リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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第百五十七話 世界一周
前書き
ダークタワー破壊ついでに世界を一周
世界中にダークタワーが出現。
同時にデジモン達が世界各地で暴れているらしく。
大輔達は頭痛による眩暈を抑えるのに精一杯であった。
大輔「一難去ってまた一難ってか?」
アリサ「ここまでとなると最早神様が私達に恨みでもあるんじゃないかと勘違いしそうになるわ」
ルカ「アリサさん、止めて下さい。これはきっと神様が僕達に与える試練なんです。そう思いましょう。というか思わせて下さい」
疲れ切ったような表情で呟くルカに全員が溜め息を吐いた。
確かにそう思いたいと全員が聖人を通り越した賢者の目をしながら呟いた。
ティアナ「それに世界各地となると流石の私達も即座には行けないわね」
段々口調が変わり始めているティアナだが、ルカは気にせず頷いた。
ルカ「確かにそうですね。世界各地となれば移動にも時間がかかります」
ノーヴェ「じゃあ、デジタルワールドから行くの?」
ギンガ「それだと時間がかかりすぎるよ」
航空機で向かわなくとも、デジタルワールドからゲートを開けばいいと考えれば楽かもしれないが、ゲートを開けるのは一つのエリアに一つだけ。
全ての地域に行くとなると、かなり時間が掛かるだろう。
しかも、そこには漏れなくダークタワーが建っている。
ゲンナイの話では、暗黒の力を持つダークタワーが長く機能すればするほど、二つの世界の位相はどんどん歪んでいってしまうらしい。
そうのんびりはしていられない。
大輔「仕方ない。キャロ、ルーテシア。ブラックインペリアルドラモンだ。」
ルーテシア「ブラックインペリアルドラモンですか?」
大輔「ああ、ブラックインペリアルドラモンとインペリアルドラモンなら世界一周くらい簡単に出来るさ」
キャロ「確かに。エア、頼んでいい?」
エア[おう、任せとけ]
シグナム「日本のダークタワーとやらは私達が破壊しておこう」
ヴィータ「私はみんなと一緒に行く。シャウトモンのデジクロスを試す時だ」
ウェンディ「じゃあ私は日本に残るッスよ。」
スカエリッティ「ならば、これを持って行くといい」
スカエリッティが渡すのは、何かのプレートのような物。
プレートは大輔達以外の生徒達やシグナム達のデジヴァイスに吸い込まれていく。
チンク「ドクター、これは一体?」
スカエリッティ「ダークアンチプログラム。簡単に言うならば短時間だけダークタワーの影響を受けなくするプログラムさ。これならダークタワーのある場所でも進化が出来る」
賢「そんな物をよくこんな短期間で、やはり天才の名は伊達ではないようですね」
ウーノ「こちらも、ハッキング等である程度の対策は立てておきます。あなた方は世界中のダークタワーを」
ドゥーエ「ノーヴェ、気をつけて行くのよ」
ノーヴェ「分かってるよ」
「先輩達、気をつけて下さいね。私達もダークタワー破壊とデジモンをデジタルワールドに戻すの頑張りますから」
大輔「ああ、サンキュー。」
見送ろうとしてくれる後輩達に笑みを浮かべる大輔達。
いい後輩を持ったと思う。
ブイモンとワームモン。
エアとグランス。
ジョグレスし、インペリアルドラモン・ドラゴンモードとブラックインペリアルドラモン・ドラゴンモードに進化すると全員を乗せた。
すずか「あれ?メール?」
光子郎『皆さん。ニュースを見ましたか?』
はやて「見たけどどないしたんや?」
光子郎『いえ、世界各地にあるとなると、一旦集まって今後の対策を考えて…』
アリシア「大丈夫。ブラックインペリアルドラモンとインペリアルドラモンなら世界一周くらい朝飯前だから。」
大輔「光子郎さん達は、ニュースでデジモン達をちゃんと送還出来たか見ていて下さい」
すずか「では失礼します」
リイン「出発です!!」
ヴィータ「よっしゃあ!!出撃だ!!」
インペリアルドラモン・ドラゴンモードとブラックインペリアルドラモン・ドラゴンモード。
2体の皇帝竜が空へと舞い上がり、凄まじいスピードで世界各地を回る。
本宮大輔
フェイト・テスタロッサ
一乗寺賢
八神はやて
高町なのは
ユーノ・スクライア
アリサ・バニングス
月村すずか
アリシア・テスタロッサ
ルカ・ハラオウン
スバル・ナカジマ
ギンガ・ナカジマ
ティアナ・ランスター
エリオ・モンディアル・本宮
キャロ・ル・ルシエ・本宮
ルーテシア・アルピーノ
伊藤一輝
秋山遼
八神リインフォース・ツヴァイ
八神ヴィータ
ノーヴェ
この21人とそのパートナーデジモンが宇宙を駆けた。
本来ならそれなりの装備でなければ行けない場所にインペリアルドラモン・ドラゴンモードとブラックインペリアルドラモン・ドラゴンモードは容易くそれを可能にしていた。
大輔達はチラリと横から見える母なる地球を見遣る。
地球は、今日も変わらず青く美しい姿を見せていた。
ここから見る限りでは、異変は見当たらないが、地上ではとんでもないことが起きている。
大輔「みんな、何とかして今日中にダークタワーを破壊するぞ。えっと21人だから3人1組で。俺はフェイトとアリサと一緒にニューヨークに行くよ。」
ルカ「それでは僕はアリシアとリインさんと共に香港に行きましょう。」
確かにフレイモンは選ばれしデジモンの中でもトップクラスの実力者だ。
実力的にまだ不安が残るアリシアとリインの場合、ルカがいた方が安心出来るだろう。
賢「じゃあ、僕はすずかとはやてと一緒にパリに行こう」
ギンガ「じゃあ、私とスバルとノーヴェはモスクワに。」
スバル「うん。モスクワの本場ピロシキやボルシチが食べたーい」
ノーヴェ「食べたいなあ、ボルシチ」
世界の危機より食い物が優先されていることにツッコミを入れるべきだろうか?
エリオ「えっと、じゃあ僕はキャロとルーテシアと一緒にメキシコに」
なのは「私はユーノ君とティアと一緒にシドニーに」
ヴィータ「じゃあ私はイギリスに遼と一輝と一緒にかよ…」
当然余ったヴィータは遼と一輝と一緒の組になる。
大輔「よし、行くぞ!!」
全員【了解!!】
インペリアルドラモン・ドラゴンモードとブラックインペリアルドラモン・ドラゴンモードが別々に別れて、仲間達をそれぞれの国に。
そして、デジタルワールドではロップモンが運命のデジメンタルでアーマー進化したラピッドモンにゲンナイとアインスが乗っていた。
ゲンナイ「すまないアインス。本当なら君もついていきたかっただろうに」
老人から若者の姿になったゲンナイがアインスに謝罪をする。
アインス「気にしないで欲しい。それで、例のポイントは?」
ゲンナイ「あれだ」
ゲンナイが指さすのは、かつてデジモンカイザーだった頃の賢がデビモンのデータを回収した場所。
あそこはダークエリアに最も近い場所だ。
アインス「あそこか、ラピッドモン。降りてくれ」
ラピッドモン[分かった。でも、あまり見てはいけないよ。心が呑まれてしまう]
ゲンナイ「そう長居はしない。よし…」
そうして何かの装置を取り出して、調べていく。
ゲンナイ「(やはりそうだ。暗黒デジモンがダークエリアから数体抜け出した。それに何だ?この違和感は?)」
身体にかつて埋め込まれた暗黒の種があった場所が微かに疼く。
その時、ラピッドモンがブースターを吹かして、渦から出た。
ラピッドモン[ラピッドファイア!!]
背部のリボルバー型ブースターと両腕の銃口からホーミングミサイルを放つが、衝撃波により全て相殺された。
アインス「誰だ!?」
ゲンナイ「お前は…ピエモン!?」
かつて太一達や大輔達に倒されたダークマスターズ最後のデジモン。
しかし大輔達はピエモンを倒してデータは回収した。
まだ不完全な状態だったが…。
ゲンナイ「(まさか…こちらのピエモンをまだ完全に倒していなかったからか?)何故、お前が此処に?確かにお前は…?」
ピエモン[ふふふ、お久しぶりですねえ、ゲンナイ。確かに私はホーリーエンジェモンの作り出したゲートの異空間に封じ込められました。辛かったですよ。何度も死を覚悟した程です。しかし天は私に味方してくれました。デーモン様のおかげで復活したのですよ!!新たなパワーも手に入れてね!!]
アインス「何だと?」
ラピッドモン[デーモンだか何だか知らないけど、お前を放っておけないことは分かる]
ピエモン[ほう?仮初めの進化のあなたが私に挑むと?あなたの挑戦を受けてやりたいのは山々ですが、私はそんな暇はないのですよ。選ばれし子供達に復讐しないといけないのでねえ!!]
ピエモンは空間転移でこの場を去った。
ゲンナイ「まさかピエモンとは…」
アインス「大丈夫だ。大輔達ならあの程度の相手に負けはしない。」
気休めではなく本心からそう思う。
最早ダークマスターズレベルでは今の大輔達には勝てない。
天と地ほどの力の差が存在するのだ。
確かに今の大輔達なら…と、ゲンナイは少しだけ安堵の表情を浮かべた。
そして日本でも、聖竜学園の選ばれし子供達と守護騎士達が協力し合い、日本のダークタワーを瞬く間に片付けていく。
それを見ていた男がいた。
「いつの間にか、日本にもこんなに選ばれし子供が現れた。酷い世の中だよなあ…何も知らない子供が簡単にデジモンと一緒にいられるなんて…聖竜学園…行きたかったなあ…」
人間とデジモンが共に学び、交流出来る学校は男にとって理想郷でもあった。
今、必死にダークタワーを破壊し、デジモン達をデジタルワールドに送還している子供達を見つめながら、呟く。
「大丈夫さ、浩樹。俺が君を連れて行く。そして君が叶えられなかったデジタルワールドに行くという夢を俺が叶える。」
今は亡き友の写真を見つめながら、男は誓うように呟くと同時にアルケニモンとマミーモンと共にこの場を去るのだった。
おまけ
ギンガ「遂に着いたねモスクワって国に」
スバル「うん!!本場ピロシキとボルシチがお腹一杯食べられるー!!」
ノーヴェ「ピロシキー!!ボルシチー!!」
アグモンX[ピロシキー!!ボルシチー!!…ピロシキとボルシチって何?]
コロモン[知らないで言ってたの?]
クロアグモン[呆れた奴だ…]
心底呆れ果てたような表情を浮かべるクロアグモンであった。
しかしクロアグモンも何だかんだで本場ピロシキとボルシチに興味があったり。
ギンガ「……ああ、もうピロシキボルシチって言うからお腹空いてきたじゃない」
コロモン[あんなに食べといてまだ食べるの?]
ギンガ達の並外れた食欲に呆れ果てるコロモンであった。
更におまけ
パリに着いた賢とはやてとすずかは、ベルサイユ宮殿に訪れていた。
恐らく此処にいるであろうデジモンを捕獲しに来たのだが、中に入ろうとした瞬間、老人が1人、顔面にケーキを付けたまま倒れていた。
ルナモン[何、この人?]
ギルモン[何かどっかで嗅いだような匂いがこのじっちゃんからすんぞ]
ワームモン[そう?]
賢「…気絶しているだけのようだね。とにかく、行ってみようか」
ベルサイユ宮殿の中に入ると、光々と電気が点けられたベルサイユ宮殿の中を、賢とはやて、すずかは走る。
やけに横幅が大きい階段を駆け上り、テレビの中でした見た事の無い磨き上げられた床を蹴る。
とある部屋の前で、賢達はこっそり部屋の中を伺った。
やっぱり無駄に広い部屋の奥、大きなテーブルの上に並べられた料理を、3匹のデジモン達が美味しそうにパクついていた。
見かけは銀色のボールで、短い手足が付いている。
迷いデジモンに相違なかった。
多分勝手に料理を拝借してきたんだろう、すっかり酔いが回った彼らは上等のワインが入ったグラスをぶつける。
ギルモン[うあ~、美味そうだなあ…]
ルナモン[ちょ、ギルモン涎垂らさないで]
はやて「はいはい、あれ片付けたらあの料理食べてもええから」
ギルモン[本当か!?よし、オラぜってえに勝つぞ!!!]
ワームモン[食い意地張ってるんだからもう…]
賢「あははは…」
すずか「仕方ないよ成長期なんだし」
賢「いや、多分それ関係ないから」
すずかの言葉に賢の静かなツッコミが炸裂したのだった。
因みに香港ではアリシアとリインが歳が(精神年齢)近いこともあり、仲を深め、シドニーではなのはとユーノが無意識にいちゃつき、ティアナにツッコミを入れられたり、遺跡に不法侵入したエアをルーテシアがシバいたり、シャウトモンがデジクロスしてX5になり、獅子奮迅の活躍をしたりとまあ、色々あったのだった。
さて、残すは大輔達のみだが…。
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