思ってたのに……」
「だから、何でだって! ……何か物凄い既視感があるな」

 ユーリは、前にもこんなのがあったなぁ……と、何処か遠い目をしつつ、マリアを必至に宥めていた。






~リーザス・カスタム間 街道~


 それはとある街道で、3人組が高速うしバスに乗りカスタムを目指していた。

「ダーリン♪ ダぁ~リン♪」

 身体を揺らせながら何度も何度も呟くのはリアだ。ランスに会う為に手土産を持参し、カスタムの町を目指していたのだ。

「ふふ……ん? どうしました?かなみ」
「い、いえ……」

 マリスは、リアの事を微笑ましそうに見ていたが、視界の中にいたかなみが、やや身体を震わせていた事に気づき聞いていた。かなみは、軽く肩を触る。

「ちょっと、嫌な感じがしたので……」

 かなみは、そう言っていたが、とりあえず 笑顔で答えていた。以前のよりは遥かにマシなのだ。

「……メナドの時に感じたのよりは、全然マシだけど……一体なんなんだろ」

 かなみはこめかみに、人差し指を当てつつ考える。考えている人物は勿論、あの人の事。以前の悪寒は、全身の毛穴から汗が噴出しかねない程の不快感もあって、想いが根底から否定された気分。
 でも、今は……なんだか、自分の事をもっと見て欲しい、とか、何故か想っちゃって。くのいちの女の技術の本も見てみようかな?とか想っちゃって……顔が更に赤くなってしまう。

「……カスタムに行ってみればわかることじゃないですか? かなみ」
「っっ!! ええ、マリス様 ど、どうして私が考えてる事が??」
「頭の中で考えてたつもりだったみたいですけど、ずっと口に出してましたよ?」
「ええええ!! ……ぁうう。あうっ……」

 かなみは顔を赤らめて、座席の下へと沈んでいった……。どこから、口に出していたのか。恥かしくて聞くことも出来ない……。

「えへへ……、ダーリン。私の事きっとお嫁さんにしてくれるよね~♪ この手土産持って言ったら♪」

 リアはずっと、ランスの事ばかりで、かなみ達の事は頭に入っていないようだった。マリスは再びリアの方を向いて笑顔になる。

「かなみ。妄想も結構ですが、リア様の護衛もよろしく頼みましたよ?」
「あぅぅ……/// も、もちろんです!」
「ふふ、最近の貴女は、凄く頑張ってるんですからね。頼りにしてます」

 マリスはそう言っていた。
 かなみは、あの事件以来 隠密の仕事の他、自身の能力向上に努め、自分を磨き上げてきているのだ。もう、戦闘力だけではリーザス副将クラスともなんら遜色が無いほどに。隠密をしつつ、それだけの力量をつけているのだから、本当に大したものなのだ。

「……ランス様もユーリ様も、我が国リーザスに根を下ろしていただけたら……どれだけ安泰でしょうか」

 マリスはそうも思っていた。

 今日も快晴。

 リーザス組ご一行は、着々とカスタムの町へと近づいていっていた。







~カスタムの町 情報屋~


 コンピュータを弾きつつ、様々な情報を集めては纏める作業を繰り返している真知子。この町にユーリが着てくれた事。それだけでも、何処か嬉しく仕事がどんどん捗っているのも判る。それに……。

「ふふ、良い虫の知らせって言うのかしらね」

 茶柱が立っているお茶を見て微笑む真知子。

「これを気に、ユーリさんと更に近づけたら……なーんてね。でも、私は4,5番目でも良いけどね、……私も愛してくれるなら、ね」

 とんでもない事を口走っている真知子さん。ユーリは、そんな事知る由も無い。以前彼に助けられた時、もう、心の奥まで、ずきゅん♪と来たようだ。

「わぁ、真知子さん! 私もだからねっ! ユーリさんと結ばれるのは!」

 丁度その頃……、リーザスの情報屋である優希もここに来ていた。色々と共有する為に。そんな時に、真知子の話を聞いていたのだ。

「ふふ、皆仲良くしましょうよ?」
「うぅ……で、でも! みんな、みんな、ユーリさんの事そう言う目で見てないんじゃ?だって、どーがんどーがん言ってるのに」
「そこまで直接に言ってないでしょ? お顔と年齢が一致しない事に驚いている事は私もよくみていたけど。それに……」

 真知子は、カードを数枚取り出す。占いの知識も持ち合わせている彼女だ。その手段は、カードを使った物。勿論、それは優希も知っていて、コンピュータを使っている今は、息を潜めていたが、妹の今日子共々、腕は確かで……。

「ユーリさんは、……というより、私達にとっての悪い結果ですね。女難の相が色濃く出てるみたいです。……想う人、現れるでしょう。それも複数一気に」
「わーーんっ!」

 優希は、ぶんぶんと頭上あたりで手を振っていた。どうやら、真知子の言葉を聞いて、女の子をはべらかすユーリの姿を想像してしまったようだ。だから、その想像を打ち消すように……そうしていたのだ。

「逆ですよ逆」
「ふぇ?」
「女の子達が擦り寄っても……、躱されそうじゃない? 私達も含めて」
「あーんっ、それもやだぁ!!」

 今日の情報屋はいつも以上に賑やかだった。今日子だけが、不幸を背負っているようだった。











~カスタムの町 教会~



 ここは、カスタムの町の教会。
 崇めているのは女神ALICE。つまりはAL教。だが、お分かりの通り。

「ぁん! あんっ!! いいわ、良いわよ! ダ・ゲイル!!」
「んだ。もっともっと突くべ! ロゼ様」

 白昼堂々と、教会の中で淫行を行ってるシスターがここにいる……。彼女の名はロゼ・カド。AL教の鬼才と呼ばれるかもしれないシスターであり、今はただの淫乱シスター。
 そして、その行為は合計で2時間以上にも及ぶ。

「ふぅ……今日もお疲れ。また明日。明日は晩にでも呼ぶからヨロシクね~」
「わかりましただ」

 ロゼがそう言うと、ダ・ゲイルは煙の様に姿を消していた。
 軽く一服をしつつ、食い込んだ下着を元に戻しつつ、再びローブを羽織っていた。

「ふぅ……、それにしてもユーリがここにいるらしいのに、会えないのは何でかな? かな?」

 ロゼはわざとらしく、祭られているALICE像を目の前にして拝んでいた。

「久しぶりに、色々と話したいんだけど……、あのコったら、絶対にあの時の事、トラウマに思ってるわよね?」

 ロゼが言うあの時とは、嘗て、ユーリが言っていた『童貞ならぬ童顔卒業!』と言っていた時の事だ。

「ふふ、あの時は興奮したからなんだけどね~。なんせ、エンロンのきったない顔面にドロ塗ってくれたし? いやぁ、あんなにスカッとした事は無いわね。まさにダ・ゲイル以上!」

 ロゼはケラケラと笑っていた。そして、ユーリの素顔をその時に見て一杯誘ったのだ。

「う~ん まだ経験まだだって、決め付けて筆下ろししてあげよーとか言ったのが不味かったのかな? 顔は悪くないんだよね。悪魔以外でそう思った人間は久しぶり。ま、ランスは別にしてもさ?」

 ロゼはそう続ける。
 どうやら、神に語りかけるように……話をしているようだが、何にも信仰心ない上に内容が酷すぎる。 

「まだまだ、楽しめそうじゃない。アイツがいるだけで、色々と楽しめそうだから。ま、そこまで深く関わらず、離れすぎずって言うのが一番だね」

 ロゼは教会の奥へと消えていった。いくら彼女でも、今後の未来を読む事は出来ない。今後の未来で、更に深く、深く彼らと共に関わっていくという事を、彼女はこの時わからなかった。そこは光り輝く部屋。

 ……根源は同じと言う自身の考えが間違っていなかったと言う事実を知った彼女。

 場所は変わり、AL教本部。決して、深く関わらないとしていた筈なのにその場所で、鬼才と呼ばれるその実力を惜しむことなく、使おうとする彼女がそこにいたのだった。










~迷宮≪地獄の口≫ピラミッド迷宮~



 迷宮組の4人は、と言うか、ユーリはとりあえず、マリアを宥める事に何とか成功していた。
 そもそも、嘘を言っているつもりは毛頭無いし、それにあの場所になぜいたのかも事細かく説明をしたのだ。随分と疲れたのは言うまでも無い。

 そんな疲れている場面で。

「おほほほほ おほほおほ!」

 突然、へんなヤツに出くわしたのだ。
 ソイツはどう見ても人間じゃなく……、いわば化け猫?の様な姿だ。奇怪な姿の上に、《QUIZ》と大きく書いたプラカードを手に持っている。

「まろは恐れ多くもかの有名なキング・ドラゴンでおらしゃるぞ! 略してK・D。ここを通りたくば、まろのクイズに答えたもれ!」
「は……? なんだお前は」

 流石のランスも突然の事に驚きを隠せないようだ。

「………」

 ユーリも、言葉が出なかった。突然現れたから、驚いている。といった類ではなく、本当に、出ない。言葉が出ないのだ。

「どきな! オレにはしなきゃならない事がある! 邪魔だよ!」

 ミリは強気で前に出て行くが、通せんぼをし続けるのはK・Dだ。

「まろのだすクイズに答えてくだしゃりぬと通すわけには行きませぬ」
「生意気なヤツだ。オレ様に無礼な口を開いた事を死んで詫びるがいい」

 ランスが驚いたのは勿論一瞬であり、次の瞬間にはいつものランスに戻っていた。我が道突き進む。邪魔するならぶっころーーす!と言う彼に。ランスは、剣を引き抜いて、そのままその猫をばっさりと斬りつけた。

「そ……そんな、そんな……、まろの……まろを……」
「えーい、うるさい!」

 何度も何度も斬りつけ、突き刺し、蹴飛ばす。

「さて、通れるぞ? 行こうか」

 さすがのミリもその姿を見て少しだけ引いていた。……少しだけ、というのが凄い気がする。 

「お前、やることがえぐいな」

 突き刺しまくった猫を哀れみつつ先へと歩を進めた。

 その時だ。


“きぃぃぃぃぃ……”


 再び、時が止まった。

「(んが!! これは……またか!!)」

 ランスも意識も意識があるようだ。だが、先頭に立っていて前しか見てないから視線を変えれず誰も見る事は出来ない。

「(なん……だ?これは……、こんな感覚は初めてだ)」

 ミリも自身の身に起きたことが全く理解できずに、ただただ唖然とした。まるで、周囲の時が止まった。そうとしか形容できないからだ。
 燭台に灯っている火。先ほどまで揺らめいていた筈なのに、今は全く動いていない。

 そして、目の前の男、ランスも同じだ。

 彼が装備していたマントがはためいていた筈なのに、それが宙で止まっているのだ。

『……起きろ。……その程度で、死ぬ玉じゃないだろ』

 また、あの声が訊こえてきたのだ。ランスはイラついている様だが、まるで動く気配も無い。

「……ふはっ! まさか、まさかな。ここで御主と出会うか? クイズ以外にも まろに楽しみを増やすと申すか?」
『……そんなつもりは毛頭ないが、な』

 2人の男の会話だけが聞こえる。片方は知らない声、だが、もう片方はありえない声だった。

「(んが!! あの猫モドキめ!! 死んでなかったのか!!)」
「(そんなわけあるか……どんだけ刺したと思ってんだ? 生きてる筈ない……、これは白昼夢か?)」

 ミリとランスは、ただただ困惑していた。どうやら、ランスとミリは意思疎通が出来ている様だ。

『……と言う訳だ。声に出して言うのも色々と面倒が生まれるかもしれんのでな。……考えが判ったか?』
『勿論おじゃ。しかし、思い切った事を考えるおじゃね?……それが生むのは再来じゃぞ? あの悲劇の……』
『次は無い 起こり得ない……その為に悠久の時を過して来たんだからな。お前よりも』
『……まろはこれ以上何も言わん。御心に任せて突き進むがいいと思うでおじゃ』

「(おいコラ!! わけわからん事言う前に戻せ!! オレ様をもーどーせーーー!!!)」
「(……)」

 ランスはまだまだ、頭の中で暴れているが、ミリはただ、成り行きを見守っていた。話はさっぱり理解できないが、この場所から抜け出れないのだけは都合が悪い。ただ、早くに終われとだけ思っていたのだった。



「もーーどーーせーーーー!!!」
「わぁぁっ!! ど、どうしたって言うのよ! いきなり!!」

 ランスの突然の大声に驚いていたのはマリアだ。ランスは、以前にもこんな事があったな?と思っていたが、とりあえず今は頭に血が上っている?みたいで忘れていた。

「うがああ!! オレ様を固めていたのは誰だ! お前か!」
「……なんだってんだよ、とりあえず落ち着け」
「そうよ……ほんとに訳わからないわね」
「何をーー! マリア、さっきまで、ヒィヒィ言ってた癖に」
「きゃ、きゃああああ!! 思い出させないでよ!!!」
「……ま、オレは楽しめたがな? 良い思い出の一ページだ」
「そんなの、即刻 削除してよ!!」

 一行はこんな感じでうるさかったが、ランスも粗方、マリアを弄くってて、満足したのか、落ち着いたみたいでこの場を後にした。





――これは歴史上で、最も重要な邂逅の1つと言えるもの――




 先ほど、ランスが切り刻んだ猫もどき。あの程度で死ぬことは無い。人間が殺せるような生易しい存在ではないのだ。

《キング・ドラゴン=K・D》

 嘗て、ドラゴン族を総べる強大なドラゴン王であった存在。


 種族はルビードラゴン。名を≪マギーホア≫


 唯一この世界で統一国家を建国した王である。その彼が何故このような姿をしているのか、何故戦う事を止めたのか。それを知る者は少ない。

 そして、響き渡る謎の声。かの声の目的を知る時こそがこの物語が終焉を迎えるときだろう。

 ……多分それはきっときっと、遠い遠い未来(さき)でのお話。




 そして、あの猫モドキが通せんぼをしていた先の部屋にて

「と言うか、行き止まりではいなか!!」

 ランスが憤慨していた。通さないと、しているのなら何かあるだろうと踏んでいたのだが……。

「まぁ 見事に行き止まりだな。だが、他にも道は多数あった。戻ろう」
「そうだな。さっさとミルの所に行かないと」
「ええ」

 ミリとマリアは、ユーリに従うようだが、ランスはまだ怒りが収まらない様子だ。さっきの猫もそうだが、また 動きを止められてしまった?事にもイラつきがある様だ。

「むかむかー……む? これは?」

 この部屋の中央に何かがはられていたのだ。

「はぁ、どうしたのよランス。……ん? お札?」

 マリアもそれに気がついた。
 床に、いかにも≪私は重要なアイテムよ≫≪さぁ拾って、拾って!≫と訴えているかのようにお札が落ちているのだ。

「何かタロットカードの様な札だな」

 ランスは、迷わずその札を手に取っていた。ミリも覗き込むようにその札を見る。

「絵柄的に、悪魔の降臨か、何かに使うんじゃないか?」
「ふ~む。ま、折角だ。ここについて何もありませんでした! じゃ、オレ様には相応しくない! これを貰ってくぞ? がはは」

 その理屈はいまいちよくわからいけれど。

「とりあえず、ランスの機嫌が良くなったのだけは良かったな。早めに進めそうだ」
「そうね……。札自体は不吉だけど、ここは悪魔に感謝感謝」

 マリアも同感の様で、ランスのあとに続く。そして、部屋を出ようとした時だ。目の前に突然モクモクと煙が立ち昇った。それとほぼ同時に部屋を強力な邪気が包み込む。

「なんだ?」
「!!」

 その気配を感じた瞬間、弾かれたようにユーリとミリが剣を構えた。

 ミリは引き抜き、ユーリは、柄を握り締める。完全に臨戦態勢に入った。

 その邪気の先にいたのは1人の女性。緑色の髪の美しい女性。

 だが、明らかに人間ではない。頭に角が生えており、背中には羽もある。

「(この姿は……)」

 ユーリが考察をしていた時、その女性が深々と頭を下げながら口を開いた。

「はじめまして、悪魔のお札により、私を呼びだしたのは貴方ですね」
「あ……あくま……」

 マリアはその姿の正体を悟り、身体を震わせていた。悪魔を見る事など、初めての事だったのだから。世間的には神の敵。即ち人間の崇める神の敵なのだから本能的に恐怖していたようだ。

「ほほう、悪魔か。噂には聞いていたが」
「っ! ランス、やめたほうがいいわ!それに、私たち……呼び出しの儀式なんてしてないわ……」
「そこの戦士の方がこの場所にお札を持って現れました。それが私を呼び出す方法です」
「がはは! そのくらい、オレ様はお見通しだったのだ! 明らかに妖しいものだったからな!」
「なら考え無しに、お札を 剥がさないでよ!」

 腕を組み胸を張って言うランス。
 数分前の姿をここに映像化して映してやりたい……と思ってしまうのはユーリだけじゃないだろう。だが、それどころでは無さそうだ。事、悪魔にも様々な者がいるが、そのすべてが神々と対を成す存在。人間で言う魔人との関係の様なものだ。悪魔の世界には階級と言うものが存在し、その強さは人間を遥かに凌ぐ強さを持っている。状況から考えれば、危険なのだが。ユーリは悪魔と一度は合間見えてみたかったと言うのが本心でもあった。

「それで、その悪魔であるお前は何をしにここへ?」
「そうですね、では説明をさせて頂きます」

 悪魔の女は、軽く咳払いを一つし 自分を呼びだした時人間に何をするのかを説明する。
 
「私は、呼び出された方の願い事を3つだけ、叶えます。勿論、私の力の範囲内でしか願い事は叶えられません。それと注意事項もありまして、不老不死、そして願い事の永久化等は不可能です」
「話が美味すぎるね……、見返りはあるんだろ? 悪魔との取引なんだから」
「はい。それは勿論ございます。それは叶えた者の魂を頂きます。しかし、安心してください。魂は死後に引き取りに来ますので、今後の生活が変わる訳でも寿命が短くなったりするわけでもありません。ですので安心して願い事をおっしゃって下さい!」

 内容が内容……楽観視は出来ない筈なのだが、何処かの勧誘、キャッチセールスの謳い文句の為、まるで緊張感が無く感じてしまう。ミリの怪しんでいる様子の質問にも淀みなく答えている悪魔。
 確かに約束を違える様子は無さそうだ。話もかなり美味しい契約。

 だが、これは悪魔の契約。

 人間にとって、悪魔とは その名の通り、悪であり、簡単に信じていいものでもないのだ。

 隙が無い……と思っているミリとマリア。だが、この時の悪魔の女性は心の中でほっとしていたのだった。

「(ほっ……どうにか噛まずに言えた! 初仕事のわりには合格点だよ。きっと! さぁ がんばらないと……)」

 そう、この悪魔はこれが初契約、初仕事である為、事前に発声練習を繰り返していた為、言葉もスムーズに言えていたのだ。その事を聞けば親近感も沸いただろう。

「さぁ、どうですか?死後の世界なんて、今の貴方には関係有りませんし、それに死だって、何10年も先の話ですよ? ここは私と契約を結びません?」
「ふむ……、叶えられる範囲ならどんな願いでもいいんだな? さっき言っていたヤツ以外なら」
「ええ、勿論ですよ!」

 ランスはどうやら、受ける気満々のようだ。

「ちょっと! ランス、危ないよ!」
「確かにオレも危ないと思うぜ。悪魔だし、信用しすぎるなよ」
「……オレは全部ランスに任せる」

 3人の中でユーリだけが、何も言わずランスに任せた。
 その事に少なからず、思う所が2人にはあったが、それだけ信頼もしているのだろうと何処か納得も出来ている様子だった。……とりあえず、ランスが契約をするとなれば、第一にする事は想像が……と言うより確信が持てる。

「がはは、よし! 悪魔の娘 その契約に乗ったぞ!」
「はい。ありがとうございます。(きゃあああ!! やったぁぁ、ばんざーーい! これ、幸先良い!! これなら、5級……4級だって楽勝だよっっ!!)」

 平静を装いつつも、なんでだろうか?
 何処か、本当に親近感を持つ事が出来そうな娘だと思えてきていた。

「うむ。なら早速言うぞ?」
「はい! 私に叶えられる範囲であれば、何でも致します!」
「はは……」
「はい、確定」
「……はぁ」

 悪魔の言葉を聞いてミリとユーリは苦笑いをしつつも、哀れんでいる視線を向けていた。
 だが、本人がすると言う以上は……仕方ないことだろう。悪魔と言う仕事をすると言うことはそれだけの覚悟があると言う事だ。

 マリアも、この時ばかりは悪魔の娘に同情をする様子だった。

「うむ……なら最初の願いは……」
「……ゴクリっ」

 ランスが突然真剣な目つきになったのを見て悪魔も息を飲んでいた。

「あ、あれ……? ランス……ひょっとして何か……別の?」
「マリア、慌てるな慌てるな」
「ああ。いくら俺でもわかる」

 マリアは、ランスの目を見て自分の考えが違った?と思っていたが、ユーリとミリだけは騙されない。と言うか、何度もあったから、もうこれが通常だと思えていたのだ。

「ヤらせろ!」
「…………へ?」

 想定してなかったのだろう。
 悪魔の娘はさっきまでのセールストークではなく、素であろう声と、ぽかんとした顔で呆けていた。隣ではマリアが盛大にずっこけそうになり、ユーリがそれを支えた。

「ばかっ!! そんな事しか頭に無いの!!」
「こいつはそんな男だって、オレは思ったとおりだったがな」
「ま、ランスだしな。逆にこれ以外の願いを言ってたら、オレがこけてる」
「がははは! 悪魔とヤれる又とないチャンスだからな!」

 悪魔の娘は、今だに戻ってきてない様子だが……、ランスが目をキラリと光らせた。

「どうしたのだ? まさかこの願いは駄目だとか言うつもりはないだろうな? どう考えても、お前に出来る範囲だろう?」
「………はい。す、好きになさって下さい。ただ、……そんな願いをする人間がいる事なんて今までに聞いた事も無かったので……」
「つまりは初めて、処女と言う事だな!がははは!悪魔娘の初めての相手がオレ様か! さっそくゴー!」
「ぅえ!! こ、ここでですか!? せめて、他の人を別の場所へ……」

 ちらりとユーリやミリ、マリアの方を見る悪魔の娘。
 ……その目には哀愁が漂っており、どこか、助けを求めている様な感じがするが。ランスが許すはずもないだろう。

「ほ~ なんだ? 悪魔のくせに恥かしいのか? 人間相手に? がははは、情けない悪魔がいたもんだな?」
「むかっ!! そんな事ありません!! さぁ、どこからでもきてください! 逃げも隠れも致しません!!」

 そんな2人のやりとりを見てた3人。

「……何処か、可愛く見えてくるな? あの悪魔」
「まんまと挑発に乗っちゃって 男慣れしてる様子もないし、オレも可愛がってあげたいがね」
「……って、ミリ!!! 変なこと言わないでよ! 思い出しちゃうじゃない!!! ってか、そんなの言うくらいならとめなさいよ」

 ある意味、臨戦態勢に入る悪魔に呆れるユーリとミリ。マリアは止めようといってるが、ランスが止まらないのは周知の事実だし、面倒だ。何より、彼女が望んでした契約なのだから 他人が口を挟める事でもない。

「では、行くぞーーーとーーーー!!!」
「こ、こーーーいっ……!! あ、あう、あぅぅぅ!!!」

 ランスが飛び掛った時はまだ、強気だったが……、身体を押倒された辺りからは、もうすっかりその気配はなくなっていた。

「お、始まったな。あの様子じゃ、やっぱ慣れてないみたいだ。処女なら仕方ないか」
「ノーコメントだ。他人の行為を見て喜ぶ趣味もない」
「お? 自分なら良いのか?」
「………さぁ」
「何? 今の間は」

 マリアとユーリは壁の方を向いてランスたちの行為を見ずにいて、見てるのはミリだけだ。だからマリアは自然とユーリと話すのが多くなる。

「オレも男だって事だ。……が、節操なしでもない」
「……それが、普通なのよね? そうよね? アイツが異常なだけよね?」

 マリアは、確認をするように何度も何度も言ってくる。

「なんだ? 妬いてるのか? マリア?」

 ミリは ニヤニヤと笑いながらそう言う。
 マリアは、びくっ!!っと背筋を伸ばしつつ震わせた。忙しくユーリと話ているところを見てミリはそう思ったようだ。何かを誤魔化すように見えるのだから。

「何言ってるのよ! 私は女の子がランスに Hされてるとこなんて見たくないだけ!」
「がはは、マリアはヤキモチ妬きだな?」
「……アイツ、結構 地獄耳だな」

 ユーリはそう呟いていた。
 今正に、悪魔と絶賛H中なのに、マリアの言葉を聞いているのだから。

「ふぅ~ん、マリアってそうなのか」
「ま、オレは驚かないがな、こんな展開は初めてじゃない」
「そうなのか?」
「ふ、ふんっ! 違うんだから……」

 マリアの反応は、明らかに違う事はない。

「がはは、オレ様だからな! 当然だ! ヤラれる事は幸せなのだ!」
「ちょっと……、私と、その……シてる最中に普通に他の人と話さないでよ」

 そして、暫くして……しっかりと終わらせたランス。
 悪魔は、やはり慣れてない事もあったのか、ぐったりと床に突っ伏していた。

「……人間の癖に、人間の癖に」
「はは……トラウマにならなきゃいいが」
「南無南無……」

 ミリはトラウマを心配し、ユーリは手を合わせていた。悪魔を拝むのはおかしい事だが、そうしたかったようだ。悪魔の娘から、可哀想な娘へとシフトチェンジしたのだから。

「ほらほら、いい加減おきろ! まだ、3つも残っているのだぞ! 情けない悪魔だな!」
「ぐ……、負けるかぁ!」
「おお! 闘志と殺気が上手く混じってるぞ!」
「最初の面影がまるでないな」
「化けの皮が剥がれた……というより剥がされたな」

 さっきまでの外面がまるでなくなっているのを見てため息を吐く。素でいる方が、似合っているとさえ覚える程に親近感が沸く3人だった。

「さ、さぁ……! あ、後2っ……! なんでもっ」
「よし! ズバリ……」

 ランスが腕を組みつつ考える。

 そして、後ろでは次のランスの願いを予想していた。

「なんだと思う?」
「ん……、どうだろうな、オレの本命はシィルちゃんの救出。対抗で 他の美人悪魔を呼べ。穴で、大金、大穴でカスタムの町の問題解決かな?」
「ちょっ! なんでカスタムの町の救出が大穴なのよ!」
「ま、自分で出来るって思ってるからな。オレは勿論、アイツも」
「あ……」
「ひゅぅ~~ 言い切るなんて、強いな? 良い男じゃないか、ユーリも」

 マリアはその絶対的な自信を聞いて何処か安心し、ミリも決して虚勢じゃないと判ったのか、笑っていた。

「ん~俺は、大金を寄越せかな? おっ! ユーリも相当な冒険者だろ? 金も持ってそうだ。賭けないか? 青天井でどうだ?」
「ん。構わないが……どうなるだろうな。アイツはたまに読めないから」
「もう! さっきから、絶対遊んでるでしょ! 2人とも!! でも、私は普通にシィルちゃんだって思うな? ユーリさんの本命で」

 ちゃっかり、マリアも同じように遊びに参加してしまったようだ。とまあ次のランスの願いに皆が注目をしていた。

 だが、ある意味的中する事になる。

 それは、賭けであった内容じゃなく……、ユーリが言っていた言葉。『あいつはたまに読めない』と言う言葉だ。

「ズバリ、ヤらせろ! 第2ラウンドだ」
「………………………」

 場の空気が、いや 全てが固まった気がした。空気も冷えた気がする。

「……あ、これじゃどっちが悪魔かわかんないわよ!」
「さすがユーリだな……。ずばり当たったじゃないか。読めないと言う言葉が」
「賭けの対象じゃないだろ……。でもま、オレも言おうか、流石はランスだな」

 悪魔の心境は置いといて、皆が皆それぞれ感想を言っていた。そして、悪魔の……お嬢さんはと言うと……。まだ固まっている。言っている意味が判らない様子だった。

「あ、いや……」

 そして、だんだん動く事が出来る様になったか、と思えば次は身体を震わせていた。さっきの行為……とても痛くて、とても疲れるのだ。それを……またする、と言う事になって 悪寒を感じていた様だ。悪魔なのに。

「お、お願いです、別の、別の願い事に……「とーーっ!!」いやぁぁぁぁ!!!」

《悪魔の絶叫、ここに響き渡る》

 ……どこかに有りそうなキャッチフレーズが頭に過ぎっていた。

 そして、更に数十分後。

 第1ラウンドは手加減してたの? ってランスに聞きたくなるくらいの責めをランスはしていた。ランスは、2回目の方が、1回目よりも遥かに激しく、動かしていたのだ。悪魔のお嬢さんは、腰を手に当てつつゆっくりと身体を起こすとランスに問いかける。

「ぁぅ…… つ、次が……、本当の最後です、よく、考えて、安易な結論を……ださないように……お願いします!!!」

 目で、『もう次はやめて!!』と言わんばかりに言っているようだった。必要以上に念押しをしているのだから。その想いに対し、ランスは既に、3つ目の願いは決まっていたようで、2回目程時間はかけなかった。

「オレ様の魂をとる事と言う話を無かったことにしろ」
「…………え?」

 悪魔のお嬢さんは、三つ目がHじゃない事に一瞬安堵していたが……、冷静に内容を頭の中で再生を繰り返して、目を丸くさせていた。

「……優しいな、実はオレは最初にこれを持ってきて、気兼ねなく残りの2つを叶えさせるつもりかと想ってたが」
「それ、結局はどっちも酷いだろ……」
「……ランスが本当に悪魔に見える。魂とっても害にしかならないんじゃないかな……?」

 ユーリは最初に言っていた悪魔の言葉の中で魂の拒否を契約の中に入れていなかった時点でこの事を頭に浮かべていた。だが、それは最初か、もしくは2回目かと想っていたのだが、違ったようだ。

 ランスの異名は鬼畜戦士なのだから。

 ミリは、ユーリの言葉に結局はどっちも同じだと、苦言を呈していた。突然、絶望に落とされるのと、落とされた上で楽しむの。つまりどっちも性格が悪いのは判るという事だ。マリアはあまりの事に、例え悪魔に魂取られてしまったとしても、害があるんじゃないか?とまで想っていた。

「い、いえ! それは契約違反……の1つでして、願いを増やしたり不老不死の願いと同じで」
「オレ様は駄目とは聞いてないぞ? 最初の2つは聞いていたがな?」
「!!! あ、ああ!! い、言い忘れてた!?」
「がはは、完全にそっちの不手際だな? オレ様はなーんにも悪くないぞ? この願いを拒否するのは契約違反だろう?」
「あ、あう……、で、でも本当の契約は認められてないんです! な、なにとぞ……」
「はぁ……契約を違反するだけじゃなく、人間に願いを逆に乞うとはな、本当に悪魔なのか? お前は。あ~あ、情けない情けない」

 ランスの言葉のひとつひとつがクリティカルヒットだ。通常のダメージの倍は食らっていることだろう。

「(……オレが言われてるあの言葉のダメージくらいはありそうだな。マジで同情するよ……)」

 ユーリも何処か哀愁漂う様子で手を合わせていた。悪魔に手を合わせる。……ロゼと同じ位神を冒涜する行為だろう。

「あはは……私、今なら悪魔と仲良くできるかも……」
「不幸属性が強いな、あの悪魔。オレは同情するよ」

 ぷるぷる震えている悪魔を見て2人はそう答えていた。そして、最後にはガクリと肩と頭を落とした悪魔のお嬢さん。

「……わ、わかり、ました。受理を……いたし……ますぅぅ……」

 その頬には涙が伝り落ちていた……。泣きながらこの場から姿を消す悪魔。

「がはははは!! これぞ、頭脳の差と言うヤツだ! がははは!!」

 ランスの勝ち誇る笑い声が木霊したとき。消えた筈の悪魔が空間を破って再び顔を出した。

「うわぁぁぁぁぁん!!!! この悪魔ぁぁ!!! 二度と私の前に現れるなぁぁぁぁ!!!!」

 その捨て台詞を吐いて、再びこの場所から姿を消した。

「……あのコからこっちに来たんじゃなかったっけ?」
「まあ、札を取ったのはランスだが……、凄いな、悪魔! って悪魔が言うのか、人間に」
「凄いヤツだとは想ってたが、ここまでとはな……、歴代でもいないんじゃないか? こんな男」

 馬鹿な話をしている3人だったが、内心はそうでもないのがユーリだ。あまりに、可哀想属性を持っている悪魔の娘だったのだが、彼女の階級はまだ謎。つまり、実力は未知数なのだ。悪魔の逆鱗に触れたら、こちらが危なかった可能性も捨てきれない。

 ランスが恨みを買うのはいつもの事とは言え……、上手く会いたくも無い。と思わせるように追い返したランスに感謝をしていた。

「……だが、後々にも会いそうな気がする。あの悪魔と」

 ユーリはそうも思っていた。
 不幸属性、と言う言葉があったが、あの悪魔の全身から、色濃く出ていた気がしていたから。

 とりあえず、何事もないように、と再びユーリは悪魔が消えたほうに向かって両の手を合わせていた。

 この考え、予想は後に的中する事になる。



 その時、真の悪魔の叫びが響くのだった……。

 
 

 
後書き
〜人物紹介〜


□ K・D

クイズ好きの猫人間。本編でも紹介したが、K・Dとはキング・ドラゴンの略称であり、嘗て、ドラゴン族を総べる強大なドラゴン王であった存在。名を≪マギーホア≫
唯一この世界で統一国家を建国した王である。
その彼が何故このような姿をしているのか、何故戦う事を止めたのか。それを知る者は少ない。

謎の声とも面識があるようだが、如何に……




□ 悪魔の女の子(本名:????)

Lv-/-
技能 悪魔Lv2

ピラミッド迷宮で、札を取ったことによって姿を現した悪魔。額にクリスタルをつけている事から、元カラーの悪魔と思われる。
階級はまだ不明だが、基本的に悪魔にも社会が存在する為、今回の失態でどうなったのかは……神ならぬ悪魔のみぞ知るうちと言うヤツだろう。
ユーリが思わず手を合わせ、マリアが友達になれそう……と思わした程、可哀想な悪魔だったのである。


□ 色条優希(2)

Lv2/12
技能 情報魔法Lv1

リーザス城下町で情報屋を営んでいる少女だが、今回は真知子との情報共有・交換をする為、カスタムへと出張に来ていた。
その時に、真知子に言われた事を聞いてショックを隠せられない様子であり、何とかユーリにあたっくをしたいと思っているのだが……、流石に恥かしいのもある上、冒険者では無いので、危険な地帯に行く事事態無理だから、涙を飲んでいた。

だが、真知子の多妻制の話を聞いて……まんざらでは無い様子。
今後どうなるのか、成長も含めて楽しみな元気な少女である。


〜技能紹介〜

□ 悪魔

悪魔としての才能。人間やカラーから転生した者は、素質に左右されるものの、必ず身につく技能である。 
 
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