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ソードアート・オンライン ~黒の剣士と神速の剣士~

作者: ツン
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SAO:アインクラッド
  第9話 カゲヤのスキル

第10層迷宮区
19階

俺は今、この階で《オロチ・エリートガード》と戦っていた。
この層で初めてモンスターが、刀スキルを使ってくる。
だがβテストの時にすでに戦っているからソードスキルの軌道や、発動のタイミングなどは全て頭に入っている。
するとオロチが刀から左手を離し、左の腰だめに構え、左手を刀身に添える。
所謂、居合の構えを取る。
途端刀が光ると1秒も経たないうちにソードスキルを放つ。
刀は視認不可能に近い速さで振るわれる。
だが、刀は空を斬っただけで俺には当たらなかった。
ソードスキルが発動する前に敵の右脇下に飛び込み背後に回っていたからだ。
オロチが使ったソードスキルは刀スキル単発技《辻風》だ。
《辻風》は発動時間が速く、刀の速度も速い。
だから発動を見てからでは対処が間に合わないのだ。
俺はオロチの無防備な背中に片手剣スキル単発技《スラント》を撃ち込む。
すでにオロチのHPは残り1割をきっていたから、攻撃を受けるとすぐにHPが0になりポリゴンの欠片となって舞い散った。

「よし。先に進むか」

剣を鞘へ納めると、先へ進んだ。



出会う敵を素早く屠りながら迷宮区の奥へ奥へと進む。
数十分経ってようやく最上階への階段を見つけた。

「よし。今日はボス部屋を見つけたら街に戻るか。

そう呟くと俺は階段を上った。


それから10分も経たずに俺はボス部屋の前の直線の通路に着いた。
ボス部屋の前まで来ると俺は立ち止まった。

「さて、どうするか……さしより、マッピングをしてない所をするか」

ウインドウを開いてマップを確認する。
だが俺はこの時、重大なミスをしていたことに気付いていなかった。
他のことに囚われ過ぎて、そのことに慣れすぎて忘れていたのだ。
ボス部屋の前にずっといると10層以上、上の強いモンスターが出現することに…


そしてマップを確認していた俺の後ろにモンスターがPOPした時にようやく自分の犯したミスに気がつく。

「くっ…俺としたこたが」

振り返りながらウインドウを閉じ、柄に手を走らせる。

ソード・リザードマン……武器は刀か。カーソルは赤と黒の間ぐらいか…が、まずはここから離れるか

俺は剣を抜かずにリザードマンに向かって走る。
リザードマンは俺が走ってくるのに気付くと居合の構えをとった。
俺はリザードマンの刀が光ると同時に地面を思いっきり蹴り、リザードマンの頭上を飛び越える。
着地するとそのまま真っ直ぐ進み、ボス部屋の前から離れる。
直線の通路の前まで行くと剣を抜き振り返る。
リザードマンは少し距離を置いて止まる。

こいつを野放しにしておくわけにもいかないし……一か八かやってみるか

俺とリザードマンは同時に地面を蹴り、お互いに向かってダッシュする。

よし。速度は俺の方が上だ。

リザードマンの右上からの斬り下ろしを剣の腹で受け流し、横腹を斬りながら背後に回る。
そして《スラント》を発動させ撃ち込もうとするが、その前にリザードマンが刀を振りながら振り返る。
慌てて後ろに飛びギリギリで避ける。
剣を構える前にリザードマンが攻撃してくる。
次々と繰り出してくる斬撃を避けたり、剣で受け流したりと後退しながら回避する。

「くそっ、2回掠っただけなのに2割も減るなんて」

毒づきながら敵の横に避けたり、剣で受け流したりと必死に回避する。

物は試しだ。あのスキルを使ってみるか

攻撃を剣で受け流しながら横に抜け後方へ全力でダッシュする。
結構距離をとると、ウインドウを出して操作する。

「よし。出来た。さて、《神速》スキルがどんなものか試してみるか」

リザードマンに向かってダッシュし手前で止まる。

「っ!?」

はずだったのにそのまま横を通り過ぎてしまった。
慌てて止まり振り返ると、結構距離が離れていた。

「力加減が難しいな……次は軽くやってみるか」

ぐっと腰を落とすと地面を蹴り、軽くダッシュする。
さっきよりは速度は遅いがそれでも難しい。
リザードマンの横にギリギリで止まることに成功すると、3回斬りつけて後方へ下がる。

流石ハイレベルモンスター、HPが少ししか減らないな…

そう思いながらもリザードマンに向かってダッシュし、横で止まって数回斬りつけて後方へ下がる。
間を置かずにまたダッシュすると、次は止まらず斬りつけながら後方へ抜ける。
それを5分繰り返しやっとHPを半分削れた。
だが、リザードマンは慣れてきたのか段々俺のスピードに追いついてきた。
そして俺が何度目かわからないダッシュして斬りつける行動にリザードマンは完璧に反応し、剣を捉え防いだ。
鍔迫り合いになり、俺は後方へ下がる。
もう一度、リザードマンに向かってダッシュし斬りつけるがまた防がれる。
俺が後方へ下がると今度はリザードマンが突っ込んでくる。
リザードマンは突っ込んでくるや否や、刀で攻撃する。
俺はそれを剣で弾くとリザードマンはさらにを攻撃してくる。
それを全て弾くと次はこっちが攻撃する。
だが、リザードマンは防御する様子を微塵も見せず次々と斬撃を繰り出す。
まるでお前の攻撃はきかん、とばかりに。
負けじとリザードマンの攻撃を防ぎながら攻撃する。
それからは剣戟の応酬だった。
迷宮区の20階に剣戟が絶え間なく鳴り響く。
微量ながらも着実にHPが減っていく。
リザードマンのHPは残り2割、対して俺は半分も残っている。

このまま振り切る!

俺は速度を限界まで上げ、さっきの倍の数の攻撃を繰り出す。
そのままガリガリとHPを削り0まで持っていく。
そしてリザードマンのHPが0になり爆散してポリゴンの欠片になると俺は地面に座り込んだ。
それと同時にファンファーレが鳴りレベルが上昇した。

「ふぅー、神速スキルは中々難しいな…」

神速スキル《2倍速》
今の段階ではこのスキルしか使えないが、結構エグい。
何故なら神速スキルはレベルアップ時にステータスアップポイントに関係なく自動で敏捷力を3アップさせるという効果がある。
普通より速いのに更に2倍の速さになるのはチートとしか言いようがないのだ。
ウインドウを開きステータスを確認すると案の定敏捷力が3上がっていた。
俺はため息をつきながらステータスアップポイントを全て筋力振るとウインドウを閉じる。

「なるべく人目につかないようにするか」

そう呟くと俺は街へ戻るため迷宮区を降りていった。




無事に街に着き転移門の前まで来ると後ろから声をかけられた。

「どうしたんダー?オイラを呼び出しテ」

見らずとも語尾に特徴的な鼻音が被さる声ですぐに誰だかわかった。

「マップデータを渡そうと思ってな」

俺はウインドウを開いてマップをオブジェクト化するとアルゴに投げ渡す。
アルゴはそれをキャッチすると手品のように消滅させてから言った。

「いつも悪いナ。カー坊。だがいいのカ?情報代ならいつでも…」

「いいよ。俺が好きでしていることだから。それにマップデータで商売する気はないからな。」

「ならいいんダガ」

「じゃあ、俺は宿に戻ってゆっくり休むとするよ」

「わかった。次の情報も期待してるゾ」

「あぁ」

そう言うと俺は近くの宿に向かって歩き始めた。





それから5日後に10層のボス戦があった。
死者が出ることもなく無事に倒し11層のアクティベートも無事終わった。

 
 

 
後書き
カゲヤ「いきなり出してきたな…」
作者「後々出そうと思ってたからね」
カゲヤ「チートだな」
作者「ほんと、後から読み返すとチートだなぁ、てよく思うよww」
カゲヤ「しかも、いきなり10層に飛んでるな」
作者「まぁね。そして次も飛ばすよ」
カゲヤ「まぁいいか。じゃあ、次回もよろしくな!」 
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