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詩集「棘」

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黄昏て 恋は滞み



苦しみに喘いで日も暮れて
振り向けば焼け付く空

土手を歩けば赤く染まる
川岸にアカシアが群れていた…

小石を一つ蹴り上げて
明日が来なければ…なんて…
感情に任せて走りゆけば
愛しき手を取ることは出来る…?

黄昏て 恋は滞み
耳許で誰かが囁く
想い棄てれば楽になるよと…
陽は落ちて 夕月忍ぶ
会えぬ影はただ遠く
揺らいで…消えてくよ…


痛みに耐えて馴れてしまい
疲れ果てては眠るだけ

蝉の鳴き声が止んだ午後
操られたように探し出し…

宵待草を手折りゆき
過る影へと捧ぐ…
禍々しい朱 落ちる時刻(トキ)
諦めは出来ぬと知り…

黄昏て 恋は滞み
聞こえ得ぬ声で叫んでる
闇に堕ちても心が欲しい…
陽は掠れ 夕月笑い
癒えぬ傷口ただ深く
悩ましく…疼いてる…

川面の陰翳 誘われてるような…
赤と黒の手が…忍び寄る…

黄昏て 恋は滞み
耳許で誰かが囁く
想い棄てれば楽になるよと…
陽は落ちて 夕月忍ぶ
会えぬ影はただ遠く
揺らいで…消えてくよ…



 
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