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ドリトル先生と二本尻尾の猫

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第八幕その八

「そうよね」
「うん、それはね」
 実際にと答える先生でした。
「飲まないよ」
「ミルクティーかストレートティーだけね」
「紅茶はね」
 他の色々なお茶を飲むにしてもです、紅茶の場合はです。
「それだけだよ」
「そうよね」
「イギリスにいるとね」
「あちらはミルクティーだから」
「そうなるんだよ」
 だからというのです。
「けれど日本はどちらも売ってるね」
「普通にね」
「アメリカだと逆になんだ」
 こちらのお国ではといいますと。
「レモンティーだけなんだ」
「そこが違うわね」
「うん、それがね」
 どうかといいますと。
「イギリスとアメリカの違いの一つなんだ」
「あちらはコーヒーも多いしね」
 王子もこう言ってきました。
「だからね」
「そうだよね、そこも違うよね」
「うん、日本はコーヒーもよく飲むけれどね」
「というか日本人はそうなのよ」
 お静さんがここで言うことはといいますと。
「何でも飲むのよ」
「日本のお茶だけじゃないからね」
「そこがまた面白いの、お茶だけじゃなくて」
 さらに言うお静さんでした。
「お酒もそうだから」
「ああ、お酒も」
「そう、日本酒だけじゃないのよ」
「ビールもワインも飲むからね、日本人は」
「ウイスキーもね。スコッチあるわよ」
「あっ、それはいいね」
 スコッチと聞いてです、先生は笑顔で応えました。
「じゃあ今度買いに行くよ」
「プレゼントするわよ」
「いや、買わせてもらうよ」
「いいの?」
「うん、そうしたことはね」
 先生はこう言うのでした。
「ちゃんとしないと、って思ってるから」
「だからなのね」
「自分でお金を払うから」
「先生はそうしたところは凄くしっかりしてるんだ」
 チーチーがお静さんに答えます。
「とてもね」
「そうみたいね」
「律儀なんだ」
 先生はです。
「凄くね」
「じゃあ贈りものをしても」
「そう、先生も贈りものをしてね」
「返すのね」
「それが先生なんだよ」
「それはいい人ね。その律儀さならね」
 それこそというのです。
「絶対にいい人が見付かるよ」
「最近そんなお話がよく出るけれど」
「どうなのかな」
 ガブガブとダブダブがお静さんに言います。
「そこはね」
「ちょっとね」
「あまりね」
「先生は」
 首を傾げさせる二匹でした。
「そいうしたことは」
「縁が」
「僕は野暮ったいしね」
 それに、と言う先生でした。 
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