俺の名はシャルル・フェニックス
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燃える堕天使と不死鳥
「久しぶり、というべきか?」
気楽に、されど警戒しつつ話しかける。
その間に千冬はもう仕事は終わったとばかりに恋と誠菜がいる場所へと下がっていった。
「今日は騙されずに滅ぼしてやるっ!」
ぐっと両手を握ってふんす、と意気込む。
一々行動が子供っぽいんだよなぁ。
実年齢とか絶対俺より高いのに。
「はいはい。まぁ、今更降伏しろなんざ言わねぇ。
ただ、燃えろ。
緋き不死鳥の型」
緋き炎が俺の体から氾濫する。
それと同時に解放感で気分が高揚する。
炎で出来た翼が一層雄々しく猛々しくなる。
通常の状態でも勝てる自信はある、が、もう傲るのは止めたんだ。
殺るなら初っぱなから本気でいく。
それにこの状態だと燃やせるモノを限定できるからな。
廃教会を燃やさずに済むから、ある程度崩落の危険を気にしなくて済むのはありがたい。
「……け、ただ炎が強くなっただけじゃないか」
強がっているのか、若干声が強張ってると思う。
「まぁ、それは自分で感じてみろ」
左手を横に振って小さな炎弾を多数飛ばす。
堕天使は翼をはためかせ避ける。
まぁ、避けさせる為の牽制球みたいなものだしな。
「はい、一人目」
「な―――ぐわああ゙あ゙!」
炎弾に気を取られていた男の堕天使に接近し、頭を掴み燃やす。
火の塊となったモノを廃教会の壁に投げ捨て、飛んできた光の槍を炎弾で迎撃する。
「私が足止めするっ!
その内に人質に取れ!」
ロリ堕天使の命令で残りの奴等が入り口近くにいる恋達の所に向かう。
何とも三下じみたことを。
「やらせるわけねぇだろ」
俺へと光の槍を何本も放ちつつ、光の剣を片手に突貫してくるロリ堕天使。
右手で小さな炎弾を放ちロリ堕天使を牽制しつつ、左手で雀サイズの火の鳥を12程放つ。
火の鳥達はまるで生きてるかのように羽ばたきながら、3人の堕天使へと飛ぶ。
3人は光の槍で迎撃しようとするが、避けられ、命中。
「――――!!?」
声にならない悲鳴をあげながら、四肢が火の鳥の炎に包まれ燃やされる。
これであと一人。
「クソッ!このっ!」
炎弾の牽制を抜けてきたロリ堕天使が光の剣で斬りかかってくるが、俺も固体となった炎の剣で切り結ぶ。
千冬や白雪にしごかれ、二人ほどではないが、俺も剣を扱うことはできる。
あまり才能があるわけではないので多少だが。
なので、このままだと経験、技量の差で俺の方が不利で、現在押され気味だ。
「このままぁ――!」
突き出された剣を俺は炎を纏った拳で弾く。
そして火炎放射器の如く火を放射させて無理矢理下がらせ距離を空ける。
そして右手で小さな炎弾を撃ちつつ翼から火の鳥を多数、ロリ堕天使を包み込むように球を描きながら突撃させる。
「うらぁああああ!!」
光の槍を放ち炎弾を迎撃し、翼をはためかせ、火の鳥の包囲網を脱出しようとする。
けれど、脱出した先に俺が現れ、炎を纏った蹴りを喰らわせ、地面へと叩きつける。
「うがぁああッ!」
バキッ!という音と肉が燃える臭いがした。
常套手段ではあるが、火の鳥の包囲網の一ヶ所、上側を少しだけ、薄くしたのだ。
突破しやすいように。
炎という動物の本能的に恐れるものが一瞬で多量に自分へと向かってくる時、あまり正常な思考はできないからな。
引っ掛かってくれたようだ。
地面に打ち付けられたロリ堕天使、左腕で蹴りをガードしたらしく、左腕があらぬ方向に曲がり、焼けただれ、体全体が煤けて、火傷していた。
それでも俺は追撃する。
カラスくらいの大きさの火の鳥たちを飛ばし、狼に似た炎でできた獣たちを空中で走らせる。
波のように押し寄せる炎獣たちを避け、光の槍や剣で迎撃してはいるが、何分数は多いし、俺が作り続けてるため、数も時間とともに増えていく。
空からは火の鳥が、地面や低空から火の狼が襲いかかる。
次第にロリ堕天使は捌ききれなくなり、右足を火の狼み噛みつかれた。
「ぐううぅぅぅっ!!」
炎の牙が突き刺さり、内側から足を焼く。
狼の口が外側から足を焼く。
出血はしないが、内側と外側から焼かれる痛みは相当だ。
着地してることもあってそれが決定的な隙となり、火の鳥が2匹前後から体当たりを食らわす。
そして炎上。
炎に包まれながら、ロリ堕天使は地へと伏した。
俺は追撃はせず、炎獣たちを解除。
その瞬間――
「うお゙お゙お゙ぉぉぉぉぉぉ!!」
まだ全身を焼かれつつも、光の剣を右手に捨て身の突撃をしてきた。
だが、予想はしてた。
俺は体を少しずらして、突きをかわし、伸びきった腕を掴み、そのまま地面へと叩きつけた。
所謂一本背負いというやつだ。
「かはァッ!」
気を失い沈黙。
後は後片付けか。
後書き
読んでいただきありがとうございます!
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