| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生と二本尻尾の猫

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八幕その七

「二人を」
「告白まで、ですね」
「導けば」
「それでいいですね」
「僕達は妖力がないから」
 先生はお静さんにこのことも言いました。
「だからね」
「姿を消したりですね」
「出来ないからね」
 それで、というのです。
「そこはお静さんのお仕事になるね」
「その通りですね」
「じゃあね」
「はい、お任せ下さい」
 お静さんは先生ににこりと笑って答えました。
「お嬢様の為ならです」
「まさにだね」
「一肌でも二肌でも」
 それこそ、というのです。
「やってみせます」
「それじゃあね」
「やってみせます、恋とはです」
 こんなことも言うお静さんでした。
「結ばれてこそです」
「いいものだっていうんだね」
「それが私の考えです」
 恋愛に対する、というのです。
「もっとも浮気はいけませんが」
「そうした恋愛はだね」
「私は駄目だと思いますが」
「今回みたいな時はだね」
「是非です」
 何としても、というのです。
「結ばれるべきですから」
「だからだね」
「私は頑張りますよ」 
 猫のお姿のまま言うのでした。
「絶対に」
「そうしてね、ただね」
「ただ?」
「僕達もね」
 先生達もというのです。
「見守るから」
「お二人と私を」
「その時はね」
「そしてね」
 ジップがお静さんに言ってきました。
「何かあれば」
「その時はなのね」
「僕達でよかったら」
「助けてくれるのね」
「そうさせてもらうよ」
 是非に、というのだ。
「僕達にしてもね」
「じゃあ頼むわね」
「うん、それじゃあね」
 こうお話してこれからのことを決めたのでした。そして。
 ここで、です、先生はお話が一段落したところで皆に言いました。
「一ついいかな」
「あっ、もうね」
「いい時間だね」
「その時間になったね」
「お茶の時間だよ」
 それになったからというのです。
「飲もうか」
「先生お茶は絶対なのね」
「うん、そうだよ」
 その通りだとです、先生も答えます。
「だから今もね」
「お茶にするのね」
「そうしよう」
 こうお静さんにも言うのでした。
「お静さんもね」
「お願いするわ、けれど」
「けれど?」
「先生レモンティーは飲まないわよね」
 お静さんがここで尋ねたのはこのことでした。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧