ワールド・エゴ 〜世界を創りし者〜
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world war3-『真の全能とは』-
前書き
今回かなり短め。次回からは以前の通りになります。
タツは、目の前の夜を見下ろした。
日本国の中でも特に発達している都市、東京。
その中に存在する数多の高層ビルすら追い越し、日本最大の高さを保持する建造物。東京スカイツリー。
その頂上に存在するアンテナの上に、タツは佇んでいた。
--『今宵、東京にて闇の軍勢の大襲撃が来る。現代の兵器は彼らには通じない。タツ君には彼らを守って欲しい』
それが、あの奇妙な雰囲気を纏ったアルマから送られた指令だった。
それには別の目的があるらしいが、それは勝手に達成されるから気にしないでも良いらしい。
「--『絶対無効結界』」
全てを無に帰す、全能の世界が広がる。
闇を食い潰し、あらゆる異能を無効化する、絶対の法が敷かれていく。
その結界は、やがて東京全域を覆い尽くした。
同時に、東京の空に闇が集まる。
現代の人々は恐怖するだろう。
得体の知れない非科学的な存在が、自ら達を喰らおうと降りてくるのだ。
本来なら知った事ではない。
だが、タツにはメリットがある。
ルークが気にしないでも良いと言っていたもう一つの目的。
その程度なら、タツの『全知全能』は知っていた。
「さあ、行きますよ。『__お前達は、俺に勝てない』」
上書きされた『真実』が、闇達の蹂躙の未来を決定付けた。
◇◇◇◇
シンは、その《真意》で闇を斬り伏せた。
突如アンダーワールドに出現したその《闇》としか形容出来ない理解不明なモノは、
アンダーワールドに恐怖と混乱を巻き起こした。
曰く、直接切りかかれば喰われる。
曰く、神聖術で滅ぼしても復元する。
唯一効果があると思しき《真意》は、未だ使用者は少ない。
更に、その真意使いの中でもごく少数。
--つまり、真意を完全に操れる者のみしか、奴らとは同じ土俵にすら立てないのだ。
そして、闇の数は優に1万を超える。
「クソッ、どんだけ出てくんだこいつら!」
飛びかかってくる闇を真意で斬りつける。
真意を使うというのは、ただでさえ集中力を使う。それを先程からぶっ通しで使っているのだ。シンの集中力は限界に近い。
キリトやアスナ、整合騎士団の内の真意使いも応対しているが、その戦線も崩れつつある。
臨時で協力を得たダークテリトリーの真意使いも、殆ど虫の息なのだ。
正直、人界が墜ちるまで時間の問題だ。
「ぐあっ⁉︎」
右腕に、闇が喰らい付いた。
傷口が焼け爛れ、少しずつ溶けて行く。
「この……ッ!失せろォ‼︎」
真意で闇を焼き払う。
だが、右腕の先の感覚がない。肩から右肘までは、酷い激痛に襲われている。
痛みで頭が真っ白になる。体は激しく痙攣し、真意を強めるために握っていた剣も取り落とす。
闇に囲まれたこの状況で、この被害は致命的だった。
--あっ。
シンは、自らの敗北を悟った。
恐らくここでシンが死のうが、待っているのはログアウトの未来だけだ。
残り百数十年残っているアンダーワールドでの生活からの脱出が、少し早まるだけ。
だが、その闇が放つ『死』は、どの仮想世界よりも、現実に見えた。
--死にたくないかい?
何処からか声が聞こえる。否、頭に直接声が響く。
シンは、半ば無意識に答えた。
--ああ、死にたくない。
--例え、世界を賭けた戦争に巻き込まれようとも?
--生きられるのなら、安い。
--そうか。なら、君に力を与えよう。《主》の名の下に、君を真なる『全能』とする。
--目覚め給え、『代行者』。
「……『終ワリヲ裂ク破壊ノ杖__【絶世ノ剣】」
闇が、焼き払われた。
たった一言呟いただけで、闇が根本から消え去っていく。
『純白の』炎が闇を撫で、世界を照らしていく。
それを危惧するかの様に闇が再び溢れ出し、炎を喰らおうと暴れ出す。
「失せろ……『世界ヲ照ラス大イナル星__【太陽神ノ夢想ハ虚空ヘト】』」
太陽が地上へと降臨する。
「『時スラ凍エル地底ノ罪__【氷土ノ王ハ未来ヲ拒ム】』」
冷たい、孤独な世界が、闇を包む。
「『大地ノ民ハ等シク不変__【過去ヲ繋グ始マリノ世界樹】』」
生い茂る世界の守護樹が、闇を取り込んだ。
一言一言は天変地異を起こし、不滅と思われていた闇を凄まじい頻度で潰してゆく。
それはもはや、幾ら《全能の剣士》などと呼ばれようとも、一介の人間に使える力ではない。
--それは、明らかに。
--世界を揺るがす力を持った。
--かの全能神とはまた違った、真なる『全能』の誕生だった。
その、異能の名は---
『神ヲ統ベル者』
後書き
異能、『神ヲ統ベル者』の効果。
八百万の神の力を見に宿し、使う事が出来る。余りにも格の高い神の力は使えないが、今のところ使えない神格は
《主》、タツ、ゼウス、ダーク、ルーク、天冠の六柱のみ。
神格の複合も可能で、数多の神の力を複数同時に使用も出来る。
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