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魔法科高校の有能な劣等生

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一難去って、更に二難?

 
前書き
前回の続きです!
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魔法科高校新聞部部室(仮)
流石、超エリート高校 魔法科高校だ。
部室の設備は揃っているし、変な部活でも・・・結構な額の部費が出る。
正式な部活動と認定され、部室を与えられた。当初の部員達は尊敬に値する。
旧世代の遺物を現代に復興させる部活動。
それが『新聞部』だ、現在は(仮)だが。
「ふ〜む〜『問題児』を監視する謎の不審者ねぇ」
魔法科高校三年『ブルーム』草次郎 換田は眉を潜め、無月&黒観察レポートを見る。
一週間の間ずっと監視を続けた傘繭 麻花奈が纏め上げた資料の数々、努力の後が見られる素晴らしい報告書なのだが・・・結論が出ない。方針を決めたくても、定まった方針が決まらないからだ。
「『問題児』無月 零の変化を題材するのが当初の目的だったんだが、微妙な路線に変更しそうだな」
「『問題児』を監視している内に、別のネタが絡んじゃいまして。
私は一応両方監視してるんですが・・・」
困った表情をする麻花奈に、草次郎は。
「いや、麻花奈は良くやってくれてるよ。
一週間も監視させて本当に済まない」
明るい表情で、答える。
が、状況は最悪だ。新聞部部員一堂で特大なネタを探し回っているが、肝心な時は中々見つからない。
しかも、時期が時期だ。
「部長・・・その、九校戦の準備は、大丈夫ですか?
大変な時期なのに、無茶してませんか?」
新聞部部長 草次郎は九校戦に出場する生徒達のバックアップを務める係。
CADの調整。出場メンバーの体調管理。急な出来事に対応できる様に様々な時間割を考え、部活動に参加する時間など無い筈だ。多分、無理に時間を作って部室に来たのだろう。
「ノープログレム・・・と言いたいが。
実際言うと、結構疲れてる」
苦笑いで、疲れた表情で、草次郎は言った。
「でも、僕達三年最後のビックイベントだ。
絶対に成功させる。皆の為にも、僕の為にも」
辛くても、全力で。
草次郎の全身全霊の気持ちが伝わってくる様だ。
麻花奈に拳に力を込め、決心する。絶対に二週間以内に全校生徒を驚愕するネタをゲットすると。
でも――――その決心を揺るがせる存在は、その『影』は案外簡単に会えると。
その時、傘繭 麻花奈は知った。
ラッキーとアンラッキーは表裏一体で、ラッキーを喚べば逆にアンラッキを喚でいると。
その時、傘繭 麻花奈は知ってしまった。
そう、あの瞬間。あの時を忘れる事は人生を終える迄、不可能だ。
歪んだ理不尽は、歪んだ現実そのもの―――知れば、世界観を変える。

傘繭 麻花奈の運命が変わる迄『約二週間24分後』

その瞬間を―――その時間を少女は。

『bullrough on awside』






「むむむ、アレは・・・」
傘繭 麻花奈は無月 零を追尾していると『奴』は居た。
司波 達也『劣等生』だ。魔法科高校の革命児と称される程の『劣等生』魔法科高校に現れた希望の堕王子・・・一部の生徒に堕王子と称されている、らしい? 何故、『堕王子』なのか?
その事実を真相を麻花奈は暴こうと司波 達也を調査報告した事が有るが、彼の情報は鍵付き。
所謂『トップシークレット』って奴だ。
国家機密・・・その言葉を麻花奈を熱中させるに十分な言葉だった。
「遂に、明日だな。
『アレ』の調整・・・は?」
「問題ないよ、『アレ』の調整は終わった。
お前専用に改造するのは骨が折れたよ」
無月 零と司波 達也の会話が一部一部聴こえる。
明日―――九校戦開催日。出場用のCADを司波 達也に調整を頼んだのだろう。

『千里眼』

サイオン同数を中間に設定。
無月&達也のプシオン情報を逆算・・・『零』を計算する。
建物の壁を貫通する視力で、彼等を監視するが。
「『黒』色・・・」
奴は唐突に―――現れた。
魔法科高校の校内に安安と普通に、厳重な完備を突き抜け、『黒』色は呆然と。
無月 零の『黒』と重なる『黒』色は・・・国立魔法大学付属第一高校の制服を着ていた。
「え、って事は―――ウチの生徒なの?」
でも、無月 零以外の『黒』は校内で初めて見る。
普段の『黒』色の顔は服のフードで覆われ、顔は解らなかった。でも、その『黒』色と同一人物なら、期待を膨らませマジマジと『黒』色の顔を拝見する。
身長は175cm程度で、体型は細型。
特徴は髪の色。黒と青が混ざった様な複雑な色だ。例えると『蒼』色だ。
――――似てる、無月 零に。
その雰囲気は独特で、その瞳は『カラ』で、『その視線』は無月 零に向けられている。
「・・・・良かったな、零」
その言葉、その口調は―――重なった。
無月 零と重なったのだ。
何故、『黒』色は無月 零を監視するのか解らない。
その理由は、多分複雑で、麻花奈は理解する事すら叶わない。理解する事を放棄すれば別の方角で、見れば或いは理解する事も出来たかも知れない。そんな複雑な心理の奥深くで、麻花奈は彼等を監視するのだった。

『魔法科高校・体育館』

CADの調整を終えた生徒達は司波 達也の調整作業を見て、疑問を抱いていた。
彼の作業は正確な作業・・・その正確な作業を生徒達は理解出来た。
疑問を抱いたのは、その作業方法だ。
『マニュアル作業』手動の作業で、達也は九校戦出場メンバー担当選手のCADを調整する。その作業を初めて見る者は達也の行動に、無意味さを感じるだろう。
達也の調整は『マニュアル』
『オート』に比べれば時間も手間も掛かる。
マニュアル作業は完全に手作業で、オート作業は完全に機械任せ。
が、達也のマニュアル作業はオート作業と同等のスピードで行われている。
マニュアル作業・オート作業は、それぞれメリットとデメリットが有る。
オート作業は完全な機械任せで、スムーズに的確に機械が作業する。
逆にマニュアル作業は完全な手作業。ある程度の機械に頼るが、オート作業に比べれば全然だ。マニュアル作業のメリットは、自分好みに細かく設定する事だ。オート作業だと、限られた範囲のみの設定でマニュアル作業は設定作業に優れる。
まぁ、その分の時間は掛かるが、自分好みに調整できるメリットはデカイ。
その特徴を活かした調整で、達也はCADを隅々まで調整する。
所有者一人一人に適した調整、オート作業に匹敵する程のタイム。
マニュアル作業を侮っていた生徒達の表情は唖然・・・麻花奈も、無月 零の監視を一瞬忘れ掛けていた。
「額田先輩のCAD調整終了。
次の方、どうぞ」
医者の診察の様に、九校戦主力メンバーのCADを調整する。
複雑な調整を何度も、何度も。
流石、魔法科高校の『革命児』それぞれの特性に合わせてチューニングを施す。
得意分野を活かす、苦手な分野を得意にさせる。その応用を重ね合わせCADを達也は調整するのだ。



その『影』は現実を―――世界を―――壊す

証拠に、嘘を重ね―――嘘に真相を重ねる『影』の姿は傲慢で、偽善

『影』は光に生きる闇―――『零』は闇に生きる光

逆の立場―――少年達は互の存在を重ね合わせる事で、生きる価値を得たのだ

三人目の『無月 零』

何度も、救った―――何度も、『影』は闇を照らす光明になった

救われる筈の命を救って、救われない筈の命を救って、彼等は気付くのだ。

『等価交換』

物理の原則・物事の終着点・原典

少年は知った―――『何か』を得る為には、『何か』を犠牲にせねばならない

それ相応の対価を―――その対価に同等の、その対価と同等の、運命に抗った少年の対価

少年は差し出すのだ―――『心』を『命』を

一瞬の刹那を運命に逆らった『零』の為に、犠牲を失った―――喪失する運命を以前の無月家の人間の為に捧げるのだ









 
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