とある異世界の交差物語(クロスオーバー)
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第25話 戦士たち、風と猫に契りを交わす
前書き
すみません…G・W中にSAO編を終わらせると言いながら、まだ準備の段階です(DO GE ZA)
ようやく準備の段階です。こんな駄文ですが、どうかよろしくお願いします
ユージーンがソウジに敗北した瞬間、沈黙が流れた。誰も話さない。いや、口を開けない…そんな中、沈黙を破ったのは
「見事だ!」
「凄い、ナイスファイトだよ!」
シルフとケットシー二人の領主だった。そして他のシルフとケットシーの戦士たちも歓声を上げた
--―うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉっ!!―――
驚いたことにサラマンダーの部隊からも先程の戦闘を称賛する声が上がった。
「すげぇっ!あのユージーン将軍に勝ちやがった!」
「何者だあのケットシー!?」
「あんな速い連続突き、初めて見たぜ!」
戦闘を終えたソウジが下りると仲間たちが暖かく迎えた
「やったなソウジ!」
「凄かったぜ!」
「ソウジお前、SAOの頃より強くなったんじゃねえか!?」
「そうですね。幕末の頃より強くなったのでは?」
「まあね、これが僕の実力だし、決戦後はリハビリをなんとか終わらせて、剣の稽古をしながら鍛えてたからね」
キリト、タカトラ、クライン、ヤマナミから労いの言葉を掛けられ、リズ、リーファ、シリカからも凄まじい拍手の嵐を送られた
「ソウジ!お疲れ様!」
「ありがとう。リズちゃん!」
「ソウジさん!今のって“三段突き”ですよね!?あの一瞬の内に出す突きって三段突きしか無いですよね!?」
「へぇ?よく知ってるねリーファちゃん。“アレ”、僕の得意技なんだ」
「おおおおおおっ!すごおおおおおおぉぉぉぉいっ!!!」
ソウジと話をしてハイテンションになるリーファに対して頭にクエスチョンマークを浮かべるキリト
「…?………リーファ、三段突きって?」
キリトの質問はリーファにとっては逆鱗だったのか目は鋭く、彼女の髪は怒髪天のごとくユラユラと逆立ちながらキリトに詰め寄った
「だぁ、かぁ、らぁっ!何でお兄ちゃんは知らないの!?三段突きっていったら、あの新選組一番隊組長“沖田総司”の得意技だよ!?いくら剣道やめたからってお兄ちゃん知らな過ぎ!!」
「いやいやリーファさん?それはけっこうマニアックな領域だと思いますよ?」
ああっもうっ!…と、頭をガリガリかきながら暴走するリーファに対し、キリトは落ち着くように声をかける。1分経って少し落ち着いたように見せたリーファだが、更に鋭い視線を送りログアウト後の予定をキリトに告げた
「決めた……今回のアスナさんの件が終わったら私が愛用してる本…“剣術大百科”と“幕末の剣士たち”を貸してあげる!それ読んで剣の勉強……一からやり直しなさい!!」
「え゛!?ちょ、ちょっと待てスグ…じゃないリーファ!別にそれはやらなくても「何カ文句アルノ?」……いえ、何でもありません……」
リーファの案に対して文句を言おうとするキリトだったが、彼女の眼から段々ハイライトが消え、後ろに鬼のオーラが見えたキリトは恐怖に震えてアッサリと認めた
シリカは眼を輝かせながらソウジに拍手を送った
「流石はソウジさん!“誠の剣士”は伊達じゃないですね!」
「ほめても何も出ないよ?」
シリカから気になる単語を聞いたリーファが質問した
「シリカちゃん、何?その“誠の剣士”って?」
リーファの質問に答えたのはシリカではなくリズだった
「“誠の剣士”ってのはソウジのSAOの呼び名でね。あの頃のソウジって最初は真っ白なコートを着てたけど、後になってコートの袖と後ろに黒いダンダラ模様。さらに背中に“誠”の一文字を入れる様にカスタマイズした姿で暴れたもんだからついた呼び名が…」
「“白の剣士”って最初はそう呼ばれてたんだけど……新選組みたいな格好だったからいつの間にか“誠の剣士”って呼ばれるようになったんだよね」
「なるほど~……」
ソウジとリズの説明に納得したリーファだった
「それにしてもソウジさん、最後はえらく暴れてましたけど、何があったんですか?」
「別に?大したことじゃないよ」
「ふ~ん?」
リーファの質問を軽く流すソウジだったが、内心は焦っていた。まさか自分がユージーンから“土方のファン”と勘違いされてブチ切れたなんて恥ずかしくて言えなかった
そうやって皆でソウジの勝利を喜んだあと、シルフの領主…サクヤがユージーンのリメンライトに蘇生魔法を掛けて復活させた
「まさか、ケットシーにこんな強者がいるとはな……中々侮れんな」
「僕よりもそこで無関係を装っているキリトの方がもっと強いよ?」
「おいソウジ!お前何言って…!」
「ああ言って自分がそンなに強くないように言ってるけど、アレ…相手を油断させて勝ちをつかむ為の布石を敷く作戦が得意なんだよね…彼……」
「おいぃぃぃぃぃぃ!!何俺をそんな……!」
「そうか…それは是非とも一度対戦したいものだな!」
「……勘弁してくれ……………」
ソウジの言葉に反論するキリトだったがユージーンの好戦的な目にたじろぐ。皆の興奮が冷めるタイミングを狙ったのかヤマナミがユージーンに声をかける
「さて、それでは約束は守ってくれますよね?」
「言っただろ?俺は武人だ。一度剣に誓えば、何があろうと反故する気は無い。それに、貴様のようなケットシーがいるとなれば、退く理由には十分だ」
「そりゃ、どうも」
立ち去る前にユージーンはソウジに再戦の約束を誓う
「次の機会があればまた闘おう」
「いいよ?勝つのはまた僕だけどね?」
「言ってくれる……だが次は負けん!」
そう言うとユージーンはサラマンダーの大部隊を率いて撤収した。ようやく場が落ち着いたところで領主のサクヤが状況の説明を求めて入って来た。
「すまんが……状況を説明してもらえると助かる」
「えっと…それじゃ、話すけど……」
リーファがここまでに至った経緯を話すとサクヤはケットシーの領主…アリシャに“月光鏡”という魔法を使ってもらい、シルフ領に居るシグルドをシルフ領から追放した。
その後はアリシャがソウジにひどく興味を持ってイロイロ質問してきた
「それにしても君……凄く強いね。でも私、君みたいな人、初めて見るんだけどな~。初心者にしては戦い慣れてるし……でもそれだけの実力なら、私の耳にはさんでもいいぐらいなのにな~…」
アリシャの質問にソウジはニコニコしているだけだが同じケットシーのシリカはどこか落ち着きがなく、冷や汗を流していた
「まぁ、別に隠しても仕方ないから話すけど、僕はSAO生還者の元・攻略組のメンバーの一人……それだけだよ?」
『っ!!??』
「SAO生還者だと!?」
「しかも攻略組!?」
ソウジの発言にサクヤとアリシャだけではなく、ALOプレイヤー達全員が驚きを隠せずにいた。ソウジの言葉に溜め息を漏らしたヤマナミは仲間たちに視線を合わせると意思が通じたのかヤマナミは話せる所は話すことにした
「ソウジ君が話してしまったのでお伝えしますが、私以外のメンバーは彼が言ったように皆SAO生還者です。だからこそ、ソウジ君はあのユージーン将軍に勝つことが出来たのです」
ヤマナミの説明になんとなく察しがついたのかアリシャがある確認を取った
「という事は、キミ達がスプリガンとウンディーネの同盟の使者という話は……」
すると今度はキリトが胸を張って答えた
「もちろん大嘘だ、ブラフ、ハッタリ、ネゴシエーション!」
「まぁ、あれぐらいのハッタリを言わなければ、サラマンダーも納得してはくれないでしょうからね…」
「成程な…それで?アンタ達の目的は?ただの人助けとして此処に来たとは思えないんだが?」
サクヤの質問にここから本題としてキリトが前に出た。自分たちの目的を伝えるために
「俺たちの目的は一刻も早く、世界樹に行くことなんだ」
「世界樹?」
「そりゃあ、世界樹攻略はALOプレイヤー全員の目標だけど…その様子じゃ、ただのゲーム攻略ってわけじゃ、なさそうだね?理由を聞いてもいいかな?」
「………探してる人がいるんだ。この前見つけた手がかりでは、世界樹の頂上に彼女が居るかもしれない……ただそれだけの手がかりの為に俺はこのALOに来たんだ」
キリトがALOに来た理由を言うと、リーファが口を開いた
「ねぇ、サクヤ、アリシャさん、今回の同盟って世界樹攻略のためなんでしょ?」
「まぁ、究極的にはな…」
「その攻略……あたし達も参加させて欲しいの。それも出来るだけ早く!」
「それは構わない。というより……こちらから頼みたいぐらいだ。だが…」
「攻略メンバー全員の装備を整えるのに暫くかかると思うんだヨ。とても一日二日じゃ……」
サクヤとアリシャはまだ準備の段階であるため、すぐには行けないと言うが…
「いや、いいさ。取りあえず樹の根元まで行くのが目的だし……あとはなんとかするよ」
そう言うとキリトは何か思い出したのか全財産が入った革袋を取り出した。
「これ。攻略資金の足しに使ってくれ」
それを受け取ったサクヤ達はその金額に驚きを隠せなかった
「え!?こ、こんな大金を!?」
「ああ、俺にはもう必要ないからな」
豪快に言い切るキリトだが、リーファがある確認を取る
「でもお兄ちゃん、この後アルンの宿でみんなログアウトする予定だけど、宿代ちゃんと残してるよね?」
「…………」
沈黙するキリトだったがそれはつまり…
「まさか、残してないんですか?」
「…………」
レコンの質問に黙るキリト
「図星かよ…」
「キリの字…」
タカトラとクラインからは呆れの視線を向けられ…
「キリトさん…」
「カッコ付けるのも良いけど、もう少し後先考えなさいよ」
「それは無理じゃないかな?リズちゃん……」
「え?なんで?」
「だってキリトだから」
「「「「「……あ~~~~……納得……!」」」」」
「ヲイ!皆なんでそこで納得するんだよ!?」
「「「「「「だってキリトだから」」」」」」
「……みんな、俺のことが嫌いか?」
「「「「「「弄るの楽しいから好きだぞ(ですよ)?」」」」」」
「……ちくしょう………」
「なるほど…確かに彼にはそんな傾向がありますね。一緒に行動してなんとなく察しはついていましたが…」
「あはは……」
「…………(泣)」
ソウジの断言に納得するリーファとSAO組。会って間もないが、キリトの性格をだいたい把握したヤマナミと責められるキリトをフォロー出来ず、苦笑を浮かべるレコン。そんな面子に反論が出来ずにorzのポーズで目から静かに光るものを落とすキリト…何とも言えない空気がしばらく続いた
先程のキリトの姿を見なかったことにしたのか、サクヤとアリシャは未だ項垂れているキリトを視界から外してリーファに約束した
「コレだけあれば、かなり目標金額に近づくよ」
「すぐに装備を整えて準備が出来次第、連絡させてもらうよ」
「その時はよろしく!」
そう言ってシルフとケットシーが自分たちの領地に戻ろうとしたところで
「ちょっと待って」
ソウジがストップをかけた
「装備を整えるなら彼女を連れて行った方がいいよ」
そう言ってリズを前に出した
「この子は見ての通りレプラコーンでね…鍛冶スキルも中々なものだし、此処にいるメンバー全員分の装備を作らせれば、かなりの戦力になると思うよ?」
「そうか、しかし、そうは言っても、私達は彼女の鍛冶スキルを知らない。できれば、彼女の作ったものを見せて貰えるか?」
「だったら、この刀をどうぞ♪」
そう言ってソウジは自分の腰に差してた刀を渡す。
「え~と…………うわ!この刀凄い!古代武装級の性能だヨ!」
「こ、これは凄い……」
「どうかな?」
「是非ともお願いしたい!」
「だってさ?」
そう言ったソウジはリズを見る。
「…………分かった。貴女達さえよければ、防具と武器、作らせてもらうわ」
「ありがとト!」
「すまないな。頼んだよ」
そして、サクヤとアリシャの合図で全員が帰る準備に入った。
「何から何まで世話になったな。君たちの希望に極力添えるように努力することを約束するよ」
「アリガト!また会おうネ!」
「アンタ達、気を付けなさいよ!それと、ソウジ、死んだりしないようにね!」
そう言ってサクヤとアリシャ、リズ、シルフとケットシーの部隊はそれぞれの領地に向かった
「行ったな」
「ああ」
「ソウジ、良かったのか?」
「何が?」
「愛しのリズと離ればなれでよ~」
「別に?僕としてはリズちゃんの方が大丈夫かなって心配なんだよね~。あの子、僕と離れて再会した時はスッゴイ涙目で迫ってきてね?あれは可愛かったな~~」
「お前……まさかそうなることを見通してリズを行かせたのか?」
「そうだけど?」
「「「…………(やっぱりコイツはドSだ…)」」」
ソウジのSな発言にキリトとタカトラ、クラインは戦慄を覚え、心の中でSだと呟くが、それに気付かれたのか
「なぁに?その顔……斬っちゃおかな~…」
「「「うお!逃げろ!」」」
「あはははは!待ちなよ~!」
ニッコリと黒いオーラを滲み出すソウジに恐怖したキリトたちが逃げ出すが、その後を刀を抜いたソウジが追いかける。
「そんなに動かないでよ~~動くと綺麗に斬れないよ?」
―――ブォンッ!ブォンッ!!―――
「うぉっ!?お前いい加減にしろ!それ死ぬから!冗談抜きで死ぬから!!」
「おぉいソウジ!オレ達これからアルンに行くんだから、もうヤメロ!!」
「え~なに~~?聞こえないな~~」
「ギャアアアアアアアアッ!!」
ホンワカとした口調と裏腹に恐ろしい速度で刀を振るソウジとそれを必死に避けるキリトとタカトラ、クラインの3人。それに苦笑しながら見守るリーファとシリカとレコン。それとは反対にニコニコと面白いモノを見るような視線を送るヤマナミ。そしていつの間にかヤマナミの頭の上でそれを見守るキリトの娘のユイは天然なのか…
「パパたち、ソウジさんと鬼ごっこをして、すっごく楽しそうです!」
「ユイちゃん!?」
……と、何をどう見たらそう判断できるのか分らないが、キリト達が鬼ごっこをして遊んでいるように見えるらしい。そんなユイにどう判断するべきか悩むリーファ。何故なら…
「リーファちゃ~ん。もしユイちゃんに変なことを言ったら………」
―――殺すよ?―――
などと、ソウジから物騒なアイコンタクト送られたリーファは即座に敬礼のポーズで返事をし、何も見ていない選択をした
「サーッ!イエッサーッッ!!」
後書き
こんだけ時間がかかってもまだこの段階です。次はあのグランドクエストに入って、あの下種と決着をつけます
それまでどうかお待ちください
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